(概要)(PDF文書)

高島市情報化計画
概 要 版
計画の将来目標
『情報化で広がる光の環 高島市』
本市は、『「お互いさま」と「おかげさま」が対流する「環の
郷たかしま」の実現』をまちづくりの基本理念として掲げ、人と
人とのつながり、人と自然とのつながりを今一度見つめ直し、地
域のより良い資源や特性を活かしながら市民の一体感をより強固
にし、活力と魅力に富んだ新しいまちづくりをめざしています。
また、本市は県内一の広大な面積を有し、豊かな自然環境や文
化財にも恵まれた地域ですが、市内を縦断する琵琶湖西岸断層帯
を抱えていることもあり、「災害に弱い地域」というデメリット
を併せ持っています。さらに、地域医療の拠点となる高島病院の
あり方についても、大きな検討課題の一つとなっています。
近年、私たちの地域を取り巻く社会・経済環境は、情報通信技
術(ICT)の飛躍的な発展とともに大きな転換を迫られ、急激な
構造変化に直面しています。特に、インターネットや携帯電話の
爆発的な普及がそれらを後押ししており、急速な高度情報化やデ
ジタル化が進行している状況です。
本市においても、こうしたICTを活用した利便性や快適性を
求める市民のニーズは増えつつあり、市民の行政に対するニーズ
は、今後ますます多様化・高度化していくものと考えられます。
ICT化により急激に変化する社会・経済情勢や国・県の施策の
動向に対応し、市民サービスの向上と本市のさらなる発展に資す
るため、ここに高島市情報化計画を策定するものです。
高 島 市
行政情報化の目標
『光』は、光ファイバーサービスの光と、ICT
の恩恵による「明るい未来の光が差す高島市」を
重ねてイメージしています。また、『環』は、
「情報の環」や「人と人が繋がる環」を重ねてイ
メージしています。
1. 行政サービスの高度化
 市民の目線に立った行政サービスを行うため、市民の利便性・
快適性・安全性を向上させるしくみをつくります。
2. 行政事務の簡素化・効率化
 庁内の事務改善や組織の見直しを進め、効率的で即応性のある
市役所をつくります。
 ICTを活用し、行政コストの削減に努めます。
3. 市民との交流や協働の拡大
 市民と対話し、一人ひとりの声に耳を傾けて、市民のより大きな
信頼や満足が得られるように努めます。
 市民参加や交流を促進するまちづくりを行います。
地域情報化の目標
1. 災害に強い安心まちづくり(防災の光の環づくり)
 災害・事故・犯罪等から市民の安全を守る地域社会づくりを支
援します。
2. 人が支え合う地域づくり(医療・保健・福祉の光の環づくり)
 市民がいきいきと明るく生活できるよう、暮らし(子育て、健
康、福祉等)を支援するネットワークをつくります。 3. 心のかよう人づくり(教育・コミュニティの光の環づくり)
 人と人のつながりを大事にし、心のかようまちを支える人が育
つような教育(学校教育・生涯学習)を支援します。
 地域の特性を活かしたコミュニティ活動や、NPO・ボランテ
ィア団体等の活動を支援します。
4. 自然共生型の産業づくり(地域産業の光の環づくり)
 人と地域、そして地域にある資源のつながりから新たな活力を
生み出せるよう、市民や各種団体、事業者等との地域産業のネ
ットワークづくりを支援します。
5. 水と里山を活かした環境づくり(環境の光の環づくり)
 本市の豊かな自然を守り、自然から学び、自然の資源を活かし
た循環型社会のまちづくりを支援します。
6. 未来に託す基盤づくり(情報基盤の光の環づくり)
 情報通信ネットワーク基盤の充実を図り、市民間・地域間の情
報格差の解消に努めます。
計画の推進プラン
本計画は、現状の情報通信基盤や既存システムの仕様に基づき、進展を考え
て策定しています。
市の総合計画では、10年後の平成28年度をまちづくり計画の目標年度と
していますが、ドッグイヤーと言われるほどICTの革新はめざましく、情報
化計画においては、社会情勢の変化にも即応できるようスピードを重視するこ
ととします。
また、平成22年度(2010年度)は、国が提唱する「いつでも、どこで
も、誰でも」ネットワークに簡単に接続できる(ユビキタスネットワーク社会)
の実現の目標年次となっています。
● 基本構想
初年度 : 平成19年度
目標年度: 平成24年度(6年後)
● 整備計画(推進プラン)
第1次推進プラン : 平成19年度~平成21年度(3年間)
第2次推進プラン : 平成22年度~平成24年度(3年間)
※ 整備計画は、3年スパンで毎年見直すローリング方式とします。
★ICT … 日本ではIT(Information Technology:情報技術)という言葉が普及していますが、国際的には
Information and Communication Technology(情報通信技術)が主流となっており、最近では
日本政府の情報化施策においても使用されてきています。
★ユビキタスネット社会 … ユビキタスとは、「いつでも、どこにでも存在する」というラテン語を語源にした
言葉で、携帯やテレビ、家電製品やその他の社会のあらゆるモノにコンピュータ が埋め込まれ、それらがお互いに通信を行うことによって、いつでも、どこでも、誰
でもコンピュータを意識せずにネットワークを利用できる社会のことをいいます。
H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度
基本構想
整備計画
第1次推進プラン
第2次推進プラン
ローリング方式
・・・・・
情報化計画推進体制
情報化推進委員会 計画の総合的な推進、調整
検討会 各情報化施策(プロジェクト)の推進、検討
構成: プロジェクト関係課長、プロジェクト正副リーダー
外部有識者(大学教授等)
プロジェクトチーム プロジェクトリーダー & プロジェクトメンバー
(関係課職員) ※関係課長参加
推進体制
市長
議会
市民
課
参加
課
課
検討会&
プロジェクトチーム
課
有識者
情報化推進
委員会
課
課
課
課
重要施策
1.総合防災情報システムの構築
安心で安全な市民生活のために
市民が安心・安全な生活ができるよう、情報伝達手段の多様化や有
事の確実性を検討し、迅速で正確な情報の提供に努めます。
施策概要:
市民の安全を確保し、安心して生活できる環境を整えるためには、
有事発生時に迅速で正確な情報の提供が欠かせません。
防災行政無線や防災情報システムを核とする総合防災情報システム
を整備し、既設のシステム等との連携を推進することにより、情報伝
達手段の多様化を図り、市民に対して迅速かつ正確な情報伝達を実施
します。
重要施策
2.医療・保健・福祉・地域のネットワーク基盤の構築
災害に強いネットワーク基盤の構築
災害時に地域の医療機関と様々な情報を交換するためのネットワー
クについて、検討を行います。平常時においては、関係機関と地域と
の情報共有を進めることで、各方面から的確な支援を提供することを
目指します。
高島病院の情報化の推進
市の中核病院である高島病院の総合的な情報推進を図ります。
施策概要:
災害時において、医療・保健・福祉等の連携を支援するネットワー
クや、業務に関連する機関をネットワークで結び、相互に情報交換・
データの共有など様々なプラットホームが利用できる基盤を構築しま
す。
また、災害に強いネットワークを構築するため、高島病院のファシ
リティの強化や、災害時に利用するインフラ回線の複数確保や防災無
線ネットワークの利用を検討するとともに、病院の総合的な情報推進
を図ります。
一般施策
1.行政内部における情報化
電子市役所の基盤づくり
電子市役所構築の基盤となるネットワーク等の整備を行います。
24時間ノンストップでワンストップの行政サービス
市民が自分の都合のよい時間帯に申請・届出・納付ができるような
体制づくりを行います。また、インターネット等によるオンライン窓
口を設置します。
住基カードの多目的利用と普及啓発
利用が低迷している住基カードの有効活用を検討し、市民の利便性
の向上やカードの普及を図ります。
行政内部の情報化の推進
電子市役所構築のため行政内部の情報化について検討し、併せて行
政コストの削減に努めます。
行政サービスの高度化 市民の利便性の向上を図り、質の高い行政サービスを提供します。
2.市民生活の分野における情報化
市民がつくる交流の場 ~市民サイトの創設~
情報化を利用した市民の積極的なまちづくりへの参画を推進するこ
とを目的として、市からの一方的な情報発信だけでなく、市民本位の
情報交換サイトの実現を図ります。
わかりやすく、身近で開かれた行政情報の公開
情報化社会の中のコミュニティの一員として、行政はわかりやすく
丁寧な情報を公開し、行政運営を行うとともに、説明責任を果たす必
要があります。
いきいきと暮らせる、健康支援・福祉支援ネットワークの構築
市民が健康福祉に関して知りたい情報をいつでも、どこでも利用で
きるしくみ作りや、ネットワークを通し双方向で情報交換できるシス
テムを構築し、行政への専門的な相談や、市民同士の交流が出来る基
盤を整備します。
3.教育文化の分野における情報化
文化財情報の発信と共有ネットワークづくり
市内に残る地域独自の個性とも言える文化財のデジタルアーカイブ
化を図ることは、文化財の適切な保存と管理につながります。
また、広く公開することにより、市民をはじめより多くの人に「高
島の良さ」を知ってもらうことになり、高島の活性化につながります
学校間・学校家庭間の情報交流、共有ネットワーク の構築
市内22小中学校を結ぶ教育ネットワーク網を活用し、各校で作成
された教材等のコンテンツの共有化、児童生徒間の学習交流や教師間
の授業交流、地域への映像配信等を行うためのシステムを構築します
高島市図書館と学校図書館の蔵書検索・貸出・予約システムの構築
高度情報化社会の到来にともない、より良い地域社会づくりが進め
られている中、市民の教養・調査研究等に対する関心の高まりによ
り、公共施設の利用が年々増大しています。こうした中、平成18年
度に高島市図書館システムが統合され、市民の利便性が向上しました
今後、学校図書室等へネットワークを拡張し、利用者の利便性の向
上を図りながら、より良い読書文化の醸成につなげます。
社会教育(生涯学習)施設情報システムの構築
市内社会教育(体育)施設のイベント情報や講座案内、施設利用予
約状況、利用申請等をホームページ上で一元管理し、市民の利便性の
向上を図ります。
4.産業経済の分野における情報化
情報発信と情報共有による地域産業の活性化
地場産品および地域コンテンツをデータベース化することにより、
他地域へ市内企業・製造品のPRを実施し、また、市内業者間での事
業循環(地産品の融合)を図ります。
観光資源やイベント情報の集約及び発信の一元化
市内観光情報・イベント・宿泊(予約含む)情報の一元管理と情報
発信を行います。
環境を活かすネットワークづくりの推進
本市の自然資源や経済活動について、環境の視点に立ったネット
ワークを構築し、環境保全の推進を促し、市民の環境に対する意識の
向上を図ります。
5.情報通信基盤・人材育成の分野における情報化
電子市役所推進体制の整備
将来目標イメージを「情報化で広がる光の環」とした情報化基本計
画を策定します。
情報セキュリティ対策とIT人材育成
庁内情報システムのセキュリティ対策ならびに職員の情報リテラ
シーの向上およびIT専門人材の育成・確保を図ります。
地域公共ネットワークの整備と公共端末の設置
市内の公共施設や多くの人が集まる施設において、市民が誰でも均
等に行政情報等を取得できる環境を整備します。
デジタルデバイド対策
市内全域において、ブロードバンドサービス・ゼロ地域や携帯電話
不感地域を解消し、情報格差をなくします。
難視聴対策とデジタル化対応
地上アナログテレビ放送(2011年7月終了)から地上デジタル
テレビ放送への移行によって発生する難視聴地域の解消を図ります。