2015年8月号 e-Taxにおける今後の 利便性向上施策について

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2015.
8
Business Column
e - T a x に お ける今 後 の 利 便 性 向 上 施 策 に つ い て
2004年に登場して以来、着実に普及しているe-Taxですが、昨
(2)
添付書類のイメージデータによる提出
年9月に決定したオンライン手続きの利便性向上に向けた
「財務
1
概要
省改善取組計画」
に基づき、
このほど国税庁から利便性向上施策
e-Taxで申告や申請等を行う場合、別途郵送等で書面による
のうち主な施策概要について公表されました。
提出等を行っている添付書類について、書面による提出に代え
て、イメージデータ
(PDF形式)
による提出が可能となります。
e-Taxの利用状況
2
対象となる添付書類
平成28年4月1日から、イメージデータによる提出が可能とな
e-Taxの利用状況は、以下のとおりです。
る添付書類は国税庁のe-Taxのホームページに掲載されていま
50%を超える利用率であることがわかります。
平成25年度
利用率
所得税申告
51.8%
前年対比
平成25年度
利用件数
す。また、平成29年1月4日からの分については、平成28年4月
(参考)
平成26年度
利用件数
+1.4ポイント 9,377,932件 9,536,950件
以降に掲載される予定です。
(3)
受付可能なデータ形式への変換機能の提供
市販の会計ソフトによりCSV形式で作成された法人税申告の
財務諸表や勘定科目内訳明細書について、e-Taxで受付可能な
法人税申告
67.3%
+3.7ポイント 1,733,944件 1,848,056件
デ ータ形 式( 財 務 諸 表はX B R L 形 式 、勘 定 科目内 訳 明 細 書は
消費税申告(個人)
53.5%
+2.5ポイント
の提出が可能となります。運用開始予定日は、平成28年4月1日
消費税申告(法人)
65.9%
+3.2ポイント 1,286,024件 1,367,749件
599,094件
630,359件
出典:国税庁「平成25年度におけるe-Taxの利用状況等ついて」
(参考)部分は、国税庁ホームページ「e-Taxの利用件数1
「財務省改善取組計画」によるe-Tax
の利用件数(平成27年6月1日現在)」
より作成。
XML形式)
に変換する機能が提供され、変換後の電子データで
です。
税理士業務におけるメリット
平成25年度におけるe-Tax利用満足度は73.3%と国税庁の
目標である70%を超える実績値となっており、e-Taxによるメ
これから始まる施策
(1)
新たな認証方式の導入
リットは国民の間にも浸透しているようです。主なメリットとして
は、①ネットで申告可能、②添付書類の提出省略、③利用可能時
間が平日8時半から24時まで、所得税確定申告時期は24時間で
1
概要
あることなどがあげられます。
個人の利用者について、現行の公的個人認証サービスに基づ
さらに、税理士業務を行う際のメリットとして、複数のデータ
く電子証明書を利用する認証方式に加えて新たな認証方式が導
の送信指示を一度に行うことが可能であり、メッセージボックス
入されます。運用開始予定日は、平成29年1月4日です。
にデータ送信した申告・申請等の受信通知が格納されるほか、
納税者の予定納税額・中間申告分の税額等を表示したメッセー
2
具体的な手続きの流れ
ジも確認できるため、業務の効率化を図ることができます。
新たな認証方式では、e-Taxの開始届出書の提出時に本人確
ただし、
メッセージボックスに格納された日から1,900日
(約5
認を行い、その確認に基づき通知された利用者識別番号や暗証
年間)
を経過すると、既読・未読に関わらず受信通知及び申告に
番号を使用してe-Taxで申告等を行う場合は、公的個人認証
関するお知らせは削除されてしまいます。他に保存しなければ
サービスに基づく電子証明書の添付が不要になります。
ならないため留意が必要です。
※本記事に記載の情報は平成27年7月現在の法令・税制等に基づいて作成しています。今後の改正等により取扱いが変わる場合がございます。個別の取扱い等につきましては、所轄の税務署へ必ずご相談・ご確認ください。