第141号 ぐんぎん Business Report (平成27年 7月22日) ぐんぎん経営倶楽部事務局 群馬県前橋市元総社町194 TEL:027-254-7315 中小・中堅企業の成功・失敗事例サイト「ミエル☆ヒント」の開設について 経済産業省は7月13日、新たな中小企業支援策として、自社が直面する経営課題を解決するヒントを全国200社以上の企 業事例から探すことができるサイト「ミエル☆ヒント」を開設しました。政府が策定した成長戦略の「見える化」の一環として、中 小・中堅企業の「成功の秘訣」をインターネットを通じて見える化したもので、経済産業省のホームページや施策情報の総合サ イト「ミラサポ」から閲覧することができます。貴社の新たな事業計画・成長戦略の参考情報として、ご活用ください。 1.「ミエル☆ヒント」について 多くの中小・中堅企業に、 広く事業展開のヒントを提供 するため、国内の中小企業が、 資金・人材・情報などの「経 営課題」を実際にどう乗り越 えたのか等の成功事例や失敗 事例を紹介する内容で、「飛 躍のカギ」と「陥りやすいワ ナ」として、わかりやすく取 りまとめられています。 1.「ミエル☆ヒント」で紹介されている事例について ウェブサイトの「飛躍のヒントを探す」をクリックし、例として「製造業」→「新たな販路を開拓したい」→ 「情報・評価」と進むと、以下のような成功事例としての「飛躍のカギ」、及び失敗事例としての「陥りやすいワ ナ」の事例が掲載されています。(内容を一部省略・要約して表示) 飛躍のカギ 陥りやすいワナ (株)松井ニット技研 経編メリヤス製造業 (群馬県桐生市) ○売り先を限定した販売戦略が自社 ブランド向上の近道 天地合繊(株) 織物製造業 (石川県七尾市) ○発注者の大手メーカーが経営不振 に陥り、量産計画が立ち消えに ●直面していた課題 当社は群馬県桐生市で織物業を営む老舗企業。90年代にはデザ イナーズブランドのOEM供給により業容を拡大するが、取引先企 業からのコストダウン要求や、アジアからの安価なニット製品の流入、 国内需要の低迷等により、同社は厳しい経営環境に置かれ、売上 げも全盛期の半分以下に減少していた。 ●直面していた課題 当社は原糸メーカーの下請企業として、安い海外製織物の輸入が 増加する中、織機を改造して様々な注文に応えることを可能にし、 生き残ってきた。02年、大手原糸メーカーから極細ポリエステル糸 を用いた産業資材用織物が発注された。織機改造を行い製織技術 の確立に成功。銀行から借り入れをして、量産体制を整備。 ●突破口となったアクション 当社は安価製品との差別化を図るため、あえて旧式の低速編み機 を使った伝統技術により、外国が模倣困難な弾力のあるリブ編みと 保温性の高いソフトな風合いを兼ね備えた、オリジナルニットマフ ラーを生み出し、国内展示会に継続的に出展。海外バイヤーの目 に留まり、「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」のショップへの展開 に成功した。伝統技術による高品質化戦略が、世界で一流の美術 界・デザイン界に認められる結果となった。 ●陥ったワナと反省点 大手原糸メーカーは、この極細ポリエステルを新分野のプラズマ ディスプレイに採用したが、まもなく受注が滞り、産業資材生産計画 も白紙化。量産に対応するための工場・織機購入の借り入れが1年 で返済不能となり、自社も経営危機に立たされた。繊維業界では、 原糸メーカーによる系列が形成されており、委託加工を請け負う機 屋は、発注者の経営状況に左右されやすく、下請依存からの脱却 を考えていなかった。 ●アクションの結果と今後の展望 当社はこの経験を踏まえ、海外を含む展示会に継続して出展する こと、加えて、量販店との取引ではなく、自社製品の付加価値向上 を図るため、美術館やセレクトショップなどに売り先を限定した販売 戦略に特化して、業容拡大を目指し、スペインの「プラド美術館」へ の売り込み等にも成功した。現在は、ユーザーニーズに対応するた め、「衣料」分野にも挑戦中。また、ニットマフラーとは違った、デザ イン性や機能性を考慮した新たな製品開発と国内外への販路開拓 が課題となっている。 ●まとめ 開発した極細糸を織る技術と整えた量産体制で、新製品の開発・ 自社販売を目指し業態転換に挑戦し、極薄軽量生地技術の自社 一貫生産を達成。極薄軽量生地で作られた「天女の羽衣」は、 JETROの海外展示会出展を機にラグジュアリーブランドからの受注 を獲得。同生地で製造されたストールなどは、社長自ら国内外へ営 業を行い、取引の拡大を進めている。現在は事業化が進み、新た に商品企画開発部門、販売部門を組織し若手の育成にも努めてい る。 資料出所:経済産業省 (ミエル☆ヒントのURL ⇒ http://www.meti.go.jp/interface/php/honsho/mieruka/) 本件に関する相談、詳細に関するお問合せ先:群馬銀行 法人部(岡安)027-254-9314 以上 ● 本資料の内容につきましては万全を期しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。本資料に依拠した ことによりお客さまが被った損害については、群馬銀行は一切責任を負いません。本資料の複写・複製・転載等を禁じます。
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