Ⅰ.はじめに 本学は「和を以て貴しと為す」の建学の精神のもと、「ゼロから立ち上げる」興動人の育成 を人材育成目標にしている。目標を達成するために、教職員一同「Be student-oriented(す べては学生のために) 」を行動指針として業務に取組んでいる。 平成 25 年度から、CC(カリキュラム検討)会議を設け第2次教育改革を実施してきた。 平成 27 年度は2年間協議してきた改革を実施する年となる。CC会議で決定した様々な取組 みは「事業計画の概要」に記載した。この他、入試改革として、合格点を引き上げることに より、一定水準以上の学力と学習意欲を備えた学生を受入れる取組み(積極的定員割れ作戦) が今年で3年目を迎えた。さらに入学試験上位合格者に対する学費免除の奨学金制度も軌道 に乗った。これらの改革により、学生たちに「勉強しなければ卒業できない」大学であるこ とを実感させたい。 また、女子学生が社会で活躍できるよう女子力向上のための女子学生支援センタ―を設置 した他、簿記や日本語表現能力及びTOEIC等の資格取得の奨励を行うことにより社会人 基礎学力の修得にも力を入れている。 教育改革をサポートするための施設として、平成 28 年度完成に向け「明徳館」建設工事に 着手した。この事業は本学創立 50 周年事業の一つでもある。 教育の質保証を行うことを目指し、現代社会が求める学生を社会に送り出すことを念頭に 置いて、平成 27 年度も学生たちが集い、学び、成長する大学を目指し予算編成を行った。 「明徳館」(平成 28 年完成予定) -1- Ⅱ.平成27年度予算の概要 (1)収入 平成 27 年度の 18 歳人口は 120 万人となり、昨年より 2 万人増加した。平成 34 年度まで は 110 万人台、その後 100 万人台と推移してゆく。私立大学にとって学生確保が一段と難し くなる状況の到来である。 本学の入学定員は 850 名、収容定員 3,400 名となっているが、平成 27 年度は積極的定員 割れ作戦の影響で、平成 27 年 1 月 8 日現在の学部学生数は 3,098 名で収容定員を下回って いる。学費は授業料 68 万円・施設費 20 万円、入学金 25 万円となっており、平成 13 年度か ら据え置いている。本学の学費は全国平均以下で中四国地区の社会科学系大学においても 平均以下となっている。 本学の施設設備や教職員数は、収容定員に対しての設置基準の数値を十分満たしており、 積極的定員割れ作戦による学費収入の減少を補うために内部留保からの流用を行い事業計 画を立てることになる。 平成 27 年度、経常費収入に対する学生生徒等納付金の比率は 75.5%(*1 平成 25 年度全 国平均 85.6%)となっている。 入学検定料は、少子化の状況下昨年と同額を計上、寄付金は保護者会からの卒業記念品 料を計上、補助金は、経常費補助金を計上した。受取利息・配当金は、償還予定の利息分 を計上した。付随事業収入は、地域連携として実施している社会人教育プログラム「キャ リアアップ・プログラム」の受講料を計上した。収益事業収入は、立町キャンパスのテナ ント収入を計上、この結果、平成 27 年度の事業活動収入は 37 億 900 万円となった。 *1 帰属収入に対する割合 【参考①】学生生徒等納付金と学生数の推移 -2- (2)支出 平成 27 年度の各部局からの予算要求は、継続事業においてマイナスシーリングで提出を求めた。 12 部署のヒアリングを行ったところ、人件費 22 億 8,350 万円(前年当初予算比 9,790 万円増) 、教 育研究経費 12 億 1,940 万円(6,430 万円減) 、管理経費 3 億 3,800 万円(240 万円減) 、事業活動支出 合計 38 億 9,670 万円(2,900 万円増)の予算編成となった。 経常支出に対する比率にすれば、人件費比率 59.5%(*2 平成 25 年度全国平均 52.0%) 、教育研究経 費比率 31.7%(*2 全国平均 29.5%)となった。 平成 26 年度の人事院勧告で俸給表及び賞与支給額の改正があり、本学の人件費は国家公務員の給 与体系を取り入れており、それに従った。 教育研究経費・管理経費においては、興動館教育プログラム、キャリア教育支援、ゼミ活性化支 援、入学前教育や新入生セミナーなど教育の質保証を行うべく、教育内容の充実に努めた。 施設設備の整備においては、明徳館建設工事の中間払いを計上した。 以上、教育・研究の向上と教育環境の整備を行い「広島経済大学」のブランド力向上を目指す予 算編成を行った。 *2 帰属収入に対する割合 【参考②】経常支出の推移 -3- 【参考③】事業活動収支予算(平成 26 年度は消費収支予算) 【平成26年度】 消費収支当初予算書 消費収入の部 【平成27年度】 事業活動収支当初予算書 (単位:千円) 科目 学生生徒等納付金 手数料 寄付金 補助金 資産運用収入 事業収入 雑収入 帰属収入合計 基本金組入額合計 消費収入の部合計 (単位:千円) 当初予算 2,947,300 56,000 4,000 300,500 207,000 35,000 20,000 3,569,800 △ 503,500 3,066,300 収事 入業 の活 部動 教 育 活 動 収 支 支事 出業 の活 部動 消費支出の部 科目 人件費 教育研究経費 管理経費 資産処分差額 〔予備費〕 消費支出の部合計 当年度消費収入超過額 前年度繰越消費収入超過額 翌年度繰越消費収入超過額 当初予算 2,185,600 1,283,700 340,400 3,000 55,000 3,867,700 △ 801,400 1,224,132 422,732 収 事 入 業 教 外 育 収 活 支 動 の 活 部 動 収 事 特 別 収 支 入 業 の 活 部 動 の 支 活 事 部 出 動 業 科 目 学生生徒等納付金 手数料 寄付金 経常費等補助金 付随事業収入 雑収入 教育活動収入計 人件費 教育研究経費 管理経費 教育活動支出計 教育活動収支差額 受取利息・配当金 その他の教育活動外収入 教育活動外収入計 教育活動外収支差額 経常収支差額 資産売却差額 その他の特別収入 特別収入計 資産処分差額 特別支出計 特別収支差額 〔予備費〕 基本金組入前当年度収支差額 基本金組入額合計 当年度収支差額 前年度繰越収支差額 翌年度繰越収支差額 H27年度予算 2,745,900 58,000 2,000 300,500 3,000 174,600 3,284,000 2,283,500 1,219,400 338,000 3,840,900 △ 556,900 320,000 35,000 355,000 355,000 △ 201,900 68,000 2,000 70,000 5,800 5,800 64,200 50,000 △ 187,700 △ 324,300 △ 512,000 1,376,382 864,382 (参考) 事業活動収入計 事業活動支出計 3,709,000 3,896,700 【参考④】平成27年度経常収支予算(教育活動収支・教育活動外収支) 経常収入 雑収入, 174,600千円, 4.8% 付随事業収入, 3,000千円, 0.1% 3,639,000 千円 経常支出 受取利息・配当金, その他教育活動外 320,000千円, (収益事業), 8.8% 35,000千円, 1.0% 経常費等補助 金, 寄付金, 300,500千円, 2,000千円, 8.3% 0.1% 手数料, 58,000千円, 1.6% 構成比率 3,840,900 千円 管理経費, 338,000千円, 8.8% 教育研究経費, 1,219,400千円, 31.7% 学生生徒等納付金, 2,745,900千円, 75.5% -4- 人件費, 2,283,500千円, 59.5%
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