総合理工学研究科 フォトニクス分析の新たなブレークスルー 電気・電子コース 半導体不揮発性メモリデバイス用電荷捕獲絶縁膜に関する研究 キーワード : LSI プロセス・不揮発性メモリ・絶縁膜 主研究担当者 : 小林 清輝(教授) どのような研究課題に取り組むのか Background and Motivation 半導体不揮発性メモリは、電源を切っても記憶情 報を失わない集積回路です。その将来の方式として 電荷トラップメモリ方式が注目されています。この方 式では、電荷捕獲絶縁膜の中に分布する点欠陥(電 荷トラップ中心)に、電子または正孔を捕獲させるこ とで情報を記憶します。このため、点欠陥の諸特性 (トラップ準位深さ、トラップ密度、捕獲断面積)を制 御することが、この方式の成功の鍵を握っており、そ のための基盤技術を探求しています。 どのような点が新しいか Originality これまで、電荷捕獲絶縁膜として Si3N4 膜が用いら れてきました。しかしメモリ機能に寄与する Si3N4 中の 電荷トラップ中心の構造は明らかではなく、未だ重要 な論点となっています。我々は、Si3N4 中の Si 未結合 手などの点欠陥の性質の解明を進め、メモリ機能に 寄与する電荷トラップ中心の起源を研究しています。 また従来の Si3N4 膜を凌ぐメモリ特性を有する絶縁膜 を形成する技術の開発を行っています。 研究展望とインパクト Impact and Perspective これまで Si3N4 中の K0 センター(電気的に中性の Si 未結合手)が電子正孔対の生成中心として働くこ とを明らかにし、さらに種々の点欠陥の性質の解明 を進めています。また、触媒化学気相堆積法を用い て形成した Si 3 N 4 膜が、従来の減圧 CVD 法で成長し た Si3N4 膜を凌ぐ正電荷保持特性を有することを示し てきました。本研究は、電荷捕獲絶縁膜に所望の点 欠陥を形成し、電荷トラップ中心の特性を制御する 技術を切り拓くことに貢献するものです。 ◆リンクページ:http://www.ei.u-tokai.ac.jp/Lab/kkbys/ ESR derivative power absorption spectra obtained before and after exposing a silicon nitrider film to 4.9 eV UV illumination at room temperature. The intensity of the ESR signal substantially increased owing to the generation of the paramagnetic K0 centers. Current research interests: Advanced nonvolatile memory (NVM) technology Novel charge trap dielectric films for NVMs Modeling of charge trapping in dielectric thin films Modeling of dielectric degradation in thin insulating films for ULSIs Low temperature growth of thin dielectric films 研究グループからの論文 K. Kobayashi and K. Ishikawa, Jpn. J. Appl. Phys., 50 (2011) 031501. K. Kobayashi and T. Ide, Jpn. J. Appl. Phys., 49 (2010) 05FE02. K.. Kobayashi, H. Watanabe, K. Maekawa, K. Kashihara, T. Yamaguchi, K. Asai, and Y. Hirose, Micron, 41 (2010) 412. K. Kobayashi and T. Ide, Thin Solid Films, 518 (2010) 3305. K. Kobayashi, H. Yokoyama, and M. Endoh, Applied Surface Science, 254 (2008) 6222. ◆電子メール:kkbys※keyaki.cc.u-tokai.ac.jp(※印を@へ変更して下さい)
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