10 心臓CT検査における における最適撮影条件の検討 (体格と血管内SD SDの相関について) 公立大学法人 大阪市立大学医学部附属病院 ○中村 敦 大瀬 俊一 渡辺 晋一 吉田 中央放射線部 梨影 【背景】 2006年4月に64スライスCTが導入され心臓CTの の撮影が開始された。心臓CTは肝臓など他の臓器 と違い撮影条件決定の指標となるものが無く、患者 患者ごとに撮影条件の変更が難しい撮影部位であ る。安定した画質を提供するために、体格にあわせた にあわせた撮影条件を設定する必要があると考えた。 【目的】 冠動脈CTで血管内を描出するために必要な画像 画像SD(standard deviation)の基準を設けることで、 患者の体厚(横径)に応じた撮影条件設定が可能 可能なのか検討した。 【使用機器】 SIEMENS SOMATOM Sensation64 【撮影条件】 管電圧120kV、管電流770eff.mAs、管球回転速 管球回転速0.33sec/r 、撮影スライス厚0.6mm、ヘリカル ピッチ0.2または0.18、画像スライス厚0.75mm、 、画像再構成関数B25とした。 【対象】 対象患者は体重を60kgから75kgまでとした。検討 検討データ数は16例であり、前処置はβブロッ カー投与15例、ニトログリセリン投与16例であった であった。 【撮影方法】 造影剤注入条件は造影剤を70ml,3.8ml/secとし とし、生理食塩水30ml 3.8ml/secで後押しした。造 影剤はIopamidol370、撮影方向は尾頭方向とした とした。上行大動脈にROIを設定しCare Bolusを用い てCT値150上昇後撮影開始とした。 【検討項目】 ①最適心位相と冠動脈内の画像SDの関係および画像 画像SDの変化 ②冠動脈内の画像SDと体厚の関係 【方法】 最適心位相の決定には相対値法によりR-R5%間隔 間隔で画像再構成を行い各心位相の冠動脈のCPR短 軸像を作成する。左冠動脈主幹部(LMT)の血管内 血管内の画像SDを計測し、その最も低いSD値の心位相 を最適心位相とした。また血管内SD測定にはLMT LMTのSDを7点測定し、最大値、最小値を除外した5 点の平均を算出した。体厚の測定方法としてLMT LMTの描出されているスライス位置の皮膚面を計測 した。 【結果】 血管内SDは静止している画像ほど低下する傾向 傾向にあった(Fig.1)。また静止している心位相の 検索にも利用可能であった。体厚と血管内SDは相関 相関があり、撮影条件の指標として利用可能で あった(Fig.2)。 【結論】 画像SDを指標とした基準撮影条件を用いることで いることで、撮影計画時に体厚ごとの最適撮影条件を設 定できるため、最適化および被ばく低減に有用であった であった。今回の検討では、より精度の高い撮影 条件設定にはデータ数が過不足であり、今後のさらなる のさらなる検討が必要である。 26 24 30 25 22 20 15 平均HR:65 最大HR:71 最小HR:62 10 5 収縮末期 SD SD 20 拡張中期 0 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% R-R間隔 Fig.1 心位相のおける画像SDの変化 18 16 14 y = 0.5378x - 0.7827 r = 0.39 12 10 27 28 29 30 29 31 32 33 34 35 36 37 体厚(cm) Fig.2最適心位相 最適心位相の画像SDと体厚の関係 Fig.3体厚の測定
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