報告事項(1) 平成 27 年度 事 業 計 画 はじめに 急速に進む人口減少と少子高齢化に伴って、地域社会の担い手不足や社会の活力と 安定の維持が危惧されている中で、定年退職等により現役を離れてもなお元気で働く 意欲のある高齢者が、これまで培った豊かな経験、知識、技能を活かし、就業やボラ ンティア活動を通じて積極的な社会参加をすすめ、同時に自分自身の健康と生きがい を充実させるためのシルバー事業は、広く地域社会に受け入れられ、着実にまちづく りに貢献しています。 また、我が国の景気の現状は、 円安や株高の進行により長く続いたデフレからの回復 傾向にあり、消費税率再引き上げの延期や雇用・所得環境の改善等により、平成 27 年度 も引き続き底堅く推移できるとの見方がある一方で、一層の円安進行等に伴う警戒感も強 く、地方や中小規模の企業では厳しい見通しを示すなど、先行きの不透明感は拭い去れな い状況にあります。 このような中、当センターにおいては、送迎業務をはじめとする適正就業への取組み対 応を進めてきた結果、民間事業所からの受注を中心に契約実績は漸減状況にあり、加えて 登録会員数の減少や高齢化などにより、シルバー 事業の運営は極めて厳しい状況に置か れています。 このため平成 27 年度は、前年度に引き続き就業機会や新規事業の開拓による受注 量の確保をはじめ、会員拡大、独自事業・自主事業の一層の充実、発展など、地域ニ ーズに対応できる事業展開を進めるとともに、「ひとり 1 仕事開拓運動」や「会員ひ とり 1 会員募集活動」を一層積極的に進めながら、運営基盤の強化に取り組みます。 さらに公益社団法人として、全会員及び役職員が一丸となって、地域の皆様から親 しまれ、一層の信頼を得ながら地域社会への貢献に努め、シルバー人材センターの確 実な運営と事業の発展を目指します。 Ⅰ 基 本 方 針 1 就業開拓や独自事業拡充などによる「就業機会の拡大」を図ります。 2 シルバー事業の理念を理解し「安全・適正就業の徹底」を図ります。 3 地域組織の充実、強化に努め「組織体制の充実」を図ります。 4 組織及び事務事業の簡素効率化に努め「健全な財政基盤の堅持」を図ります。 Ⅱ 実 施 計 画 1 就業機会の拡大 会員が働くことを通して、自身の健康維持・増進、生きがいを実感しながら 地域の活性化に寄与するため、就業機会の確保と拡大に努めます。 現下の景気情勢に加え、65 歳継続雇用の法制化、適正就業の推進などにより 民間事業所等からの受注が大幅に減少している中、高年齢者の多様な働き方に 対応した雇用や就業機会の確保・拡大に取り組むほか、「自主・自立・共働・ 共助」のシルバー基本理念のもとで、「会員ひとり 1 仕事開拓運動」に積極的 に取り組み、一般家庭からの受注拡大に努めます。 (1) 就業開拓の推進 ① 全会員が「ひとり 1 仕事開拓運動」に取り組みます。 ② 役員、就業開拓員等による企業訪問、就業開拓を行います。 ③ 地方紙を活用した就業開拓の宣伝広告、チラシの作成配布を行います。 ④ 企画提案型事業を継続実施し、就業機会の確保、開拓を行います。 ⑤ 女性会員への就業機会開拓及び拡大を進めます。 ⑥ ホームページや各種チラシを活用し、就業機会の拡大に繋げます。 (2) 独自事業・自主事業 ① 独自事業 パソコン教室等の独自事業の更なる充実を図り、さらに、シルバー会員の 知識や経験を活かし、地域の伝統文化伝承ものづくり講習会を拡充して新た な分野への就業を模索します。 ② 自主事業 会員の技術や特技を生かした、趣味のグループ活動を充実発展させて、独 自事業に繋がる新しい自主事業の創出に取り組みます。 (3) 普及啓発活動の推進 シルバー事業の基本的理念、仕組み等を地域社会に発信するとともに、会員 の丁寧で質の高い仕事やボランティア活動などを通して信頼を確保し、シルバ ー事業への理解、支援の拡大を図ります。 ① 10 月の普及啓発促進月間に合わせて奉仕活動を行います。 ② 地方紙等を活用した普及啓発活動を行います。 ③ 会報「広域シルバーまつもと」を発行します。 ④ 普及啓発用カレンダーを作成します。 (4) 福祉・家事援助サービス事業の推進 超高齢社会へと進展する中で、高齢者生活援助のサービス事業や介護サービ ス分野への取り組みの重要性が高まっており、福祉・家事援助サービスへのさ らなる展開に取り組みます。 ① 就業会員の技術講習、接遇研修を実施します。 ② 軽度生活支援事業に取り組みます。 ③ 福祉・家事援助サービスに取り組みます。 (5) 一般労働者派遣事業 シルバー事業の多様な就業形態に対応し、会員の就業機会を確保・拡大する ため、請負、委任に馴染まないものや発注者側から要請のあるものについて、 一般労働者派遣事業として取り組みます。 2 安全・適正就業の徹底 安全就業は、シルバー人材センターにとっても会員個人にとっても最も重要な 課題のひとつであり、会員ひとり一人が自分自身の課題として「安全は全てに優 先する」をモットーに、重点目標を引き続き「事故撲滅」として組織を挙げて取 り組みます。 また、「雇用まがい」や「偽装請負」などの不適正な就業が大きな課題となっ ていることから、シルバー事業の維持・拡大に配慮しながら、適正就業の推進に 取り組みます。 (1) 安全就業 ① 地区懇談会での安全就業・交通事故防止等の意識徹底を図ります。 ② 危険を伴う作業別に安全講習会を開催し、出席の義務化を目指します。 ③ 作業前には全員による「安全ミーティング」の完全実施を図ります。 ④ 安全装備使用の徹底を図ります。 ⑤ 安全就業基準の周知徹底を図ります。 ⑥ 安全パトロールを随時実施し、安全指導・助言を行います。 ⑦ 交通事故防止を徹底します。 (2) 適正就業 ① 不適正就業事例の是正に努めます。 ② ローテーション就業やワークシェアリングを推進します。 ③ 就業交替を公平かつ適正に進めます。 (3) 健康管理 ① インフルエンザや熱中症予防など、健康管理に関する啓発を進めます。 ② 健康診断受診及び健康体操の実施を奨励します。 3 組織体制の充実 (1) 組織体制の充実強化 シルバー人材センター組織運営の基本である会員の自主的、主体的な運営の 実現に向けて、会員は単に就業するだけでなく、センターの組織活動に積極的 に参画し、シルバー事業の活性化に努めるよう啓発するとともに、会員の増強 対策としての「会員ひとり 1 会員募集」活動や「女性会員増強」活動を積極的 に進めます。 ① ブロックの活動 ア ボランティア活動や交流会を実施します。 イ ブロック単位の会議や交流研修会を開催します。 ウ シルバーまつりにブロック単位で参加します。 ② 地域班の活動 ア 会員相互の親睦交流を図ります。 イ 正副班長研修を行い、地域班の活性化を図ります。 ウ 地区懇談会への全員参加を促進します。 ③ 会員の増強 ア 全会員が口コミによる「会員ひとり 1 会員募集活動」を行います。 イ 女性会員増強活動を推進します。 ウ センター事業の普及啓発とともに会員の勧誘に努めます。 ④ 職群班の充実強化 ア 新たな職群班を積極的に編成します。 イ 職群班への加入促進と後継者の育成を図ります。 ⑤ 地域職群班の活動 ア 地域内の仕事開拓に取り組みます。 イ 発注者の意向に沿いながら、迅速に対応します。 ウ 未就業会員の解消を推進します。 ⑥ 「シルバーショップえがお」の活用 ア 独自・自主事業の拠点及び会員等の交流拠点として活用します。 イ 会員自作の農産物や製品等の展示販売を行います。 ウ パソコン教室や会員等の研修会場として活用します。 (2) 会員の資質向上 会員の資質向上を図り、シルバーの信頼性を向上させるため、庭木剪定作 業・除草作業・果樹作業などの技術向上のための講習会のほか、各種講習会・ 研修会を実施します。 ① 各種講習会・研修会 ア 就業職群別に技術講習会を開催します。 イ 就業している会員へのマナー研修会を開催します。 ウ その他必要な講習会、研修会を開催します。 ② シニアワークプログラム事業 ア 調理アシスタント講習会を開催します。 (3) 「シルバーふれあい広場」の開催 ① シルバーふれあい広場を計画的に開催します。 (4) 関係機関との連携強化 ① 構成市村との連携の強化を図ります。 ② 上部団体主催の大会、研修会へ参加します。 ③ 的確な情報を把握し、共有します。 4 財政基盤の強化・健全化 (1) 財政の健全化 補助金の削減や適正就業推進等による契約金額の大幅な減少などにより、セ ンター事業運営は極めて厳しい状況に置かれているため、組織や経費の聖域な き見直しを検討します。 ① 配分金単価、会費見直し等を検討します。 ② 事務処理の合理化、簡素化を検討します。 (2) 地域ニーズ対応事業 ① 企画提案型「ゆうゆう生きがい応援事業」を継続実施します。 ② 企画提案型事業の独自事業化・自主事業化を検討します。 ③ 新たな地域ニーズに対応する新規事業の立ち上げを検討します。 (3) 公益法人運営事業 引き続き活力ある高齢社会を支える地域の中核的な組織として、公益社団法 人に相応しい法人運営に努めます。
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