X 線装置管理に用いる X 線出力計の応用

乳腺2‐4‐4
X 線装置管理に用いる X 線出力計の応用
首都大学東京
健康福祉学部放射線学科
東洋公衆衛生学院
群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部
【目的】
○山本
中川
齊藤
根岸
莉奈/安部
里穂/小倉
祐樹
徹
真治/小!
泉/青木
満季
友絵
【結果・考察】
X 線装置の品質維持には日常の品質管理が重要である。
半導体線量計の値と比較し、管電圧変化に対し、FO は
このため X 線装置の日常管理を目的とした簡易形 X 線出
1
1∼1
6.
5倍、DO は6.
4∼7.
0倍でほぼ同等の値となった。
力計が開発されている。この X 線出力計は蛍光量値であ
FO では低管電圧側で差が大きい傾向にあり、DO では大
るため、直接線量(μGy)を測定可能な線量計への応用に
きな変化はみられなかった。そこで、DO をデータ処理後
ついて検討した。
の表示値(DO*)と線量計の値(R)を比較した。R と
DO*との誤差は、管電圧変化−6.
7
5∼0.
0
2%、管電流変
【方法】
化−0.
2
2∼0.
0
4%、照射時間変化−1.
4
7∼0.
2
4%程度であ
一般撮影用 X 線装置(KXO-8
0G:東芝)に管電圧管電
り、今回構築した X 線出力計は、ほぼ7%以内の精度で
流計(AB-2
0
1
5E:トーレック)を接続し、管電圧、管電
線量の把握が可能と考える。照射時間や線量波形も同時測
流の確認を行い、半導体線量計(ThinXRAD:Unfors)お
定が可能であり、日常管理用の線量計として有用と考える。
よび X 線出力計(MSM3:首都大)を用いて、蛍光量値
また、DO*は最小感度1
0μGy 程度から可能であるが、
(FO)
、ホトダイオード出力値(DO)と線量(R)との
AEC 管理においては、PMMA5㎝を超えると測定不能と
関係を求めた。測定条件は、SID1
0
0㎝、管電圧5
0∼1
2
0kV、
なり、感度の改善が必要と思われる。乳房撮影領域では、
管電流1
0
0∼5
0
0mA、照射時間1
0∼5
0
0ms とし、各種特性
管電圧依存性が大きい傾向にあるが、校正により適用可能
について検討を行った。DO を線量計で校正後、データ処
と思われる。今後、さらなる感度の向上を目指し、AEC
理により線量(DO*:μGy)を直接表示させ、その測定
の管理や X 線受像器面測定にも対応できるよう検討して
精度について比較検討を行った。また、受像器面での AEC
いきたい。
管理および乳房撮影時の線量測定精度についても検討した。
図1 線量 R と FO・DO の管電圧依存性
1
2
6
64 日本放射線技術学会東京部会雑誌 No.
図2 線量 R と DO*の比較