スクリュージョイント スクリュージョイントに関する一般情報 - TIL

スクリュージョイント
スクリュージョイントに関する一般情報
スクリュージョイントに関する一般情報
スクリュージョイントのデザインには、摩擦ジョイント、固定ジョイント、およ
びこの 2 つを組み合わせたものがあります。
摩擦ジョイントでは、同じ大きさのせん断力を摩擦を利用して吸収するために、
固定ジョイントの約 10 倍の数のスクリューが必要です。
相互作用型サブフレームには、固定型架装アダプターブラケットにかかるせん断
力が大きいことから、固定ジョイントが選択されてきました。
摩擦ジョイントと固定ジョイントの組み合わせ
このタイプの組み合わせジョイントでは、アタッチメントプレートとフレームの
ホールが一般的です。これらのホールは正確なものでないため、通常ホールとス
クリューの間にすきまが生じます。ドリル切削や溶接が施された部分を含め、製
造許容範囲を考慮すると、スクリューがフィットするにはホールをある程度大き
くする必要があることが、明らかになっています。
重要!
このタイプのジョイントは、トルク締めと再締め付けが必要な摩擦ジョイントで
あるとみなす必要があります。これは、スクリューまたはリベットの一部のみが
ホールのエッジと接するようなあらゆるジョイントにも適用されます。
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Scania CV AB 2015, Sweden
スクリュージョイント
摩擦ジョイント
摩擦ジョイント
架装アダプターブラケットには、摩擦ジョイントの使用が最も一般的です。摩擦
ジョイントでは、ジョイント部の部品が所定位置を保持するよう、スクリューに
張力をかけなければなりません。
架装アダプターブラケットのスクリューは短い場合が多いため、スクリューの締
め付け長さが短くなります。ジョイント部分のペイントが摩耗し、スクリュー
ヘッドおよびナットの下の素材が変形すると、スクリューの張力が低下してジョ
イント部が緩み始めます。
遊びのリスクを低減するには:
• 「締め付け長さ」の項に記載の基準を満たす締め付け長さを選択する。
• 適正なアタッチメントプレート用ペイントを選択する。ペイント層を摩耗から
防止するのに十分な固さを持つのは、電着塗装および粉体塗装のみです。依然
として液状ペイントを使用する場合、接触面をマスキングする必要がありま
す。この処置をしても、多くの場合で腐食保護の問題が発生します。ジョイン
トの下にプライマーを薄く(最大 40 µm 厚)塗ることは許容されます。
• 摩擦ジョイントのペイント層は可能な限り薄く(最大 110 µm 厚)する必要があ
ります。
• スクリューヘッドとナットの下に充分な硬度を持つワッシャーを用いて、表面
圧力を低減し変形を防止してください。Scania では、8.8 スクリューとクラス
8 ナットには 200 HV を、10.9 スクリューとクラス 10 ナットには 300 HV を推奨
します。
重要!
スクリューの張力を維持し摩擦ジョイントを正しく機能させるためには、再締め
付けが必要です。これは特に、摩擦ジョイントにペイント層がある場合に重要で
す。このタイプのスクリュージョイントについてエンドカスタマーに知らせるこ
とが大切です。
サブフレームの取り付けに関連したスクリューの再締め付けについての詳細情報
は、文書「架装アタッチメント」に記載されています。
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スクリュージョイント
摩擦ジョイント
締め付け長さ
スクリューが張力を失ってナットが緩んでくるリスクを低減するため、L/D 比を 3
より大きくすることを Scania は推奨します。このとき、摩擦ジョイントを推奨ト
ルクで締め付けることが条件となります。
ロックナットは、張力の減少防止にはなりません。これは、スクリューに対して
動くのがナットではないためです。ロックナットは、張力が低下したときにナッ
トが緩むのを防ぐだけです。
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ジョイントのスクリュー数は、ジョイントにかかる負荷に適合するようにします。
いずれのジョイントにも、最低 2 本のスクリューを使用する必要があります。
摩擦ジョイントを用いて取り付けた架装アダプターブラケットは、シャシフレー
ムと一緒にドリルで穴開けする必要はありません。
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Scania は、スクリュー全体にねじ山があり、2 山以上がナットから突き出した状
態を推奨します。
ドリル径:
• M14 スクリューは 14.8 mm
• M16 スクリューは 17 mm
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摩擦ジョイント
締め付けトルク:
スクリュー
締め付けトルク (Nm)
普通
最小
最大
M14 クラス 8.8
112
78
155
M16 クラス 8.8
180
126
242
M14 クラス 10.9
170
145
196
M16 クラス 10.9
270
230
311
架装アダプターブラケットと締め付けトルクに関する詳細情報は、文書「架装ア
タッチメント」に記載されています。
2 連マウンティングに関する詳細情報は、文書「Scania コンポーネントの 2 連マ
ウンティング」に記載されています。
重要!
フレキシブル架装アダプターブラケットの垂直方向スクリューは、摩擦ジョイン
トに含まれません。そのため、上記の推奨締め付けトルクはこのスクリューに適
用されません。
注記:
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これらは一般的締め付けトルクです。一部の Scania 部品には上記以外のトルクが
適用されます。詳細情報については、Scania ディーラーにお問い合わせください。
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固定ジョイント
固定ジョイント
固定ジョイントでは、部品を保持するのはスクリューまたはリベットとホール端
との接触面となります。
固定ジョイントにはリベットまたはタイトボルトを使用します。タイトボルトを
使用する場合は、ジョイント全体にホールのリーマ加工をする必要があります。
次のようなケースでは固定ジョイントを使用しなければなりません:
• 取付プレートおよびサブフレーム用架装アダプターブラケットを、固定ジョイ
ントを用いて工場装着されたクロスメンバーと 2 連マウンティングにする場
合。
• 相互作用型サブフレームを使用する場合。
タイトボルト
ドリル径
リーマー径
M14 クラス 8.8
13.8 mm
14H8
M16 クラス 8.8
15.8 mm
16H8
工場注文のリベット留めブラケットは、フレームブラケットとシャシフレーム間
の固定ジョイントに求められる要件を満たしています。
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