2015/7/7 P P 集積回路工学 製造 1. 2. 3. 4. 5. 13.製造 / テスト / 検証 製造工程 マスク作成 単結晶シリコンインゴット ウェハ工程 チップ切り出し 1 P 2 P マスク(フォトマスク) 単結晶シリコンインゴット シリコンウェハの基になる単結晶シリコンの塊 集積回路はシリコン基板(ウェハ)上に回路を 形成したもの 多層を実現するために複数枚のマスクを使用 する 1. 石英ルツボの中に、材料と なるシリコンを入れる 2. 石英ルツボをヒーターで加 熱する(1420度) 拡散層、ポリシリコン、メタル1層等 基本的にはプリント基板と一緒 種結晶 露光&エッチング レイアウト時のパタン=マスクのパタンに相当 3. 単結晶シリコン(種結晶)を 融解したシリコンの表面に 垂らす 4. 回転させながらゆっくりと引 き上げる 実際には加工・補正が入る 4 P 5 P シリコンウェハ切り出し 1. ダイヤモンドブレードで 0.5mm前後にスライスする。 2. ウェハの欠けや割れが起こら ないよう、側面部の角を面取 りし表面研磨する。 3. 最後にウェハの所定の一部 をカットして “ノッチ”と呼ばれ る部位をつくる。 素子分離(1) 切り出したシリコンウェハ。 6 9 1 2015/7/7 P P 素子分離(2) 素子分離(3) さらにその上にCVD(化学的な反応を使った 堆積法)でシリコン窒化膜を堆積させる。 全面を熱酸化して表面にシリコンの熱酸化膜 を形成する。 10 P 11 P 素子分離(4) 素子分離(5) 紫外線 石英ガラス 遮光膜 (クロム膜) マスクを通して露光する。遮光膜(クロム膜)の ない部分は紫外線が通過してレジストが感光 する。 レジスト(フォトレジスト)を塗布する。 13 P 15 P 素子分離(11) CVDによりトレンチを酸化膜で埋める。 ゲート酸化膜形成 熱酸化でゲート酸化膜を形成する。ゲート酸 化膜の厚さは数nm~十数nm程度。 27 31 2 2015/7/7 P P ウェル形成(1) ウェル形成(2) 紫外線 石英ガラス 遮光膜 (クロム膜) レジストを塗布する。 マスクを通して露光する。遮光膜のない部分 は紫外線が通過してレジストが感光する。 32 P 33 P ウェル形成(4) ウェル形成(5) アクセプタイオン P型 アクセプタとなる不純物をイオン注入する。注 入イオンはレジストで阻止されるため、レジス トで覆われた領域には注入されない。 レジストを灰化によりすべて除去する。 36 P 37 P ウェル形成(6) ウェル形成(7) ドナーイオン N型 レジストを灰化によりすべて除去する。 アクセプターイオン注入の場合と同様にドナー となる不純物をイオン注入する。 38 39 3 2015/7/7 P P ウェル形成(8) Pウェル ゲート電極形成(1) Pウェル Nウェル Nウェル CVDでポリシリコンを堆積させる。 注入された不純物を加熱することで活性化す るとともに、基板内へ拡散させる。 40 P P ゲート電極形成(2) Pウェル 41 ゲート電極形成(3) Pウェル Nウェル レジストを塗布し、露光・現像処理を経てポリ シリコンを形成させる部分のみにレジストを残 す。 Nウェル レジストをマスクにして、ポリシリコンをエッチ ングする。 42 P 43 P ゲート電極形成(4) NMOSの拡散領域形成(1) ポリシリコン Pウェル Pウェル Nウェル Nウェル NMOSとなる部分以外をレジストで覆う。 不要なレジストを除去する。 44 45 4 2015/7/7 P P NMOSの拡散領域形成(2) NMOSの拡散領域形成(3) ドナーイオン ポリシリコン Pウェル Pウェル Nウェル Nウェル N型拡散層 ドナーイオンを注入する。ポリシリコンがマスク となることに注意。 不要なレジストを除去する。 ⇒自己整合(セルフアライメント) 46 P P PMOSの拡散領域形成 Pウェル 48 コンタクトホール形成(1) Pウェル Nウェル Nウェル CVDで絶縁膜を堆積させる。 同様にP型拡散層を形成する。 49 P P コンタクトホール形成(2) Pウェル 50 コンタクトホール形成(3) Pウェル Nウェル レジストを塗布し、露光・現像処理を経てコンタ クトを形成させる部分のみにレジストを残す。 Nウェル レジストをマスクにして、絶縁膜とゲート酸化 膜をエッチングする。 51 52 5 2015/7/7 P P コンタクトホール形成(4) Pウェル 第一層配線(1) Pウェル Nウェル 不要なレジストを除去する。 Nウェル スパッタリング法でタングステン等の金属を堆 積させる。 53 P P 第一層配線(2) Pウェル 54 第一層配線(3) Pウェル Nウェル 第一層配線を形成する部分のみにレジストを 残す。 Nウェル レジストをマスクに第一層配線をエッチングす る。 57 P P 第一層配線(4) Pウェル 58 第二層配線(1) Pウェル Nウェル Nウェル CVDで絶縁膜を形成し、CMPで平坦化する。 不要なレジストを除去する。 59 60 6 2015/7/7 P P 第二層配線(2) Pウェル 第二層配線(3) Pウェル Nウェル Nウェル レジストをマスクに絶縁膜をエッチングする。 スルーホール(ビア)を形成する部分以外をレ ジストで覆う。 61 P P 第二層配線(4) Pウェル 62 第二層配線(5) Pウェル Nウェル 不要なレジストを除去する。 Nウェル 第二層配線となるべき部分をレジストで覆う。 63 P P 第二層配線(6) Pウェル 64 第二層配線(7) Pウェル Nウェル レジストをマスクにエッチングする。 Nウェル 不要なレジストを除去する。 65 66 7 2015/7/7 P P 第二層配線(8) Pウェル 第二層配線(9) Pウェル Nウェル Nウェル CMPで平坦化する。 銅等の金属を電界メッキで堆積させる。 残りの配線層も同様に形成していく。 67 P P 第五層配線 Pウェル 68 パッシベーション Pウェル Nウェル 配線層完成 Nウェル チップ内に水分等が浸入しないように保護膜 を堆積する。 69 P 70 P ウェハ完成 アセンブリ ここまでの処理でチップは完成だが、部品とし て使うためにはチップ一つ一つを切り出し、 パッケージに入れる必要がある。 処理の流れ 1. 2. 3. 4. 5. 6. Sandy Bridge (Intel) 71 ダイシング ダイボンディング ワイヤボンディング モールド封入 外装メッキ リード加工 74 8 2015/7/7 P P ダイシング 1. カットしやすいように ウェーハの裏面をまず 薄く削る 2. 全体をフレームに固定 するテープを貼り付け る 3. ウェハからチップを一つ 一つ切り出す ダイボンディング 切り離されたチップをリードフレームに接着す る チップ リードフレーム 75 P 76 P ワイヤボンディング モールド封入/外装メッキ/リード加工 1. ワイヤボンディングされたリードフレームを金 型ではさみ、隙間に樹脂を流し込んで硬化さ せる。 チップ上の電極とリードフレームの電極を金線 で接続する。 2. 実装時に半田付け しやすいようにリー ドに半田メッキする。 3. 外部リードを実装し やすいように加工 整形する。 77 P 78 P 代表的なパッケージ DIP (Dual In-line Package) PGA (Pin Grid Array) BGA (Ball Grid Array) LGA (Land Grid Array) テスト / 検証 80 79 9 2015/7/7 P P 動作不良の原因 チップの動作検証 LSIテスタを用いて製造したチップの単体テス トを行う。 LSIテスタとは? 製造過程の誤りを検出 縮退故障(stuck-at fault) ショート(短絡)に電源(1)かグランド(0)に固定される ブリッジ故障(bridging fault) 任意の波形を 任意のピンに 出力できる 任意の信号線の 電圧値をリアル タイムに観測できる ショートにより他の信号線と接続される オープン故障(open-circuit fault) 断線により信号が伝播されなくなる 遅延故障(delay fault) 想定以上の遅延で回路が正常に動作しなくなる 数千万~数億円 81 P 85 P テスト容易化設計 BIST 予め自己診断用の回路を組み込んでおく 利点 製造したチップが正常に動作するかを検査し やすく設計する 高価なLSIテスタやテスト用の端子が不要 DFT (Design For Testability) 欠点 テスト用の回路を組み込む必要がある 特定のパターンのテストしかできない テスト方法 例) 自己診断回路(BIST; Built-In Self-Test) バウンダリ・スキャン・テスト インテルプロセッサの場合、自己診断の結果正常 ならEAXレジスタに0を、異常が見つかった場合は 非0をセットする 89 P 90 P バウンダリ・スキャン・テスト(1/2) 回路ブロックの入出力端に組み込んだシフト レジスタを使って、外部より任意の信号パター ンを与えてテストできる。 利点 バウンダリ・スキャン・テスト(2/2) 回路ブロックの入出力端にバウンダリ・スキャ ン・レジスタを挿入し、任意の回路ブロックに 任意のテストパターンをセットしてテストできる。 高価なLSIテスタが不要 任意のテストパターンを利用できる テスト信号出力 通 常 の デ ー タ 欠点 膨大な数のレジスタを組み込む必要がある 例) 近年の商用プロセッサにはほぼ搭載 回路 ブロック1 テスト信号入力 91 回路 ブロック2 通 常 の デ ー タ バウンダリ・スキャン・レジスタ 92 10 2015/7/7 P P HAのテスト(初期状態) バウンダリスキャンテストでHAをテストする。 A ? B ? HA ? S ? C JTAG バウンダリスキャンの規格の一つ チップ(ハードウェア)のデバッグだけでなく、ソフト ウェアのデバッグにも用いられる CLK JTAG Ti テスト信号入力 Ti: x, x, 1, 1 クロック発生 Ti: x, x, x, x USB To テスト信号出力 CPU To: (クロック発生) To: 制御・デバッグ用 パソコン 93 P JTAG エミュレータ 検証・デバッグ対象 ハードウェア 103 まとめ CMOSの製造工程を解説 写真技術の応用 シリコン上にレジストと塗布して感光、エッチング 故障の分類 縮退故障(stuck-at fault) ブリッジ故障(bridging fault) オープン故障(open-circuit fault) 遅延故障(delay fault) テスト/検証 LSIテスタ BIST, バウンダリスキャンテスト 104 11
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