5 年毎にドックに入れて詳細な検査を実施する必要が

Overview / 概要
就航船は、5 年毎にドックに入れて詳細な検査を実施する必要があります。ShipInspector は
貨物タンクの状態を正確に把握し大型油タンカー(長さ 350m)などの大型船のドック内作業
時間を短縮することにより、修理やメインテナンスを合理化することを目的としています。この
目的のために、人が現場に入らずに遠隔操作で欠陥を発見することを本研究の目標に掲げ
ています。
Key fact / 要点
 1 日当たりのドック費用(停船に係る費用を含む)は、70 万ユーロにもなります。
 世界には 9 万隻もの船があり、それらは世界の貨物量の 75%を輸送しています。
Benefits / 利点
 油タンカーの貨物タンクを安全に検査するために必要とされる作業(残油処理及び清掃)
を省略できます。
 船舶管理者の皆さまは、船のドック前に修理及び整備の準備が可能となります。つまり、
事前に交換する部品を購入でき、適切なサービス業者の手配が容易になります。
Project team / 当プロジェクトの構成メンバー
TWI Ltd
EWF
DGZFP
ABS Europe
USNDT
BGNDT
AIPND
I&T Nardoni
SMART
Class NK
Cereteth
Isotest
Technitest
Lloyds Register
Biomechanical Solutions
The Challenge / 挑戦
大型タンカー(VLCC)などの巨大構造物には非常に迅速な検査方法が求められており、長距
離超音波試験(LRUT)と呼ばれる検査方法は最適な技術であると考えられております。この
LRUT はパイプの検査に対して利用されてきましたが、船などの鋼板構造物に対しては、広く
は利用されてきませんでした。
船の構造は、板部材に補強のための部材が垂直方向に取付けられた複雑な形状をしている
ことから、超音波の挙動を如何に正確に把握するかが ShipInspector に課された課題です。
The approach / 取り組み
ダブルハルタンカーは、外板と貨物タンクの間に十分なスペースがあるので、貨物タンクの裏
面へのアクセスが可能であり、センサーの常設も可能です。FEM(有限要素法)による解析は、
複合体や補強材を通じての超音波の挙動を把握し欠陥を検出するための研究に活かされて
います。実験室レベルで欠陥検知が可能となった際には、性能評価のために実構造モデル
が作られる予定です。