CHEMOTHERAPY Cefuroximeの 基礎 的臨床的検討 中 川 圭 一 ・鈴

VOL.
27
CHEMOTHERAPY
S-2
Cefuroximeの
357
基礎 的臨 床 的 検 討
中 川 圭 一 ・鈴 木 達 夫 ・小 山
東京共済病院内科
横
新 し いCephalosporin系
優 ・本 島 新 司
沢
光
博
東京共済病院検査科
抗 生 剤 で あ るCefuroximeに
つ い て 基 礎 的臨 床 的 検 討 を 行 な っ た。
臨 床 分 離 の 各 種 グ ラ ム 陰 性 桿 菌 に 対 す るCefuroximeの
した と こ ろEcoliで
は.Cefazolinよ
れ て い た 。P.vulgarisに
が ≧100μg/mlで
対 し て はCefoxitinが
あ っ た が,他
抗 菌 力 をCefoxitin,Cefazolinと
り す ぐ れ,且cloacaeに
比較
対 して はCefuroximeが
最 もす ぐ
最 も す ぐれ,CefuroximeとCefazolinは
のProteussp.に
ほ とん ど
対 し て はCefuroxime,CefoxitinがCefazolin
に 比 ベ 若 千 強 い 抗 菌 力 を 示 した 。 ま たCitrobacterに
対 し て はCefuroximeが
他 の2剤
よ り若 干
強 い 抗 菌 力 を 示 した 。
外 胆 道 痕 造 設 患 者2例
は140μg/ml,2時
にCefuroxime
1,500mg点
間 点 滴 例 で は48μg/mlと
滴 注 入 した 際 の 血 清 中 濃 度 は1時
中 濃 度 の ピ ー ク値 は 各22.0μg/ml,23.4μg/mlで
で 投 与 後6時
間 ま で に95.2%,2時
あ っ た 。 そ の と き の 尿 中 回 収 率 は1時
間 例 で は 投 与 後12時
2例 の 患 者 にCefuroxime750mgを8時
は 点 滴 終 了 時 と静 注30分
た 。 第2例
も29μg/mlを
本 剤 を 呼 吸 器 感 染 症8例,胆
路 感 染 症2例,敗
果 判 定 不 能 の1例
血 症 ・亜 急 性 細 菌 性 心 内 膜 炎 各
を 除 き,15例
の 本 剤 の 治 療 成 績 は 有 効 以 上13
の す ぐれ た 成 績 を 得 た 。 投 与 量 は1,500mg1日3回
レ ル ギ ー 熱 各1例,好
英 国 のGlaxo社
しいCephalosporin系
間後 に お い て
投与 が 多か っ
症 例 が 多か った た め で あ る。
副 作 用 は 発 疹,ア
Cefuroximeは
で
間 後 に は 測定 不 能 で あ っ
は 点 滴 時 の ピ ー クは115μg/mlで8時
道 感 染 症4例,尿
に 使 用 した 結 果,効
や 有 効 お よ び 無 効 各1例
た の は,重
あ った 。
連 続 静 注 ま た は 点 滴 静 注 し た 。 第1例
後 の 血 清 中 濃 度 が い ず れ も 約30μg/mlで,8時
caseで
た胆汁
間点滴例
示 し、 蓄 積 作 用 が 認 め ら れ た 。
1例 の 計16例
例,や
間 ま で に76-9%で
間 ご とに3回
のSepsis+DICのsevere
間点滴例で
お の お の 点 滴 終 了 時 に ピ ー ク 値 を 示 し,ま
酸 球 増 多2例,GPTの
軽 度 上 昇2例
研究 所 で開 発 され た 新
抗 生 剤 で下 記 の よ うな 構 造 式 を
有す る。
I.抗
で あ った 。
菌
力
臨 床 材 料 か ら 分 離 し た 各 種 グ ラ ム 陰 性 桿 菌(以 下GNR
と 略 記)に
つ きCefuroxime(CXM)に
対 す る感 受性 を
Cefazolin(CEZ),Cefoxitin(CFX)の
た 。MICの
そ れ と比 較 検 討 し
測 定 方 法 は 日本 化 学 療 法 学 会 標 準 法 に 従 い
平 板 希 釈 法 で 行 な っ た 。 培 地 はHeart
(栄 研),接
Over
night
(1)測
本剤は β-lactamaseに 安 定 で あ るた め,従 来 のPenicillin系お よびCephalosporin系
抗生剤に耐性の細 菌
種 法 はTypingapParatを
cultureの
用 い,接
agar
種菌量は
原液 を用 い た 。
定成績
Ecoli25株
に 対 す るCxMのMICは,Fig11,2に
示 す よ う に3.13μg/mlに
に対しても抗 菌 力 を示 し,筋 注 ・静 注 に よ り高 い血 中濃
CFXと
度がえられ,毒 性 の きわ め て低 い物 質 で あ り,各 種 細菌
mlの
も の が7株
感染症に対 しす ぐれ た治 療 効 果 が 期 待 され る。 われ われ
ち3株
はCXMのMICは
は本剤につ き若 干 の基 礎 的 研 究 を 行 な う と と もに,各 種
infusion
山 が あ り,CEZよ
りす ぐれ,
同 程 度 で あ っ た 。 ま た,CEZのMICが
Klebsiella
あ っ た が,Fig.2に
細菌感染症に 使 用 した ので そ れ らの 成 績 に つ い て報 告す
はFig3,4に
る。
に 山 が あ り,CFXと
示 す よ うに こ の う
≦12.5μg/m1で
pnemoniae25株
≧50μg/
あ った 。
に 対 す るCXMのMIC
示 す よ うに3.13∼25μg/m1で3.13μg/ml
ほ ぼ 同 程 度 で あ る が,Fig4に
示す
CHEMOTHERAPY
358
Fig. 1
Sensitivity
distribution
of clinical
isolates
JULY
Fig. 3
Sensitivity
Klebsiella
E. coli: 25 strains
Undiluted
Fig. 2
Correlogram
between
CXM
and CEZ
Fig. 4
E. coli (25 strains)
Undiluted
よ うにCEZのMICが
distribution
≧50μg/m1を
of clinical
pneumaniae
Undiluted
Correlogram
between
1979
Sisolates
25 strains
CXM
and CEZ
Klebsiella pneumoniae (25 strains)
Undiluted
示 す ものが8株 あ
Fig. 5
Sensitivity
distribution
of clinical
isolates
るが,こ れ らに対 す るCXMのMICは313∼25μg/m1
で あ り,CXMはCEZよ
Enterobacter
に 示 す よ うに3剤
株 が24株
あ る が,こ
≦50μg/mlの
れ,CXMが3剤
Serratia
に 対 す るMICはFig,5,6
とも耐 性 株 が 多 い が,CEZで
が>400μg/mlの
Fig.7,8に
25株
cloacae
CXMのMICは
E. cloacae 25 strains
Undiluted
りす ぐれ た抗 菌 力 を 示 した。
はMIC
れ らに対 す る
もの が10株
もみ とめ ら
の うち最 もす ぐれ た 感受 性 を 示 した。
25株 に 対 す るCXMのMICは
marcescens
示 す よ うに,す
べ て が>100μg/m1で
感受
性 は きわ め て 低か った 。
Proteus
Fig9に
mirabilis
示 す よ うに
25 株 に 対 す るCXMのMICは
≦1.56μg/m1でCFX,CEZよ
りす
ぐれ た 抗 菌 力 を 示 し た 。
Proteus
Fig.10に
Proteus
vulzaris
25 株 のCXMに
示 す よ う にCEZと
morganii
に 示 す よ うにCFXに
対 す る 感受性は
同 程 度 でCFXよ
のCXMに
次 ぎCEZよ
り劣 っ た 。
対 す る感 受 性 はFig11
りは す ぐれ て い た。.
Proteus
rettgeri
に 示 す よ うにCFXと
Proteus
Fig13に
inconstans
のCXMに
対 す る感 受性 はFig.12
同程 度 でCEZよ
りす ぐれ ていた。
B のCXMに
対 す る 感受性 は
示 す よ うにCFXよ
り若 干劣 るがCEZよ
りは
CHEMOTHERAPY
VOL.27
S-6
Fig.
orrelbgram
between
E. cloacae(25
CXM
and CEZ
Fig. 9
Sensitivity
distribution
Serratia
marcescens
Undiluted
distribution
Proteus
strains)
Fig. 10
Fig.7
Sensitivity
of clinical
Sensitivity
isolates
Proteus
Correlogram
Serratia
of clinical
vulgaris
Undiluted
isolates
25 strains
25 strains
between
marcescens
Undiluted
isolates
mirabilis 25 strains
Undiluted
distribution
Fig. 1.1 Sensitivity
Fig. 8
of clinical
CXM
and CEZ
distribution
Proteus
(25 strains)
CFX,CEZよ
morganii
Undiluted
of clinical
20 strains
りは や や す ぐれ て いた 。
II.吸
収 お よび 排 泄
体 液 内濃 度測 定 法 はPaperdisc法
subtilis
isolates
ATCC6633,培
で,検
地 は Antibiotic
定 菌 はB.
medium
(Difco)を 用 い た 。 血 清 中 濃 度 測定 に はMoni-trol
釈 の標 準 曲線 を 。 胆汁,尿
るか に す ぐれ て い た 。
CitrobacterfreundiiのCXMに
14に 示 す よ うにMICは
対 す る 感 受 性 はFig,
す べ て ≧25μg/mlで
あ っ た が,
(pH6.5)希
I
I希
中濃 度 測 定 に は1/15M,PBS
釈 の標 準 曲 線 を用 いた 。
1.CXM1,500mg点
滴 静 注 後 の 血清 中濃 度,胆
汁
CHEMOTHERAPY
360
Fig.12
Sensitivity
distribution
Proteus
Fig. 13
Sensitivity
rettgeri
Undiluted
isolates
Fig. 14
Sensitivity
9 strains
distribution
Proteus
of clinical
JULY
inconstans
Undiluted
distribution
of clinical
1979
isolates
Citrobacter freunclii 8 'trains
Undiluted
of clinical
isolates
胆 の う内 に チ ュー ブ を挿 入 し,胆 汁 を排 泄せ しめていた
患 者 で,本 試 験 施行 時 に は 黄 疸 は な く,肝 機能 はほぼ正
B 7 strains
常 の状 態 で あ った 。 結 果 は,Table1,Fig15に
うに,血 清 中 濃 度 はA(74歳,3)の
m1で,胆
汁 中濃 度 のpeakは2a4μg/ml,B(71歳,♀)
の場 合 は,血 清 中濃 度 のpeakは140μg/mlで,胆
濃 度 のpeakは22.0μg/mlで
CEZ1,000mg,D.I.時
Table2に
あ った 。 な おBに おいて
あ った。
は0.2%で
2例 の外 胆道 痩 患者 に 本 剤1,500mgを
後D.
点滴 静 注(以
Table
Serum
1
Biliary
concentration
また,こ の際 測 定 したCXMの
Biliary
concentration
Biliary
excretion
時 間 まで に76.9%,Bが6時
と も閉 塞性 黄 疸 の た め直 接
excretion
(ƒÊa/ml)
(ƒÊg/ml)
of
CXM
in
patient
間 まで の胆 汁中回収率
あ った の で.CXMはCEZよ
り胆 汁排泄 はす
ぐれ て い る。
I.と 略 記)し た際 の血 清 中 濃度,胆 汁 中 濃 度 お よび
尿 中排 泄 率 を 測 定 した 。2例
間 に5.2μg/mlを
間 まで の胆 汁 中 回収 率は約004
同一 患 者 に お け るCXMの6時
中 濃 度 お よび尿 中 排 泄 率
汁中
の 胆 汁 中 濃 度 を 測定 したが,
示 す よ うに 注 射 後3∼4時
示 した のが 最 高 で,6時
%で
示す よ
場 合はpeakが48μg/
with
external
drainage
尿 中 回収 率 はAが12
間 ま で に95.2%で
after
cholecystectomy
あっ
VOL.27
CHEMOTHERAPY
S-6
Table 2
Biliary
Serum
excretion
level
of CEZ in patient
after
drip
infusion
with
361
external
drainage
after
cholecystectomy
of CEZ
Biliary excretion
Fig. 15 Serum and biliary
concentrations
CXM in patient
A and B
of
Fig.
16
Serum
I. V.
level
after
administration
every
of
8 hours
CXM
(Y.
multiple
Y., •Š,
71
y.)
B
A
Fig. 17 Serum level after every hours multiple
I. V. administration
of CXM (T. F., 3, 38
Y.)
た。
2.連 投 時 の血 清 中濃 度
2例 の患者 に おい て750mg8時
間 ご とに静 注(以 下
I.V.と 略記)あ るい はD. I.し た 際 の 血 清 中濃 度 を測 定
した。
第1例 はCXM
1,500mg8時
間,次 いで750mg8時
間 ご と に1日3回3日
間 ご と に1日3回
投 与 した が,
750mgと してか ら3日 目に血 清 中濃 度 を 測 定 した。D .r
D.I.,I.V.の 順 序 で投 与 した 際 の血 清 中濃 度 は
,Fig16
に示す よ うにD. I.前6.oμg/ml,D.
L終 了 時 は そ れ ぞ
れ48μg/m1,115μg/m1,8時
間 に お い て も29μg/mlと
投与量に比べ きわ め て 高 い血 清 中 濃 度 を 示 し,蓄 積 作用
て重 篤 な 状 態 で あ った た め 腎 機 能 低下 を きた して い た も
の と思 わ れ る。
もみ とめ られた 。
第2例 は,750mg1日3回I.V.で
血清中濃度 を測 定 した 。Fig17に
III.臨
投 与 し,13日
示 す よ うにIV,
IVの 順に投 与 した 際 の 血 清 中濃 度 はI . V.後30分
nL後2時
目に
DI,
路 感 染 症2例,敗
と,
の計16例
間(終 了時)に お い て い ず れ も約30μg/ml
を示 し,蓄 積 作用 は み とめ られ な か っ た。
隊 上,同 量投 与 した2例 の 血 清 中濃 度 にか な りの差 異
がみとめ られ た こ とは ,前 者 がDICを
起 こ し,き わ め
床
成
本 剤 投 与 例 は呼 吸 器 感 染 症8例,胆
血 症1例,亜
績
道 感 染 症4例,尿
急 性細 菌 性 心 内膜 炎1例
で あ る。 症 例 の一 覧 表 はTable3に
示 す とお
りで あ る。各 症例 に つ い て の 経 過,効 果 判 定,副 作 用 に
つ い て 述 べ る。
症 例157歳,♀,気
管支炎
強 皮 症 十血 小板 減 少 症 に 合 併 した 気管 支炎 で,右 上 下
362
CHEMOTHERAPY
JULY
1979
CHEMOT
S-6
VOL.27
葉間 に蓄 水 を み と め,CXM
後750mg1日3回
750mg
1日2回3日,そ
に 増 した と こ ろ 投 与8日目
増多の改 善,咳 嗽,喀
HERAPY
の
に 白血 球
痰 の減 少が み とめ られ たの で臨 床
細菌学 的 に は 喀 痰 中 か らProteus
sp.お
与 後 もProteus
よ びStaph.
sp.は
持 続 した
750mg静
注 後30分
熱を伴
に して 胸 部に斑 点 状
の発疹 が 出現 し た。Prednisoloneを
併 用 し 翌 日CXMを
再び投 与 した と こ ろ 発 疹 増 強 した の で 中 止壷 た 。 中 止 後
4∼5日
炎
投 与 後 解 熱,白
血 球 増 多,赤
が,CXM投
与14日
沈 値,胸
部 レ
目に 突 然 心 不 全 で 死 亡 し た 。 な お,
Enterobacterが
た が,投 与 後Ps.aeruginosaは
検 出 され
消 失 した が,Entero-
bacterは 消 失 し な か っ た 。 な お,投
した が,Creatinineは
与 中BUNが
上昇
正 常範 囲で あ った の で 本 剤 に よ
る影響 で は な い と思 わ れ る。
症例462歳,〓,肺
炎
病当 初 の
胸 部 レ線 像 に比 べ 入 院 時 の そ れ は か な り悪 化 し て お り,
左上 肺野 と右 下 肺 野 の 重 症 肺 炎 で あ っ た 。CXM
mg1日3回
静 注7日
線所見 も不 変,白
間 投 与 した が,解
熱 せ ず,胸
部レ
を併用 し,改 善 に む か っ た 。 臨 床 的 に は 無 効 と し た 。 喀
痰中細 菌 は 入 院 当 初 に お い て はKlebsiellaで
あ っ た が,
菌 交 代 した 。
症 例585歳,〓,肺
療 中Enterobacter
症 例885歳,〓,肺
第8病
炎
日に 入 院,右
肺全 野 に わた る肺 炎 で翼症 で あ っ
1日1,500mg3回
併 用,11日
にPrednisolone
間 投 与 で 胸 部 レ線 像,臨
Strept.pneumoniaeが
症 例937歳,〓,亜
第18病
急 性 細菌 性心 内膜 炎
日 に 入 院,そ
し た が 解 熱 せ ず,入
の 間 高 熱 が 持 続 し,CEXを
液 培 養 は 陰 性 で あ っ た 。CXM1日1,500mg3回
間 で 一 応 投 与 を 中 止 し た 。 投 与 終 了 後2日
enzaeが
検 出 され た 。
症 例1071歳,〓,敗
血 症,胆
炎
近 医 に お い てLCMの
内 服,注
せず 発病 約1ケ
回4日 間,5日
射 を うけ て い た が 改 善
目 か ら1日2回
1日750mg3
の 投 与 を 行 な っ た と こ ろ,
7日 間 で 胸 部 レ線 像 で 陰 影 消 失,解
熱,白
血 球 数 の正 常
道 癌,
前 に 胆 道 癌 を 保 存 的 手 術 し,外
道 瘻 が 造 設 し て あ る 患 者 で あ る。 今 回 は 高 熱,嘔
入 院 。CET1日4gにPrednisolone
20mgを
5日 間 投 与 し た が 解 熱 せ ず,白
併 用し
血 球23,100,血
液培 養
間投 与
目か ら 解 熱 し た。4日
と した と こ ろ 再 発 熱
と な ら ず,DICを
合併
1日1,500mg3回,3日
し た と こ ろ 投 与2日
胆
気て
検 出 さ れ た 。 胆 道 感 染 症 か らSepsisを
目 か ら1日
再 び1,500mg3回
に
血 球 数 は26,000以
下
合 併 し心不 全 で死 亡 した。 血液 培 養は
1回 陽 性 で あ っ た だ け で,そ
一 応Sepsisに
で は,E.coli,
月 後 に 入 院 し た 。CXM
道 感 染 症,胆
肺炎
今 回 の 発 病1年3月
CXMは
症 例667歳,〓,肺
目に
心不 全 で突 然死 亡 した。
し た と こ ろ 再 び 解 熱 し た が,白
改善 した の で 著 効 と し た 。 喀 痰 中 か ら はH.parainflu-
で3
血球 増 多 も改善 したの で本 剤 を有 効 と認
れた の で,CXM1日1.593回7日
覚 症 状 も著 し く
投与
院 後 上 記 診 断 が 確 実 と な っ た が,血
750mg3回
胸 部 レ線 像 の 陰 影 は ほ とん ど消 失 し,自
よび
の後 の検 索 が行
な わ れ な か っ た の で 細 菌 学 的 効 果 は 判 定 で き な か っ た。
10日 間使 用 し た と こ ろ 胸 部 レ線 像 で 悪 化 の 像 が み とめ ら
間投 与 した ところ
有効 とみ とめ
検 出 さ れ た が,そ
し た も の と し てCXM
気 管 支拡 張 症 に 合 併 し た 肺 炎 で,SCE-963を1日29
30
床症 状 の著 明
た 。 喀 痰 中 か ら は 治 療 当 初H.parainfluenzaeお
でE.coliが
炎
cloacae
に交代 した。
1,500
血 球 増 多 も改 善 し な か っ た の で,GM
後Enterobacterに
有 効 とみ とめ た。 喀痰 中 細 菌 は 治 療 当初
め,8日
月 を 経 過 し,発
血 球 増 多 も正 常 化
改 善 の契 機 を つ くっ た と 考え る
floraで あ っ た が,治
日 目に 解 熱,白
基礎疾 患 は な い が 発 病 約1ケ
沈,CRP,白
後 再 燃 な く,胸
改 善 が み ら れ た 。 本 例 に 対 し て もCXMは
線 像の改 善 が み とめ られ た の で 臨 床 的 に は 有 効 で あ っ た
喀痰培 養 でPs.aentginosa,
覚 的 に も改 善,
で 中 止 し た が,以
部 レ 線 像 も漸 次 改 簿,赤
mgを
糖尿 病,心 不 全 に 合 併 した 肺 炎 で,CXM1回1,500
mg1日3回
併 用 し た と こ ろ 劇 的 に 解 熱,自
Prednisoloneは10日
normal
1
間 投 与 し た が 無 効 。Predni-
た の で,CXM
に し て 発疹 は ほ とん ど消 褪 し た。
症例376歳,〓,肺
日1,500mg3回,4日
が,CXMも
次感 染
肺 結核 の二 次 感 染 で 白 血 球 数 増 多(9,900),発
ったが,CXM
炎
肺 気 腫 が あ る う え に 肺 炎 を 合 併 し た 症 例 で,CXM
した 。Prednisoloneは
ので細菌 学 的 に は 無 効 で あ っ た。
症 例264歳,〓,二
症 例752歳,〓,肺
soloneを
的には やや有 効 と み とめ た。
aureusが 検 出 され,投
363
Enterobacter
に 喀 痰 か ら もEnterobacter
出 され た 。CXM投
の 後 は 陰 性 で あ っ た の で,
は 有効 と した。 本例 の胆 汁培 養
cloacaeが
cloacae,
検 出 され,同
Enterecocciが
時
検
与 開 始 時 に 胸 部 レ線 像 で 左 下 肺 野 に
陰 影 あ り肺 炎 を 併 発 し て い た 。 本 例 の 胆 道 感 染 症 に 対 し
て は 効 果 判 定 不 能,肺
炎 に は 無 効 で あ っ た が,本
Pneumoniaは
fluenzaeが
る もので あ った。 本 例の 胆道 感 染症 お よび肺 炎 は症 例検
検出 され た。
い わ ゆ るTerminal
pneumoniaに
例の
化 を きた した の で 著 効 と した 。 喀 痰 中 か ら はH.parain-
属す
364
CHEMOTHERAPY
JULY
1979
CHEMOTHERAPY
VoL.27S-6
GPTの
討か らは除 外 し た。
症例1129歳,♀,胆
の う 炎,胆
目 に 解 熱,7日
後 に は右 季 肋 部 症 状 も消
目
石症
CXMの
投 与7日
目に は 自 他 覚 的 所 見 が
ったが,こ
の う炎,胆
石症
剤1日750mg3回
投 与 後 翌 日 解 熱,
局所所 見 お よび 白 血 球 増 多 も7日
後 に は 消 失 した の で著
効 とした。
左値 異
軽 度 上 昇 が2例 あ
V.考
CXMは
按
β-lactamaseに
対 し抵 抗 性 の 強 い 新 しいCe-
抗 生 剤 で,従 来 のCephalosporinに
比ペ
グ ラム陰 性 桿菌 に 対 し す ぐれ た 抗 菌 力を 示 し,CET,
CER,CEZの
耐 性 株に 対 して もCXMが
有 効 な こ とが 報
告 さて い る1)∼3)。
わ れわ れ の実 験 成 績 で もE.coli,Klebsiella,Entero-
症 例1438歳,♂,胆
第7病
常 と しては 好 酸 球 増 多 が2例,GPTの
phalosporin系
胆汁培 養 で 起 炎 菌 ら し き も の を 検 出 で き な か っ た 中 等
症 の胆 の う炎 で,本
影 智 とは 考 え られ ない 。 した が って,検
与 後 に お い て も正常 化 し なか
れ ら の 所 見 は 原 疾 患 に よ る も の と思 わ れ る。
症例1370歳,↑,胆
お い て 投 与後 上 昇 してい るがCreati-
不 変 で あ り,投 与 前 か ら 高 値 を 示 し た も ので
っ た のみ で あ る。
改善 した た め 有 効 と し た 。 本 例 のGOT,GPT,Al-Pは
投与前 か ら高 値 を 示 し,投
の 影響 とは 考 え られ な い。
nineは
胆汁 培 養 で 起 炎 菌 ら し き も の は 分 離 で き な か っ た が,
CXM750mg1日3回
」:
本 剤 の投 与 前 か ら高 値 を 示 してい た も の で あ り,CXM
BUNがNo.3に
の胆汁培 養 は 陰 性 で あ っ た 。
の う 炎,胆
め られ
昇 が 認 め られ た が,こ れ らの症 例 は 胆 道 疾 患 を 合 併 し,
失,白 血球 増 多 も改 善 し た の で 有 効 と し た。 投 与5日
症例1257歳,♀,胆
軽 度 上 昇 した も のが2例(No.4,6)認
た 。 そ の他No.10でA1-P,No.12でGPT,A1-Pの
石症
発熱,右 季 肋 部 疝 痛 を 訴 え て 入 院 。CXM750mg1日
2回 投 与後3日
365
bacterに おい て 同様 の 事 実 が実 証 され て お り,臨 床実 験
の う炎
日に 入 院 。CXM1日750mg3回
から解 熱,投
与7日
の改 善,Al-Pが
投 与4日
目に は 右 季 肋 部 痛 消 失,白
目
血球 増 多
正 常 化 し た の で 有 効 と し た 。 な お,本
例 に お い て も 他剤 が 無 効 で 本剤 が有 効 で あ った 症 例 が示
され て い る。
わ れ れわ の臨 床 治 験 例16例
の うち10例 がCXM投
与
例 の胆汁 培 養 は 実 施 し な か っ た 。 副 作 用 と し て 投 与13日
前 に な ん らか の抗 生 剤 が 投 与 され て お り,こ れ らが 無 効
目に発熱,投
でCXMが
与 中 止 後 解 熱 し た の でCXMの
ア レ ルギ ー
熱 と断定 し た。
症 例1561歳,♀,急
性膀胱炎
投 与8日
後 頻 尿,排
CXMが
尿 痛 は 消 失 し た が,残
が 残 っ た。 尿 中 細 菌 は α-hemolytic
104/mlに
尿感
streptococcusが
脳卒 中 発 症8日
性勝胱炎
血 球 増 多 の 改 善,尿
投 与7日
熱は
目に膿 尿 の
中 細 菌Proteus
mirabilis
陰 性化 した の で有 効 と した。
IV.副
作
用
臨床 的 副 作 用 と し て は 発 疹1例,ア
社 に お い て1vial750mg含
有 の 製 品 に統 一 され てい る
レ ル ギ ー 熱1例
が
ず れ も投 与 中 止後 す み や か に改 善 した 。
投与 前 後 に お け る 検 査 所 見 はTable4に
示 す よ うに,
で,投 与 前10×104以
血小板
上 あ っ た も の が3.5×104に
例 はDICを
減少
合 併 し た た め で,CXMに
た はDIで
投 与 した の
で これ ら の投 与 法 に つ い て考 察 して み よ う。 わ れ わ れ の
成 績 で は750∼1,500mgをIVあ
るい はDIで
場 合,そ
のhalflifeは1∼1.5時
GHANの
成 績5)では750mg,1,500mgIVで
76分,72分
まず血 液 所 見 で 異 常 を き た し た も の はNo.10の
してい る が,本
結 果 で あ ろ う。
原 則 と して 筋 注 を 行 なわ ずIVま
目 に 膀 胱 炎 を 併 発 し た も の で,発
なか った がCXM1日750mg2回
み られ た が,い
vitroの 成績 を 裏 づ け る
た め,投 与 量 は そ の倍 数 とい うこ とに な る。 わ れ わ れ は
症例1667歳,♂,急
107/mlち
有 効 で あ る とい うin
本 剤 の 投 与 量,投 与 法 に つ い て は,本 剤 は英 国Glaxo
検 出され た が投 与 後 陰 性 と な った。 総 合 判 定
は有効 と した 。
改善,白
で は な い に して も,
これ らの 成 績 は,他 の抗 生 剤 に 対 す る 耐 性菌 に 対 して
癌 性腹 膜 炎 で 膀 胱 炎 を 併 発 し た も の で,CXM1日750
mg2回
有 効 で あ った もの は7例 に 及 ん で い る。 前 投
与 薬 の す べ て がCephalosporin系
のhalf
それ ぞれ
lifeを 示 して い るの で1日3回
が適 正 な投 与 法 で あ ろ う。 事実,英
量 が750mg1日3回
投 与 した
間 で あ り4),O'CALLA-
国Glaxo社
投与
の常 用
とい うこ とに な って い る。 これ に
従 いわ れ わ れ の 臨 床 例 に対 しては 原 則 と して1日3回
投
与 を行 な った 。 わ れ わ れ の呼 吸 器 感 染 症 の 症 例 は 比較 的
重 症 例 が多 か った た め,1回
投 与 量 が1,500mgの
が 多 くな っ て し ま った 。1,500mg1日3回
もの
の 投 与 量は
よるも の で は な い と 考 え られ る 。 ま た 好 酸 球 増 多 を き た
No.10の 敗 血 症 の 経 験 か らも本 剤 の最 高 投 与 量 で あ り,
した も の はTable4に
これ 以上 の投 与 量 を 必 要 とす る症 例は 少 な い で あ ろ う と
14で,そ
は 記 載 し な か っ た が,No.12,Nα
れ ぞ れ1%→10%,0%→16%と
たが,後 者 は 投 与 中 止 後3%に
投与後増加 し
下 降 してい る。
考 え る。 わ れ わ れ の 経 験 例 で は750mg投
与例が少ない
の で,投 与 回数 に よ る治 療 効 果 の 比較 は で き な か った
JULV
CHEMOTHERAPY
366
が,第26回
臼本 化 学 療 法学 会総 会 に お け るCXMの
薬 シ ンポ ジ ウ ムの 成 績 で は750mg1日2回
文
新
投 与 で も満
1)
足 す べ き有 効 率 が え られ て い る こ とか ら1症 例 に よっ て
2)
い て 考察 してみ る と,わ れわ れ の2例
CXMの
の 患者 に お け る
い え な い。 しか し。CEZ,CXMの
3)
胆 汁 中排 泄 率 をcross
4)
りす ぐれ て い る。
cephaloridine,
5)
The
terial
activity
Med.
77 (Suppl.
in
of
A.
例 中,有 効 以上13例,や
NASSIOU
来 のCephalosporin,そ
9:
in
antibac-
Roy.
vivo
Proc.
56•`62,
Phase
690
Roy.
Soc.
1977
one
clinical
Soc.
Med.
&
of
its
study
70
S. M.
on
(Suppl.
Med.
9):
T.
Soc.
&
of
bile,
Med.
70
in
Proc.
1977
C. STATHAKIS,
PLAKOUTSIS
including
The
man
4•`10,
J. KOSMIDIS,
: Bioavailability
Roy
in
activity.
70 (Suppl.
K.;
sites
HARDING:
cefuroxime
antibacterial
ANYFANT1S,
Proc.
い て も重 篤 な もの は な く,安 全 性 の高 い 薬 剤 で あ り,従
that
cefaman-
Chemotner.
and
C. H.
G.
various
成 績 は す ぐれ た臨 床 効 果 と考 え られ る。 また 副 作用 につ
a new
with
1977
Soc.
DAIKOS,
とい う
I. PHILIPS:
and
cefuroxime.
Proc.
to
例 が 大 半 を 占 て いた に もか かわ らず 効 果 判 定 可 能 例15
や 有 効 お よび 無 効2例
&
compared
vitro
9):
K.:
22•`24,
Roy.
6)
cefuroxime,
•`
S.:
relation
は重 症
KING
of
Agents
O'CALLAGHAN,
抗 菌 力,吸 収,排 泄 の 面 か ら臨 床応 用
A.
1976
pharmacokinetics
上 の 問 題 を 考 察 した が,わ れ われ の臨 床 例16例
- J. Antibiot.
cephalothin
Antimicrob.
9):
胆道感染症に
も有 用 性 の あ る薬 剤 と考 え られ よ う。
以 上,CXMの
antibiotic,
NAKAGAWA,
これ らの結 果 と胆 道 感 染 症 に はす ぺ て有 効 で あ ったわ
antibiotic.
C. JENKINS,
cefuroxime.
れ わ れ の臨 床 成 績 を併 せ 考 え れ ばCXMは
M. RYAN,
Cefuroxime
1976
cephalosporin
GOTO,
overで 比 較 したわ れ わ れ の 成 績 で は,CXMがCEZよ
D.
MUGGLETON:
activity
495,
る こ とか ら胆 汁 中 へ の 排 泄 は それ ほ どす ぐれ て い る とは
P.W.
R. B. SYKES,
cephalosporin
S.;
dole.
あ
H.;
Antibacterial
of
報 告 で も16.5μg/mlで
&
29•`37,
EYKYN,
胆 汁 中 濃 度 は それ ぞれ 最 高 が22,0μg/ml,23.4
μg/mlで あ り,DAIKOSら6)の
new
24(1):
次 に吸 収,排 泄 の 面か ら胆 道 感 染 症 に 対 す る 治療 につ
C.
FOORD
a
は3回 投 与 で 治 療 を 開 始す る こ とが よ りす ぐれ た 効果 を
期 待 し うるで あ ろ う。
献
O'CALLAGHAN,
R. D.
1979
B. PAPATHA-
cefuroxime
sputum
(Suppl.
in
and
9):
bone.
38•`41,
1977
の他 の 抗生 剤 に 無 効 な 症 例 に使
用 す ベ き有 用 性 の 高い 新 しい 抗生 剤 と考 え られ よ う。
FUNDAMENTAL
AND CLINICAL
STUDIES
OF CEFUROXIME
KEIICHINAKAGAWA,TATSUOSUZUKI, MASARUKOYAMA
and SHINJI MOTOJIMA
Department of Internal Medicine, Tokyo Kyosai Hospital
MITSUHIROYOKOZAWA
Laboratories, Tokyo Kyosai Hospital
Cefuroxime,
lowing results
Cefuroxime
a new cephalosporin
were obtained.
was
compared with
antibiotic,
cefoxitin
was studied
fundamentally
and cefazolin
and clinically,
in antibacterial
activity
and the fol-
against
various
Gram-negative bacilli isolated from clinical materials.
Against E. coli cefuroxime was more active
than cefazolin.
Against E. cloacae cefuroxime was the most active.
Against P. vulgaris cefoxitin
was the
most active,
Against
other
Proteus
Against
Citrobacter
MICs of cefuroxime
sp.
cefuroxime
cefuroxime
and cefazolin
and cefoxitin
was slightly
being
were
distributed
slightly
more
mostly
active
at 100 Agfml.
than
cefazolin.
more active than the other two drugs.
Cefuroxime 1, 500 mg was given by drip infusion to two patients with external cholecystostomy.
Their peak serum levels were 140 pg/ ml and 48 Pg/m1 respectively
by 1-hour drip infusion and by
2-hours
drip infusion;
were 22.0 pg/m1
these peaks being observed
and 23.4 fig/m1 respectively.
at the
Urinary
end of each
recoveries
infusion.
were 95.2%
Peak bile levels
within
6 hours and
76.9%
within
12 hours
Repeated
venous
the
CHEMOT
S-6
VOL.27
injection
end
impos
drip
tract
regimen
As
2 and
poor
was
the
side
slight
30
2
Clinical
elevation
mg
of
to
3 times
of
with
urinary
was
these
and
given
3
cases,
2-hours
levels
serum
level
at
patients
in
total
with
and
sepsis
8 hours,
infusion.
to
were
injection,
ill
drip
8-hourly
serum
intravenous
severely
by
times
2 patients
about
further
plus
intraboth
determination
DIC,
29 ƒÊg/ml,
by
30 ƒÊg/ml
peak
and
this
at
was
serum
level
suggests
the
the
tract
assessed
results
subjects
infection
in
were
were
: 8
15
and
of
the
obtained
mostly
with
1
respiratory
16
with
cases
; good
severe
sepsis
; 1 case
and
cases,
tract
4
and
1 with
subacute
was
excluded
because
excellent
the
infection,
in
majority
13 cases,
of
the
and
dosage
daily
drug,
GPT
16
efficacy
Since
the
case,
while
clinical
2 cases.
effect
of
infusion
was
after
other
given
infection,
1,500
minutes
the
Remarkable
in
one
mg
367
drug.
was
endocarditis.
and
at
drip
750
115 ƒÊg/ml
the
1-hour
In
In
therapy
of unassessability.
fair
and
of
by
cefuroxime
infusion.
was
effect
biliary
bacterial
drip
8 hours.
infusion
Cefuroxime
of
infusion
after
accumulation
with
or
of drip
sible
after
respectively
administration
HERAPY
eruption
in
2.
was
noticed
in
1 case,
allergic
fever
in
1,
eosinophilia
in