三生涯 第 204 号 平成 27 年8月5日 三田市の図書館を考える市民の会 代表世話人 小林純生様 三 田 市 長 竹 内 英 明 「指定管理図書館について三田市への要望と質問」について(回答) 平成 27 年7月6付けで受領いたしました標題の件について、下記の通り回答します。 ご要望事項について(以下の標題については、受領した文面からそのまま引用。) Ⅰ 1 市民のリクエストを尊重し対応方針を元に戻してください。 市立図書館の資料の選定については、平成 20 年 2 月の中央教育審議会答申「新しい時 代を切り拓く生涯学習の振興方策について」の趣旨を踏まえて、利用者のニーズ等の 「『個人の要望』を踏まえるとともに、『社会の要請』を重視して」、地域『社会の知識 基盤を強固なものとする」という大局的な視点から選定すべきものと考えます(「 」 は上記答申から引用した文言)。 したがいまして指定管理者が説明しておりますとおり、利用者の方から頂戴したリク エストは、購入の資料の検討に際しては、貴重な参考情報として取り扱わせていただい ておりますのでご理解をお願いします。 なお、資料のリクエストに対して購入でお応えできない場合には、その理由について も記録を残すよう、指定管理者に指示いたします。また、リクエストの趣旨が特定の資 料ではなく、情報(源)をご所望である場合には、類書や他館の所蔵資料のご紹介など、 従来どおりできる限りの情報提供につとめさせておりますので、図書館にてご遠慮無くお 申し出ください。 2 選書・除籍は一次選考から市が主導する形に改めてください。 図書館で購入する資料の選書については、目標とする図書館像からの必要性のほか、 サービスの現場で把握・抽出されるさまざまなニーズも踏まえながら、年間を通じた資 料費の計画的な執行を行う必要があります。これは図書館の管理経営の基本的な業務で あり、したがって指定管理者としての基本的な役割の一つです。 除籍についても同様に、まずは図書館の管理運営の現場から候補資料が抽出されるべ きと考えます。 以上のことから図書館資料の選書・除籍は、管理運営の主体である指定管理者がまず 基本的な選定を行い、その結果について市が長期的・地域的視野から補完・確認を行 うという現行どおりの役割分担と手順が、指定管理者制度の趣旨としてもふさわしいと 考えます。 3 2014 年度の図書館基本データを早急に公表してください。 平成 26 年の図書館基本データーは、図書館年報として指定管理者が好評することとし ています。 4 現在、秋口の公表にむけて編集作業を進めさせております。 TRⅭ三田の図書館運営には大きな問題があります。市の適切な対応を求めます。 市立図書館の平成 26 年度の運営評価資料として実施した来館者調査によれば、指定管 理者による図書館運営について96%の方から「(大いに)評価できる」との回答をい ただいており、指定管理者であるTRC三田の平成 26 年度の図書館運営は、長年の懸 案であった図書館サービス向上に向けた初年度の取組みとして、非常に大きな成果を上 げることができました。 本年度については、昨年度の実績や運営評価を通じて得られた諸課題を踏まえた指 揮・監督に努めつつ、TRC三田と協働しながら、引続き指定管理者制度の特長を活用 して、目指す図書館像の実現やより一層のサービス向上に努めて参ります。 5 市まちづくり部生涯学習支援課「図書館担当」の体制を強化・改善してください。 現行の生涯学習支援課の体制は、市全体の定員計画の業務分担体制を踏まえたもので あり、業務量の変動にはスタッフ制の特徴を活かしながら、課内での横の連携をとりな がら柔軟に対応することとしております。したがいまして当面は現体制を維持しながら、 円滑な事務に努めて参ります。 6 電子図書館の音声読み上げソフトを直ちに撤廃してください。 指定管理者TRC三田においては、平成 26 年8月より電子図書館サービスの提供を開 始し、さらに平成 27 年度中には、平成 28 年4月 1 日に予定されている障害者差別解消 法の施行を視野にいれた、視覚障がい者向けの新たな電子図書サービスを開発・展開す る計画としております。 現行の電子図書館の音声読み上げ機能については、利用時に「誤読」事例がみられる ことはご指摘のとおりです。しかしながらこれは、現在インターネット上で活用されて いる各種のウエブページ読み上げ機能にも共通する事象です。 決して「誤読」の発生を良しとするものではありませんが、これも読み上げ機能の活 用により、視覚に障がいをもたれた方々が、インターネットを通じて手軽にアクセス可 能となった情報の範囲の量が飛躍的に拡大されたという事実があります。 このような状況のもとで「誤読」の発生を理由に、音声読み上げ機能を中止すること は、図書館を含めた視覚障がい者向けの情報提供サービスの現時点での到達点を後退さ せることにつながります。したがいまして、市といたしましては、精度の向上を関係方 面に求めながら、現行音声読み上げサービスを一層推進し、視覚に障がいをお持ちの 方が、より自由に、より気軽に、そしてより多くの資料を活用いただけるように、指定 管理者と協働しながら取り組みを着実に進めて参ります。 その一方で、デイジー資料の収集や対面による朗読サービスなど、既存の視覚障がい 者向けサービスを電子図書サービスと併行して従来どおり提供しながら利用者の選択 にゆたねることはもちろん、これら既存のサービスについてもより気軽に利用いただけ るような体制の整備に、指定管理者と共に努めて参ります。 ご質問事項について(以下の標題については、受領した文面のまま引用。) Ⅱ 1 選書および除籍で三田市が「不敵」と認定した冊数と書名をお知らせください。 平成 26 年度に指定管理者が実施した選書内容について、市において「不適」とした資 料はありません。除籍候補資料については、4点について再精査を求めましたが、その 結果特に問題がなかったため最終的にすべて除籍を可としまいた。 2 「資料拡充が行われた」調査相談室・児童室の増加冊数と書名をお知らせください。 「調査相談室」・「児童室」としての増加冊数や書名の集計は、システム上できません。 したがって近似値での回答となりますが、平成 26 年度中の新規受入資料は、分類上の 「参考図書」が149冊、「児童書」が3,145冊です。当該書名の一覧については、 指定管理者で準備いたしますので、お手数ですが本館にて指定管理者に直接閲覧を請求 願います。 3 2014 年度の図書館員の入れ替わりの総数と理由をおしらせください。 指定管理者より、平成 26 年4月 1 日現在での従事者数 59 名に対して、退職者は15 名(別に平成 27 年度当初に退職予定であった者1名)、中途採用者は9名との報告を得 ております。異動理由については、指定管理者の人事上の事項に属しますのでお答え いたしかねます。 4 2015 年度は 52 人態勢とのことですが前年度との異同を説明してください。 4 月 1 日現在での人員配置として、本館は平成 26 年度が 33 名、平成 27 年度が 30 名 で 3 名の減、ウッディタウン分館は平成 26 年度が 20 名、平成 27 年度が 17 名で 3 名の 減、藍分室は平成 26 年度が 6 名、平成 27 年度が 5 名で 1 名の減との報告を指定管理者 より得ております。 5 2015 年度の職員数 7 名減によって指定管理料の減額はおこなわれますか。 指定管理料の減額は行いません。これは合理化や省力化の成果が、電子図書館を含む 図書館資料の充実のはか、視覚障がい者向け電子図書館システムの開発、ICタグ導入 に向けた諸準備、各種生涯学習講座の展開等、直営時にはなかった新たに取り組みの展 開に通じて図書館サービスの改善・充実に充当されていると評価しているためです。 6 電子図書館の貸出人数、貸出点数、利用率をおしらせください。 電子図書館サービスについて、平成 27 年3月末日現在の閲覧回数は4、688回との 報告を指定管理者より得ております。なお報告値と利用登録者数(平成 27 年3月末日 現在1、270名)以外の利用統計は、システム上集計されておりません。
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