講義ノート1 - 愛知県立大学 情報科学部

2015.10.7 (Wed)
コンピュータアーキテクチャI 講義ノート (1)
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ガイダンス
1. 出席:Report 課題を出す.その提出を以って(提出した週の)出席とする.
2. 私の自己紹介
3. 勉学にあたって
4. 計算機システム学を学ぶ
5. 教科書 パターソン&ヘネシー コンピュータの構成と設計 (上) ((下)は 3 年前期
のコンピュータアーキテクチャII の講義で使う.
) 定評のある教科書だから,是非購入して
ください.
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自己紹介
• 名前 成瀬 正
• 出身 岐阜県
• 経歴 大学院修了後,1977 年 4 月から NTT 勤務(19 年 3ヶ月).1997 年 7 月から県立大学.
• 専門 計算機アーキテクチャ,ロボットシステム(協調行動の研究)
• 宣伝 ロボットシステムの評価の場として,ロボカップ(国内大会,世界大会)がある.今
年の国内大会は惜しくも 2 位だった.昨年の世界チャンピオンの中国チームに敗れた.(過
去,2006∼2009 年 4 連覇,通算 7 回の優勝.
)今年の世界大会は,one of the best 8 teams
に終わってしまった.悔しい.
過去においては,2009 年世界大会(オーストリアのグラーツで開催)で準優勝,2007 年と
2014 年世界大会(それぞれアトランタとブラジルで開催)で 3 位,2013 年世界大会(オラ
ンダのアイントホーヘンで開催)で 4 位.そのほか,米国カーネギーメロン大学 (CMU) と
合同チームを結成(2004 年と 2005 年)して臨み,4 位を 2 回達成した.2013 年からは,新
しいロボットで臨んで成績がよくなったが今年は他のチームの成長が著しかった.(2010∼
2012 まで使ったロボットには不具合が残っていて,完全には直しきれなかった.そのため成
績が芳しくなかった.)
今年の悔しい思いに私は奮い立った.もう一度ロボットを見直す.ロボットの内部プログラ
ムは,最近手を入れてない.そこで,まずプログラムの開発環境を整え,最新の開発環境が
維持できるようにした.いろいろな要因が重なって,まだ最終段階に至ってないが,できる
だけ早く成し遂げたい.また,ロボットの内部状態を見ることが困難であった.これに対し
ては,USB 接続ができるようにした.こちらは大変苦労したがうまくいった.
(そして,この
年になってもまだまだ若い者には負けないという気力が漲ってきた.
)
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ロボカップをやっていると,世界の人たちと交流の輪が広がってとても面白いです.また,自
分の思い通りにロボットを動かせたときの感動は筆舌に尽くせません.我こそはという学生
の参加を期待します.
• 趣味 囲碁,釣り,旅行(その土地の歴史散歩)
• 研究室は,いつでも開いているので,気軽に尋ねてください.
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勉学するにあたって
言わずもがなであるが、あえて述べる。
1. 自分は何を目的として大学に入ったのか? (大学はレジャーランドではない.
)
2. 大学は know-how を学ぶところではない.Know-how を辞書で引くと,Knowledge of how
to do something well; technical skill(技術的な技),こつ,と書いてある.Know-how では
なくて考えること(あるいは、ものの見方,How to see, 考え方,How to think)を学ぶところ
である.
3. 基本にもどれ (勉学の基本)
(a) 用語の理解: 英語を話すのに、言葉を理解することが不可欠のように、専門を学ぶに
は、専門用語の理解(修得)が不可欠.→わからない言葉は積極的に質問.
(私の恥話:
等価回路)
(b) 行き詰まったら定義にもどれ: 数学系
法則の背景を理解せよ: 物理系
工学は、数学、物理学、等をベースに実用に供する技術を体系化する学問.
(c) 繰り返せ: 読書百遍意おのずから通ず,である.以上の習慣がついたら,
(d) 抽象化、一般化、厳密化 学問の進む方向. より高所大所から物事を見ることができる
ようになる.
(e) 構造の理解 人間に骨格があるように、学問にも骨格がある.その骨格を理解する努力.
(骨格がわかれば、細部の理解は比較的容易だし、そもそも全体が見渡せるので理解が
早い.
)
4. その他
遊びたい.
(私も遊びたい)→おもしろいから遊びたい.
なんでおもしろい? 勝つことが楽しい.金になる.未知のところに行ってみたい.等
勝つ、金は本能かもしれない. 好奇心
別な興味もある.→未知のものを知りたい. 知的好奇心.
このCDラジカセの構造が知りたい.なんで計算できるの?なんでTVが見えるの?
このような興味にかられると、そのメカニズムが知りたくなる.→それこそが,工学という
学問につながる.未知のものを知りたいという興味にかられることを願っています.
そして,この科目に興味を持ってください.
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図 1: 計算機システム学を学ぶ
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計算機
解析学
代数学
数学系
離散数学I
1年次から2年次
離散数学II
2年次から3年次
コンピュータアーキテクチャI
論理回路論
下線のある科目 は私の担当
回路基礎論
物理系(電気電子)
実験系
計算機システム学を学ぶ(2015年版)
オペレーティングシステム論
言語処理系論
コンピュータアーキテクチャII
(システムコース受講者)
ハードウェア記述言語
情報科学基礎実験
3年次以降
(計算機応用)
(他コース)
情報科学応用実験
情報科学応用実験
(情報システムコース)
4
計算機システム学を学ぶ
私が担当する科目の位置付けを話す.図 1 参照.
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教材の提供
講義ノート等は,web ページで公開する予定である.講義ノートは HP からダウンロードして,
印刷して持ってきてください.原則として配布はしません.課題を毎週出します.特に断りのない
限り,翌週のこの時間の始めに出してください.Q&A コーナーは今年度もできる限り継続したい.
ただし,皆さんの協力 (質問) が不可欠.
HP アドレスは以下の通りです (図 2 参照).
http://www.aichi-pu.ac.jp/ist/lab/narulab/indexNaruLab.html
このアドレスは一応非公開アドレスということにしています.
(よって,大学の HP からはたどれま
せん.
)
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次回までの宿題
教科書の 1 章を読んでくること.
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レポート課題
課題:この講義に期待することを述べよ.
注意事項:レポートには,学科,学籍番号,氏
名を明記すること.
(これらを忘れた場合,不利
な扱いを受けることがありますので注意してく
ださい.
)
図 2: Web page
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