血友病患者の定期補充療法を目的とした多様なレジメン Various

血友病患者の定期補充療法を目的とした多様なレジメン
Various regimens for prophylactic treatment of patients with haemophilia
Rudolf Schwarz, Rolf Ljung, Ulf Tedgård
Childrens and Maternity Hospital, Linz, Austria; Department of Clinical Sciences Lund – Paediatrics, Lund
University Hospital, Skåne University Hospital, Malmö; Department of Paediatrics, Skåne University Hospital,
Malmö, Sweden
要 約:血友病性関節障害の予防には,定期補充療
出血の診断に役立つ非常に有用な方法である。中心
法のほうが出血時補充療法よりも優れている。ス
静脈アクセスによる感染リスクについては議論の余
ウェーデンで利用されている「高用量定期補充療法」
地がある。完全埋め込み式中心静脈アクセス用機器
は,関節症の予防において,
「中間用量レジメン(オ
(CVAD)は,体外式 CVAD と比較して,感染リ
ランダ)
」やカナダの個別一次定期補充療法よりも
スクが有意に低い。患者の年齢が 6 歳未満であるこ
有効性が高い。定期補充療法によってインヒビター
ととインヒビターが存在することは,さらに感染症
発生リスクが低下すると考えられる。血漿由来第
の危険因子となる。動静脈瘻の役割については,重
VIII 因子製剤と遺伝子組換え型第 VIII 因子(rFVIII)
大な合併症が報告されていることから,検討する必
製剤のインヒビター発生リスクに差はみられない
要がある。疾患特異的 QoL 質問票は,血友病患者
が,Rodin Study では第二世代 rFVIII 製剤によっ
の QoL を評価する一般的質問票を補完し,健康上
てリスクが増大することが示された。MRI は,早
の重要な評価尺度となっている。
期関節症の症状を検出する新規かつきわめて高精度
なツールであるが,一部の結果(
「出血のみられな
Keywords:prophylaxis,children,haemophilia,
い関節」における軟部組織の変化)については,な
treatment,inhibitors
お検討が必要である。超音波検査は,特に急性期の
European Journal of Haematology 94 Suppl. 77 (11–16) DOI: 10.1111/ejh.12496
© 2015 John Wiley & Sons A/S. Published by John Wiley & Sons Ltd
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