生活保護予算削減の中止を求める要望意見書 安倍首相は政権復帰直後から生活保護費の大幅削減を続け、15年度から住宅 扶助費と暖房費などの冬季加算の減額を行うことを政府予算案に盛り込みまし た。12年末、最初に手をつけたのが食費や光熱水費などに充てる生活扶助費削 減で、13年度から15年度にかけた削減では、利用世帯の9割以上が減額の対 象になるなど過去最大規模となり、月2万円も削られる子育て世帯が出るなど深 刻な事態が広がっています。生活扶助費削減には2万人以上の利用者が「消費税 が増税され物価が上がっているのに、暮らしが成り立たない」と行政不服審査を 申し立てるなど抗議が広がっています。にもかかわらず、住宅扶助費は15年度 から18年度まで総額190億円(15年度は約30億円)削り、冬季加算は今 年11月に約30億円削る計画で、大削減に突き進むのは異常です。 生活保護利用者にアパート家賃などの費用として支給されている住宅扶助費 は、現状でも都市部などは家賃が高く、住宅扶助費の上限額であっても劣悪な環 境の住まいしか確保できない場合が少なくなく、「健康で文化的な住生活」から ほど遠い実態であり、削減強行は生活保護世帯の住まいの安心の基盤を脅かすも のです。 11月から3月に限って暖房代を上乗せする冬季加算は、北海道など寒冷地で は文字どおりの命綱です。これを容赦なく削減することは、利用者の命と健康を 削ることに等しいものです。 厚生労働省が保護費削減を狙い設置した審議会の議論では、むしろ住宅扶助費 の役割が強調され、「削減は慎重に」という意見が大勢となり、報告書に「削減 すべきだ」と明記できませんでした。その指摘すら受けとめず「削減先にありき」 で住宅扶助費などの削減を決めた厚労省のやり方には全く道理がありません。 よって、国においては、住宅扶助費と冬季加算の削減計画は撤回し、現在進め ている生活扶助費削減を直ちに中止するよう強く要望いたします。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 平成27年3月23日 北海道余市郡余市町議会議長 中 井 寿 夫 【提出先】 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣
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