Physical Metallurgy: Chapter-01 M. Yamaguchi and Y. Shirai p.4 - p. 7 1561001 石島 政直 2. Constitutional Defects 構造欠陥の種類 アンチサイト原子 本来あるべき原子の副格子の位置を異なる原子の副格子が占めてしまうこと(例は後 で) 原子空孔 本来あるべき原子がその位置にないこと フレンケル欠陥とショットキー欠陥がある フレンケル欠陥 ショットキー欠陥 Fig. 1 原子空孔の種類 金属間化合物の生成が構造欠陥の原因 もし、金属間化合物が多く存在していれば、その分構造にひずみが生じるため構造欠 陥も多く存在する。例えば、金属間化合物は A2B1 や A3B2 といった特定の組成を持っ たものであり、A50B50 などの合金中で生じると原子のバランスが崩れる。(結晶構造 にもよる)このようなバランスの崩れによって構造欠陥が生じる。 2.1 Superlattice compounds with b.c.c-derivative structures 2.1.1 B2 compounds B2 構造は Fig. 1-1 に示したように CsCl 型の結晶構造のことである。 Fig. 1-1 B2 structure アンチサイト欠陥は本来βの副格子が存在する部分にαの副格子が存在している状態 のこと。(Fig. 2) その原子がアンチサイト原子。 Fig. 2 Antisite atom B2 の結晶構造を持つ合金の式は AxB1-x で与えられる。x=0.5 の時が化学量論的な状 態である。欠陥の生じ方で二種類に分類できる。 x < 0.5 と x > 0.5 の両方の領域でアンチサイト原子が生じるグループ AgMg, CuZn などがこのグループに分類 x < 0.5 の領域では空孔、x > 0.5 の領域ではアンチサイト原子を生じるグループ NiAl, NiGa, CoAl, CoGa などがこのグループに分類 原子空孔の濃度は式 1.1 で与えられる。構造的な空孔および熱的な空孔が含まれる。 c = (𝜌𝑥 − 𝜌)/ 𝜌 (1.1) B2 構造のρx に関しては式 1.2 で与えられる 𝜌𝑥 = 2(𝑥𝐴 𝑚𝐴 + 𝑥𝐵 𝑚𝐵 )/𝑎3 (1.2) 熱膨張測定から熱的原子空孔の濃度の上昇が得られる。講師の膨張から原子空孔濃度 を式 1.3 で求められる。 𝑐𝑡ℎ = 3(𝛿𝑙 ⁄𝑙 − 𝛿𝑎⁄𝑎) (1.3) ただし式 1.3 は基準温度における空孔濃度を無視することが可能で、l や a の変化量 が大きいということが条件になる。VIII-IIIA 族の NiAl や CoGa などの B2 構造は高 い空孔濃度を示すため式 1.3 は適応できない。そのため式 1.4 を用いる。 δ𝑐𝑡ℎ = (1 + 𝑐){(1 + 𝛿𝑙 ⁄𝑙 )3 (1 + 𝛿𝑎⁄𝑎 )−3 − 1} (1.4) Fig. 1-2 は様々な温度の格子のパラメー タである。560 ºC (Tth)付近で二股に分 かれる。その温度より低い場合、熱的欠 陥は無視できる。また Tth より低い温度 で熱処理を行うと原子空孔が減少する。 Fig. 1-2 Variation of lattice parameter and length with temperature for Co48Al52, Co50Al50, Co52Al48. Fig. 1.3 は NiAl における原子空孔濃度に対する Al 濃度の作用を示したものである。 このグラフから読み取れることとしては Al 濃度が 0.5 までは非常に原子空孔濃度が低 いことと x > 0.50 において傾きが大きくなり濃度変化が直線的になることである。 傾きは 2 であり、濃度変化は式 1.5 で与えられる。 c = 1 − 2x = 2𝑥𝐴𝑙 − 1 (1.5)
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