株式会社いばらきIT人材開発センター 中期経営計画(平成 22 年度~平成 26 年度)概要 1.基本方針(経営ビジョン) 一昨年秋の米国発世界金融危機は世界的な不況をもたらし,日本のIT産業にも大 きな影響を及ぼした。国内ユーザ企業のコストカットのための情報化投資の削減,さらには, ソフトウェア開発のグローバル化,海外シフト等が相まって,情報サービス産業を支えてきたシ ステムインテグレータの受託案件は減少し,シテムエンジニア等の派遣技術者の待機,シス テム開発の内製化が計られた年であった。 また,情報通信技術の高度化を背景にインターネットが急速に普及し,クラウドコンピュー ティングやSaasといった新たな情報インフラが出現し,ネット関連ビジネス等は拡大・成長 路線の傾向にある。 当センターは,茨城県内の情報関連人材育成の中心機関として,今まで蓄積してきたノ ウハウを活かしながら,第 3 セクターとしての公益性と中立性,収益性のバランスを保ちつつ, 自主事業の拡大による自立的運営体制を構築し,グローバルな高度情報化社会のニーズ に対応していく。 さらに,国等の情報化施策をいち早く取り込み,地域・中小企業のIT化支援,情報 関連人材育成支援を通じ,地域経済産業の高度化・活性化,競争力強化に貢献してい く。 2.対処すべき課題と対応 (1)売上の拡大 ①入居率の向上 入居企業へのサービス向上,効果的な入居募集活動を実施し,常時入居率9 0%以上を確保する。 ②研修事業に係る受講者の拡大 古河市内に加え,茨城県内に設置しているサテライト教室を活用し,ニーズの高い 研修事業等の実施により受講者の拡大を図る。 ③公募事業の獲得 国や市町村等が行う IT 教育等の公募事業の積極的な獲得を図る。 (2)財務体質の改善 ①一般管理費(減価償却費を除く)の削減 目標値を設定し,経費削減を図る。 目標値:平成 26 年度末までに,平成 20 年度の一般管理費を 9%削減) (現契約の見直し,職員全員の意識改革等) ②経営状況の改善及び累積損失の縮減 公益性に配慮しながら損益分岐点の管理により実施事業を検証し,適宜見直し を行うなど効率的な運営を図る。 また,最大の株主である(独)情報処理推進機構や茨城県,古河市と共に, 経営状況の改善に取組み,単年度黒字を継続し財務体質の改善を図っていく。 (3)地域貢献 情報関連人材育成事業を行う中心機関として,国や茨城県,古河市,県内産 業支援機関等との連携を密にし,国のIT化施策等を一早く取り込み,また,茨 城県の地域産業支援施策等の方針に沿った事業を推進し,地域に貢献していく。 3.推進事項 茨城県内の地場産業のITによる競争力強化を支援することを事業運営の基本とし, 情報化の進展に伴う企業ニーズや地域ニーズを踏まえ,人材育成事業,実践指導事業, 受託・斡旋その他事業を事業の3つの柱とする。 そして,当社ホームページの適時更新等情報発進力を強化 し,受講者数拡大 や施 設利用を促進し,事業の更なる推進により,地域情報化の先導的役割を果たす。 (1)人材育成事業(研修事業) 県内の情報関連人材育成事業を行う中心機関として,情報リテラシー研修から高度 情報化研修,経営IT化研修,CIO 育成研修,情報処理技術者育成研修等,グ ローバル情報化社会に対応可能な,幅広い人材育成事業を推進する。 特に,ここ数年間は,幅広い年齢層を対象とした,未就職者のIT技術訓練を積 極的に推進し,地域にIT活用技術者,情報処理技術者を輩出していく。 (2)実践指導事業 ◇テナント事業 賃貸オフィス入居募集情報の積極提供を行い,新たな入居企業を確保するととも に,入居企業へのサービス向上をはかり,既に入居中の企業の退去防止に努め, 常時,入居率90%以上を維持する。 ◇施設賃貸事業 当社ビル施設(会議室,研修室,PC研修室等)の貸出については,インタ ーネットの検索ヒット率の向上を図るなど,利用者数の拡大を図る。 (3)斡旋・受託事業等 国や自治体が実施する地域産業のIT化支援施策の実施機関として,常にグローバ ルな視点から,地域の経済動向,IT産業の動向を注視しつつ,国や自治体等の公 募事業への積極提案・実施を通じて,地域産業の発展に貢献していく。 また,企業が求めるIT技術者の供給機関,技術サポート機関として,企業の情報化 に貢献していく。 さらに,クラウドコンピューティングやSaaSなどと言った新しい動きが出てきおり,タブレ ット型PCやスマートフォンなどといった、情報携帯端末での活用が進んでいる。このような 今後の成長が見込まれる分野について,必要とされる人材等の調査研究を進め,中期経 営計画の最終年を目処に,当センターの大きな柱となる独自事業へと進化成長させる。
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