介護休暇制度について

VOL.124
平成 27 年 9 月号
介護休暇制度について
今回は、育児・介護休業法の「介護休暇」について取り上げます。
最近、私の身の回りでも「親の介護」に関する話題が多くなってきたように思います。「介護」と
いっても、どの程度の介護が必要なのか、同居か別居か、どのような家族構成か、会社員の場合は、
正社員、パートタイマー等の身分などによっても、介護のあり方は様々のようです。
『仕事と家庭の両立支援』としての育児・介護休業法の制度のうち、「育児休業」や「子の看護
休暇」等については、大企業、中小企業を問わず、広く浸透し取得されてきている状況を見受けます
が、介護については、「介護休業」や「介護休暇」を取得するケースは、まだまだ少ないように思わ
れます。
育児・介護休業法で定める「介護休業」を取得するケースが少ない理由の一つには、仕事の都合
等で、まとまった休みがとりにくいことが考えられますが、私の身の回りのケースでは、長期の休み
までは必要としていないことも理由のひとつではないかと思います。長期には休まず、他の支援を含
めて対処している、といったことです。一方「介護休暇」に関しては、事業主、従業員共に、あまり
制度が浸透していないことも、考えられるのではないかと思います。
「介護休暇」取得の際の給与については、無給でも差し支えないことになっているため、各社の
規定により有給・無給の場合があり、「介護休暇」制度を知っているが、年次有給休暇を取得して対
応しているということもあるかと思いますが、介護対象者は、疾病等により 2 週間以上の期間にわた
り常時介護を必要とする状態(要介護状態)にあるため、介護、通院等の付添い、介護サービスを受
けるために必要な手続きの代行等のために、家族の支援が必要になることがあります。団塊の世代が
70 代を迎え、ますます介護が身近なものとなっていくと思われますので、法で認められた休暇であ
ることを周知し、仕事と介護の両立に取り組む働き盛りの 40 代、50 代の従業員の支援を行うことが
求められていくと思います。是非、自社の規程を再点検されてはいかがかと思います。
以下に、介護休暇制度について、概略を記載いたします。
【介護休暇】(平成 22 年度の法改正により新設)
要介護状態にある対象家族の介護その他の世話(通院等の付添、介護サービスの提供を受ける
ために必要な手続きの代行その他の対象家族に必要な世話)を行う労働者は、事業主に申し出る
ことにより、要介護状態にある対象家族が 1 人の場合は年 5 日、2 人以上の場合は年 10 日を限
度として、介護休暇を取得することができる。
*育児・介護休業法の要介護状態は、『常時介護を必要とする判断基準』が定められており、
介護保険制度上の要介護状態とは同じではないので、要介護認定を受けていなくても「介護休
業」「介護休暇」の対象となる。
*介護休暇を取得できない労働者: ①日々雇用される者
②労使協定により適用除外とされた労働者
1. 入社 6 ヶ月未満の労働者
2. 1 週間の所定労働日数が 2 日以下の労働者
*対象家族:配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)
父母および子(これらの者に準ずる者として、労働者が同居し、かつ、扶養してい
る祖父母、兄弟姉妹および孫を含む)、配偶者の父母
(文責Y.M)
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