VCRエンジン機構の研究

可変圧縮比エンジン(VCR)機構の研究
小松原研究室
研究背景
VCRエンジン機構モデルの設計・製作
地球環境問題を背景とし,エンジンのさらなる燃
費効率の向上が要求されています.この要求に対
して,エンジンの運転状況に応じて最適な圧縮比に
可変する可変圧縮比エンジン(VCRエンジン)の研
究・開発が行われています.そこで本研究は,成分
4節リンク機構が二重回転型であるスティーブンソ
ン形平面6節リンク型ピストン-クランク機構をVCR
エンジンとして新たに考案しました.(図1)
本可変圧縮比エンジン機構の振動特性を明ら
かにするために試験装置の設計・製作を行った.
実験装置本体の断面図を図3に示す.
Piston
Control disk
Piston pin
crank shaft
F
Connecting rod
crank
B C
A
,
D
E
Fig.4 Design specification of CTC-CVT
Fig.1 Designed variable compression ratio
mechanism of the six-link type
VCRエンジン機構モデルの試験結果
y
q
p
D
(a) Low
x
D
A
x
(b) Intermediate
Fig.2 TD Position
D
A
(c) High
x
14
12
10
8
0
10
20
30
40
50
60
70
Control disk angle β 0[deg]
80
90
Fig.5 Experimental and theoretical value of compression ratio
各圧縮比の振動変位の2次成分および3次成分
の測定結果を従来の4節リンク機構と比較して図
6に示す.圧縮比εは低圧縮比,中間圧縮比,高
圧縮比の3通りとした.図6より振動の本可変圧
縮比エンジン機構の高調波成分が従来の4節リ
ンク機構より低下している.
0.04
ε=8
4link
0.03
0.02
0.01
0
8
9
10
11
12
13
14
Frequency f [Hz]
15
16
17
18
0.04
ε = 9.3
Frame displacement A [mm]
y
Experimental
Theoretical
16
Frame displacement A [mm]
y
18
Compression ratio ε
図2にピストン上死点位置における機構図を左か
ら低圧縮比,中間圧縮比,高圧縮比の順にならべ
たものを示す.圧縮比の変更は,図1に示すコント
ロールディスクを回転させることにより対偶点Dの
座標を変更させることによって行う.
この可変圧縮比エンジンは,6節リンク型ピストン
クランク機構を用いており,従来のエンジンに採用
されている4節リンク型ピストンクランク機構では振
動・騒音の原因とされてきたピストン変位の高調波
成分を僅少化することが可能である.さらにその成
分4節リンク機構が二重回転型であるため動リンク
の占有空間が少なくてすむという特長がある.
圧縮比変更特性を明らかにするためスライダの
変位測定を行い,圧縮比を算出した.図5に圧縮
比εの解析値と測定値を示す.
Frame displacement A [mm]
圧縮比可変の原理および特長
A
crank pin
Eccentric
crank pin
4link
0.03
0.02
0.01
0
8
9
10
11
12
13
14
Frequency f [Hz]
15
16
17
18
0.04
ε = 16.5
4link
0.03
0.02
0.01
0
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
Frequency f [Hz]
(a)Low (e=8.0) (b)Intermediate(e=9.3) (c)High(e=16.5)
Fig.6 Second and third order frame displacement
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