27 ギレットさん夫妻(2015.7.17号)

かつうらしい
ひと
地域おこし協力隊・ぬまっち特派員が勝浦の様々なモノ・コトとつなが
ス
り地域で活躍する勝浦らしい人=「かつうらしいひと」にフォーカス!
ウ
〟だった。
HOUSE
ハ
サ
ッ
プ
できるし
S U P( ※ )
ぎ
わ
っ
て
た
した、従来の宿泊施設とは異なる滞在
スタイルとして定着している。
択をするのは自然な流れだった。
勝浦という日本を楽しむ
デインさんが初めて勝浦を訪ねたの
は 十 五 年 前 の こ と。 そ の 時 の 印 象 を、
フィッシャーマン
ファーマーズ
「海が綺麗だし、本当に〝日本〟だった。
漁師さんや農家さんがいっぱい。日本
のスローライフがここにある」と振り
返 る。 そ れ は「 日 本 が、 勝 浦 に 全 部 」
ある感覚だったという。
ゲ
ス
ト
アクティビティ
サーフィンやSUPといったマリン
スポーツに限らず、外国人をはじめと
する宿泊客を様々な 遊 び に案内する
の も、〝 勝 浦 の 中 の 日 本 〟 の 魅 力 を、
8
KATSUURA 2015.7.17
も で き ま す 」、
デインさんは目
を輝かせた。
ゲストハウスをオープン
縫って、度々サーフィンをしに房総の
デインさんは移住前まで、東京で会
社 勤 め し て い る 時 も、 仕 事 の 合 間 を
二 人 は 二 〇 一 四 年、 勝 浦 に 移 住 後、
部原にゲストハウスをオープンした。
ファー向けゲストハウスがあったら」
と常々感じていた。一方のマドカさん
海岸へ足を運んでいた。その際、「サー
ゲ ス ト ハ ウ ス は、 若 い バ ッ ク パ ッ
カ ー( 低 予 算 旅 行 者 ) や 長 期 滞 在 外
国 人 の 受 け 皿 と し て 発 展。 素 泊 ま り、
も、いつか海の近くに住みたいという
んでいきたい」とマドカさんが語る
に
在の物件を見つけた時、移住という選
ドミトリー(相部屋)を主として低価
ス が 多 い。 現 在 は た
へばら
「 外 国 人 に と っ て 部 原 は 有 名。 外 国
のプロサーファーが来ますよ」と、部
だ 安 い だ け で は な く、
思いを抱いていた。そんな二人が、現
原のビーチを見渡すゲストハウスのテ
地 元 に 根 付 い た 食・
格で宿泊できるケー
国道128号線バイパスの入口に
ある部原交差点から、太平洋に向かっ
ラ ス で 流 暢 な 日 本 語 で 話 す の は、 イ
世界の部原
て入り組んだ路地をすり抜けて行く。
遊び方・コミュニティ
さんが続ける。そう、普段
を個性として打ち出
ギ リ ス 出 身 の ギ レ ッ ト・ デ イ ン さ ん。
「サーフィンの世界大会も開かれまし
程なく、生け垣に左右を囲まれた緑の
小 道 の 向 こ う に、 一 筋 の 水 平 線。 切
風 景 に、 旅 人 の 心 は 躍 る。 い や、 私
は静かな片田舎の佇まいの
たしね」と、奥様のマドカ
は 勝 浦 市 民 で あ る け れ ど、 こ の 地 は
部原だが、目線を変えるだ
り取られた一枚の作品のようなその
旅情をかき立ててくれるのだ。
とっては訪ねてみたい海
だ っ た り も す る の だ。「 興
けで、例えばサーファーに
堤 防 沿 い の 道 ま で 行 く と、 不 意 に、
ハワイまで六六一一キロであると示
す、 陽 気 な 看 板 に
津、守谷、鵜原、部原…勝
ントを決められる。釣りも
出 く わ し た。 こ こ
ト
浦は風によってサーフポイ
ス
が 今 回 の 目 的 地、
ゲ
じゃない」。
さ ん が、『 昔 は フ ァ ー マ ー ズ マ ー ケ ッ
S PLASH G UEST
そんな中、デインさんは
自らウェブサイトを立ち上
ト、大ヒットだったよぉ~』って、栄
【Mr. Dane Gillett】1973 年 5 月 21 日生まれ。42 歳。
イギリス出身。東京生活の後、
2014 年 9 月に勝浦へ移住。
マドカさんとともに SPLASH GUEST HOUSE を部原
にオープン。ウェブサイト「Surfing in japan」を主宰し、
英字情報誌「Tokyo Weekender」にサーフ情報を執筆
【Mrs. Madoka Gillett】東京都練馬区出身。2014 年、
デインさんとともに勝浦へ。11 歳と 8 歳のお子さんとと
もに 4 人家族 http://www.japansup.com
スプラッシュ
ローカルコミュニケーション
「ご近所付き合い」が増えたそうだ。
「 移 住 し て か ら、 毎 日 子 ど も た ち と
朝、一緒に食べて、海で遊んで、虫に
げるなどし、海外へ向けて
えてたことをよく教えてくれる。じゃ
〝
勝浦のフィッシングポー
ガ イ ド ブ ッ ク は 東 京、京 都
も 触 れ ら れ る よ う に な っ て。 家 族 と、
ト、外 国 人 全 然 知 ら な い。
…定番の場所の紹介ばか
周りの人たちとともに、成長して楽し
情 報 を 発 信 し て い る。「 成
あ、私たちはここからやろうと、そう
プ
田から近いこともあって、とりあえず
思ったんです」。
ッ
最初に行ってみようかと来てくれる人
リ
デ イ ン さ ん が 肌 身 で 感 じ て い る か ら。
も多いです。京都などを回って来たけ
新鮮な眼差しを持つお二人に、勝浦
の面白さを改めて教わった。
ト
ゲストとともに市内を巡る事も多い。
ど、国に帰る前にまたここに来たかっ
ル
だ が 勝 浦 の 良 さ も、 外 国 人 が 知 る
機 会 は 少 な い と デ イ ン さ ん は 言 う。
たって言ってくれるゲストさんもいら
ナ
「 勝 浦 は 七 月 と 八 月 だ け。 そ れ 以 外 は
して。笑顔で国に戻ってくれると嬉し
ソ
ア ウ ト 。これはバツ。勝浦の朝市行く
いですね」と、マドカさんは笑う。
ー
と、『おじさん、
おばさん、
かわいい!』
っ
パ
り。個 人 の 好 み に 沿 っ た 旅
てゲストの皆さん喜びます。海、神社、
最近では国際武道大学のインターナ
ショナルグループの学生たちがバーベ
と、 デ イ ン さ ん が こ う 言 っ た、
「おじ
フィッシャーマン、灯台…何もかもが
キューを楽しんだり、サザエのお裾分
フィッシングポート
もったいない ファーマーズマーケット
面白い。漁 港 があって、
マグロがでっ
けをしてくれた地元の方と外国の方が
がらんとしている
か い! 人、少 な い か ら 凄 く い い。築 地
一緒のテーブルで夕食を味わったりと
勝浦は日本だった
その感動を伝えたい
ギレット・デインさん
・マドカさん
ゲストハウスではカフェ営
業も。勝浦の和洋菓子店と
コラボしたハンバーガーが
人気。部原海岸に臨むテラ
スでバーベキューもできる
は(見学の)外国人でいっぱい。でも、
各国から集うゲストのみなさん。サーフィ
ンや SUP、朝市ツアーなどの体験も行わ
れている(写真提供:デインさん)
取材・撮影・文・デザイン:沼尻亙司 イラスト:瀧川由貴子
記事の問合せ▶勝浦市企画課地域活力推進係 ☎ 0470-73-3337
※スタンドアップパドルボード。ボードの上に立ち、パドル(櫂)で漕ぐ
水上スポーツ。波に乗るだけでなく、クルージングや釣りも楽しめる
人
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katsuurashii-person