安保法案反対54.3

安保法案「違憲」54.3%
本社県民世論調査
福島民報 2015/6/29
福島民報社は福島テレビと共同で県民世論調査(第10回)を行った。安全保障関連法
案が憲法に照らして「違反している」との回答は54・3%と半数を超え、
「違反していな
い」は15・3%だった。
集団的自衛権の行使容認に「反対」は51・7%で、「賛成」の14・5%を大きく上
回り、県民の法案への疑問や懸念が浮き彫りになった。
安倍内閣を「支持する」は28・4%で、今年3月の前回調査の39・1%から10・
7ポイント急落した。
安全保障関連法案が憲法に照らしてどう思うかを聞いた結果、「違反している」との回
答は「違反していない」の3倍強だった。「どちらともいえない」の20・6%、「わから
ない」の9・8%を合わせると約3割を占め、法案への理解が十分に浸透していないこと
もうかがえる。
年代別では、
「違反している」は30代の70・0%が最高。次いで50代63・6%、
60代61・3%だった。
「違反していない」は40代の29・5%が最も高く、80歳以
上24・8%、30代20・0%と続いた。
集団的自衛権の行使容認について聞いた結果、「反対」が50%を超える一方、「賛成」
は1割強にとどまった。
年代別では、
「反対」は30代の70・0%が最も高く、50代60・6%、60代59・
3%と続いた。
「賛成」は40代が29・5%、次いで80歳以上が21・8%だった。
安保法案をめぐっては、衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と主張し、
与野党の見解が対立している。一方、安倍晋三首相は「国際情勢に目をつぶって、従来の
憲法解釈に固執するのは政治家としての責任放棄だ」などと主張。26日の衆院平和安全
法制特別委員会で、安保法案を会期延長後の今国会で採決し、成立を目指す方針を明言し
ている。
■内閣支持30%割り込む
安倍内閣を支持するかを聞いた結果、
「支持する」が30%を割り込んだのは、同じ内容
を質問項目とした平成25年3月の第4回調査以降初めて。
「支持しない」は50・6%で、
初めて半数を超えた。
男女別では、
「支持する」は男性35・2%、女性22・6%、「支持しない」は男性5
1・2%、女性50・0%となった。
安倍政権に望む復興政策は「景気経済対策」が29・3%で最も多く、前回調査より4・
3ポイント増えた。次いで「県民の健康管理」14・6%、「除染」11・2%、「風評被
害対策」10・8%と続いた。
百田氏発言に沖縄タイムス石川達也編集局次長「権力に『ノ
ー』を言う使命がある」
沖縄タイムス
2015 年 6 月 29 日
米軍普天間飛行場のある宜野湾市は戦前、「じのーん」と呼ばれるのどかな農村だった。
現在の飛行場敷地内には10の集落と役場、郵便局があり、9千人を超える人々が豊富な
泉を生かして田畑を耕した。
各集落の子どもたちは、国の天然記念物にも指定された松並木を抜け、うやふぁーふじ
(先祖)が眠る墓を通り、国民学校で勉強に励んでいた。
そんな人たちの当たり前の営みを一変させたのが沖縄戦だ。追いやられた住民は収容所
から戻った後も海岸側へと居を移さざるを得ず、松並木は日本軍や米軍に切り落とされた。
中にはほぼ全域を基地に接収された集落もある。それが今の普天間飛行場である。先祖か
ら受け継いだ土地の近くに住みたいという思いはどこでも同じだ。原発に避難生活を強い
られる福島の住民にも通じる。
「周りは何もなかった」「沖縄2紙をつぶさないと」。史実を顧み、言論の自由を守るべ
き作家とは思えぬ発言には開いた口がふさがらない。何より深刻なのは、表立って言えな
い自身の考えを作家に代弁させた自民党の若手国会議員である。
安倍晋三首相に近い議員たちの考えは、安全保障関連法案への風当たりが強まる中、政
権の意に沿わない報道への明らかな弾圧でしかない。底流には数の論理で反対意見を封じ
込めようとする政権そのものの本質が見えてくる。絶対的な権力を背にした民主主義の否
定そのものであり、首相も無関係ではいられない。
勉強会があった同じ日、政権に批判的な文化人を招いたハト派の会合が党幹部の判断で
延期されたという。異常なまでの政権への忖度(そんたく)には、多元的な意見を集約し
てきた党の姿はもはやない。
沖縄だけの問題ではない。メディアへの攻撃は「言論の自由」への挑戦であり、本土メ
ディアも覚悟が必要になる。
元白梅学徒隊の中山きくさん(86)は「無謀な戦争に突き進んだのは、政治圧力に屈
した報道機関がうその情報を流し続けたからだ。あの暗い時代に戻ってしまうのでは」と
不安を口にする。
沖縄タイムスの先達は戦後、二度とこの地で住民を戦争に巻き込ませない、それにつな
がるペンを取らないとの思いで新聞を発刊した。普天間や新基地建設作業が進む名護市辺
野古で今、何が起きているのか。安保法案が県民、国民生活に何をもたらすのか。報道機
関はそれをしっかり見据え、時に権力に対し「ノー」を言う使命がある。
5月にあった辺野古への新基地建設に反対する集会。翁長雄志県知事は島言葉で「うち
なーんちゅ
うしぇーてぃ
ないびらんどー」と訴えた。本人は「沖縄県民をないがしろ
にしてはいけない」と“和訳”したが、
「うしぇーてぃ」には「ばかにするな」の意が込め
られている。
「本気でつぶれたらいい」
沖縄2紙に、百田氏講演
(共同通信)2015/6/29
2015/06/29 15:52
作家の 百田尚樹 (ひゃくた・なおき) 氏は28日、大阪府泉大津
市で講演し、自民党勉強会での「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」との自らの
発言に触れ、
「その時は冗談口調だったが、今はもう本気でつぶれたらいいと思う」と話し
た。
講演を聞いた人によると、共同の抗議声明を出した沖縄タイムスと琉球新報に対し「お
かしな話だ。私の話を何も聞いてない。伝聞にすぎない」と批判。さらに「まだしばらく
2紙とはやりあっていかないといけない」と述べた後「本気」発言をした。
百田氏は講演の最初で、勉強会での発言について報道陣が冒頭取材を終えて退出後にオ
フレコで述べた一言だったとあらためて強調した。
講演では、発言が報じられて炎上し、腹が立ったため短文投稿サイトのツイッターに「私
が本当につぶれてほしいと思っているのは、朝日新聞と毎日新聞と東京新聞」と投稿した
とも話した。
講演会を主催した泉大津青年会議所は、報道陣の取材を認めなかった。講演後に百田氏
が会場から出る際、共同通信の記者が質問したが、百田氏は応じず、車に乗り込んだ。