30P-pm083 マスト細胞の分化および成熟における β- ヘキソサミニダーゼの役割 濱野 裕章 1 , 松井 敦聡 1 , 伊藤 孝司 2 , ◯福石 信之 1 ,栗原 大輔 1 ,幡 洋輔 1 , 1 1 徳島文理大薬,2 徳島大院ヘルスバイオサイエンス研究 辻 大輔 2 ,赤木 正明( 部) 目的 I 型アレルギーにおいて中心的な役割を果たすマスト細胞の顆粒中には、糖脂質 の代謝酵素である ȕ-ヘキソサミニダーゼ(ȕ-Hex)が大量に含まれる。しかしなが ら、マスト細胞における ȕ-Hex の役割については全く不明である。我々はマスト 細胞における ȕ-Hex の役割を明らかにする目的で、ȕ-Hex 欠損マウス(Hexb-/-)の骨 髄よりマスト細胞を作成し(BMMC) 、野生型(C57BL/6)の骨髄より作成した BMMC と比較検討することとした。 方法 C57BL/6 および Hexb-/-の大腿骨および下腿骨より骨髄を採取し、定法により 4 週間培養を行い、BMMC を得た。これら BMMC のヒスタミン含量、Saflanine O 染色性、Alcian blue 染色性、各種表面抗原の発現、および FcεRI cross-link による 脱顆粒について、比較検討を行った。 結果 Saflanine O、Alcian blue 染色性、表面抗原の発現、ヒスタミン遊離率などに相違 は認められなかった。一方、有意差は認められなかったものの、Hexb-/-由来 BMMC のヒスタミン含量は C57BL/6 由来 BMMC に比して、10%-20%高値を示した。ま た、マスト細胞欠損マウスに両 BMMC を移植したところ、Hexb-/-由来 BMMC を 移植した群で、特に脾臓において、BMMC の存在数が著明に増加していた。 考察 β-Hex の有無は BMMC の分化や機能には影響を与えないようであったが、マス ト細胞の臓器への遊走、および定着に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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