東京大学・大学院総合文化研究科 「人間の安全保障」プログラム・入試説明会 2015.10.17 (1*1 などとあるのは別添の資料の番号) 1 1 「人間の安全保障」とは何か 国家の安全保障から「人間の安全保障」へ 脅威は国境を越える Cross Border Threats 紛争、テロリズム、地雷・小火器、人身売買 通貨危機、環境劣化、感染性疾患 国家の安全は個人の安全を保障するとは限らない 人権侵害(差別、誹謗、暴力など)、政治的抑圧、貧困 国家の安全保障 National Security → 人間の安全保障 Human Security 2005 World Summit Outcome(paragraph 143)Humann Security 世界サミット成果文書(第 143 項)*2.4 人間の安全保障 We stress the right of people to live in freedom and dignity, free from poverty and despair. We reconize that all individuals, in particular vulnerable people, are entitled to freedom from fear and freedom from want, with an equal opportunity to enjoy all their rights and fully develop their human potential. To this end, we commit ourselves to discussing and defining the notion of human security in the General Assembly. 人々が自由と尊厳の内に生存し、貧困と絶望から免れて生きる権利をわ れわれは強調する。すべての人々、特に脆弱な人々は、すべての権利を享 受し、彼らの持つ人間としての可能性を開花させる機会を平等に有し、恐 怖からの自由と欠乏からの自由を享受する権利を有することを、われわれ は認知する。この目的のために、人間の安全保障の概念を総会において議 論し定義することにわれわれは関与する。 Direct Cross Border Threats to the Individuals Conflicts Currency Crisis Terrorism PROTECTION Environmental Degradation Landmines, Small Arms ⇨ EMPOWERMENT ⇦ Infectious Diseases Human Trafficking Poverty 3つの分野、3つの自由 PEACE Conflicts, Refugees Landmines, Terrorism Freedom from Want Freedom fron Fear DEVELOPMENT Poverty, Infestous Deseases Environmental Degradation HUMAN RIGHTS Violence, Intimidation Discrimination Freedom to Live in Dignity 2 2 人間の安全保障に先行する理念 1941 Franklin Roosevelt “Four Freedoms Speech” *1.1 フランクリン・ルーズヴェルト『四つの自由』 Freedom of Speech and Expression Freedom of Worship in God Freedom from Want Freedom from Fear 1941 Atlantic Charter (F.Roosevelt, W. Churchill)*1.2 大西洋憲章 Freedom from Fear Freeom From Want 1945 Charter of the United Nations (1945/6/26)*1.3 国際連合憲章 Foundation of the United Nations (1945/10/24) 国際連合の創設 1946 日本国憲法 *1.4 (前文第2節) われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、 平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 1948 Universal Declaration of Human Rights *1.5 世界人権宣言 Article 1 All human beings are born free and equal in dignity and rights. They are endowed with raason and conscience and should act towards one another in a spirit of brotherhood. 第1条すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ, 尊 厳と権利について平等である。人間は、理性と良心をさずけられて おり、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。 3 3 人間の安全保障概念の歩み 1994 1999 2000 2001 2003 2003 2004 2005 2008 2010 2010 2010 2011 2012 2012 2013 2013 2014 2015 2015 UNDP Human Development Report *2.1 国連開発計画『人間開発報告書』 UN Trust Fund for Human Security 国連人間の安全保障基金 Millenium Development Goals MDGs ミレニアム開発目標 UN Commission of Human Security 国連人間の安全保障委員会 Report of Commission Human Security Now *2.2 委員会報告『安全保障の今日的課題』 政府開発援助(ODA)大綱改定の閣議決定 *2.3 Human Security Unit in UN 国連 『人間の安全保障』ユニット World Summit Outcome(paragraph 143)*2.4 世界サミット成果文書 Informal Thematic Debate at UN General Assembly 国連総会非公式協議 Report of UN Secretary General on Human Security 国連事務総長報告 First Official Debate at UN GA 国連総会公式協議 Resolution on Human Security at UN GA 国連総会決議 日本国外務省 『人間の安全保障〜人々の豊かな可能性を実現するために』 Report of UN Secretary General on Human Security 国連事務総長報告 Resolution on Human Security at UN GA *2.5 国連総会決議 TICAD V 第5回アフリカ開発会議 The Symposium on Human Security 開催 Report of UN Secretary General on Human Security 国連事務総長報告 Human Security Unit Strategic Plan 2014-2017 人間の安全保障ユニット 2014-2017 戦略プラン 開発協力大綱 [旧政府開発援助大綱(ODA 大綱)] *2.6 Sustaibable Development Goals SDGs 持続可能な開発目標 4 4 「人間の安全保障」プログラム概要 人間の安全保障イニシアティブ (HSI) 研究 教育 研究センター 人間の安全保障 持続的平和研究センター 持続的開発研究センター プログラム アフリカ地域研究センタ HSP 共同研究・受託研究 社会連携 HSI 連携 研究センター HSP 共同研究プロジェクト 専任・客員・非常勤 HSP セミナー シンポジウム インターンシップ 社会 UNU IDE-JETRO JICA MOFA World Bank UNHCR UNDP NGOS HSP がめざすもの=「人財」養成 高度職業人養成(X)実務家養成(X)研究者養成(X) 現場の実践経験+学問的専門性+学際的広がり=「人財」 現場の実践経験 人財 学際的広がり 学問的専門性 5 HSP の構成 教員 プログラム教員 その他 大学院生 言語情報科学専攻2 超域文化科学専攻4 地域文化研究専攻4 国際社会科学専攻4 広域科学専攻2 専攻所属協力教員 22 特任教員 0 客員・非常勤 10 博士後期課程 各学年 4 修士課程 各学年 16 カリキュラム 博士後期課程 科目履修(20 単位) プログラム特設科目、専攻科目(8)、他専攻科目 博士論文 修士課程 科目履修(30 単位) プログラム特設科目(14)、専攻科目(12)、 他専攻科目 修士論文、特定の課題 プログラム特設科目 基礎科目(必修) 人間の安全保障基礎論Ⅰ・Ⅱ 展開科目(選択) 「紛争と和解・共生」「平和プロセスと国際協力」 「文化エコロジー」「社会の自立と共同」「生命と尊厳」 「開発と貧困」「生存とライフスキル」 「サステナビリティの戦略」「人間の安全保障演習Ⅰ~Ⅷ」 実践科目 「人間の安全保障実験実習Ⅰ~Ⅳ」 特別科目 「人間の安全保障特別研究Ⅰ~Ⅳ」 6 5 出願にあたって 1 社会人 学生身分を離れての社会的活動経験 活動経験が研究に連関しない → 一般選抜 研究に連関 → 社会人特別選抜 一般選抜は社会人でも出願可能 入学後は、社会人・非社会人の区別なし 2 外国語能力 TOEFL または IELTS のスコアを提出(例外あり) 外国語能力による足切りはない 論文等と合わせた総合評価 外国語(最低限英語)能力が乏しいと入学してから苦労 3 専攻等の選択 「人間の安全保障」の中で自らの専門領域の表示 専攻名が学位記に記載される 希望する指導教員が所属する専攻を選択 指導教員の決定は入学半年後に行なう 4 長期履修 出産・育児・介護にあたっている学生、有職学生 授業料を増やすことなく標準在学期間の延長可能 標準修学年限 1 年以上残す段階で申請(学年単位で認定) 申請時に研究計画を提出し、運営委員会等で決定 5 提出論文 研究分野における受験生の研究能力をはかる手段 分野外の卒業論文・修士論文を提出することは可能 プログラム教員が評価できない分野の論文は不適 人間の安全保障分野にふさわしい新たな論文作成を推奨 6 研究計画 ただやりたいことを書くのではない 自らの能力・経験と論文テーマの相関を示す テーマが一般的すぎず、個別的すぎないバランスが重要 attractiveness と feasibility のバランス 7
© Copyright 2024 ExpyDoc