所得税法第56条の改正を求める意見書 所 得 税 法 第 5 6 条 ( 以 下 、 5 6 条 と い う ) は 、「 事 業 主 と 生 計 を 一 に する親族が事業からの対価の支払いを受ける場合には、その対価の額 は 、原 則 と し て そ の 事 業 主 の 事 業 所 得 の 金 額 の 計 算 上 、必 要 経 費 に 算 入 せ ず 、親 族 の 所 得 と し な い 」と 定 め て お り 、配 偶 者 及 び 家 族 の 働 き 分( 家 族への給料)は必要経費として認められていない。 こ の 家 族 従 業 者 は 、妻 な ど 女 性 が 主 要 な 部 分 を 占 め て お り 、家 族 の 働 き 分 は 事 業 主 の 所 得 に な る た め 、妻 は 所 得 を 得 る こ と が で き ず 、男 女 間 の 所 得 の 不 均 衡 を 招 き 、 女 性 の 独 立 ・社 会 進 出 を 阻 害 す る 要 因 に な っ て おり、国連の女性差別撤廃委員会でも取り上げられている。 青色申告については家族従業者への給与を認めているが、これは帳 簿を備え付けている青色申告者への特典であり、労働を認めていない こ と に 変 わ り な い 。 欧 米 で は 、 同 居 家 族 ・他 人 の 区 別 な く 労 働 に 対 す る 給 料 は 当 然 に 認 め ら れ て お り 、労 働 の 対 価 を 認 め て い な い の は 、先 進 主 要 国 で は 唯 一 日 本 の み と な っ て い る 。そ も そ も 、昭 和 5 9 年 及 び 平 成 2 3年の税制改正により、全ての事業者に帳簿の作成と領収書等の保存 が義務つけられており、青色申告だけの特例とする根拠は失われてい る。 5 6 条 と 同 様 の 趣 旨 で 制 定 さ れ た 資 産 所 得 の 合 算 課 税 制 度 は 、「 個 人 の 取 得 し た 資 産 に よ る 所 得 は 個 人 に 課 税 す べ き 」「 租 税 回 避 に 当 た る と さ れ た 場 合 に の み 適 用 す れ ば よ い 」と 言 う 理 由 か ら 、昭 和 6 2 年 に す で に 廃 止 さ れ て い る 。5 6 条 は 、国 会 で も 経 済 産 業 大 臣 、財 務 大 臣 が 廃 止 に向け検討を始めたと答弁しており、その問題点は明らかとなってい る。 よって、本議会は下記の事項について強く要請する。 記 1.所得税法第56条は、現在の税法や社会情勢に沿って改正する こと。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成27年3月20日 鳥取県東伯郡琴浦町議会 【提出先】 内閣総理大臣 財務大臣 女性活躍担当大臣 社 会 保 障 ・税 一 体 改 革 担 当 大 臣
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