春学期・火3、火4、火5、木3 etc・2学年・1単位 科 目 生物分子科学実験Ⅳ (Practice in Biomolecular Science Ⅳ) 担当教員 古田 寿昭、渡辺 直子、曽根 雅紀 【1】 授業の目的と学習成果〔教育目標・期待される学習成果〕 化学や生物学の研究に広く用いられる基本的な実験技術を学びながら、結果の記録方法やレポートのまとめ方についても学ぶ。3 つのテーマが用意されている。 〔教育目標〕 ・基礎学力:自然科学の専門分野における基礎学力やスキルの習得 〔期待される学習成果〕 ・専門分野の知識と技術を習得し、それらを問題解決に応用することができる。 【2】 到達目標 古田:あらかじめ提示された実験内容を理解して、必要な事前調査を行うことができる。正しく安全な実験手順で実験を実施でき る。実施結果の報告書(レポート)を書くことができる。 渡辺:あらかじめ提示された実験内容を理解し、正しい手順で実験を行える。得られた実験データをまとめ、データに基づいた課 題を遂行できる。 曽根:動物を用いた交雑実験と遺伝解析を正確・適切に遂行し、得られたデータについて適切に考察できる。基本的な生物統計の 手法(カイ2乗検定およびt検定)を用いて実験データを検証できる。 【3】 授業概要 3つの実験の中からいずれか一つを選択し、7日間の実験を行う。 古田:化学系実験ではペプチドの化学合成反応を通して、分子の物理的および化学的な性質を調べる方法を学ぶ。 渡辺:生化学の実験として最も基本的な酵素活性測定やタンパク室定量、分離分析の手法を習得する。 曽根:ショウジョウバエを用いた実験を通して、動物個体を用いた遺伝解析と基本的な生物統計の手法について学ぶ。 【4】 授業計画 ●説明,グループ分け,図書館での資料探索(古田) ●実験A(古田)・講義および各種試薬の調製 ・アミノ酸の化学的性質(実験1‐4)(ニンヒドリン反応,フルオレスカミン,蛍光性, 薄層クロマトグラフィー(TLC)など) ・ペプチドの化学合成1(実験5)(液相合成,保護基,縮合反応) ・ペプチドの化学合成1(実験5)(各種スペクトル測定,核磁気共鳴(NMRスペクトル,赤外線吸収 (IR)スペクトル) ・ペプチドの化学合成1(実験6)(保護基の脱保護,精製,NMRスペクトル) ・ペプチドの化学合成2(実験7)(固相合成,保護基,縮合反応,脱保護) ・ペプチドの化学合成2(実験7)(固相合成,保護基,縮合反応,脱保護,NMRスペクトル) ・分子模型(実験8)(立体化学、光学異性体、α-へリックス、β-構造、β-ターン) ●実験B(渡辺)・酸性ホスファターゼの部分精製 ・酸性ホスファターゼの酵素活性の測定 ・タンパク質の定量 ・組換えタンパク質の発現誘導 ・プラスミド DNA 調製 ・プラスミド DNA の制限酵素処理 ・DNA およびタンパク質発現の電気泳動による分析 ●実験C(曽根)・講義(実習内容の説明および生物統計の基礎についての講義) ・ショウジョウバエに麻酔をかける練習、雌雄分別の練習 ・複眼形態形成異常変異体ショウジョウバエの交雑実験 ・複眼形態の走査型電子顕微鏡による観察 ・繁殖力データのt検定による検討 ・生存率データのカイ2乗検定による検討 ・劣性変異の交雑実験 ・ショウジョウバエ交尾行動の観察 ●実験のまとめ(プレゼンテーションとディスカッション)(古田・渡辺・曽根) 【5】 準備学習(予習・復習)等 予習:実習書および関連分野の書籍等の資料を読み,実験の目的,背景,理論を理解する。実験手順を確認する。実験ノートを準 備する(ルーズリーフ不可。準備学習,および,実験結果と観察事項を実験ノートに記入する)。 【6】 教科書・参考書・参考資料 実習書を配布する。 【7】 評価方法 実験への取り組み(出席、受講態度、主体性)60% + レポート 40% 【8】 オフィスアワー 古田:木曜5限、金曜5限、渡辺:月曜4限、水曜3限、曽根:火曜2限、水曜3限 【9】 関連科目 〔予め学んでおくとよい科目〕 基礎化学 有機化学Ⅰ 基礎生理学 基礎遺伝学 基礎生物学 〔この科目に続く内容の科目〕 有機化学Ⅱ 生化学Ⅰ 分子生物学 遺伝子工学Ⅰ 有機分析法 遺伝子工学Ⅱ 生物分子科学特論Ⅳ(2015年度開講せず) 【10】 その他 4月の講義開始時に実験ⅡとⅣのクラス分けを行うので、選択希望者は必ず出席すること。
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