PHITS Particle and Heavy Ion Transport code System 仁井田浩二1,佐藤達彦2, 岩元洋介2, 橋本慎太郎2, 小川達彦2, 古田琢哉2, 安部晋一郎2, 甲斐健師2, 松田規宏2, 岩瀬広3, 中島宏2, 深堀智生2, 奥村啓介2, 甲斐哲也2, 千葉敏4, L. Sihver5 1. 高度情報科学技術研究機構(RIST), 日本 2. 日本原子力研究開発機構(JAEA), 日本 3. 高エネルギー加速器研究機構(KEK), 日本 4. 東京工業大学 (TITech), 日本 5. ウィーン工科大学, オーストリア Last update 2015/12/15 1 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 2 PHITSの概要 Particle and Heavy Ion Transport code System PHITSとは? 任意の体系中における様々な放射線の挙動を、核反応モデル や核データを用いて模擬するモンテカルロ計算コード 適用例 加速器遮へい設計 放射線治療&防護研究 宇宙・地球惑星科学 入手方法 • PHITS講習会に参加する • RISTの原子力コードセンターに依頼する(国内ユーザー,手数料13,176円) • OECD/NEA DatabankもしくはRSICCに依頼する(国外ユーザー) http://phits.jaea.go.jp/ 3 PHITS計算結果の例 137Cs から放出された100,000個の光子の挙動を模擬 個々の放射線挙動を乱数を用いて模擬することにより,全体的な挙動(平均値)を導出 4 PHITS開発体制 KEK JAXA • 宇宙分野への応用 Chalmers工科大 • EGS5の組込 原子力機構 • 欧州普及担当 • 医療・宇宙分野への 応用 • 開発とりまとめ (PHITS事務局) • 配布&講習会 • 開発全般 九州大学 理研 • 核反応モデルINCELFの組込と高度化 • 精度検証実験 • メモリ共有型並列 • 核反応モデル改良 • 人体シミュレーション RIST • プログラミング • 核反応モデル改良 CEA (フランス) • 核反応モデルINCL の組込と高度化 5 PHITSの特徴 言語 Fortran (Intel Fortran 11.1, Gfortran 4.71 or later) 入力データ形式 任意フォーマットのASCIIコントロールファイル 幾何形状 ユーザーがFortranプログラムを書く必要はない! • 任意の3次元体系 • 2D&3D描画ツール (ANGEL) • GUI入力支援ソフト (SimpleGEO*, option) 計算できる物理量 ANGELで描画した2D&3Dジオメトリ SimpleGEO 粒子フルエンス, 発熱量,核反応生成粒子, 電離密度分布 など 出力データ形式 テキストデータ,ヒストグラム,等高線図 プラットフォーム Windows,Mac, Linux (MPI & OpenMP並列対応) * GUI-based software originally for FLUKA, http://theis.web.cern.ch/theis/simplegeo/ 6 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 7 PHITSで扱う物理現象 輸送過程 衝突と衝突の 間の移動 衝突過程 原子核との 衝突 外部場及び光学デバ イスによる偏向 電離過程による エネルギー損失 低エネルギー中性子 光子・電子・陽電子 • 電磁場 • 重力 • スーパーミラー (反射) • T0 チョッパー • 阻止能 : SPARもしくは ATIMAコード 連続エネルギー損失仮定(CSDA) • δ線(ノックアウト電子)生成 • マイクロドジメトリ機能 (独自機能) 高エネルギー核子 • 核データ(JENDL-4.0 etc.) +イベントジェネレータモード (独自機能) • 核内カスケード模型(INC) 原子核 • 量子分子動力学模型(QMD) 8 PHITSに組み込まれた物理モデル 中性子 陽子・π粒子 (その他の核子) 低 ← エネルギー → 高 1 TeV 重イオン μ粒子 1 TeV/n 1 TeV 核内カスケード模型 JAM 3.0 GeV + 蒸発模型 GEM 量子分子 動力学模型 d JQMD 核内カスケード模型 INCL4.6 + t + 蒸発模型 GEM 3He 蒸発模型 GEM 20 MeV 核データ ライブラリ JENDL-4.0 10-5 eV α 1 MeV 1 keV 10 MeV/n 電離損失 SPAR or ATIMA 仮想光子 核反応 電子・ 陽電子 EGS5 光子 EGS5 1 TeV 光 核反応 JAM/ JAM/ 原子 原子 JQMD JQMD データ データ + + GEM ライブラリ ライブラリ GEM + EEDL / JENDL-4.0 200 MeV / EPDL97 JENDL ITS3.0 / EPDL97 (~100GeV) 2 MeV (~10GeV) or or 1 keV 1 keV イベントジェネレータモード: 核反応による2次粒子を特定可能! PHITSに組み込まれた物理モデルとその適用エネルギー範囲* *モデル及びその適用エネルギー範囲は入力ファイルにて変更可能 9 JAM (Jet AA Microscopic Transport) モデル • 高エネルギー核子同士の衝突によって生成する様々な共鳴状態や反粒 子などを共鳴モデルやストリングモデルを使って再現する核反応モデル • 幅広いエネルギー(20MeV~200GeV)の核反応を模擬可能 Au+Au 200GeV/n in CM Y. Nara et al., Phys. Rev. C61 (2000) 024901 10 INCL4.6 & INC-ELF (A) Pb(p,n) @ 8 deg 2 10 Meier et al. JAM INCL4.6 INC−ELF 0 10 0 10 1 10 Double Differential Cross Section (mb/sr/MeV) Double Differential Cross Section (mb/sr/MeV) 最新の核内カスケードモデルは,高エネルギーフラグメント生成を考慮可能 (B) Fe(p,d) @ 20 deg 0 10 Beck et al. −2 JAM INCL4.6 INC−ELF 10 2 10 Neutron Energy (MeV) 1 10 2 10 3 10 Deuteron Energy (MeV) Pb(p,n) 及び Fe(p,d) 反応に対する2重微分断面積 Version 2.52よりINCL4.6をp, n, d, t, 3He, α粒子 の標準核反応モデルとして採用 11 JQMD (JAERI Quantum Molecular Dynamics) モデル • 原子核を核子の集合体と仮定して,全ての核子間力を数値解析で解く手法 • 原子核-原子核衝突(重イオン入射)反応用のモデル • 残留核生成と二次粒子生成 を計算できる • PHITS Ver.2.76 から高精度 なJQMD-2.0が利用可能 K. Niita et al, Phys. Rev. C52 (1995) 2620, 56Fe 800 MeV/u on 208Pb T. Ogawa et al., Phys. Rev. C92 (2015) 024614 12 統計マルチフラグメンテーションモデル (SMM) SMM 核内カスケード JAM / INCL4.6 / JQMD or 蒸発過程 励起核 核分裂 GEM PHITSで核反応を模擬する流れ 2 2 10 10 75 Cross section (mb) Cross section (mb) 24 (A) Na Ogawa et al. 0 10 −2 10 0 with SMM without SMM 200 Energy (MeV/n) (B) Se Ogawa et al. 1 10 0 10 −1 400 10 0 with SMM without SMM 200 400 Energy (MeV/n) 鉛に炭素イオンを照射したときに生成される24Naと75Seの生成断面積 標準設定ではSMMは起動しないことに注意! 13 核データライブラリJENDL4.0 低エネルギー中性子は原子核と共鳴して, 特定の核種・エネルギーのみ断面積が極めて大きくなる 原子核を核子の集合体として扱う核反応モデルは使えない 各核種ごとに断面積を実験値ベースで評価した核データライブラリが必要 112Cd 113Cd JENDL4.0に格納されている112Cdと113Cdの中性子反応断面積 http://wwwndc.jaea.go.jp/jendl/j40/J40_J.html 14 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 15 PHITSのJ-PARC設計への応用 Japan Proton Accelerator Research Complex Materials and Life Science Experimental Facility Nuclear and Particle Physics Experimental Facility Nuclear Transmutation Neutrino to Kamiokande 50 GeV Synchrotron (0.75 MW) Linac(350m) 3 GeV Synchrotron (25 Hz, 1MW) 物質生命科学・素粒子物理学などを目的として,KEKと原子力機構が共同開発 16 中性子発生装置周辺の電離量計算 Energy Deposition tt == 201000 100 410nsec nsec nsec nsec Be reflector Fe reflector Moderators Proton Hg target Moderators 水銀ターゲット付近の電離量計算 Hg target 水銀ターゲット付近の幾何形状 M. Harada et al. J. Nucl. Material 343, 197 (2005) 17 中性子ビームラインの遮蔽設計 物質生命科学施設の中性子ビームライン周辺の発熱量計算結果 ダクトソース機能 • 中性子ビームライン専用の線源決定機能 • 短時間で統計誤差の小さい結果が得られるよう中性子の生成数を自動調整 18 ビームライン設計に対する特殊機能 荷電粒子(電子・陽電子除く) - 2重極・4重極磁石,ワブラー磁石 低エネルギー中性子 - 2重極・4重極・6重極磁石 中性子スピンと磁場の相互作用を考慮 - パルス状(時間変化)磁場 - 光学デバイス:スーパーミラー - メカニカルデバイス: T0 チョッパーなど - 重力 高精度なビームライン設計が可能 19 その他の施設における遮蔽設計の例 RIBF at RIKEN by T. Ohnishi FRIB at MSU by I. Baek 粒子線治療用加速器施設(HIMAC新棟,福井県立病院陽子線がん治療センターなど) 20 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 21 BNCT用治療計画システム:JCDS JAEA Computational Dosimetry System • 原子力機構JRR-4で行われていたホウ素捕捉療法(BNCT)用の治療 計画システム • DICOMフォーマットのCTとMRIデータからPHITS入力ファイルを作成 • 腫瘍部分の定義などは,画像を元に各自が判断する必要有 PHITSで出力した患者の3次元画像 PHITSで計算した発熱量分布 H. Kumada et al. J. Phys.: Conf. Ser. 74, 021010 (2007) 22 CT撮影時の線量評価システム:WAZA-ARI WAZA-ARIとは? CT撮影時の患者の線量を評価する Webベースのシステム PHITSと日本人ボクセルファントムを組 み合わせて計算したCT機種毎の被ばく 線量データベースを格納 PHITSによるCT線量計算 実験的検証に基づ いて機種毎の線源 強度を決定 線源モデル CT検査 人体モデル F. Takahashi et al. PNST, 2011, http://waza-ari.nirs.go.jp/waza_ari/ 23 医学物理計算用の補助プログラム DICOM2PHITS DICOM形式のイメージデータをPHITS入力形式に変換するプログラム 医療画像DICOM形式のデータ PHITS形式のボクセルデータ 変換 入力情報 1ファイル=1スライスデータ フォルダ全体のデータを3D表示 ボクセルの分解能と範囲・位置・方向,CT値から組織への変換テーブル PSFC4PHITS 加速器線源情報Phase-Space FileをPHITS入力形式に変換するプログラム 加速器部分(上流)のシミュレーションを省略し、ビーム 照射部分(下流)のみのシミュレーションが可能 IAEAのNuclear Data Services*から入手可能 *URL https://www-nds.iaea.org/phsp/phsp.htmlx 24 治療計画システムへの応用(将来計画) 治療効果 = 生物学的線量 = 吸収線量 × 生物学的効果比(RBE) 開発中の治療計画システムの特徴 細胞核線量の確率密度分布をRBEの指標とする(従来は吸収線量とLET) →個々の細胞の耐放射線性や非標的効果を考慮できる 全ての放射線治療に適用可能 →様々な放射線治療の組み合わせを考慮できる 吸収線量 or 生物線量(Gy) 8 生物学的線量 耐放射線性細胞 6 通常細胞 炭素 散乱体 290MeV/n ワブラー 4 磁石 (タンタル) 1100 ビーム リッジ モニタ フィルタ アルミコリメータ (5x5 cm2) 2 吸収線量 0 0 1000 8915 10 433 15420 照射表面からの深さ(cm) 人体からの距離 (cm) Courtesy of 腫瘍部位付近の線量深さ分布 HIMACの治療室を模擬した体系 Dr. Yonai & Dr. Kase 0 80 人体模型 (ボクセルファントム) T. Sato et al. Radiat. Res. 171, 107 (2009); Sato and Furusawa, Radiat. Res. 178, 341 (2012) 25 ICRP2007年勧告に基づく線量換算係数の計算 被ばく線量 = 放射線のフルエンス × 線量換算係数 計算方法 1. 人体ファントム内における放射線挙動をPHITSで解析 2. 各臓器の吸収線量及び平均線質係数を計算 3. 組織荷重係数や放射線荷重係数を乗じて線量換算係数を導出 ICRP/ICRUの標準成人 男性(左)&女性(右)ファントム ICRP Pub.116 ICRP Pub.123 ICRPによる線量換算係数の評価に利用 T. Sato et al. Phys. Med. Biol. 54, 1997, (2009), T. Sato et al. Phys. Med. Biol. 55, 2235, (2010)26 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 27 MATROSHKA実験の再現シミュレーション Virtual Kibo Module Dose (mGy/day) ■Exp. ▼Cal. (Total) ●Cal. (T.P) ▲Cal. (GCR) JAXA MATROSHKA実験とは? 人体ファントムをISSに搭載して 宇宙飛行士の宇宙線被ばく線量 を測定する欧州主導プロジェクト Position (mm) PHITSによる再現結果 L. Sihver et al. Radiat. Environ. Biophys. 49, 351 (2010), M. Puchalska, Adv. Space Res. (2012) 28 実効線量もしくは実効線量当量率 (mSv/day) 宇宙飛行士の被ばく線量評価 ISSに滞在する宇宙飛行士の実効線量及び実効線量当量率 PHITSで計算したISS内の宇宙線フラックスに線量換算係数を乗じて導出 T. Sato et al. Radiat. Environ. Biophys. 50, 115-123 (2011) 29 大気圏内の宇宙線挙動解析 1.5 1 –1 –2 –1 • 大気圏内の宇宙線挙動を太陽活動度,地磁 気強度を考慮してPHITSで計算 モデル化 任意地点・時間における宇宙線フラックス・被 ばく線量を瞬時に計算可能とした Exp. (Goldhagen et al.) Exp.* *P. Goldhagen SimulationSimulation** PHITS PARMA Analytical Model 0.5 0 2 d = 201 g/cm (~11.8km) rc = 4.3 GV smin 0.4 ソフトウェアEXPACSとしてWebで公開 http://phits.jaea.go.jp/expacs 0.2 724 0 2 Effective Dose Rate due to Cosmic-ray Exposure (nSv/h) Neutron Flux (cm s lethargy ) PHITSシミュレーション 2 d = 101 g/cm (~16.0 km) rc = 0.7 GV smin d = 1030 g/cm (ground level) rc = 2.7 GV smin 0.0015 0.001 0.0005 0 –8 10 –4 10 0 10 4 10 Neutron Energy (MeV) 大気圏内の中性子フラックス 229 72 23 地表面における宇宙線被ばく線量分布 日本の航空会社による乗務員被ばく線量管理や地球惑星物理学に利用 T. Sato et al. Radiat. Res. 166, 544 (2006), T. Sato et al. Radiat. Res. 170, 244 (2008) 30 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 31 放射線損傷計算: DPA DPAとは? •放射線照射により結晶格子からはじき出される原子の平均値 •DPAが大きくなる(欠陥が増える)と材料特性が劣化する •PHITS-DPAは、核反応とクーロン散乱による損傷を考慮 0.2cm 厚さビーム窓 T91 Pb-Bi 400MeV 陽子 400MeV-250kW, 4500 時間 陽子 全体 照射試料 SUS316 0.2 cm×4 cm×15 cm 中性子 ADSターゲット試験施設 J-PARC TEF-T 照射試料中のDPAの深さ分布 Y. Iwamoto et al., Nucl. Instr. and Meth. B, 274 (2012) 57. Y. Iwamoto et al., J. Nucl. Sci. Technol. 51 (2014) 98. 32 材料損傷指標DPAの計算 DPAとは? • 放射線照射により結晶格子からはじき出される原子の平均値 • DPAが大きくなる(欠陥が増える)と材料特性が劣化する 従来(PHITS2.24以前): 核反応による損傷のみ考慮 改良後(PHITS2.30以降): クーロン散乱による損傷も考慮 改良前後のPHITSで計算したDPAの深さ分布 Y. Iwamoto et al. Nucl. Instr. and Meth. B, 274, 57-64 (2012) 33 トカマク型核融合装置への適用 複雑形状を有するトカマク型装置の放射線による発熱、損傷や 放射化量評価のため精度の良い放射線輸送計算が必要不可欠 ポロイダル断面 トロイダル断面 プラズマ形状を模擬 できるトーラス放射線 線源を整備 トカマク型核融合装置 装置周辺の中性子束 時間変化の計算結果 A. Sukegawa et al. Prog. Nucl. Sci. Technol. 1, 36-39 (2011) 34 レーザー駆動イオン加速研究への応用 高強度レーザーを物質に照射することで発生する電場にてイオンを加 速するレーザー駆動小型加速器の開発が世界各地で進められている そのビーム診断系開発や軌道計算、線量評価にPHITSを利用 生成イオン核種とエネルギー分布を診断 した結果とPHITSによる計算値の比較 レーザー1ショットあたりに発生する線量 測定値とPHITSによる計算値の比較 Y. Sakaki et al. レーザー研究, 42(2) 163-167 (2014) 35 半導体ソフトエラー発生率評価 半導体ソフトエラーとは? • 放射線照射により半導体メモリ内にノイズ電荷が誘起され、あるしきい値以上 の電荷が収集されると記憶データが反転し,電子機器にエラーが起きる • 地上環境では,宇宙線中性子が半導体内で核反応を起こして発生する PHITS計算 入射中性子 + + + + -+ - -- - 詳細解析 MSVモデル STI (SiO2) 領域 A (Si) 領域 B (Si) ソフトエラー率, SER [FIT/Mbit] 中性子核反応で生成する2次粒子を評価可能なイベントジェネレータモードが不可欠 4 詳細解析 PHITS+MSV 10 3 10 2 10 0 0.5 1 1.5 しきい電荷量 [fC] 2 デバイスシミュレータと繋いだ詳細解析 / 多重有感領域モデルによるSER評価 S. Abe et al. J. Nucl. Sci. Technol., DOI: 10.1080/00223131.2015.1056561 (2015) 36 除染効果評価システムCDE • 除染作業前後の空間線量率の計算から除染効果を評価するソフトウェア • PHITSを用いて汚染環境中の空間線量率計算に必要なデータベースを作成 空間線量率の計算と 結果の可視化 除染前 除染後 使いやすい表計算ソフト ベースで提供 除染区域 除染地域の地図の上に汚染 分布のデータを入力 http://nsed.jaea.go.jp/josen/ (←ホームページにて無償提供中) 37 Table of Contents 1. 概要 2. 物理モデル 3. 応用例 3.1 加速器設計への応用 3.2 医療,放射線防護への応用 3.3 宇宙線挙動解析への応用 3.4 その他の応用 4. まとめ 38 PHITSの特長 幅広いエネルギー範囲の全ての放射線の挙動を解析可能 シンプルなユーザーインタフェイスに基づく多様な計算機能 洗練された核反応モデルとデータライブラリ (INCL4.6, INC-ELF, JQMD, JAM, JENDL-4, EGS5 etc.) 様々な用途に使える独自の計算機能 (イベントジェネレータモード,マイクロドジメトリ機能,ビームライン設計機能) 国内外2,000名以上のユーザーが 工学・理学・医学の様々な分野で利用している 教育版PHITSも公開中(大学の講義で利用可能) 39 最近の改良点:PHITS2.82 平成27年12月に公開 PHITS2.76からの主な変更点(担当者) 連続四面体形状(ポリゴンの一種)への適応(古田) ミューオン輸送アルゴリズムの改良(安部) 核共鳴散乱(NRF)計算機能の組み込み(小川) Sum tally機能の拡充(橋本) ユーザー指定断面積読み込み機能の導入(橋本) エネルギー分散計算方法の修正(岩元・佐藤) ポイントタリーの導入(仁井田) 自発核分裂線源オプションの導入(仁井田) 三角柱線源オプションの導入(仁井田) [t-track]へのrθzメッシュの導入(仁井田) EGSに関するバグ修正(佐藤・岩瀬) 40 今後の予定 核データの充実 JENDL高エネルギー核データファイルとのセット配布 新たな計算機能の追加 低エネルギーへの拡張(空間分解能の向上) 系統誤差導出機能の追加 Adjoint計算モードの追加 ユーザー支援機能の拡充 GUIの開発 信頼性の検証 基礎から応用まで包括的なV&Vを実施 41 お願い 更新にはML登録が必要ですので,最新版への更新をご希望の 方は,PHITSホームページを参照の上,必ず登録してください バグを見つけた場合や,改良の要望がありましたら,PHITS事務 局<[email protected]>までご連絡ください 更新情報は,PHITSホームページ及び Facebookページにて随時お知らせします 現在,295 http://phits.jaea.go.jp/ https://www.facebook.com/phitscommunity 42
© Copyright 2024 ExpyDoc