子宮頸がんの精密検査について

子宮頸がんの精密検査について
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス (HPV) 感染によって起こります
性交経験のある女性の約80%がHPVに感染します。自身の免疫によってウイルスが消
えることが多いのですが、5∼10%は感染が続いて「異形成」という前がん病変が生
じ、進行すると「子宮頸がん」になります。感染からがん化までは数年かかります。
約80%の女性が
HPVに感染
正常な細胞
約10%は
感染が持続
約90%は2年以内に
免疫により排除される
高度異形成の
60%ががんに進む
ウイルスが
排除されれば
正常に戻る
正常な細胞
がんに進まない
ものもある
持続感染の約15%が
がんを発症
異形成
子宮頸がん
子宮頸がん検診の精密検査は?
子宮頸がん検診 (細胞診) で子宮頸部上皮内腫瘍 (CIN) が
疑われた場合は精密検査が必要です。コルポスコープとい
う拡大鏡を用いて子宮頸部を観察し、病変がありそうな
部位から小さな組織を採取します。若干の痛みと出血
を伴います。また、細胞診でASC-USと判定された場
合は、細胞診と同じ方法でHPV感染の有無を調べます。
※ ASC-US=意義不明な異型
細胞診
平上皮細胞
古い分類
Ⅰ∼Ⅱ
Ⅱa
ベセスダ分類
NILM
ASC-US
LSIL
CIN分類
­
­
CIN1
CIN2
組織診断
正常
正常または
軽度
中等度
高度
HPV感染
異形成
異形成
異形成
組織診
Ⅲa
Ⅲb
Ⅳ
HSIL
Ⅴ
SCC
CIN3
上皮内癌
浸潤癌
CINと診断された場合はどうしたらよいですか?
軽度異形成 (CIN1) と中等度異形成 (CIN2) は自然治癒することが多いのですが、
CIN1の3∼5%、CIN2の10∼15%は高度異形成や子宮頸がんに進行
するため、HPVのタイピング検査を行います。ハイリスク型HPVが
陽性であれば、CIN1は3カ月毎の定期検診、CIN2では3カ月毎の定
期健診または治療を行います。ハイリスク型HPVが陰性であれば、
CIN1では12カ月毎、CIN2では6カ月毎に検診を行います。
高度異形成と上皮内がん (CIN3) は治療が必要です。レーザー蒸散
術または円錐切除術、場合によっては子宮全摘術などを行います。
治療の時期や方法は年齢や経過などから個々に決めていきます。
エフ.クリニック 〒030-0843 青森市浜田3-3-7 tel:017-729-4103