十六アジアレポート 2015 年 9 月号 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 2015 年 9 月 1 日 十六銀行 海外サポート部 《 目 次 》 <駐在員レポート> 1.上海:「中国のオンライン決済サービス事情」 上海駐在員事務所 2.香港:「海外での販促イベント」 香港駐在員事務所 3.シンガポール:「「ASEAN 経済共同体(AEC)」創設前夜の今(上)」 シンガポール駐在員事務所 4.バンコク:「ミャンマーの経済特区」 バンコク駐在員事務所 5.ベトナム:「米の生産効率向上に向けて」 十六銀行 海外サポート部 (ベトナム投資開発銀行ジャパンデスク) 川瀬寛之 6.インドネシア: 「ジャカルタの食事情」 十六銀行 海外サポート部(バンクネガラインドネシア ジャパンデスク) 浅野智博 7.為替相場情報 本書中の情報は情報提供のみを目的として作成されたものであり、何らかの行動を勧誘するものではあ りません。ご利用に関しては全てお客様御自身でご判断くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。 当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行及び執筆者はその正確性を保 証するものではありません。また、本書中の情報は、法律上、会計上、税務上の助言を含むものではあ りません。法律上、会計上、税務上の助言を必要とされる場合は、それぞれの専門家にご相談ください。 1 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 1.上海:「中国のオンライン決済サービス事情」 上海駐在員事務所 上海に駐在していて日本よりも発展している分野だと思えるのが、オンライン決済サービスです。 いわゆるネット上の電子マネーと言えるものですが、その利便性や普及度合いについて特筆すべきも のがあり、規制状況など取り巻く環境の変化にも目が離せない存在になっています。 ■ オンライン決済サービスは急成長 日本でも知られているネット販売のプラットフォーム「淘宝(タオバオ) 」を手掛けるアリババグル ープが運営する「支付宝(アリペイ)」や、中国における LINE と言える「微信(WeChat)」を運営する テンセントグループが運営する「財付通(Tenpay) 」など、第三者によるオンライン決済サービスが急 成長しています。 以下、最大手の支付宝を例に、具体的な利用例を説明しますが、例えば次のような利用がされてい ます。①淘宝で商品を購入する際に、購入者は事前に必要な資金を支付宝に預入、②販売者は支付宝 への入金を確認後、商品を発送、③購入者による商品到着・品質の確認、④支付宝から販売者への資 金支払。つまり、販売者と購入者双方の不安を解決する仕組みとして、第 3 者によるオンライン決済 が行われています。筆者もネットで購入した商品に欠陥があり、こうした仕組みのおかげで問題なく 資金が手元に返却された経験があります。 具体的に利用を開始する際は、利用者は支付宝の口座開設にあたり、保有する銀行の口座と支付宝 をリンクさせます。そして、利用にあたっては、銀行口座から支付宝への口座へチャージ(入金)を 行う方法が一般的です。その後は、各種公共料金(水道・電気・ガス等)や、携帯電話代金のチャー ジ(中国では前払チャージ式の電話が一般的)はもちろん、ネット上で決済が必要となる様々な場面 で利用が可能になっています。 もちろんオフラインの実店舗でも利用が可能で、 コンビニではスマホに自分の支付宝の 2 次元コー ドを表示させ、カウンターで読み取ってもらうだ けで、自動的に決済が完了します。タクシーに乗 車する際も、タクシーの運転手へ簡単に乗車賃を 支払うことができます。特筆すべきなのは、その 普及度合いで、こうしたネット決済はかなりのス ピード感を持って急速に浸透し、スマホの普及と 共に、決して IT に精通した一部の人だけが利用し ているサービスではなく、中国人の誰もが利用し <支付宝に対応している日系コンビニのレジ> ている状況が発生していることです。 ■ 日本の「電子マネー」との違い コンビニでの支払い等を想像すると日本でも利用されている電子マネーや「おサイフケータイ」な どと同じではないかという疑問が生じると思います。資金移動に着目すれば、中国でのオンライン決 済サービスの特徴は、オンライン決済サービスの口座と銀行口座の間で、ほぼ自由に資金を行き来さ せることができることにあります。日本の電子マネーの感覚であれば、入金の上限は数万円程に設定 され、一度入金したお金を、自分の銀行口座の資金として入金することは通常できません。中国のオ 2 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 ンライン決済サービスは、現金や銀行口座預金と同様に非常に高い流動性を持たせているのです。よ って大きな金額を受領した場合や、入金し過ぎてしまった場合でも、心配することなく、いつでも自 分の銀行口座へ 24 時間以内に資金を戻すことができます。 ■ 広がる利用方法 オンライン決済サービスの利用方法は多様です。例えば、支付宝を 持っている他人に対して、月に利用できる限度額を定め、その範囲内 であれば自由に利用できるようにし、利用した内容については自分が 把握できるようにするサービス(親密付)等もあります。自分の家族 や親密な恋人などを対象に想定されたサービスです。 そして、オンライン決済サービスの口座から、他人のオンライン決 済サービス口座への送金はもちろん、実際の銀行口座へも殆ど無料で 送金することができるようになっています。 (月間 10 万人民元(約 200 万円)まで等と無料の上限は設けられています。)これは、従前であ れば、銀行のネットバンクが担っていた分野です。金融機関以外のオ ンライン決済サービスが業務範囲を広げているとも言えます。 例えば支付宝であれば、支付宝の資金を更に「余額宝」という運用 口座(オンライン MMF)へ移動させることで、余剰資金の運用を図 れるサービスも行っており、100 万元(約 2 千万円)以内の資金を 支付宝のスマホアプリ 運用できることになっています。既に余額宝の利用者も 1 億人を超 <支付宝のスマホアプリ> え運用残高も 5,000 億人民元(約 10 兆円)以上とされ、単純な決済 サービスに留まらず、関連領域は拡大を続けています。 ■ オンライン決済サービスへの管理強化 こうした中、7 月末にオンライン決済に対する管理強化案が、中国人民銀行(中央銀行)から新たに 発表され、波紋を広げています。管理規定案は、金融機関以外のオンライン事業者が提供する決済サ ービスの口座開設及び取引金額に制限を設ける内容です。口座開設には複数の公的機関からの身分証 明提出を課す案となっており、3 つの公的機関等からの身分証明提出を課す「消費類口座」は 1 日あた り 1,000 元以内までの決済、5 つの公的機関等からの身分証明提出を課す「総合類口座」は 1 日あたり 5,000 元以内までと限度額が設定される予定となっています。こうした厳しい規定に対応できるオンラ イン決済サービス事業者はいないのではないかとの意見も出されています。 また、オンライン決済サービス口座から他人のオンライン決済サービスや、他人の銀行口座への送 金も禁じられる見込みです。ネットを通じて、融資の借り手と貸し手を結びつけるサービスも広がり を見せていましたが、こうした金融業務も禁止されることになります。 急速に発展を遂げてきたオンライン決済サービスに対して、金融業界の安全性確保、利用者の保護、 マネーロンダリングへの対応などから管理規定が出されたものと推察されます。オンライン決済分野 の発展に関して言えば、日本より速いスピードで進展してきたと感じる中国において、今後どんな方 向で発展が進むのか、関心が寄せられています。中国では、オンライン決済サービスの発展が、利用 者の利便性向上に大きな役割を果たしてきたことは間違いなく、今後も効率性を損なうことなく、業 界が発展を続けることができるのか、大変注目されています。 3 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 2.香港:「海外での販促イベント」 香港駐在員事務所 このところ「地方創生」という言葉をよくみかけるようになりました。日本は「人口減少」かつ「少 子高齢化」の状況にあり、特に地方の場合は都市部への人口流出が加わり、日本全体以上に「人口減少」 と「少子高齢化」が深刻な問題となっています。地域の人口減少は地域経済の停滞をもたらし、中長期 的に地方に根差す企業へ大きな影響を与えます。地方経済は、従来の公共投資を中心とする循環構造か らの転換が急務であり、それには「地域外」からの収入の増加を模索する必要があります。「地域外」 とは「地元以外の地域」で、隣県や首都圏、海外などです。以前より自治体や同業者団体などが主導と なり、地方産品の首都圏への拡販プロモーションなどがなされてきたかと思いますが、日本各地には、 それ相応の産品があふれており、やはり国内市場だけでは限界があるのではないでしょうか。このよう な状況下、地元企業が海外販売を模索するケースが増えているように感じます。 [日本での情報収集] インターネットが発達し、海外の情報はかなり簡単に手に入るようになりました。しかしながら、言 語の壁があることや、物流や貿易などの専門知識が必要とされるため、海外展開は容易ではない、とい うイメージがあると思います。また、特に中小企業にとっては、コスト、企業体力、経営資源などの面 からもハードルが高いと感じられていると思います。 このような現状を鑑み、弊行をはじめ、ジェトロや多くの自治体では、海外展開しようとする中小企 業に対して、さまざまなサポートを実施しています。国内でのセミナーの開催、個別相談会、海外バイ ヤーとの商談会など、有益な情報が得られる機会が提供されています。こういった場所へ足を運び、現 場に近い方や、同じ志のある方と交流することで、海外展開が身近に感じられると思います。 [現地のプロモーションへ参加] 商品を売り込む場合、サンプル片手に商談をしたり、食品なら試食しながら商談するのは日本でも海 外でも同じです。しかしながら、海外の場合、文化や慣習、味覚や嗜好の異なる人々をターゲットにす るわけですから、売れるのか、売れないの か、好まれるのか、好まれないのか、皆目 見当が付きません。そういったときには、 一度現地へ出向いて現地の人の感想を聞く のが一番だと思います。 海外でのこうした商談会には、①政府や 貿易促進団体などが開催する国際会議場な どでの展示会・商談会、②スーパー、百貨 店などでの物産展・催事、③個々の販売店 でのプロモーション、などがあります。 ①について、香港では毎月のように大規 模な国際展示会、博覧会が開催されていま 香港フードエクスポ 2015 す。日本でもこうした国際展示会は開催さ れていますが、例えば先日開催された「香港フードエクスポ 2015」は、世界 24 カ国から 1,200 社が出 4 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 展、バイヤー来場者は約 2 万人、一般来場者は 47 万人というアジア最大級の規模です。バイヤーの多 くは香港企業ですが、中国はもちろん、東南アジアなどからも訪れており、香港でのプロモーションが アジア全体に広がる期待もあります。また、こうした展示会へは、ジェトロなどが「ジャパンブース」 を確保し出展の支援をすることも多く、自治体などから出展費用の補助があったりもします。出展準備 や、通訳の手配などのサポートもあります。参加費・旅費はかかりますが、海外での自社商品の感触を 試したい場合や、とりあえず現地を知りたい場合などに、いい機会になると思います。 ②について、どちらかというと、国際展示会は行政主導である一方、こうしたスーパー、百貨店での 物産展・展示会は、民間主導のものが数多 く開催されます(自治体主体の「○○県フ ェア」といったものも多いです)。開催場所 がスーパーや百貨店であることから、直接 消費者の感想が聞けることや、自身による 値段設定など、現場に近い感覚が得られま す。また、こういった催事は、プロモーシ ョンもですが、「販売」も目的としており、 売り方次第で利益をあげることも可能です。 香港のスーパーでは毎週のようにこうした 物産展が開催されています。もちろん、日 本だけではなく、世界各国が食品や生活用 香港 SOGO「日本食祭」 品の展示会が開催されています。 ③については、主としてショッピングセンターやレストランが不定期に行う販促イベントで、大抵は すでに商品を納入している先もしくは商談 をしている取引先の店頭で、特定の自社商 品、新商品などのプロモーションを開催す るものです。これにより、売れそうな商品 の感触がつかめることから、百貨店や高級 料理店などでたまに行われています。外国 人の富裕層は、こうした特別なイベントを 大変好みます。既存の販路をさらに拡大す るには、取引先とタイアップし、イベント を企画していくのが大変有用だと思います。 もちろん、日本でも上記の様な展覧会やイ ベントはしきりに行われています。日本で 海港城「清酒文化祭」 は、 「商品は営業して売りに行く」といった 意識が強いかもしれませんが、海外のバイヤーは真剣に「商品を買いに」来ます。その場で突っ込ん だ商談になることも多く、日本のイベントとは少し違った雰囲気が味わえると思います。 弊行ではこうしたニーズに応えるべく、情報提供を行っておりますので、少しでも海外展開に興味 がある方は御相談いただけると幸いです。 5 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 3.シンガポール:「ASEAN 経済共同体(AEC)」創設前夜の今(上) シンガポール駐在員事務所 ASEAN(東南アジア諸国連合)の経済統合を目指した「ASEAN 経済共同体(ASEAN Economic Community、 以下 AEC) 」の創設が 2015 年末に予定されています。そこで、創設を目前に控え、各国が詰めの作業に 入っている AEC について、今月から複数回に渡りレポートしたいと思います。今月は AEC とはそもそ も何なのか、また現在の進捗状況はどのようになっているかをご報告します。 <ASEAN発足後の歩み> 1.ASEAN の発足から共同体構想へ ASEAN は経済、社会、文化的発展のための地域協力などの 目標を掲げ、1967 年に発足しました。当時は東西冷戦の環境 下にあり、共産主義政権への牽制の意味もありました。冷戦 終結後は共産主義牽制という側面は薄れ、現在ではイデオロ ギー対立を超えた地域統合体となっており、とりわけ経済分 野の連携・発展の役割が強くなっています。冷戦終戦後、ベ トナム・ラオス・ミャンマー・カンボジアが相次いで加盟し、 現在の加盟国は 10 ヶ国となっています。 時期 1967 年 内容 ASEAN発足(インドネシア、マレーシア、 フィリピン、シンガポール、タイ) 初のASEAN首脳会議を開催 ブルネイ加盟 ASEAN地域フォーラム開催 ベトナム加盟 ラオス、ミャンマー加盟 カンボジア加盟 「ASEAN共同体」構想を提唱 ASEAN経済共同体(AEC)創設に向けた工程表 2007 年 (ブループリント)公表 2008 年 ASEAN憲章が発効 2015 年 ASEAN経済共同体(AEC)創設予定 1976 年 1984 年 1994 年 1995 年 1997 年 1999 年 2003 年 2.ASEAN 経済共同体(AEC)とは? ASEAN は加盟 10 ヶ国の経済統合を目的として 2015 年末に AEC の創設を目指しています。2007 年に公 表されたブループリントという工程表では、共同体の構築にあたっては以下の 4 つの特徴を備えること とされています。 ① 「単一の市場と生産基地」:物品やサービス、投資、人の自由な移動を実現し、域内の国境の垣 根を取り払うことを意味します。 ② 「競争力のある経済地域」:競争政策や知的財産権保護、電子商取引等の分野で共通政策や法整 備等を進め、ビジネス環境を向上させるものです。また、輸送分野やエネルギー分野のインフラ 整備にも取り組み、域内のコネクティビティ(連結性)を強化します。 ③ 「公平な経済発展」:後発国への協力や中小企業の育成に関する協力プログラムを通じ、加盟国 間の格差是正を図るものです。 ④ 「グローバル経済への統合」 :域外の国や地域と自由貿易協定(FTA)締結を推進し、外に開かれた 地域という側面を重視するものです。 これらの取り組みにより、ASEAN は相互に緊密な関係を持つ地域経済圏として国際的なプレゼンスを 高め、中国やインドといった大国に対抗しようとしているのです。 <ASEAN共同体(AEC)の4つの特徴> 特徴 主な政策目標 ・物品の自由な移動(域内関税・非関税障壁の撤廃、税関業務の簡素化等) ①単一の市場と生産基地 ・サービスの自由な移動(サービス自由化促進、医療・エンジニアリングでの資格の相互承認) ・投資制限や障壁の段階的な削減、撤廃 ・陸上、海上、航空の各輸送の円滑化推進 ②競争力のある経済地域 ・競争政策や知的財産権、電子商取引等の法的枠組み整備。 ・電力の相互接続等エネルギー分野の協力 ③公平な経済発展 ・ASEAN域内の格差是正、中小企業育成の強化 ④グローバル経済への統合 ・域外との自由貿易協定(FTA)の締結促進など 6 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 3.EU との違いは? AEC は「共同体」という言葉から欧州連合(EU)と似たような ものと考える方も多いかもしれませんが、EU に比べて「より緩や かな共同体」となっており、統合手法や中身に大きな違いがあり ます。 EU では統一通貨である「ユーロ」が導入され、共通の中央銀行 である欧州中央銀行(ECB)により金融政策の一元化が図られ、各 <AECとEUの統合度比較> AEC EU 統一通貨 なし ユーロ 中央銀行 なし 欧州中央銀行 金融政策 各国独自 一元化 域内関税 あり なし 人の移動 熟練労働者のみ 制限無し 国共通の財政赤字目標値などが設定されました。しかし、AEC では共通通貨導入の予定はなく、金融や 財政政策も各国でバラバラのままです。また、域内に税関がなく域外共通関税もある「関税同盟」であ る EU と違い、AEC は基本的には「自由貿易協定(FTA)」の枠組みで域内国同士でも税関があり、検疫 などの手続きも必要となってきます。人の移動についても高度な知識や技術を持つ熟練労働者のみが対 象で、工場ワーカーなどの非熟練労働者は対象外となります。 また、2015 年 2 月に開催された ASEAN 非公式経財相会議の議長声明の中で、 「2015 年末の AEC 創設は、 真の地域経済統合に向けた重要なマイルストーンであるが、2016 年から ASEAN が単一の経済的実体に なることを意味するものではない。 」との発言がありました。AEC 創設はあくまでも ASEAN 経済統合の 途中過程に過ぎず、2015 年末時点で ASEAN が単一の統合市場となるわけではない、つまり大きな変化 が起きる訳ではない点も大きな違いと言えます。 このように同じ「共同体」ではあるのですが、AEC は EU に比べると統合の度合いは低いものとなっ ています。ASEAN は各国の経済力の開きが大きく、歴史・文化・民族・宗教等も異なる多種多様な国で 構成されていることを考慮すると致し方のないことなのかもしれません。しかし、このように様々な違 いはあれど、互いに手を取り合い結束を強めようとする努力は評価に値すると思います。 4.進捗状況について 次に AEC 創設の達成状況についてですが、2015 年 4 月に開催された ASEAN 首脳会議では達成率は 90.5%と報告されています。 上記 AEC の 4 つの特徴の中心部分である「単一の市場と生産基地」について見てみると、物品貿易に 課す域内関税については、2010 年にシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、 ブルネイの 6 ヶ国が撤廃しています。残るカンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマーの 4 ヶ国も 2015 年末(一部は 18 年)に撤廃予定であることから、期限内に域内関税はほぼ撤廃される見込みとなって います。しかし、非関税障壁(貿易を阻害する関税以外の様々な措置)の撤廃、金融・通信サービスの 自由化については各国の法改正が必要なこともあり、遅れが生じています。 また、 「競争力のある経済地域」に関しては、航空市場や海運市場の統合に向けた取組みが遅れてい るほか、広域インフラ整備の目玉プロジェクトである「ASEAN 高速道路網」や「シンガポール昆明鉄道」 も資金・技術面の問題から目標時期が 2020 年に先延ばしされています。 「公平な経済発展」についても 未だに国民 1 人当たり GDP を比較するとシンガポールとカンボジアの間には 50 倍以上の差があります。 達成率だけをみると、各国が AEC 創設に向けて順調に歩み寄りを進めており、2015 年末の創設は計 画通りに実施されると思いますが、各国で法改正が必要となる項目や経済格差の是正などまだまだ時間 がかかる項目も複数あり、AEC 創設と同時に ASEAN が完全な経済共同体となることはないでしょう。し かし、今回の AEC 創設は ASEAN 経済統合に向けたあくまで「通過点」であり、創設後も ASEAN 各国はよ り自由で一体化した経済地域の実現に向けた取組みを続け、ゆっくりと、しかし着実に真の経済統合を 目指していくものと思われます。 7 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 4.バンコク:「ミャンマーの経済特区」 バンコク駐在員事務所 1988 年に長らく続いた社会主義政権が民主化運動により崩壊したのち、ミャンマー経済は開放路線 に転じましたが、政権を担 ったのがクーデターを敢行 した国軍であったため、欧 米諸国および日本からの投 資は極めて低調な状況でし た。中国やアセアン加盟国 であるシンガポール、タイ などは軍政下においても投 資をしてきましたが、2011 年 3 月の民政移管を契機と して、ミャンマーへの投資 を控えていた諸外国も投資 を積極化したことで、現在に至るまで、ミャンマーは投資ブームに沸いております。 ミャンマー日本商工会議所会員数について、2011 年までは約 50 社で長らく推移していたものが、2015 年 6 月時点では 247 社に急増しているなど、日系企業もまた進出を積極化していることが窺えます。 今般、ミャンマー国内で最も開発が進んでいるティラワ経済特区を視察してきましたので、その現状 をご報告します。 ■ミャンマーの経済特区 認可されている経済特区はティラワ、ダウェー、チャオピューの 3 ヶ所ですが、現在、事実上開発 が進んでいるのはティラワのみです。ダウェーはバンコクの西約 300km に位置しており、タイプラス ワンの重要拠点として大いに期待されております。今年 7 月に、日本・タイ・ミャンマー3ヶ国がダ ウェー開発に関する包括協力の覚書を締結したのは記憶に新しいところです。チャオピューは中国主 導で建設された、中国向けの石油・天然ガスのパイプラインの起点です。工業団地の建設計画は現時 点で不明ですが、中国が積極関与していくものと思われます。 一方で、経済特区として認可されていない工業団地もミャンマーには多数あります。しかしながら 電力事情が悪く、唯一国際基準に達しているといえるのは、ヤンゴン北部にあるミンガラドン工業団 地のみと言われています。進出企業は 29 社で、うち日系企業はロート製薬、ハニーズなど 11 社が入 居しています。 ■優遇措置 ミャンマーでは、外資が 1%でも入っていれば外資企業となります。これまで、外資企業はミャンマ ー国内への小売、卸売は一切認められませんでしたが、条件付ながら、ティラワ経済特区内の外資企 業については、ミャンマー国内への卸売が解禁されました。 また、その外資企業の設立手続についても、これまでは首都ネピドーにある各省庁に認可申請しな ければならなかったのですが、ティラワ経済特区内ではワンストップサービスセンター(OSSC)が設 置され、設立手続の迅速化が図られております。なお OSSC では、森・濱田松本法律事務所が投資申請 8 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 審査をサポートしているので、日本人対応も可能です。 ・法人税・・・設立後 5∼7 年間免税、翌 5 年間は 50%免税。 ・輸入関税・・・輸出型製造業は免税、その他の事業は 5 年間に限り免税。 ■ティラワ経済特区 ヤンゴン市内中心部から東南へ約 23km に位置していますが、道路事情が悪いため、車では 1 時間 30 分程かかってしまいました。 テ ィ ラワ 経 済特 区開 発会 社 (MJTD)は 2014 年 1 月に日本 側資本 49%(三菱商事、 丸紅、 住友商事、JICA)、ミャンマー 側資本 51%の出資比率で設立 され、総面積 2,400ha のうち ゾーンA396ha を先行して開 発しております。開発には、 五洋建設、クボタ、きんでん 等の日系企業が携わっており ます。また JICA はティラワ工業団地の電力、水、港湾 設備等の整備事業に円借款を実施しています(フェーズ 1条件:金額 200 億円、金利 0.01%、期間 40 年、据え 置き 10 年) 。 現在 47 社が契約し、日系企業は岩谷産業、ジャパン パイルなど 10 社程度が入居を予定しております。進出 企業の業種は製造業中心ですが、製品は手袋、女性下着 などの繊維から、介護用品、熱交換器、カメラの三脚等、 多岐に渡っております。 11 社が工事着工開始していると説明がありましたが、工場建設まで進んでいるのは上の写真の建物 ぐらいで、まだ下の写真のような広大な更地の光景が大半でした。視察当日も激しいスコールに見舞 われましたが、大体各社とも雨季明けの 10 月ごろから工事着工する予定とのことです。 ・土地リース料(USD75/㎡、2064 年まで)/ 電気代(USD0.06∼0.12/kwh)/ 水道代(USD0.60∼0.80/ ㎥)(2015 年 8 月現在の予定価格) ■タイプラスワン? バンコク(地図上 A 地点)からタイ側国境のメーソートで通関、貨物の積み替えを行い、ミャンマ ー側国境のミャワディを経由してヤンゴン、ティラワ経済特区(地図上 F 地点)まで陸路で行くと、 最低 3 日かかります。国境の山岳道路は上り下りが隔日の一方通行であるため、下手をすると 4 日か かってしまいます。この山岳区間はバイパスを建設中であり、およそ 8 割方完成しているようですが、 開通時期は未定です。ティラワ経済特区は、やはり安価で豊富な労働力が魅力ですが、このような陸 路状況のため、タイプラスワンの視点での進出企業は少ないのではないでしょうか。 ティラワ経済特区はインド洋に面していることから、アセアンとインドや中東との物流を考えるうえで 非常に戦略的な立地といえます。進出企業はミャンマーの内需の成長と、 「アセアンの西」への展開を 意識しているようです。 9 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 5.ベトナム:「米の生産効率向上に向けて」 海外サポート部 (ベトナム投資開発銀行ジャパンデスク) 川瀬寛之 年間 4,500 万トンの米を生産し、米の輸出量で世界第 2 位となっているベトナムですが、就労人口に 占める農業従事者の割合は減少傾向にあります。人口増に伴う食糧自給率向上の必要性等から、政府は 生産効率の引き上げ目標を設定しており、達成するためには農業機械の導入率の向上が必要不可欠と言 われています。 【世界有数の米生産大国】 ベトナムにおける米の 2 大生産地は北部の紅河デルタと南部の メコンデルタであり、生産高でベトナム全体の 70%程度を占めて います。亜熱帯地域で四季がある北部地域では 2 期作が、熱帯地域 の南部地域では 3 期作が主流となっており、自家消費用が中心の 北部地域に対して南部地域は輸出米の主産地となっています。 ベトナム北部に広がる棚田の光景 収穫した米は、人口 9,000 万人超の国内市場向け、余剰分が中国、マレーシア、フィリピン、ガーナ などに輸出されています。1996 年以降、タイに次ぐ米輸出大国としての地位を築いているものの、過 去最大を記録した 2012 年(36 億 7,310 万ドル・802 万トン)以降、落ち込みが続いています。主要輸 出先であるマレーシアが調達先を他国に切り替えたことや、フィリピン、インドネシアなどが国内生産 を増やし、輸入を減少させたことが大きく影響しています。 【農林水産分野の従事者】 〇 産 業 別 労 働 者 数 の 推 移 ( 上 位 5業 種 ) [単位:万人、%] 2013 年のベトナムの就労人口は 5,221 万人と増加 していますが、経済発展に伴い、農業分野から工業・ サービス分野への人口移動は年々顕著になっています。 農林水産分野の従事者の絶対数は増えていますが、 2013 年の産業部門別構成比上は 2005 年の 55.1%から 46.8%に減少しています。 産業構造の高度化に伴い、 先進工業国がかつて経験したように、労働人口の比重 業種 農林水産 2005年 2009年 2013年 労働 者 数 構成比 労働 者 数 構成比 労働 者 数 構成比 55.1 2,461 54.4 2,444 加工・製造 2,356 503 11.8 645 14.3 729 14 小売・流通など 459 10.7 515 11.4 655 12.5 建設 198 4.6 259 5.7 326 6.2 ホテル・飲食 83 1.9 157 3.5 221 4.2 合計(その他含む) 4,278 100 5,221 100 100 4,521 出所:ベトナム統計総局 が第 1 次産業から第 2・3 次産業に変わりつつあります。こうした流れを受け、 政府は農業部門におけ る労働生産性向上の必要性について言及しています。 【課題は農業機械の普及】 ベトナムは 2030 年には人口 1 億人を突破する見込みである一方で、農業従事者数の比率は年々低下 しているため、米の国内市場向けはもとより輸出競争力を維持することを踏まえると、農業機械の導入 が生産効率引き上げの重要な鍵となります。 政府は農業機械の普及が十分でないとの見解を示しており、この度、農業機械の導入率向上のため 2020 年までの具体的数値目標を設定しました。農業機械の普及が進まない要因として、農家所得に対 して農機価格が高いことなどを挙げています。政府は農業農村開発銀行などを通じた低利融資の支援を 行っているものの、 十分な成果は得られていません。 また、農業機械産業界からは、「農業機械の完 成品に課せられる関税率が 5%程度である一方、同部品に対してのそれは約 20%と高く、アフターサー ビスを考えると、部品の関税率引き下げが必要」などの販売後の課題を挙げる声もあります。 10 46.8 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 6.インドネシア:「ジャカルタの食事情」 海外サポート部(バンクネガラインドネシア ジャパンデスク) 浅野智博 ジャカルタではイスラム教徒が大部分を占める環境から、日本人にとっては一見特殊な環境に感じら れますが、現地に住んでみると意外にも食については非常に充実しており、私たち外国人も食事に困る ことはほとんどありません。今回はジャカルタの食事情について紹介したいと思います。 ・インドネシア人の食生活について イスラム教徒が約 9 割を占めるインドネシアではイスラム教で禁忌とされる豚やアルコールなどを 使用しないハラル料理が一般的です。多くのレストランでは豚肉の代わりに鶏肉や牛肉を使い、ハラル 認証のマークが表示されているレストランも多くあります。一方で、中華系の人々や外国人も多く生活 するジャカルタではハラルに対して寛容であり、多くのレストランではアルコール類を取り扱い、中華 系のレストランでは豚肉も使われています。 インドネシアではお茶に多量の砂糖を入れるなど甘いものが好まれ、食用油の質が悪いことや、栄養 バランスの偏りなどが相まってか、インドネシア人も生活習慣病が増加傾向にあります。国際糖尿病連 合の調査によると、インドネシアの糖尿病患者は 911 万 6 千人で世界ワースト 5 位にランクインしてい ます。 ・ジャカルタでの一般的な外食チャネル インドネシアの至る所で小さな屋台タイプの「ワル ン」が見られます。空いているスペースにはいつの間 にか手作りのお店が出来上がります。移動式の屋台も 多く見られ、人々が集まる場所には多くのワルンが軒 を連ねます。一食 200∼300 円程度で十分に食べられ ることから、庶民の間では一般的な形態です。お昼や 夕方には多くの人々で賑わい、夜中までワルンで喋っ ている人もよく見かけます。ワルンやローカルレスト ランでの外食は喋るのが大好きなインドネシア人の コミュニティの場にもなっているようです。 外国人が多く集まるジャカルタでは、日本食やイン 道端のワルン ターナショナル料理も充実しています。外国人や中間 所得層以上のインドネシア人をターゲットとしており、価格設定は日本と同等ですが、消費税が 10% かかることやサービス料が取られることも多く、日本よりは割高な印象です。最近では日系のレストラ ンやラーメン屋なども多く進出しており、インドネシアの食文化の多様性を感じます。 ・インドネシア料理について インドネシア料理は日本人にとっても馴染みやすい味付けであり、私もジャカルタへ赴任した当初よ り好んで食べています。主な味付けとしては、香辛料、ココナッツミルク、サンバルと呼ばれる唐辛子 ソース、ケチャップマニス(インドネシア風醤油) 、ピーナッツソースなどがあります。ナシゴレン(チ ャーハン)やサテと呼ばれる串焼きなどが有名ですが、ジャワ料理、パダン料理、スンダ料理など発祥 の地域毎に特徴ある料理が食べられます。よく見かけるのはパダン料理です。パダン人は商売上手のた め全国各地に料理が広まったと言われています。パダン料理では席に着くなり、机の上に小皿が 10 種 11 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 類以上並べられその中から好きなものを好きなだけ選びます。テーブルの上から減った分だけ、店員が 後から数えて精算します。 ジャカルタには多様な食文化が混在しており、伝統的なインドネシア料理から本格的な和食まで幅広 く楽しむことができます。コールドチェーンが発達していないことや食材の調達などまだまだ課題もあ りますが、今後は中間所得層の台頭による更なる外食産業の活性化も期待されるため、ますますインド ネシアの食文化が発展するものと期待しています。 インドネシア料理 12 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 7.為替相場情報 (1)人民元−円為替相場(中国人民銀行公表仲値) (月) (単位:1人民元当たりの日本円) (火) 7月27日 20.15763 7月28日 (水) 20.08193 7月29日 (木) 20.13571 7月30日 (金) 20.20243 7月31日 20.20733 8月3日 20.20978 8月4日 20.20080 8月5日 20.24701 8月6日 20.33430 8月7日 20.31736 8月10日 20.23145 8月11日 20.27616 8月12日 19.79257 8月13日 19.50839 8月14日 19.43975 8月17日 19.43597 8月18日 19.44844 8月19日 19.44353 8月20日 19.39827 8月21日 19.35396 21.00 過去1年間の人民元−円相場推移 20.00 19.00 18.00 17.00 16.00 15.00 8 /0 14 2 /1 / 14 /0 09 3 / 14 / 09 25 /1 14 17 0/ / 14 / 11 08 /1 14 30 1/ / 14 / 12 22 /0 15 1/ 13 / 15 / 02 04 2 /0 15 6 /2 / 15 / 03 20 4 /0 15 1 /1 / 15 /0 05 3 5 /0 15 5 /2 / 15 /1 06 6 7 /0 15 8 /0 /0 15 30 7/ 8 /0 15 1 /2 上記表、及びグラフはこの公表仲値を便宜的に1人民元当たりの日本円へ換算し直した相場です。 そのため、正式な人民元相場が必要な場合は、中国人民銀行にお問い合わせ下さい。 (2)ドル−円為替相場(当行公表仲値) (単位:1ドル当たりの日本円) (月) (火) (水) (木) (金) 7月27日 123.68 7月28日 123.16 7月29日 123.54 7月30日 124.08 7月31日 124.04 8月3日 124.04 8月4日 124.03 8月5日 124.31 8月6日 124.79 8月7日 124.74 8月10日 124.42 8月11日 124.63 8月12日 125.12 8月13日 124.29 8月14日 124.43 8月17日 124.40 8月18日 124.44 8月19日 124.37 8月20日 123.82 8月21日 123.49 130.00 過去1年間の米ドル−円相場推移 125.00 120.00 115.00 110.00 105.00 14 /0 8/ 12 14 /0 9/ 03 14 /0 9/ 25 14 /1 0/ 17 14 /1 1/ 08 14 /1 1/ 30 14 /1 2/ 22 15 /0 1/ 13 15 /0 2/ 04 15 /0 2/ 26 15 /0 3/ 20 15 /0 4/ 11 15 /0 5/ 03 15 /0 5/ 25 15 /0 6/ 16 15 /0 7/ 08 15 /0 7/ 30 15 /0 8/ 21 100.00 13 十六アジアレポート 2015 年 9 月号 (3)タイバーツ−円為替相場(当行公表仲値) (単位:1バーツ当たりの日本円) (月) 7月27日 (火) 3.5400 (水) 7月28日 3.5300 (木) 7月29日 3.5400 (金) 7月30日 3.5500 7月31日 3.5300 8月3日 3.5300 8月4日 3.5300 8月5日 3.5500 8月6日 3.5500 8月7日 3.5500 8月10日 3.5500 8月11日 3.5600 8月12日 3.5400 8月13日 3.5300 8月14日 3.5300 8月17日 3.5200 8月18日 3.5000 8月19日 3.5000 8月20日 3.4900 8月21日 3.4700 過去1年間のタイバーツ−円相場推移 3.8 3.6 3.4 3.2 3 15 /0 7/ 30 15 /0 8/ 21 07 /0 8 15 / 06 /1 6 25 15 / 5/ 03 15 /0 15 /0 5/ 04 /1 1 15 / 03 /2 0 2/ 26 15 / 04 15 /0 15 /0 2/ 01 /1 3 15 / 12 /2 2 14 / 1/ 30 08 14 /1 14 /1 1/ 10 /1 7 14 / 09 /2 5 14 / 9/ 03 14 /0 14 /0 8/ 12 2.8 (4)インドネシアルピア−円為替相場(参考値) (単位:100ルピア当たりの日本円) (月) (火) (水) (木) (金) 7月27日 0.9200 7月28日 0.9200 7月29日 0.9200 7月30日 0.9300 7月31日 0.9300 8月3日 0.9200 8月4日 0.9200 8月5日 0.9300 8月6日 0.9300 8月7日 0.9300 8月10日 0.9200 8月11日 0.9200 8月12日 0.9200 8月13日 0.9100 8月14日 0.9100 8月17日 0.9100 8月18日 0.9100 8月19日 0.9000 8月20日 0.9000 8月21日 0.8900 過去1年間のインドネシアルピア−円相場推移 1.1 1.05 1 0.95 0.9 0.85 14 /0 9/ 25 14 /1 0/ 17 14 /1 1/ 08 14 /1 1/ 30 14 /1 2/ 22 15 /0 1/ 13 15 /0 2/ 04 15 /0 2/ 26 15 /0 3/ 20 15 /0 4/ 11 15 /0 5/ 03 15 /0 5/ 25 15 /0 6/ 16 15 /0 7/ 08 15 /0 7/ 30 15 /0 8/ 21 /0 3 /0 9 14 14 / 08 / 12 0.8 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