帯広北高等学校を運営する学校法人帯広渡辺学園は、2015年に100年を迎 えた。1916年妹尾満佐が帯広市内に開設した小規模の裁縫私塾は、1920年 に岡山から渡帯してきた実妹渡邉登美に承継され、以来同女のもとで本格的 な裁縫学校として発展することになる。この間1939年には火災により校舎を 焼失させ、1945年には戦争により廃校に追われるなど、幾多の困難に遭遇し たが、その都度渡邉登美は教育者として不屈の精神を持ち続け学校経営に尽 力した。終戦直後の1946年に再開するや、1956年3月には私立学校法に基 づく学校法人渡辺女子学園に改組し、同学園のもとに渡辺女子高等学校を設 置して、初代の理事長兼校長に就任し、今日の発展の礎を築いた。その後、 学園は学校法人帯広渡辺学園、また学校は帯広北高等学校へと、それぞれ名 称を変え、今日に至っている。 学園創立100年に当り、逝去する1964年3月28日まで帯広十勝の教育界 の草分けとして長きにわたり教育一筋に尽力してきた渡邉登美の功績をたた え、いずれも故人となられた、黎明期に同女を支えた妹尾良貫・妹尾満佐夫 妻、また親族として身近で同女を支えた養女渡邉宣子とその夫で2代目の理 事長兼校長に就任した渡邉眞の記録を後世に伝えるべく、ここに記念誌を発 刊するものである。 2015年6月 学校法人 帯広渡辺学園 1 1………… 発刊にあたって 4………… 目次 6………… 100年前の帯広 8………… 沿革 10………… 地図の中の校舎 12………… 写真でつづる校舎の変遷 17………… 校歌の変遷 20………… 妹尾夫婦・渡邉登美・渡邉眞夫婦 23………… 回顧録 24…………「私の歩んだ道」渡邉登美 32………… 裁縫学校時代の授業風景 37…………「針・糸の中で育つ」渡邉宣子 39…………「祖母渡邉登美の思い出」遠藤慧子 42…………「良寛・満佐と登美の想い出」朝原紀久子 45………… 渡邉登美の記録 46………… 渡邉登美 受賞・受章 52………… 渡邉登美 寿像除幕式と移転のお茶会 54………… 渡邉登美 学園葬とお墓 55………… 帯広北高等学校の創業 56…………「帯広北高等学校の創業を省りみて」渡邉 眞 60………… 渡邉 眞とサッカー 63………… 未来へのメッセージ 橋雅人 72………… あとがき
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