無段変速機(CTC

円すいを用いた無段変速機(CTC-CVT)の開発
小松原研究室
研究背景
CTC-CVT試作機の設計・製作
トラクションオイルの発達に伴いトラクションドライ
ブを用いた無段変速機(CVT)が自動車用や産業
用に実用化されている.
円すいを用いた簡素な構造をもつ新しいCVTが
栗林氏により考案された(図1).このCVTをCone
to Cone Type CVT (CTC-CVT)と呼んでいる.
CTC-CVTの性能評価を行うため,実験試作機
を設計・製作する.設計仕様を表1に示す.また,
製作したCTC-CVTの外観を図4に示す.
Table 1 Design specification of CTC-CVT
Transmission power H (KW)
Maximum output torque T2 (Nm)
Reduction ratio e
Input speed N1 (min-1)
Output speed N2 (min-1)
Offset
E (mm)
15
95.5
0.5~2.0
1500
750~3000
28
Fig.1 Sectional view of CTC-CVT
動力伝達部の構造および変速原理
入力側から押付け力を与えると接触部に油膜が
形成し,油膜のせん断力によりトラクション力を発生
させる.これによって入力側円すいの回転が転動
体を通して出力側円すいへ伝えられる(図2).
入力側と出力側の間にはオフセットが与えられて
おり,転動体がその間を斜めに並進することによっ
て変速する(図3).変速比は次式で表わされる.
e
r2
r3
Fig.4 Design specification of CTC-CVT
CTC-CVT試作機の動力伝達効率
CTC-CVT試作機の動力伝達効率の測定結果
を図5に示す.図5より,試作したCTC-CVTの動
力伝達効率は,各減速比においてほぼ全域で
85%以上であり,最大伝達効率は95%程度で
あった.減速比0.8(増速比1.25)では,最大伝達
効率は88%程度であるが,減速比1.25では95%
程度であり,減速比が小さい方が伝達効率は高
くなる.
入力回転数 N1= 500rpm
減速比
油温
r2
r3
100
Power transmission efficiency η [%]
Fig.2 Schematic view of CTC-CVT
e = 0.8, 1.0, 1.25
t = 45~55℃ (KTF-1)
80
60
e=1.25
e=1.0
e=0.8
40
20
0
0
(a)e=2.0
(b)e=1.0
(c)e=0.5
Fig.3 Reduction ratio change mechanism of CTC-CVT
10
20
30
40
50
60
Input torque T 1 [N・m]
Fig.5 Input torque and power transmission efficiency