マーケティング論

マーケティング論
木曜4限
第2回 マーケティング・コンセプト
河野憲嗣
Mail:[email protected]
URL:www.kenjikouno.jimdo.com/
芝浦工業大学_2013後期_マーケティング論
本日のテーマ:
マーケティング・コンセプト
1.4つのPと4つのC
2.マーケティング・ミックス
3.3つのビジネスの理念
・製品コンセプト、販売コンセプト、マーケティングコンセプト
4.マーケティングの拡張
・マーケティング主体の領域の拡張
・社会の幸福を高めるマーケティングの提唱
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本日のワーク
「マーケティング」という単語から
連想される言葉を
できるかぎり書き出してください。
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「4つのP」の考え方
□ 4Pとは、product(製品)、price(価格)、place(流通)、
promotion(プロモーション)
□ 1960年代、Edmund Jerome McCarthy(マッカーシー)が提唱
した概念。
□ 4Pは企業がコントロールできる変数
(マクロ環境や法律は企業がコントロールできない変数)
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「4つのP」とは
□ product(製品)
製品、サービス、品質、デザイン、機能、名称、ブランド等
□ price(価格)
定価、割引、支払条件、信用取引、販売条件等
□ place(流通)
チャネル、輸送、流通、ルート、立地、地域、品揃え、在庫等
□ promotion(プロモーション)
広告宣伝、人的販売、販売促進、販促サンプル、PR、
クチコミ等
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「4つのC」の考え方
□ 4CとはCustomer solution (Customer Value、顧客ソリュー
ション・消費者ニーズやウォンツ)、Cost(顧客コスト)、
Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)
□ 1993年、Robert F. Lauterborn(ラウターボーン)
□ 4Pは企業側や売り手の視点であるため、顧客視点に立つ
ためには買い手や顧客の視点に立つ4つのCを考案
□ 4Pは4Cに対応する
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「4つのC」とは
□ Customer solution(Customer value)
⇔Product 顧客ニーズにどう対応するか、お客様にとっての
価値
□ Cost(消費者コスト)
⇔Price どれだけ支払うのか
□ Convenience(利便性)
店、ネット、宅配、等
□ Communication(コミュニケーション)
どう情報をやりとりするのか
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視点の移り変わり
企業→消費者、そして社会
山崎浩人(2012)、ダイヤモンドオンラインより
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マーケティング・ミックスとは
□ 4つのP、マーケティングツールを組み合わせてターゲット
顧客に適合させる
野村総研HP「経営用語の基礎知識」より
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マーケティング・ミックスの事例
企業
消費者
説明
Product
Customer
solution
製品・サービスに結びついた課題。
「新製品の開発」「機能」「デザイン」「パッケージ」
「バリエーション」「サービス」「マイナーチェンジ」「成分」「改良」
「支持されなくなった製品の廃棄」「ブランド」「保証」「返品」等
Price
Cost
価格に結びついた課題。
「価格設定」 「コスト」「需要」「オークション」
「競争相手を考慮した価格」「顧客心理を考慮した価格設定」
「割引(期間、季節、量)」
Place
Convenience
流通に結びついた課題。
「チャネル」「販売エリア」「品揃え」「立地」「輸送」「在庫」「物流拠
点」「店頭」「販売ネットワーク」「コンフリクト」「ロジスティクス」
Promotion
Communication
プロモーションに結びついた課題。顧客に知ってもらい購入促す
「広告」「人的販売」「販売促進」「PR」
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マーケティング・コンセプトとは
□ マーケティングを行う上での考え方。
顧客の創造と維持を活動の中心に位置づけること。
野村総研HP「経営用語の基礎知識」より
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マーケティング・コンセプトとは
グロービス経営大学院編著「MBAマーケティング」より
□ マーケティングを企業活動の中心に位置づけること。
顧客
メディア
配送
販売 ・ 情報交換 ・ 販売促進
情報交換
流通
販売
テクニカル
広告
調査
会社
部隊
サポート
代理店
会社
調査
広告・パブリシティ
マーケティング
R&D
製造
デザイン
物流
購買
財務
人事
法務
協力
工場
デザイ
ナー
運送
会社
購入先
金融
市場
労働
市場
弁護士
外部
研究
機関
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マーケティング・コンセプト
① 企業の視点
生産志向 生産性の向上を重視する理念
□ 需要に対して供給が不足している
□ 1900年代米国でT型フォードが登場した時期
製品志向 特徴ある製品の提供を追及しようとする理念
□ 供給が需要に追いついてくる
□ 価格・品質・有用性に優れた商品を消費者が求める前提
□ 製品改良、職人気質志向の企業、新技術が生まれやすい市場
□ 製品志向が強すぎるとマーケティング・マイオピア(近視眼)に
販売志向 売り込みとプロモーション努力に頼ろうとする理念
□ 需要に対して生産能力が過剰になるとこの理念にシフト
□ 販売コンセプトが強すぎると販売数字にのみ意識が注がれる
□ 顧客との長期的関係構築の努力がおろそかに
□ 顧客の不満に声を傾けることを忘れがち
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マーケティング・コンセプト
② 顧客の視点
マーケティング
志向
ターゲット市場のニーズを探り、ニーズを反映した製品を提供し
続けようという理念
□ 「プロダクト・アウト」から「マーケット・イン」へ
□ 顧客ニーズが起点となり、顧客満足がひとつの目標
A.顧客中心主義:「ボスは一人しかいない。それは顧客だ」
B.長期的視野:会社が存続するための絶え間ない努力の継続
C.チームワーク:社内の垣根を払うことが成功の鍵
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マーケティング・コンセプト
③ 社会(公共)の視点
社会公共
志向
社会の幸福を高めるマーケティングとして、環境や資源にも配慮し、
社会全体の利益のために対応する。
□ 企業利益+顧客満足+社会幸福
□ ニーズを充足すべく供給して顧客満足があればよいのか?
顧客満足と社会の幸福が不一致のことも
(例)「たばこ」・・・個人にリフレッシュや安らぎを与えるが間接喫煙
などの問題を抱える
「過剰包装」・・・環境汚染につながる
「割り箸」・・・?
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Social Marketingの概念図
□ 社会の幸福を強く意識しながら
顧客満足を作り出そうとする
マーケティング
・バランス良く操作すべき
・ハイブリッド車、
高まり盛んになると予想される
社会の幸福
顧客の満足
概念
ー
□ 倫理的・社会的責任としてさらに
従
来
ー
ノンフロン冷蔵庫
企業の利益
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The Body Shopの事例
□ マス広告を一切しない
□ 簡素なパッケージ、
再生プラスチックの利用
□ コミュニティ・トレード
・地域社会への支援、恵まれない地域
の資源を使って製品の利用を通じて
グローバルな社会支援を意識
□ 創業者ロディックは元国連勤務
・動物実験をしない
・フェアトレードの実施
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マーケティング・コンセプトのまとめ
製品コンセプト
販売コンセプト
マーケティング
コンセプト
起点
生産現場
既存製品
顧客ニーズ
視点
内から外へ
内から外へ
外から内へ
対処法
製品改良
販売と
プロモーション
統合型
マーケティング
志向
職人的
戦術的
戦略的
目標
自己満足
顧客獲得
顧客満足
問題点
視野が狭くなる
短期志向に陥る
社会の幸福を
見落とす
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人・場所・アイデアのマーケティング
マーケティングの
主体
マーケティングの
対象
ターゲット
望まれる
反応
企業
製品・サービス
顧客
購買
非営利組織
(大学)
非営利組織
(教育プログラム)
受験生
受験
人
(政治家)
本人
(政治家)
有権者
投票
行政機関、地元
場所
(観光地、商店街)
観光客
訪問
アイデア支援団体
アイデア
(禁煙キャンペーン)
集団
理解
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参考資料
・グロービス経営大学院編著(2012)
『MBAマーケティング改訂3版』 ダイヤモンド社
・恩蔵直人(2004) 『マーケティング』 日本経済新聞社
・http://www.nri.com/jp/