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International Symposium on Psychological vs Mathematical Approaches to Optical
Illusion, at Meiji University, on March 4-6.
独断的見どころ聞きどころ紹介
杉原厚吉
3 月 4 日(水)
Baingio Pinna
What is Shape? New Phenomena in the Light of a New Approach
ピンナ錯視と呼ばれる、円周上に並んだ正方形が顔を近づけたり離したりするとくるく
る回って見える錯視の発見者です。今回は、形とは何か?形の意味とは何か?という根源
的な問題について、いろいろな錯視を手がかりに議論していただけるようです。陽気で、
いかにもイタリア人らしい先生です。
Rob van Lier
Filling in illusory appearances
オランダを代表する錯視研究者です。ベスト錯覚コンテストでは、色の知覚が輪郭線の
与え方によって変わる新しい錯覚で 2008 年に優勝、2014 年に 2 位を獲得しています。その
ほかにもベスト 10 に数回入っており、このコンテストの常連の一人でもあります。
16:30-18:00 デモ展示の説明プレゼンセッション
デモ展示作品を提供している方のうちの希望者による展示作品の解説セッションです。
たとえば、Cook 氏は、逆遠近法(絵の内容と奥行きが逆の面に描いた絵)の錯視について
展示されますが、その単なる解説では無く、それに関連した発表をしていただきます。
18:00-20:00 デモナイト
公募によるデモ作品 21 点が会期中の 3 日間展示されていますが、特にこと時間帯は、出
品者自身が、自らの作品のそばに立って解説します。
3 月 5 日(木)
Simone Gori
Motion Illusions as a Tool to Understand Brain Mechanisms in Typical Developing
Individual and in Clinical Populations
動きの錯視は、無侵襲で脳の視覚システムを覗くことのできる神経生物学的な窓である
という認識に基づいて、錯視現象を観察すると脳の視覚システムについて何がわかるかを
議論していただきます。
Masanori Idesawa
A Model for Explaining the Anomalous Motion Illusion
静止画が動いて見える錯視や、動きが実際とは異なって見える錯視を統一的に説明でき
る数理モデルを提唱されている先生です。そのモデルは、脳での処理だけでなく、網膜の
構造や性質にも着目されているところに特徴があります。今回の講演では、このモデルと、
それによるシミュレーションなどを紹介していただけます。
Akiyoshi Kitaoka
Color-Dependent Motion Illusions in Stationary Images: What Causes Illusory Motion?
錯視の研究者としても、錯視アートのデザイナーとしても世界的に知られている研究者
で、膨大な創作錯視図形を紹介している同氏のホームページは、驚異的なアクセス数を誇
っていることでも有名です。静止画が動いて見える錯視に関して色の効果を解明されてお
り、その成果は代表作「へびの回転」でも発揮されています。最近では、明るいところと
暗いところで逆向きに回転して見える錯視とその数理モデルについても研究されており、
今回の講演でおご紹介いただけると思います。この先生の講演はいつも、次から次へと不
思議で美しい錯視図形が紹介され、まるでジェットコースターに乗っているような気持ち
にさせられます。
Stuart Anstis
Illusions of Motion Perception
動きに関する多様な錯視を発見し続けている錯視研究の大御所の一人です。この先生の
プレゼンは、いつもスクリーン上で手品を見ているような不思議さと楽しさがあります。
今回も、コントラストの差で動きが変わって見えるフットステップ錯視、数枚の画像を繰
り返し見せているだけなのに対象が同じ方向に動き続けるように見えるリバースファイ錯
視、近くで見るか遠くで見るかによって逆方向に動いて見えるジグザグ錯視など、8種類の
錯視を紹介していただけるそうです。
3 月 6 日(金)
Kokichi Sugihara
Depth Illusion Due to Rectangularity Preference
直角の大好きな脳を欺くことによって、不可能立体・不可能モーションなどいろいろな
立体錯視が創作できることを紹介します。特に、鏡に映すと形がまったく違って見えると
いう一群の新作(これを「多義柱体」、
「変身する立体」などと呼んでいます)の種明かし
と設計原理の紹介もします。
変身するガレージ屋根(杉原厚吉、2014)
Brian Rogers
The concept of illusion and a new classification
主に 3 次元の奥行きに関する知覚と錯覚を研究している英国を代表する錯視研究者です。
今回は、いろいろな錯視を分類する新しい枠組みを紹介していただけるそうです。
Kohske Takahashi
Being a (Visual) Illusionist: Works and a Future
錯視研究の新進気鋭の若手です。輪郭のぼけたハート型の図形が動く錯視や、放射状の
線の中心が輝いて見える錯視など、たくさんの錯視作品を創作しています。本講演では、
それらの錯視図形の作り方を披露していただき、創作の楽しさを紹介していただけそうで
す。