国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 非常勤職員の育児休業について 1.制度の概要 一定の要件を満たす非常勤職員については、子が原則、1歳に達する日までの間、育 児休業(無給だが、一定の場合に共済組合等からの給付等あり)を取得することができ ます。 国家公務員共済組合法等に定められる共済組合への加入要件を満たしている非常勤職 員は、育児休業の期間中に係る共済組合からの給付(育児休業手当金)を受けることが できます。 2.育児休業をすることができる非常勤職員の範囲 請求時に次のいずれにも該当する非常勤職員は、育児休業をすることができます。 ① 任命権者を同じくする官職に引き続き在職した期間が1年以上あること ② 子の1歳誕生日以降も引き続き在職することが見込まれること (子の1歳誕生日の前日から1年を経過する日までの間に任期が満了し、その任期が更新され ないこと及び引き続き採用されないことが明らかである場合を除く。) ③ 1週間の勤務日が3日以上又は1年間の勤務日が 121 日以上であること ※ ②の「引き続き在職することが見込まれる」とは、相当程度の勤務が継続する可能 性があるか否かによって判断されます。 ※ 「任期が更新されないこと及び引き続き採用されないことが明らか」とは、任期が 更新されないこと及び引き続き採用されないことが確実であるか否かによって判断 されます。 具体的には、業務の廃止が確定している場合で、任期を更新しないことが明示され ているときなどです。期間業務職員について、連続2回まで公募によらない採用を行 い、その後に公募が行われる場合には、当該期間業務職員は採用される可能性が否定 されていないことから、②の「引き続き在職することが見込まれる」に該当します。 3.育児休業の取得可能期間 子の養育の事情に応じて次の範囲内で、育児休業をすることができます。 原則 子の出生の日から1歳誕生日の前日までの期間 特例 ① 配偶者が子の1歳誕生日の前日以前に育児休業している場合 ⇒ 配偶者の育児休業の開始日から1歳2か月に達する日までの最長1 年間の期間 ② 本人又は配偶者が育児休業していて、本人が子の1歳誕生日以降も育児 休業することが特に必要と認められる場合(保育所の入所を希望している が、入所できない場合など) ⇒ 子の1歳誕生日から1歳6か月に達する日までの期間 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 4.経済的支援について 育児休業期間中は無給ですが、国家公務員共済組合法が適用される場合には、育児休 業手当金が支給され、申出により共済掛金が免除されます。 また、雇用保険法が適用される場合には、一定の要件を満たすとき育児休業給付金が 支給され、健康保険、厚生年金保険の保険料が免除されます。 5.実際に取得している非常勤職員の人数について 人事院が調査している「仕事と家庭の両立支援関係制度の利用状況調査」の 2012 年 度の結果によれば、2012 年度に新たに育児休業を取得した非常勤職員は 352 人(男 性4人、女性 348 人)で、前年度に比べ、男性2人、女性 110 人増加。また、2012 年度中に育児休業をした期間がある非常勤職員は 430 人(男性4人、女性 426 人)で した。 6.関係条文等 国家公務員の育児休業等に関する法律 (育児休業の承認) 第3条 職員(第23条第2項に規定する任期付短時間勤務職員、臨時的に任用 された職員その他その任用の状況がこれらに類する職員として人事院規則で定 める職員を除く。)は、任命権者の承認を受けて、当該職員の子を養育するため、 当該子が3歳に達する日(常時勤務することを要しない職員にあっては、当該子 の養育の事情に応じ、1歳に達する日から1歳6か月に達する日までの間で人 事院規則で定める日)まで、育児休業をすることができる。ただし、当該子につ いて、既に育児休業(当該子の出生の日から勤務時間法第19条 に規定する特 別休暇のうち出産により職員が勤務しないことが相当である場合として人事院 規則で定める場合における休暇について同条 の規定により人事院規則で定め る期間を考慮して人事院規則で定める期間内に、職員(当該期間内に当該休暇又 はこれに相当するものとして勤務時間法第23条の規定により人事院規則で定 める休暇により勤務しなかった職員を除く。)が当該子についてした最初の育児 休業を除く。)をしたことがあるときは、人事院規則で定める特別の事情がある 場合を除き、この限りでない。 2 育児休業の承認を受けようとする職員は、育児休業をしようとする期間の初 日及び末日を明らかにして、任命権者に対し、その承認を請求するものとする。 3 任命権者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る期間に ついて当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく 困難である場合を除き、これを承認しなければならない。 (育児休業の効果) 第5条 育児休業をしている職員は、職員としての身分を保有するが、職務に 従事しない。 2 育児休業をしている期間については、給与を支給しない。 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 人事院規則19―0(職員の育児休業等) (育児休業をすることができない職員) 第3条 育児休業法第3条第1項の人事院規則で定める職員は、次に掲げる職 員とする。 一 育児休業法第7条第1項の規定により任期を定めて採用された職員 二 勤務延長職員 三 次のいずれかに該当する常時勤務することを要しない職員(以下「非常 勤職員」という。)以外の非常勤職員 イ 次のいずれにも該当する非常勤職員 (1) 任命権者を同じくする官職(以下「特定官職」という。)に引き続き在 職した期間が1年以上である非常勤職員 (2) その養育する子が1歳に達する日(以下「1歳到達日」という。)を超 えて特定官職に引き続き在職することが見込まれる非常勤職員(当該子の 1歳到達日から1年を経過する日までの間に、その任期が満了し、かつ、 当該任期が更新されないこと及び特定官職に引き続き採用されないことが 明らかである非常勤職員を除く。) (3) 勤務日の日数を考慮して人事院が定める非常勤職員 ロ 次条第三号に掲げる場合に該当する非常勤職員(その養育する子の1歳到 達日(当該子について当該非常勤職員がする育児休業の期間の末日とされた 日が当該子の1歳到達日後である場合にあっては、当該末日とされた日)に おいて育児休業をしている非常勤職員に限る。) ハ その任期の末日を育児休業の期間の末日とする育児休業をしている非常勤 職員であって、当該育児休業に係る子について、当該任期が更新され、又は 当該任期の満了後に特定官職に引き続き採用されることに伴い、当該任期の 末日の翌日又は当該引き続き採用される日を育児休業の期間の初日とする育 児休業をしようとするもの(育児休業法第3条第1項の人事院規則で定める 日) 第3条の2 育児休業法第3条第1項の人事院規則で定める日は、次の各号に 掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日とする。 一 次号及び第三号に掲げる場合以外の場合 非常勤職員の養育する子の1 歳到達日 二 非常勤職員の配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にあ る者を含む。以下同じ。)が当該非常勤職員の養育する子の1歳到達日以前 のいずれかの日において当該子を養育するために育児休業法その他の法律の 規定による育児休業(以下この条において「国等育児休業」という。)をし ている場合において当該非常勤職員が当該子について育児休業をしようとす る場合(当該育児休業の期間の初日とされた日が当該子の1歳到達日の翌日 後である場合又は当該国等育児休業の期間の初日前である場合を除く。) 当該子が1歳2か月に達する日(当該日が当該育児休業の期間の初日とされ た 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 日から起算して育児休業等可能日数(当該子の出生の日から当該子の1歳到 達日までの日数をいう。)から育児休業等取得日数(当該子の出生の日以後 当該非常勤職員が規則15―15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)第4条 第2項第一号又は第二号(当該非常勤職員が再任用短時間勤務職員(法第8 1条の4第1項又は第81条の5第1項の規定により採用された職員で同項 に規定する短時間勤務の官職を占めるものをいう。以下同じ。)である場合 にあっては、規則15―14(職員の勤務時間、休日及び休暇)第22条第 1項第六号又は第七号)の休暇により勤務しなかった日数と当該子について 育児休業をした日数を合算した日数をいう。)を差し引いた日数を経過する 日より後の日であるときは、当該経過する日) 三 1歳から1歳6か月に達するまでの子を養育するため、非常勤職員が当 該子の1歳到達日(当該子を養育する非常勤職員が前号に掲げる場合に該当 してする育児休業又は当該非常勤職員の配偶者が同号に掲げる場合若しくは これに相当する場合に該当してする国等育児休業の期間の末日とされた日が 当該子の1歳到達日後である場合にあっては、当該末日とされた日(当該育 児休業の期間の末日とされた日と当該国等育児休業の期間の末日とされた日 が異なるときは、そのいずれかの日))の翌日(当該子の1歳到達日後の期 間においてこの号に掲げる場合に該当してその任期の末日を育児休業の期間 の末日とする育児休業をしている非常勤職員であって、当該任期が更新さ れ、又は当該任期の満了後に特定官職に引き続き採用されるものにあって は、当該任期の末日の翌日又は当該引き続き採用される日)を育児休業の期 間の初日とする育児休業をしようとする場合であって、次に掲げる場合のい ずれにも該当するとき 当該子が1歳6か月に達する日 イ 当該子について、当該非常勤職員が当該子の1歳到達日(当該非常勤職員 がする育児休業の期間の末日とされた日が当該子の1歳到達日後である場合 にあっては、当該末日とされた日)において育児休業をしている場合又は当 該非常勤職員の配偶者が当該子の1歳到達日(当該配偶者がする国等育児休 業の期間の末日とされた日が当該子の1歳到達日後である場合にあっては、 当該末日とされた日)において国等育児休業をしている場合 ロ 当該子の1歳到達日後の期間について育児休業をすることが継続的な勤務 のために特に必要と認められる場合として人事院が定める場合に該当する場 合 (育児休業法第3条第1項ただし書の人事院規則で定める特別の事情) 第4条 育児休業法第3条第1項ただし書の人事院規則で定める特別の事情 は、次に掲げる事情とする。 一 育児休業の承認が、産前の休業を始め若しくは出産したことにより効力 を失い、又は第9条に規定する事由に該当したことにより取り消された後、 当該産前の休業若しくは出産に係る子若しくは同条に規定する承認に係る子 が死亡し、又は養子縁組等により職員と別居することとなったこと。 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 二 育児休業の承認が休職又は停職の処分を受けたことにより効力を失った 後、当該休職又は停職が終了したこと。 三 育児休業の承認が、職員の負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害 により当該育児休業に係る子を養育することができない状態が相当期間にわ たり継続することが見込まれることにより取り消された後、当該子を養育す ることができる状態に回復したこと。 四 育児休業(この号の規定に該当したことにより当該育児休業に係る子に ついて既にしたものを除く。)の終了後、3月以上の期間を経過したこと (当該育児休業をした職員が、当該育児休業の承認の請求の際育児休業によ り当該子を養育するための計画について育児休業等計画書により任命権者に 申し出た場合に限る。)。 五 配偶者が負傷又は疾病により入院したこと、配偶者と別居したことその 他の育児休業の終了時に予測することができなかった事実が生じたことによ り当該育児休業に係る子について育児休業をしなければその養育に著しい支 障が生じること。 六 第3条の2第三号に掲げる場合に該当すること。 七 その任期の末日を育児休業の期間の末日とする育児休業をしている非常 勤職員が、当該育児休業に係る子について、当該任期が更新され、又は当該 任期の満了後に特定官職に引き続き採用されることに伴い、当該任期の末日 の翌日又は当該引き続き採用される日を育児休業の期間の初日とする育児休 業をしようとすること。 (育児休業の承認の請求手続) 第5条 育児休業の承認の請求は、育児休業承認請求書により行い、前条第七号 に掲げる事情に該当して育児休業の承認を請求する場合を除き、育児休業を始 めようとする日の1月(第3条の2第三号に掲げる場合にあっては、2週間) 前までに行うものとする。 2 任命権者は、育児休業の承認の請求について、その事由を確認する必要があ ると認めるときは、当該請求をした職員に対して、証明書類の提出を求めるこ とができる。ただし、非常勤職員が前条第七号に掲げる事情に該当して育児休 業の承認を請求した場合は、この限りでない。 (育児休業の期間の延長の請求手続) 第6条 前条第1項及び第2項本文の規定は、育児休業の期間の延長の請求に ついて準用する。 (育児休業の期間の再度の延長ができる特別の事情) 第7条 育児休業法第4条第2項の人事院規則で定める特別の事情は、配偶者 が負傷又は疾病により入院したこと、配偶者と別居したことその他の育児休業 の期間の延長の請求時に予測することができなかった事実が生じたことにより 当該育児休業に係る子について育児休業の期間の再度の延長をしなければその 養育に著しい支障が生じることとする。 国家公務員「非常勤職員の勤務条件はいま…」 (育児休業をしている職員が保有する官職) 第8条 育児休業をしている職員は、その承認を受けた時占めていた官職又は その期間中に異動した官職を保有するものとする。ただし、併任に係る官職に ついては、この限りでない。 2 前項の規定は、当該官職を他の職員をもって補充することを妨げるもので はない。 (育児休業の承認の取消事由) 第9条 育児休業法第6条第2項の人事院規則で定める事由は、育児休業をし ている職員について当該育児休業に係る子以外の子に係る育児休業を承認しよ うとするときとする。 (育児休業に係る子が死亡した場合等の届出) 第 10 条 育児休業をしている職員は、次に掲げる場合には、遅滞なく、その 旨を任命権者に届け出なければならない。 一 育児休業に係る子が死亡した場合 二 育児休業に係る子が職員の子でなくなった場合 三 育児休業に係る子を養育しなくなった場合 2 前項の届出は、養育状況変更届により行うものとする。 3 第五条第二項本文の規定は、第一項の届出について準用する。 (育児休業をしている職員の職務復帰) 第 11 条 育児休業の期間が満了したとき、育児休業の承認が休職又は停職の 処分を受けたこと以外の事由により効力を失ったとき又は育児休業の承認が取 り消されたとき(第9条に規定する事由に該当したことにより承認が取り消さ れた場合を除く。)は、当該育児休業に係る職員は、職務に復帰するものとす る。 (育児休業に係る人事異動通知書の交付) 第 12 条 任命権者は、次に掲げる場合には、職員に対して、規則8―12 (職員の任免)第58条の規定による人事異動通知書(以下「人事異動通知 書」という。)を交付しなければならない。 一 職員の育児休業を承認する場合 二 職員の育児休業の期間の延長を承認する場合 三 育児休業をした職員が職務に復帰した場合 四 育児休業をしている職員について当該育児休業の承認を取り消し、引き 続き当該育児休業に係る子以外の子に係る育児休業を承認する場合 (育児休業に伴う任期付採用に係る任期の更新) 第 13 条 任命権者は、育児休業法第7条第3項の規定により任期を更新する 場合には、あらかじめ職員の同意を得なければならない。 (2014 年 1 月 公務労協・国公連合作成)
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