首都圏における女性起業家に関する一考察 柴田仁夫(埼玉学園大学経済経営学部) Keyword:女性起業家,支援者,弱い紐帯の強さ 1. はじめに 目的とする。 (1)背景 安倍政権が経済再生に向けて展開する 3 本の矢のうち 2. 女性起業家に関する先行研究 の 1 つ「成長戦略」は 2014 年 6 月に改訂され,そのう (1)女性起業家研究の歴史 ちの 1 つ「人材の活躍強化」に含まれる「女性が輝く日 女性起業家に関する研究は,まだその歴史は浅い。田 本!」の中で,待機児童対策や女性の管理職の登用など 中[2009]が 1980 年代から 1990 年代にかけての研究成 と並び,女性の起業支援を打ち出している。しかし首都 果から, 「日本の女性起業家の特徴を,育児期間を終えた 圏の東京都品川区や横浜市,さいたま市などではこれ以 30 歳代から 40 歳代の比較的高学歴の主婦で,経営形態 前から女性起業家専門のインキュベーション施設を準備 や売上も小規模なサービス業である」とまとめ,更に「女 したり,専門の支援者による創業支援やビジネスコンテ 性のキャリア形成過程の違いが,雇用労働環境の未整備, ストの開催,補助金や融資制度など,さまざまな支援を 能力評価への不満,市場の変化といったさまざまな動機 行ってきている。このように行政による女性起業家支援 により,開業が誘発されて,開業目的も異なる」と結論 が拡がっている背景には,高橋(2014)が述べるように づけている。しかし,そもそも女性起業家に注目が集ま 「女性経営者や起業家が増えることは,男性では気が付 っているのは,何も安倍政権が誕生した 2010 年代からで かない事業機会の発見・開拓や新しい経営方法の開発を はなく, 田中 [2009] が論じた 1980 年代から 1990 年代, 通して,経営の世界の多様性につながる効果も期待でき 田村[2006]が指摘した 2000 年代においても,さまざ る」ためと考えられる。 まな理由から注目を集めてきた。そして女性起業家が注 (2)女性起業家研究の課題 目されているのは,日本国内に限ったことではなく,高 しかし,実際には女性の起業は非常に小規模であるこ 橋[2014]が指摘しているように,欧米でも女性起業家 とが多く,経営に関する知識の不足からくる事業の不安 は今後の経済成長の担い手であり「最も成長著しいセク 定さから,一般的なビジネスの概念では事業といえない ター」として注目を集めている。 ものが多い。このことは 2012 年版中小企業白書などでも しかし,一方で日本の女性起業家は,事業自体が小規 指摘されている。その一方で,地域コミュニティの中に 模であることが多いため,その存在感は先進国の中でも おける女性起業家は,地域の中小企業と中小企業を結ぶ 非常に薄くなっている。たとえば高橋[2014]が指摘す 結節点となることが多く,男性起業家が目を向けない地 るように,日本の女性起業家は自営業が多く,古い調査 域課題を浮き彫りにし,その解決のために四苦八苦し, 結果となるが 1997 年の自営業主全体の所得が 2 兆 4,841 地域に欠かせない存在になっていることも多い。しかし 億円であったのに対し,女性起業家のこれに占める割合 これまでの女性起業家に関する研究は,女性起業家自身 はわずか 14.1%(3,530 億円)に過ぎない。また,次の に対して行ったアンケートやヒアリング,成功事例の紹 ような指摘もある。西尾・高橋[2012]は非常に珍しい 介が中心で,女性起業家が起業に至るまでにとってきた ケースとして京都の花街を取り上げ,これに関連する仕 様々な行動が結果的にどのように起業に繋がってきたか 事である「お茶屋」 「屋形」 「芸妓」 「舞妓」は視点を変え 分析されている研究はほとんどない。 れば皆女性起業家として捉えることができるものの,日 (3)研究の目的 本の独自文化が生んだ,歴史がありかつ地域が限定され そこで,本研究では女性起業家支援が盛んな首都圏を ている既存ビジネスについては,そこまで調査や支援の 中心に,豊富な支援経験を有する女性起業家の支援者に 目が行き届いていない現状がある,と指摘している。 対してデプス・インタビューを行うことにより,女性起 (2)女性起業家に対する公的支援 業家の特徴や行動の傾向を分析し,女性起業家のどのよ 現在の女性起業家の活躍に経済規模の問題はあるもの うな行動が起業に結びついているのか,検証することを の,こうした女性起業家ブームの中で,行政はさまざま 1 な方法により,女性の起業を支援してきている。先に述 び行為者を取り囲む人間関係の構造」である「社会的ネ べたようにアベノミクスの一環としての女性起業家支援 ットワーク」が新規開業に及ぼす影響力を分析し,男性 以前に,すでに各自治体レベルにおいては,さまざまな では統計的に有意であった仕事関係の友人・知人やその 支援が行われている。 他の友人・知人の影響が女性起業家では見られなかった 例えば,田村[2006]が指摘した女性のライフスタイ ことから女性はこれらの対象を情報源として活用してお ルに立ちはだかる「就職・結婚・出産・育児・転勤・介 らず,別のネットワークを形成している可能性を指摘し 護など仕事を続けていく」うえでの「壁」をどう乗り越 ている。最後に古賀[2011]は東京都区部における女性 えているのかについて,萩原[2005] ,鈴木[2014] ,山 起業家の就業行動を男性起業家と比較し,女性起業家の 崎[2014] ,辺見[2014]らは実際の現場の支援策を提 空間的移動距離が短く,コンパクト化していることを指 示し, 「先駆者たちがこつこつ切り拓いてきた起業の道」 摘している。 が現在にも繋がっていることを示している。 萩原[2005]は石川県における公的支援の実体を,起 3. 調査研究 業家への面接ならびに観察を通じて調査しその結果を考 (1)研究方法 本研究では, 女性起業家支援に関わる支援者に対する 2 察,鈴木[2014]は日本の起業家には必要不可欠な信用 保証協会の立場から女性起業家支援策への取組みを紹介, 時間程度の半構造化面接法によるデプス・インタビュー 山崎[2014] ,辺見[2014]は横浜という日本最大の政 を採用した。女性起業家支援に携わる支援者にヒアリン 令指定都市における女性起業家支援策について,政策立 グを行うのは,三輪[2010]が指摘しているように,こ 案を行う行政側の立場ではなく,その実行側,いわゆる れまでの研究の多くがすでに起業し事業活動を行ってい 現場における支援者の立場から女性起業家支援の実際に る経営者に対するヒアリングやアンケートが中心である ついて述べている。 ため,起業時の女性起業家の行動が後付けでしか分から (3)女性起業家のネットワークに関する研究 ず,実際に行った活動と調査結果が乖離している可能性 また,萩原[2005]や田村[2006]が指摘しているよ があるからである。支援者は創業相談を行う際,様々な うに女性起業家には自身の事業拡張のためのネットワー 情報を相談者から聞き出している。そこで彼等にヒアリ クが乏しく,ロールモデルとなる人材が周囲に少ないた ングを行うことで,実際の起業前後の女性起業家の活動 めメンター制度の充実が有効であるが,山崎[2014]が を浮かび上がらせることができよう。本稿執筆現時点で 述べるように横浜をはじめとする一部支援機関ではこう は支援者 5 名に対してヒアリングは実施済みで,今後は した提言を踏まえ,すでにメンター制度を実施している。 更に 2~3 名の追加ヒアリングを行う予定である。 「 『具体的な課題解決につながっただけでなく,経営者と (2)調査対象 しての心の持ちようを学んだ』 , 『事業の方向性を確信で 本稿の調査対象は首都圏(東京・品川区,横浜市,相 きた』 , 『メンターのみならず,経営する仲間としてのメ 模原市,千葉県,埼玉県)の公的支援機関で女性起業家 ンティーとの出会いがあった』 」いった意見が出ている。 支援に関わったことがある支援者を対象とした1。首都圏 更に女性起業家のネットワークの活用に関する研究も では近年女性起業家支援が活発で,政令指定都市を初め 進んでいる。田中[2006]は女性起業家を 4 つの型(従 とする多くの地域で女性起業家支援を行っているからで 来型,革新型,家庭型,急進型)に分類し,その特徴を ある。なお,本稿でいう女性起業家とは,公的支援機関 友人,知人,家族などの「属人的ネットワーク」と同業 を利用した経験がある者を対象としている。そのため, 者組合,専門学校などの「社会的ネットワーク」で特徴 一般的な女性起業家よりその対象範囲が限定されている づけ,すべての「型」で女性起業家は「社会的ネットワ ことに留意されたい。 ーク」が不十分であることを指摘している。石坂[2010] (3)ヒアリング内容 は女性起業家の斯業経験に着目し,斯業経験がある女性 ヒアリングにあたり調査対象者に確認した内容は,① 起業家とそれがない女性起業家のネットワーク構造の違 女性起業家の特徴,②女性起業家の課題,③成功する女 いについて,斯業経験があるとアクセスできるリソース 性起業家は何が違うと感じるか,④一般の創業支援と異 や仲介者の数が増えるため,ノード数増えると指摘して なる点,⑤女性起業家支援で支援者に特に必要だと思わ いる。三輪[2010]は安田[1997]の「行為者本人およ れる能力,⑥女性起業家支援で特に気をつけている点, 2 ⑦女性起業家支援で支援者自身が抱える課題,⑧女性起 [2010]は,女性は「仕事関係の友人・知人」や「その 業家の支援者は女性がよいか男性がよいか,等について 他の友人・知人」以外の情報収集ネットワークを情報源 である。 としていると指摘しているが,この「公的支援機関が提 供している専門家」の活用が正にこれらとは別の情報収 4. 調査結果及び分析に対する考察 集ネットワークであり情報源となっている。女性起業家 調査対象に行ったヒアリングを簡単にまとめると次の はこうすることでリスクを避け,様々な地域の支援サー 通りである。 ビスを受けていると考えられる。また田中[2006]は創 ①女性起業家の特徴は,すでに多くの先行研究でも示 業の困難性やキャリア形成の不足を克服するため,女性 されているように,事業としての認識が低く,自己満足 起業家は属人的ネットワークと社会的ネットワークを活 的な発想で起業を考えている相談者が多い。②女性起業 用すると指摘しているが,各地域の支援機関の支援策の 家の課題としては,起業の目的や目標を明確化して,収 活用は社会的ネットワークの活用に当たると考えられる。 益をもっと志向する必要がある。③成功する女性起業家 なお,首都圏は鉄道網の発達により,他県の支援機関ま の特徴として,成功の定義にもよるが,目的や目標が明 で 2 時間以内で移動できることが多い。古賀[2011]の 確になっており,好き嫌いなく多くの人とコミュニケー 先行研究では本稿とは異なる結果を示しているが,これ ションをとれる能力を持ち,支援者の話や第三者の意見 は調査対象を東京都区部に就業地を持つ起業家を対象と を素直に受け止め,情報を積極的に取りに行く行動力が したインターネットアンケートであり,調査対象が現在 あり,もらった意見やアドバイス,情報を有効活用でき 起業のための準備をしている起業家に絞り込めていない るといった点が挙げられる。④一般的な創業支援と異な ことが原因であると考えられる。 る点としては,女性起業家には収益計画や数値の管理が では,この女性起業家の創業期における活動範囲の広 苦手な人が多いため, 「やりたいこと」と「できること」 さをどのように捉えたらよいのだろうか。これは,女性 が違うことを計画上で定量的に理解させるよう,その手 起業家の特徴といわれるコミュニケーション力や共感力 順に工夫が必要である。⑤女性起業家の支援者に特に必 と共にグラノベッター[2006]の「弱い紐帯の強さ」理 要だと感じられる能力は,本心を聞き出す傾聴力と現状 論により説明できると考えられる。 と事実を論理的に伝える伝達力が必要である。⑥女性起 起業家が持つ友人・知人・家族,すなわち属人的ネッ 業家支援で特に気をつけている点は,一般的な経営支援 トワークは強い紐帯を表す。そして起業家が住む地域の でもいえることだが,可能な限り専門用語は使用せず, 公的支援機関との関係は間接的な関係であり,弱い紐帯 後ろ向きではなく,ポジティブ思考で真剣に話を聞くス で表される。公的支援機関で支援業務を行う支援者(あ タンスを維持することである。⑦支援者が抱える課題と るいはセミナー講演者)は公的支援機関という仲介者を しては,起業支援とは言い難い PC の操作やホームペー 通して起業家と繋がることになり,これにより起業家と ジの作成に関する質問などへ対処が難しいことが挙げら 支援者との関係は弱い紐帯で結ばれることとなる。ここ れる。そして最後に⑧女性起業家の支援者については男 で,公的支援機関で支援業務を行う支援者に焦点を当て 女混合がよい,という回答となった。 てみると,支援者と支援機関の関係はその仕事の関係性 そしてこのヒアリングの中で, 3 名の支援者から何人か により,強い紐帯であったり弱い紐帯であったりするこ の女性起業家が異なる地域の女性起業家支援サービスを とが分かる。更に支援者は複数の公的支援機関の仕事を 受けているという話が出てきた。首都圏の各地域では 行うことがあるため,ある支援機関とは強い紐帯,また 様々な女性起業家支援を行っているが総じて似たような 別の支援機関とは弱い紐帯で結ばれていると考えられる。 支援が多い。例えば,女性起業家向けの相談窓口やセミ このように見て行くと,女性起業家が公的支援機関を ナー,創業塾,メンター制度などが挙げられるが,これ 起業に必要な情報を得るための社会的ネットワークとし らは先行研究で示した萩原[2005]らが公的支援機関に て捉えたとき,その情報を得る先は各支援機関の支援者 おける女性起業家支援策を示してきた影響が大きいと思 からであり,複数の支援機関との繋がりをもつことはそ われる。しかし,これから創業しようとする女性起業家 れぞれの支援機関の支援者との関係を広く,あるいは深 が,何故他地域の支援を受けようとしているのだろうか。 く構築すること,すなわち自身に不足する情報ネットワ これにはいくつかの理由が考えられる。たとえば三輪 ークを拡大あるいは深化させことにほかならない。こう 3 することで起業を成功に導くことになるため,女性起業 家は複数の支援機関の支援サービスを利用していると考 践コミュニティ形成プロセス-」 『地域活性研究』 えられる。 No.6,145-154 頁。 鈴木秀治[2014] 「女性起業家支援の取り組みについて」 『信用保証』第 126 号,11-15 頁。 5. 今後の展開 高橋徳行[2001] 「日本の女性起業家群像」 『経営者』第 支援者に対するヒアリング調査から,女性起業家の行 55 巻第 5 号,12-17 頁。 動範囲が想像以上に広域に広がっていることがわかって ――――[2003] 「女性起業家の現状と課題」 『生活起点』 きた。一般的に女性起業家の活動範囲は狭く,地域に密 No.66,16-23 頁。 着した事業を展開することが多いと言われているが,創 業時の一部の女性起業家は自分の居住地域以外のセミナ ――――[2014] 「起業態度と企業活動の国際比較-日本 ーや講演に積極的に参加して情報収集を行い,また各地 の女性の起業活動はなぜ低迷しているのか-」 『日本 域の講師や支援者とのネットワークを意識的に広げてい 政策金融公庫論集』第 22 号,33-56 頁。 る。つまり,男性に比べ足りないと言われている経営ノ 田中恵美子[2006] 「日本における女性起業家の創業の困 ウハウや事業マネジメント,係数管理の経験が少ない点 難性とその回避策-ヒヤリング調査の結果を素材と を,広範な地域支援機関の支援者と弱い紐帯を結ぶこと して-」 『桜美林エコノミックス』第 53 巻,67-85 頁。 で彼等を情報源として活用していると考えられる。しか ―――――[2009] 「日本における女性起業家研究の成果 し,国や地方自治体の女性起業家への支援策は地域に縛 と課題-1980 年代から 1990 年代を中心として-」 られがちであり,実際の起業家へのフォローまで対応で 『経営学研究論集』 (明治大学)第 31 号,19-35 頁。 きていない。そこで地域支援機関同士の,地域の枠組み 田村真理子[2006] 「新たなブームにみる女性起業家の実 を超えた,より精度の高い連携による情報共有が必要に 情」 『国民生活金融公庫 調査月報』No.545,36-39 なってきていると考えられる。 頁。 西尾久美子・高橋徳行[2012] 「総括コメント(2011 年度 年次大会 共通論題報告 女性企業家の多様性と可能 1 本稿執筆時点では,東京・品川区,横浜市,千葉県,相 性-伝統産業からハイテクまで-」 『企業家研究』第 模原市で支援経験がある女性 4 名,男性 1 名の計 5 名 9 号,111-117 頁。 の中小企業診断士。 萩原扶未子[2005] 「女性起業家創出を促す公的支援に関 する研究-石川県のおける事例研究-」 『経営行動科 【引用・参考文献】 学学会年次大会発表論文集』第 8 号,56-59 頁。 石坂健[2010] 「女性の起業プロセスで形成されるネット 辺見香織[2014] 「支援者から見た女性起業家」 『企業診 ワーク構造の違い-斯業経験と仲介者の視点から 断』第 61 巻第 7 号,50-53 頁。 -」 『武蔵大学論集』第 57 巻第 3・4 号,597-638 頁。 三輪哲[2010] 「友人との紐帯がもつ新規開業促進効果の ―――[2012] 「起業活動における正当性欠如の克服につ 実証的検討」日本政策金融公庫総合研究所編『2010 いての一考察-斯業経験のない女性起業家のケー 年版新規開業白書』中小企業リサーチセンター, ス・スタディ-」 『武蔵大学論集』第 60 巻第 1 号, 53-87 頁。 105-123 頁。 安田雪[2007] 「弱い紐帯の弱さ-スモールワールドの連 大石友子[2013] 「女性起業家創出に必要な施策について 鎖をとめるのは何か-」 『東京大学 COE ものづくり -日米支援機関調査から-」 『日本政策金融公庫 調 経営研究センター』No.158,1-14 頁。 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