無機化学I

無機化学
H26 年度講義ノート 3 章 二又 政之
P. 105 3 章 単純な固体の構造
金属、イオン固体(イオン性結晶)など:原子分子(原子数個)固体(原子 1024 個)
・固体中での原子やイオンの作る構造とその理由:原子核と電子、原子核同士の相互作用
・金属結合(ほぼ自由な電子モデルと仮想巨大分子モデル=箱の中に閉じ込められた電子、最密充填)とイオン結
合(イオン性結晶内のイオン間の静電的相互作用が最大)。
金属の延性:特に高温で引っ張ったら延びる(金・銀・銅・白金)。展性:たたくと拡がる(金箔、可塑性)
・固体の構造と反応:エネルギー論、熱的安定性と溶解度
・固体物質の電子構造:分子軌道法の拡張
P. 106-108
固体の構造の記述
なぜ金属やイオン固体が固有の構造を持つか?
3.1 単位格子と結晶構造の記述
(a)格子と単位格子
要点:単位格子は結晶の基本単位で、これを x, y, z 方向に積み上げていけば(並進操作で)結晶ができる。最も対
称性がよく、最小になるように選ぶ。格子定数:a, b, c(格子定数)と(角度)で区別(表 3.1)
・単純格子:単位格子に格子点1個のみ(隣の格子と共有されるので、1/8x8=1)、体心格子:角+格子の中心(1
+1=2)、面心格子:角+面の中央(1+1/2x6=4)
・単位格子:金属の六方および立方最密充填。その他の体心、面心、単純格子。正負イオンのサイズと構造。
・格子エンタルピー(格子エネルギー)とボルン-ハーバーサイクル:ボルン・マイヤー式、マーデルング定数、溶解
度
(b)原子の分率座標と投影図
要点:分率座標(単位格子の格子定数に対する割合として原子位置を表わしたもの。(x,y,z)(xa,yb,zc))。投影
図:1 つの軸に垂直な面に投影したもので、同時に高さ(その軸方向)を表示する。
例題 3.1 省略
問題 3.1 省略
P.109-112
3.2 球の最密充填
要点:方向性を持つ共有結合がないとき球状剛体(パチンコ玉)を空間的にびっしりつめたような最密充填する(エ
ネルギー的に安定であるため)。最密充填には六方(ABAB…: hcp)と立方(ABCABC…: ccp)がある。(図 3.10)
12 配位。エネルギー類似(多形)
例題 3.2
六方最密充填構造の占められていない体積
六角形の底面積:(2r+4r)x3r=63r2,高さ:(4/3)6r(1辺 2r の正四面体高さ2)なので、体積=242r3
この六角柱内に、球が 1/6x6x2+1/2x2+3=6 個ある(V0=4r3/3x6=8r3)。
従って、占有されていない体積の割合は、(242r3-8r3)/242r3=0.2590.26
問題 3.2
1/88=1, (4r3/3)/8r3=/6=0.523=0.52
S=63r2
2r
(4/3)6r
2r
(2/3)6r
3-1
類似最密充填構造:C60(フラーレン)、希ガス、ナノ粒子(PS, シリカ)
➠金属は剛体球として、大雑把には最密充填するものとして扱える。
(元素ごとのエネルギーや電気陽性などの違いは、hcp, ccp の違いや温度による多形として現われる)
原子核の位置と自由電子、電子相関などにより元素ごとに計算される。
P.112-14
3.3 最密充填構造の間隙(hole: 穴) イオン固体でも重要
要点:最密充填時の球・八面体・四面体間隙数の比=1:1:2(図.3.15-3.16)
・hcp では、八面体間隙は、図 3.16(b)から 1 単位格子あたり 2 個、球の数は 1/66+1=2、正四面体間隙は、図
3.18b から 1/34+1/64+2=4/3+2/3+2=4 (120 度の角のところは 3 個の格子で共有、60 度は 6 個なので)
・ccp では、八面体間隙は図 3.16c から 1/412+1=4,球の数は 1/88+1/26=4,四面体間隙数は、図 3.17c より
8 個。A-B-C のうち A-B,B-C が四面体間隙のとき、C-A は八面体間隙。B-C、C-A が四面体のとき A-B が八面体。
C-A、A-B が四面体のとき B-C が八面体間隙(補足 21)。
例題 3.3 (2r)2=2×(r+rh)2, rh=(2-1)r, rh=0.414r(最大値)
問題 3.3
図 3.17 の正四面体中の小さい直角三角形について
2r
r+rh
r+rh
(r+rh)2={(2/3)6r-(r+rh)}2+(3r×2/3)2
(2/3)6r
を計算して、rh=(3-6)r/6=0.2247r0.225r
体対角線
4r=3a
3r×2/3
P.115
a (格子長)
2a(底面の対角線)
金属と合金の構造
3.4 ポリタイプ(多型):2 次元は同じで 3 次元で異なる
要点:最密充填構造体間の相転移
3.5 最密充填でない構造
体対角線方向の原子間のみ接触
要点:体心立方(配位数 8)=空隙 32%(26%最密充填)。すべてのアルカリ金属と 5,6 属金属
例題 3.4 右上図より、a=4r/3 (>2r), V(格子)=(4r/3)3、 球の体積(z=1/8x8+1=2)=2x(4r3/3), 2x
(4r3/3)/(4r/3)3=0.68
問題 3.4 右図から、より小さな間隔を満たすような rh を求める。2(r+rh)= 2a なので、
2{r+rh}42r/3=46r/3,  rh=(26r/3-1)r=0.633r
ゆがんだ八面体隙間
単純立方:格子点原子は接触。ポロニウム()のみ。固体の-Hg も似ている。
a (格子定数)
空隙体積分率=5/6
3.6 金属の多形(polymorphism)
要点:一般に、金属は低温での最密充填から高温で体心立方(bcc)に、熱運動(原子の動き)のために変わる。
3.7 金属の原子半径
要点:最密充填(12 配位)のときの金属半径で比較する(配位数:際近接原子数とともに半径は増大)。
3.8 合金
2 種類(図 3.24)
・置換型:格子点が異種金属原子で置換されたもの
・侵入型:格子内(格子点間)に別の原子が侵入したもの。ランダムまたは複合格子。WC: hcc の四面体間隙第 1
層に W,第 2 層に C。水素吸蔵合金(チタン、マンガンなどの合金ベース型、希土類+ニッケルコバルト型)
3-2
(a)置換型:原子半径が 15%以内で一致、結晶構造が同じ、電気的陽性が同じ。Cu と Ni、Cu と Zn(黄銅、真ちゅ
う。Cu:Zn=60:40)
固溶体:異なる物質が互いに溶け合った状態。合金以外にもケイ酸塩(P. 521 ゼオライト=アルミノケイ酸塩。AlO2
と SiO2 が混じり合う)、ハロゲン化アルカリ(NaCl-KCl-NaBr)、分子性有機物等。
P.120-121
(b)非金属元素との侵入型固溶体:小さい原子が付加される。Fe, Ni, Cu(遷移金属半径 150-300 pm)への B, C,
N(半径 74-88 pm)。金属の最密充填構造の間隙(少し広げる場合が多い)に小さい非金属原子が入る。
炭素鋼:鉄+炭素で硬い(・もろい)(刃金+軟鉄で刃物)、
合金鋼:鉄+炭素+金属
・ステンレスでは Cr(10%)+他金属: 耐食性。stainless steel(さびにくい鋼):オーステナイトは高温(>723℃)での
み安定な耐食性の高い相で(マンガン、ニッケルを加えると低温でも安定)、低温ではフェライト相(-Fe(bcc)+炭
素(<0.1%)、フェライト系ステンレス:Cr(10%)+Mo, Al, W)は耐食性・強磁性、マルテンサイト系ステンレス:
Cr(11.5-18%)+C(1-2%) 正方晶、形状記憶合金の一種)
P.122
(c)金属間化合物
要点:合金の構造が、構成する金属と異なるとき、金属間化合物
例:CuZn(黄銅、Zn>20%のもの。真ちゅう:5 円玉)は、Cu(ccp、面心立方)であり、Zn<35%では面心立方(-黄
銅:置換型固溶体)、Zn=45%で体心立方(-黄銅:金属間化合物)
ジントル相(発見したドイツ人の名前):電気的な陽性が異なる(>1)金属間化合物で、イオン性を含む(イオン結
晶と金属結晶の中間)。アルカリ金属、アルカリ土金属と第 13 属、15 属の組み合わせ。NaTl:Na+Tl-で Tl-は C と
同じ電子配置でダイヤモンド型(Na+はその空隙に)、CaGa2:Ca2+Ga22-で Ga-が C と同じグラファイト型(Ca2+はそ
の層間に)、NaPb:Na+Pb-で Pb は孤立四面体。イオン結合と共有結合の混ざったような構造
例題 3.5 Cu と Zn が体心立方格子の体心と頂点に無秩序に配列
問題 3.5 Cu は単純立方格子(格子定数 a)、Zn も単純立方格子(格子定数 a)、それらがそれぞれ体心と頂点を
別々に占めている(cf. CsCl)。
2r++2r-
8 配位 r+/r-=0.732
1 (2r-)
Zn
P.123-132
イオン固体
Cu
2
要点: イオンも方向性の無い(p 軌道のように特定の方向に向いていない、イオン間をつなぐ方向に働く)クーロン
力で相互作用。アニオンの剛体球の最密充填が構造の基本。
3.9 イオン固体の特徴的構造:融点が高く(NaCl 860℃)、極性溶媒(水など)によく溶ける。(例外:CaF2 高融点固
体(フッ化物イオンが小さく水和が弱い), NH4NO3 170℃で融解、水にはたくさん溶ける(200g/100g 水)
・大きなアニオンが ccp か hcp に並び、その八面体間隙か四面体間隙に小さいカチオンが入ったもの(格子を広げ、
最密ではなくなる)。イオン半径比(r+/r-)との関係(ポーリングの規則):3 配位>0.16, 4 配位(四面体間隙)>0.23
(P.113 問題), 6 配位(八面体間隙)>0.41, 8 配位(塩化セシウム型)>0.732(P.113 例題)
(a) 二元系 AXn(組成式、その他の示性式、構造式、化学式(分子式)との区別)
単位格子中のイオンの数え方:P.126 の規則。隣接格子で共有分を分数で表し、足し合わせる(必ず整数)。
(ア)立方晶をベースにするもの
塩化ナトリウム(NaCl)型(カチオン 6 配位なので 0.73>r+/r->0.414):Cl-の ccp の八面体間隙すべてに Na+(逆に
Na+:赤球の fcc の八面体間隙に Cl-(緑球) 図 3.28), NaCl (r+/r-=102/167=0.61), KBr (138/196=0.70), RbI
3-3
(149/206=0.72), AgCl (115/167=0.69), AgBr (115/196=0.58), MgO (72/140=0.51), CaO (100/140=0.71),
TiO (86/140=0.61)
・各イオンの配位数 6 なので、(6,6)配位という(カチオン、アニオンの配位数)。
・複雑な化合物:[Co(NH3)6][TlCl6]や非対称化合物:CaC2, CsO2, KCN, FeS2 もこの構造。
塩化セシウム(CsCl)型(カチオン 8 配位なので r+/r->0.73):最密充填でない。アニオンが立方体頂点を、カチオンが
体心を占める。CsCl(167/167=1), CsBr(167/196=0.85), CsI(167/206=0.81)等に限られる。(8,8)配位。NH4Cl,
AlFe, CuZn(図 3.30)
蛍石(CaF2)型(カチオン 8 配位なので r+/r->0.73):Ca2+(イオン半径 112 pm)の ccp を広げて、すべての四面体間
隙に小さな F-(131 pm)を入れた構造(図 3.33, 半径比=0.85)。逆蛍石 Li2O(76/140=0.54)。組成が 1:2
(P.112 末尾参照)。
閃亜鉛(ZnS)鉱型(カチオン 4 配位なので 0.414> r+/r->0.225):アニオンの ccp を広げて、四面体間隙の半分にカ
チオンを置いたもの。(4,4)配位(図 3.32, 半径比 59/184=0.32)。CuCl(60/181=0.33), CdS(78/184=0.42)
(イ)六方晶をベースにするもの
ウルツ鉱(ZnS)型(同 0.414> r+/r->0.225):ZnS の多形(図 3.34)。アニオンの hcp を広げた配列で、四面体間隙の
一方をカチオンが占める。(4,4)配位。ZnO(59/138=0.42), AgI(100/206=0.48), SiC の多形の一つ。
ヒ化ニッケル(NiAs)型(6 配位+ゆがみ):(図 3.35)アニオンの広がってゆがんだ hcp の八面滞間隙に Ni(半径比
69/222=0.35)。NiS(69/184=0.38), FeS(61/184=0.33)。
ルチル(TiO2)型(カチオン 6 配位なので 0.73>r+/r->0.414):アニオンの hcp の八面体間隙の 1/2 をカチオンが占
有(6,3)配位。(図 3.37, 半径比 61/136=0.44)。
P.130
(b)三元系 AaBbXn
要点:化学量論的化合物 ABO3 はペロブスカイト型、AB2O4 はスピネル型
ペロブスカイト(灰チタン石):CaTiO3(ABX3)は、12 個の X アニオンで囲まれた A カチオン(ccp:同じ面内に 6 個、
上下に正三角形 2 個)と 6 個の X アニオンで囲まれた B カチオン(八面体)を持つ立方体(図 3.38、手前右の頂点
B から、体対角線を引いて反対側の B を見ると金属の ccp)。格子内に A1 個、B1/88=1 個、X1/412=3 個。A
カチオンは電荷が低く(2 価)大きなイオン(r>110 pm, Ba2+, La3+など)で、B カチオンは電荷が高く小さいカチオン
(r<100 pm, Ti4+, Nb5+, Fe3+)。
0.73<rA+/rX-, 0.414<rB+/rX-<0.73
例題 3.7 省略
問題 3.7 Ti2+は六配位、O2-は 3 配位(図 3.37 より)。
頂点の原子の配位数は、隣の格子を書いて見るとわ
かりやすい。
A
B
O
P.132
ペロブスカイト構造
スピネル構造
スピネル:AB2O4。O2-の ccp 配置で、A カチオンが四面体間隙の 1/2、B カチオンが八面体間隙の 1/2 を占める。
3-4
0.225<rA+/rO2-<0.414, 0.414<rB-/rO2-<0.73
ZnFe2O4:化学量論的 3 元系酸化物、Fe3O4(Fe(II)Fe2(III)O4), Co3O4, Mn3O4:二元系 d ブロック酸化物。
逆スピネル構造:B[AB]O4 で多いほうのカチオンが「四面体間隙と八面体間隙の両方を占めている。
例題 3.8:Ti4+, Zn2+, In3+, Pb2+
rTi3+/rO2-=67/140=0.49, rTi4+/rO2-=60.5/140=0.43, rZn2+/rO2-=60(4 配位)/140=0.43, 75(6 配位)/140=0.54,
rIn3+/rO2-=80/140=0.57, rPb2+/rO2-= 118(6 配位)/140=0.84, 149(12 配位)/140=1.06
ペロブスカイト(A2+, 3+>110 pm, B3+,4+<100 pm):ZnTiO3 は Zn が小さすぎる。PbTiO3。In3+, Zn2+,は小さすぎる。
スピネル():TiZn2O4, ZnIn2O4, Pb2+が大きすぎるので、PbTi2O4, PbIn2O4 はスピネル構造をとらない。
問題 3.8:rLa3+=105(6 配位), 116(8 配位)、rLa3+/rO2-=105/140=0.75(6 配位)、116/140=0.83(8 配位)なので
LaTiO3, LaInO3 がペロブスカイト型結晶を作る。
P.133-136
3.10 構造の理論的説明
イオン結晶モデルの仮定
(1)イオンは電荷を帯びた剛体球、(2)イオンの周りには反対符号のイオンが取り巻く。反対符号すべてのイオンと
接触する時に安定。(3)配位数は可能な限り大きなものを取る。(4)配位イオン間静電斥力が最小になるように配
位する。
(a)イオン半径
要点:周期表の下ほど大きく(外側軌道)、右ほど小さい(有効核電荷)。配位数とともに増え(図 3.41)、電荷ととも
に減少(有効核電荷増大)。
(b)イオンの半径比:すでに 3.9 で示したとおり、カチオンとアニオンが有効に接触し、アニオン同士の静電反発を抑
えるため(例題 3.3、問題 3.3、問題 3.4 参照。カチオンがどういう間隙に入っているかで決まる)。
例題 3.9 TlCl(塩化タリウムTh:トリウム)。rTl+=164 pm, rCl-=167 pm から r+/r-=0.98>0.73 なので塩化セシウ
ム型。
問題 3.9 r(U4+)=114 pm, UO2, r+/r-=114/140=0.81: AB2 型なので、CaF2(蛍石型)構造
(c)構造マップ:電気陰性度の差が大きいほど(イオン性が大きいほど)4 配位よりは 6 配位、主量子数の平均値が
大きいほど(大きなイオンなので分極が大きいほど)6 配位になりやすい。
イオン半径比での構造予測は、アルカリハライドなどのイオン性の高い固体でよく成立するが、多価イオンの固
体等では分極・共有結合性増加のために外れることも多い(P.141 ボルン・マイヤー式の適用限界)。このことを表
したのが構造マップ(図 3.43)
例題 3.10 MgS:=1.3-2.6=1.3, n(av.)=3 なので 6 配位。
問題 3.10 RbCl:=0.82-3.16=2.32, n(av.)=4 なので 6 配位(NaCl 型構造)。
P.137
イオン結合のエネルギー論:ギブスの自由エネルギーがより負な構造が安定に存在する。
格子エンタルピーはきわめて大きいので、エントロピー項は無視してよい。
P.138-140
3.11 格子エンタルピーとボルン・ハーバー(B-H)サイクル
・格子エンタルピー:固体が解離して、気体のイオンになる反応の標準モルエンタルピー変化
・ボルン・ハーバーサイクル:反応エンタルピーの総和は経路によらず不変なので(ヘスの法則)、途中の過程のエ
3-5
ンタルピーは、構成する反応(過程)の複合による計算で求められる。これを利用して、直接測定不能な格子エンタ
ルピーを求める(測定値の組み合わせで求められるので、これも測定値とみなされる)。
・標準生成エンタルピーfH⊖:標準状態(25℃,1 気圧)の成分元素(単体)から、化合物が生成する反応のエンタル
ピー(格子エンタルピーと混同しないように。成分の単体が標準状態で、固体、液体、気体化により反応式そのもの
が異なる)。 M(s) + X(s)  MS(s), M(s) + 1/2 X2(g)  MX(s)
例題 3.11
KCl(s)  K(s) + 1/2Cl2 (g)
..….(1):-1{標準生成エンタルピー}、-1(-438)=438
図 3.44 標準生成エンタルピーは、化合物が、常温常圧で安定な単体から生成されるときの反応熱なので、右辺は
この式となる。
K(s)  K(g)
.….(2):昇華エンタルピー、+89
+
-
K(g)  K (g) + e (g)
…..(3):イオン化エネルギー、+425
1/2Cl2 (g)  Cl (g)
……(4):解離エネルギー、+244/2=+122
-
-
e (g) + Cl (g)  Cl (g)
……(5):-1{電子親和力}、-355
K+(g) + Cl -(g)  KCl (s)
…….(6):-1{格子エンタルピー}
(1)+(2)+(3)+(4)+(5)+(6)=0 なので、
KCl の格子エンタルピー=-1(6)=(1)+(2)+(3)+(4)+(5)=438+89+425+122-355=719 kJmol-1
問題 3.11
MgBr2(s)  Mg(s) + Br2(l)
Mg(s)
….. (1):-1{標準生成エンタルピー}, +524
 Mg(g)
……(2):昇華エンタルピー、+148
Br2(l)  Br2(g)
…….(3):蒸発、+31
2+
Mg(g)  Mg (g)
…….(4):イオン化、+2187
Br2(g)  2Br(g)
……..(5):解離、+193
-
2Br(g)  2Br (g)
……..(6):電子付加、-3312=-662
Mg2+(g) +2Br-(g)  MgBr2(s)
………(7):-1{格子エンタルピー}
従って、MgBr2 の格子エンタルピー=-1(7)=524+148+31+2187+193-662=+2421 kJmol-1
P.141
3.12 格子エンタルピー(計算値):イオン固体におけるイオン間のクーロン引力・反発力を、構造(配列・距離)に基
づいたボルン・マイヤー(B-M)式(カチオン-アニオン間距離、構造ごとに異なるマーデルング定数使用)で、計算で
きる。 剛体近似なので共有結合性や分極の大きなイオンからなる固体では、測定値からずれる。
N A z A z B e2 
d 
L H 
1   M A
4 0 d 0  d 0 
(3.2)
発展学習 3.1 にあるように、この式は結晶を構成するイオン間のクーロン力と反発力を足し合わせたものである。
すなわちすべてのイオンについて、他のイオンとのクーロン力の和は
V
NA
e2  z A z X n i


2 4 0 
di
N A z A z B e2


M A さらにイオン間の反発力を入れたものが、3.2 式となる。
=

40 d 0

マーデルング定数は、イオンの配列すなわち結晶構造に依存。特に最近接イオンの数・電荷が大きな寄与を与え
る(表 3.8:配位数が多いほど、また格子が小さいほど大きい。CsCl:(8,8)配位、CaF2(8,4)配位、NaCl(6,6)、
TiO2(6,3)、ZnS(4,4)。
3-6
例題 3.12: NaCl の格子エンタルピーは、3.2 式で NA=6.02x1023、ZNa+=+1、ZCl-=-1、e=1.60210-19(C)、
d=+34.5、d0=rNa++rCl-=283、0=8.85410-12 (J-1C2m-1)から、7.53x105 Jmol-1=753 kJmol-1
問題 3.12:CsCl の格子エンタルピーは、例題と同じように、
6.02  1023 mol1   1  1  (1.602  1019 ) 2


 34.5 
 1 
 MA 
  1.763
12 1 2
1
10
356 
4  (8.854  10 J C m )  (3.56  10 m) 

 6.21  105 Jmol1  621 kJmol1
N z z e2 
d
 L H  A A B 1 
4 0 d 0  d 0
P.142
zA zB
L H 
なので、イオンの電荷が大きいほど、またイオン間距離が小さいほど、(クーロン引力が大きいの
d0
で)格子エンタルピーが大きい。より安定
結晶構造とマーデルング定数:イオンの配位数(そのイオンを取り巻く対イオンの数)が増えると、マーデルング定
数は増えるが(教科書参照)、格子定数も変わるので、一概に配位数が増えるほど格子エンタルピーが大きいとは
言えない。例:fcc と bcc での格子定数 a とカチオン半径 r+及びアニオン半径 r-の関係(最密充填と仮定する)は、fcc
で r++r-=a/2, bcc で r++r-=3a’/2
(b)格子エンタルピーへの他の寄与
イオン間や分子間のファンデルワールス相互作用:非結合分子間、またはイオン間に働く弱い力(分子間力)で、
双極子や 4 重極子により生じるポテンシャル。分極(:分子の変形しやすさ)が大きい下の方のイオンは、イオン電
荷のほかに双極子(電荷の偏り)を生じる。結晶中の双極子の相互作用が、イオン同士の相互作用に加わる。
P.143-144
3.13 格子エンタルピーの実測値と理論値の比較:B-H 式による結果(実測値にもとづく正しい値)と B-M 式(イオン
モデル)の差は、イオン間相互作用よりも共有結合が寄与する系=分極率が大きい(電荷が小さく、半径が大きい
イオンは、電子雲を変形し、共有結合性, P. 44)、または電気陰性度の差が小さい(<2)=では大きい。LiX,
AgX で、F に比べて I では、より大きなずれ(Hexp - HB-M)
例題 3.13 ArCl
B-H サイクルで考える。
ArCl(s)  Ar(g) + 1/2Cl2 (g)
Ar(g)
+
 Ar (g) + e(g)
1/2Cl2(g)
 Cl(g)
-
Cl(g) + e  Cl (g)
Ar+(g) + Cl-(g)  ArCl(s)
…(1): -1x{ArCl 生成エンタルピー}
….(2) :イオン化、+1520
….(3):解離、+122
….(4):電子付加、-355
.....(5):-1{格子エンタルピー}、-745
ArCl 生成エンタルピー=(2)+(3)+(4)+(5)=+1520+122-355-745=+542 Jmol-1»0(大きな吸熱)
問題 3.13 CsCl2
B-M 式より、
6.02  1023 mol1   2  1  (1.602  1019 ) 2


 34.5 
 1 
 MA 
  2.519
12 1 2
1
10
356 
4  (8.854  10 J C m )  (3.56  10 m) 

 1.77  106 Jmol1  1770 kJmol1
N z z e2 
d
 L H  A A B 1 
4 0 d 0  d 0
3-7
B-H サイクルでは、
CsCl2  Cs(s) + Cl2(g)
…..(1): -1{CsCl2 生成エンタルピー}
Cs(s)  Cs(g)
…..(2): 昇華、+76.6 kJmol-1
(‘Web Physical Chemistry’http://phys-chem.net/modules/elements/potassium/td_change_of_state.html)
その他、化学便覧(丸善)、理化学辞典(岩波)なども「用語・概念」「単位」「物理・化学量」等。
Cs(g)  Cs+(g)  Cs2+(g)
…..(3): 第 1、第 2 イオン化(P.36 表 1.6)、+375+2420=+2795 kJmol-1
Cl2(g)  2Cl(g)
……(4): 解離(例題 3.11)、+244 kJmol-1
2Cl(g)  2Cl-(g)
……..(5): 電子付加(同上)、-3552= -710 kJmol-1
Cs2+(g) + 2Cl-(g)  CsCl2(s)
…….(6): -1{格子エンタルピー}(B-M 式から)=-1770 kJmol-1
CsCl2 の生成エンタルピー(-1x(1))= (2)+(3)+(4)+(5)+(6) = +76.6+2795+244-710-1770 = +636 kJmol-1
従って、Cs2Cl は、Cs, Cl2 から生成するために大きな熱を必要(»0)とするので、安定に存在しないと考えられる。
P.145
3.14 カプスティンスキー式:マーデルング定数 MA は、イオンの配列と数(配位数)によって決まっているので、MA/n、
MA /nd0(マーデルング定数/化学式中のイオンの数、or イオン間距離)は、多くの構造でほぼ一定
NaCl 型を仮定している。
 M+X-のような単純(球対称)なイオンではなく、M+NO3-とか M2+SO42-のように複雑な(非対称)イオンについて
格子エンタルピーを表式できる。
n zA zB 
d 
1   
d0  d0 
ボルン・マイヤー式(3.2)との比較から
L H 
23
19
1
M A N A  e 2 1.748  6.02  10 mol   1.602  10 C 




n
40
2
4   8.854  1012 J C 2 m 1 
2
(3.4 式)
 1.213  105 kJ pm mol1 (p.146)
(  の中に、MA /n 以外の NAe2/40 を含ませて、表示を簡略にしている)
逆に格子エンタルピーの測定値に一致するように、d0:熱化学半径(の和、イオンごとの半径も)を決めている。
例題 3.14 KNO3 の格子エンタルピー、3.4 式に n=2, zA=+1, zB=-1, d0=138 (pm, P. 34 表 1.5) + 189 (pm, P.
145 表 3.10)=327 (pm)を代入して、
L H 
n zA zB 
d 
2 1
 34.5 
5
1
1
 1 
1    
  1.21  10 kJ pm mol  662 kJ mol
d0  d0 
327 (pm) 
327 
問題 3.14
CaSO4(ヒ化ニッケル構造:Ca2+は六配位)の格子エンタルピー、3.4 式に n=2, zA=+2, zB= -2, d0=100 (pm, 表
1.5) + 230 (pm, 表 3.10)=330 (pm)を代入して、
L H 
n zA zB 
d 
24
 34.5 
1
1
5
 1 
1    
  1.21  10 kJ pm mol  2627 kJ mol
d0  d0 
330 (pm) 
330 
3-8
カプスティンスキー式についての補足
・複雑なイオン(e.g. X=SO42-, Cl4-, OH-, PO43-)に形式的半径(熱化
M2+(g)+O2-(g)+CO2(g)
学半径)を与え、格子エンタルピーLH を計算する:➀MaX イオン固体
decompH
の実測LH に一致するように X の熱化学半径を決める。➁別の MbX
のLH を計算で求められる。➂カチオン:NH4+, N(CH3)4+, NO+, NO2+
M2+(g) +CO32-(g)
等への拡張も可能
LH1
rH
MCO3(s) 
P.146-148
LH2
MO(s) + CO2(g)
3.15 格子エンタルピーから導かれる結果
(a)イオン固体の熱的安定性
MCO3(s)  MO(s) + CO2(g)
…..(1)分解エンタルピー
MO(s)  M(s) + 1/2O2(g)
M(s)
+
……(2) -1{生成エンタルピー}
2+
 M(g)  M (g)  M (g)
1/2O2 (g)  O (g) O2-(g)
2-
CO2(g) + O (g) 
CO32-(g)
M2+(g) + CO32-(g)  MCO3(s)
……(3)昇華+第 1、第 2 イオン化
……..(4)1/2{解離}+電子付加
…….(5) -1{CO32-の分解}
…….(6)-1{格子エンタルピー}
(1)+(2)+(3)+(4)+(5)+(6)=0
だから、分解エンタルピー=-{(2)+(3)+(4)+(5)+(6)}={MO 生成}-{M 昇華+第 1、第 2 イオン化}-{酸素解離+第
1,2 電子付加}+{CO32-分解}+{MCO3 格子}={CO32-分解}+{MCO3 格子}-{MO 格子}。{CO32-分解}は大きな吸
熱(»0)なので、{MCO3 格子}-{MO 格子}<0 なら、より低温で起こる。
r(O2-)=140 pm≪r(CO32-)=200 pm (P. 145)なので、小さいカチオンがより大きなLH(MO)
カチオンが大、or 電荷が小
 格子エンタルピーが既知として、分解エンタルピー={CO32-分解}+{MCO3 格子}-{MO 格子}で考えてよい。
表 3.11:decomp は、G0=H0-TS0=0 となる温度 T(H0 やS0 は温度依存性を無視できる)
例題 3.15 Li2O(=Li+と O2-)と Na2O2(Na+と O22-)の安定性
M2O2  M2O(s) + 1/2O2(g)の反応エンタルピー=LH(M2O2)-LH(M2O)+decompH(O22-)
r(Li+)<r(Na+)なので、M2O2 よりも M2O のとき、より安定(Li2O の方が Na2O2 よりも安定)。
おそらく O22-O2-+1/2O2 は吸熱過程(>0)で、-LH(M2O)が M2O2 の分解反応を決める。
問題 3.15 MSO4(s)  MO(s) + SO3(g)の分解反応エンタルピーH=decompH(SO42-)+LH(MSO4)-LH(MO)
は炭酸塩の場合と全く同じ理由で、周期表の上の方が大きなLH(MO)のため、分解H が小さく、より低い温度
で分解する。
dec1H(ICl4-)
LH1
P.149 MICl4(s)
Ha

M+(g)+ICl4-(g)

M+(g) + I-(g) +2Cl2(g)
MI(s) + 2Cl2(g)LH2
MI(s) + 2Cl2(g) ⇋ MICl4(s)  MCl(s) + ICl(g) + Cl2(g)
MICl4(s)  MI(s) + 2Cl2(g)の反応エンタルピー=dec1H(ICl4-)+LH(MICl4)-LH(MI)………………..(1)
MICl4(s)  MCl(s) + ICl(g) + Cl2(g)の反応エンタルピー=dec2H(ICl4-)+LH(MICl4)-LH(MCl)……..(2)
ただし、dec1H(ICl4-): ICl4- (g)  I-(g) + 2Cl2(g)
3-9
dec2H(ICl4-): ICl4- (g)  Cl-(g) + ICl(g) + Cl2(g)
(1)-(2) = {dec1H(ICl4-)-dec2H(ICl4-)}+{LH(MCl)-LH(MI)}で、{dec1H(ICl4-)-dec2H(ICl4-)}は、M によらないの
で、MICl4 の安定性は、{LH(MCl)-LH(MI)}が小さい(0)大きなカチオンほど高い。
(b)酸化状態の安定性
MX(s) + 1/2X2(g)  MX2(s)は X=F のときに最も進みやすい
反 応 エ ン タ ル ピ ー H = +2ionH(M2+/M+)+{1/2disH(X2) +
eaH(X-/X)}LH(MX)-LH(MX2)}
・ ハ ロ ゲ ン 化 物 イ オ ン に 依 存 す る 項 の う ち ➀ {1/2disH(X2) +
eaH(X-/X)}(<0)は、フッ素よりも塩素の方が発熱が小さい
M+(g) +X-(g) + 1/2X2(g)
disH+eaH+2IH
2+
M (g)+2X (g)
LH(MX2)
LH(MX)
H
MX(s) + 1/2X2(g)  MX2(s)
1/2X2 結合エンタルピー(化学便覧, P. 59 表 2.5):F2=77.5 kJmol-1, Cl2=120, Br2=95, I2=75
-1電子親和力(P. 40 表 1.7):F=-328 kJmol-1,Cl=-349,Br=-325,I=-295 なので、{F}:-250,{Cl}:-230,
{Br}:-230, {I}:-220
・➁LH(MX)-LH(MX2)}の差(<0:発熱性)も、大きなイオンほど発熱が小さい
H<0 であり、➀➁とも負で、ハロゲン化物イオンが大きいほど、よりゼロに近い。
 MX2 への発熱が減り、MX の安定性が増大する。
P.150-151
(c)溶解度
LH(MX)
M+(g) + X-(g)
MX(s)

hydH(M+, X-)
+
大瀧“溶液化学”
(裳華房)より
-
M (aq) + X (aq)
溶解エンタルピー変化(disH)=格子エンタルピー変化(LH(MX))+水和エンタ
ルピー変化(hydH(M+, X-))
・エントロピーS:結晶の規則正しいイオン位置に比べ溶液中では高い自由度(補足 9, 表 10.116)。金属ハロゲ
ン化物ではLH がずっと大きい(図 3.46)。
・
格子エンタルピー:イオンの中心間距離に反比例(3.2 式, 1/(rM++rX-))
・
水和エンタルピー:M+、X-のそれぞれのイオン半径に反比例, 1/rM+1/rX
イオンの大きさが異なると水和が大きな発熱(<0)になり、disH がそれで決まる。(P. 30 補足 9, 表 A)
P.152
例題 3.16 炭酸塩:CO32-(熱化学半径 185 pm)のイオン半径が大きいため、2価のカチオンで、最も大きい、Ra2+
が最も溶解度が低い
問題 3.16 ClO4-のイオン半径(同上 236 pm)が大きいので、より小さな Na+の方が水に溶けやすい(溶解エンタル
ピーが大きい)
固体の電子構造
3.16 無機固体の電気伝導率:
要点:金属(半導体)は、温度とともに電導度が低下(増加)する。
3.17 原子軌道の重なりから生じるバンド構造:tight-binding 近似(固体を無限に大きな分子として扱う)
(a)軌道の重なりによるバンド形成
10個の1次元配列原子のs軌道の場合
エネルギー
エネルギー
3-10
要点: 固体の原子軌道の重ねあわせでバンド(分子全体に広がったエネルギー差が無視できるくらい小さい軌道
の集まり)
例題 3.17 Ti の dxy 同士、dyz 同士、dzx 同士は重なり合って、バンドを形成する。
問題 3.17 dx2-y2 同士(P. 23 図 1.17 および下図参照)と、dz2 同士(同)
Y
Z
X
dx2-y2
dz2
(b)フェルミ準位(T=0K での最高被占軌道):パウリの排他則、フントの規則(構成原理)に従い、電子が最低エネル
ギーから順に占有したとき、最高のエネルギー準位のこと
・金属は、バンドの途中までしか電子が詰まっていないため、自由にあるいは簡単に動き回れる(電気伝導)。温
度上昇に伴い、原子核が熱運動(格子振動)すると、電子の散乱が増加(電気抵抗が温度とともに上昇)
(c)状態密度(エネルギー準位数/エネルギー幅)とバンドギャップの大きな絶縁体
エネルギー
p バンド
バンドギャップ
(Eg, 表 3.12)
s バンド
状態密度
3.18 半導体
(a)真性半導体(バンドギャップを超えた熱励起: Eg<kT): =0exp(-Eg/2kT)
(b)不純物半導体(不純物原子(:1 個/母体原子 109 個)を添加して、バンドギャップに新バンドキャリヤ増加)
・n 型半導体(As を Si に添加し、電子過剰ドナーバンド熱励起)、ZnO, Fe3O4(酸素欠損)
・p 型(GaSi で電子不足アクセプターバンド熱励起, 図 3.60b)、Cu2O, FeO, FeS, CuI(部分的高酸化状態)
最初から高酸化状態 Fe2O3, MnO2, CuO では、部分的に還元されるので電子過剰n 型
例題 3.18 WⅥO3: WⅣO2 に容易に還元され、酸素不足なので n 型(図 3.61b)。MgⅡO は Mg が 2 価以外を取ら
ないので絶縁体。CdⅡO:ZnO, CdS などと同じⅡ-Ⅵ半導体。
問題 3.18 V2O5: 高純度のものは絶縁体。一般には O 欠損(電子不足)になり n 型半導体(図 3.61b)。CoO:
Co1-xO(x<0.12)の金属欠損を持つので、p 型半導体(図 3.61c)
**************************
連絡事項
(3)宿題レポート:3 章の章末の練習問題(P. 161-163)+演習問題(P. 163-165):
7/18(金)までに提出。
演習問題は、できる範囲でやればよい。
手書きで、答だけでなく、なぜそういう結果になるかを説明すること。用紙自由。
3-11