南紀・台高 本沢川・ 釜の公谷 遡行日:5月2日~4日 メンバー:三井、森屋 地図:大台ケ原山 恒例のGWの南紀の沢、今年は森屋君の 参加を得て、心強い限り。 場所は「関西起点・沢登りルート 100」 のガイド集から「釜の公谷」の一泊二日 と、鈴鹿の「神崎川」の日帰りの二本の 沢を選びだした。 ど ち ら の 沢も そ の ガ イ ド 集で 特選ル ー ト と し て 推奨さ れ て い る 沢で 期待で き そうではある。 [第一日] 前夜、吉原駅で森屋君をPU、高速にの り南紀に向かう。 GWゆ え 渋滞を 覚悟し て い た が 浜松付 近で 多少の 渋滞が あ っ た だ け で 思っ た よりスムーズに進み、大台ヶ原近くの道 の駅「吉野路上北山」で仮眠。 翌朝早々 に 道の 駅を 出て 大台ケ 原の 頂 上に 向か い 頂上駐車場に 車を と め る と 朝食、パッキング等を済ませ山行のスタ ートとなる。 車道を30分ほど戻り、川上辻より「釜 の公谷」の右岸の尾根の登山道を下る。 こ の 登山道は 崩壊が 数か 所に あ っ て 荒 れており、数年前から通行止めとなって いるがまー、沢屋ならそう問題はないだ ろう、という事で入り口の通行止めの表 示を無視して登山道に入る。 歩い て み る と 登山道は 何ケ 所か は 酷く 荒れ て い た が 通行に は 大し て 問題は な く入渓点の「釜の公橋」に下り着く。 橋の 直ぐ 脇か ら 入渓す る の だ が 大岩の 上に出る部分が悪く、いきなりお助けの 出番となる。 巨岩の ゴ ロ ゴ し た 沢を す す ん で 行く と 斜瀑が現れる。数個の斜瀑を越えて行く と狭いゴルジュ。入り口に釜を持った6 m 程の滝が落ちていてその奥にも滝があ り手こずりそう。 左岸を 見る と ピ ン ク の テ ー プ が 巻き 道 を示している。ならばと、テーブに導か れて滝の巻きにかかる。 滝を 巻い た 所で 沢に 降り よ う と し た が ゴルジュが続いており、泳ぐハメになる 事は今の時期避けたい。で、そのまま巻 い て 行き ゴ ル ジ ュ が 切れ た 所で 沢に 戻 る。 ゴ ー ロ 状と な っ た 沢を 淡々 と 遡っ て 行 くと左岸にテン場が現れる。予定したテ ン 場は も う 少し 先だ が 時間は 頃合い だ し、僕としても今日はもういいか、とい う気分。ザックを下ろす。 早速ツエルト張る。薪は周辺に散乱して いて 薪集めの苦労はない。たき火がおきたと ころでまず「乾杯」 缶酒を手に、たき火を眺めながら取りと め の な い 話で 時が 過ぎ 気持ち は 満た さ れていく。今年はこんな時を何度過ごす 事が出来るだろうか。 [第二日] 朝、出発前に森屋君のストレッチ教室。 そ れ ぞ れ の 動作に 大事な ポ イ ン ト が あ り、そこをおさえてやらないと形だけま ねても意味が無い事がよくわかる。(こ の事はいろいろな事で言える。) 快適な 一夜を 過ご し た テ ン 場を あ と に 沢を辿る。朝方は青空だったがいつのま にかその青空が消えていく。予報では今 日はまだ大丈夫だと思ったが…。 滝が 次々 と 現れ る が 困難な も の は な く 快適に越えて行く。森屋君がポイントで 何度か竿をだしたがアタリはなさそう。 沢での釣りは時間の制約があり難しい。 右に折れるように2段 15mの滝と出合 う。水流の左から越えると突然、という 感じで左手に 50mの大滝が姿を現す。 落ち口から 10mほどが直瀑で、そこか らナメ状に水流を落としている。中々素 晴らしい。 「さてどう登るか。」 取り 付き は ホ ー ル ド が あ り 容易だ が ナ メ 状に 変わ っ て 行く と 傾斜が 微妙で ヌ メリもあって滑りそうで余りよろしく ない。で、水流左の草付きを直瀑部分の 下まで登る。何とかナメをトラバース出 来ないかと試みるもうまくない。落ちれ ば滝下までノンストップで一気だ。 や は り 直瀑と ナ メ の 接点の バ ン ド 状を 行くしかないか。 雨具をつけロープを結ぶ。まず瀑水の手 前でアングルハーケンを埋める。ガッチ リ効いている。 ソ ロ ソ ロ と 瀑水に 突っ 込む が か な り の 水量でホールドも見えない。一旦退いて 水流越し に ホ ー ル ド を 確認す る と 気を 取り直して再度突っ込む。水が冷たくモ タモタしていると指の感覚がなくなり そうだ。何とか瀑水部分を越えたが直瀑 横の 凹角に 上が れ ば い い の だ が そ こ に 上がるスタンスがヌメヌメで踏ん切り がつかない。 苦しい体勢でハーケンを打ち、漸く凹角 の基部に這い上がった。ここでピツチを 切り森屋君をビレイ。ロープが岩の割れ 目に 食い 込ん で 焦っ た が 事な き を 得て 引き上げ、そのまま森屋君に凹角を登っ て貰って大滝を越えた。ここで1時間半 も 費や し て し ま っ た が 無事登れ た の で いいとしよう。 (帰宅後記録を 幾つ か 見た が ど の パ ー ティーもナメを早めにトラバースして そ の ま ま 左岸を 巻き 上が っ て い る よ う だ。) 小滝を 2本ほ ど 越え る と 小広い 二俣の ガレ場。左にとり、ガレたルンゼを詰め て行く。登り難くなったところで右の尾 根に取り付き、暫く登ると膝下程度の笹 の斜面。それを喘登していくと間もなく 尾根に上がり三津河落山(サンヅコウチ ヤマ)のピーク。踏み跡を一時間ほど辿 れば入山時の登山口にで、車道を暫しで 頂上駐車場だ。 昨日と違い今日はガスっていて寒い。手 早く着替え、次の鈴鹿の「神崎川」にむ かって車を走らせる。 鈴鹿に入り、入渓点近くの道の駅「あい とうマーガレットステーション」に到着 したのは夜も大分遅くなっていた。建物 の軒下にテントを張り仮眠。 天気予報通り、天気は崩れ気味で雨がし としとと降っていた。 [第三日] 朝方芳しくない天気の中、入渓点に向か って車を走らせる。 入渓点に 向か う 林道を 見つ け る の に 少 し 手間取っ た が 林道に 入ろ う と す る と その入り口にがっちりしたゲートがあ り閉じられている。 ここから歩いたらどれだけかかるやら。 落胆しているとそこに一台の車。3人乗 っていてそのうちの一人が何と以前、会 員だった T 君。まさかこんなところで…。 オ マ ケ に も う 一人の 人が や は り 以前に メールでやり取りをしたことがあるA さんと判る。 余りの奇遇に驚く他はない。 更に も う 一人の 人か ら ゲ ー ト を 巻い て 中に 入れ る 抜け 道を 教え て 貰う と い う オマケがあり信じられない展開にただ ただ驚く。 彼らも「神崎川」を目指してきたが天気 が 良く な い の で 泳ぎ の 多い こ の 沢は 止 めて他に転進する、との事で去って行っ た。 私た ち は 教え ら れ た 巻き 道か ら 林道に 入り、入渓点近くに車を進めた。 し か し 昨夜か ら 降っ た り 止ん だ り し て いた雨は降りやまず。どうするか迷った ものの気温は低いし、泳ぎを強いられる 事になるのはわかっているのでイマイ チ気が進まない。 や は り こ の 沢は 天気の 良い 時期に ま た 来るほうがいいだろう、という事で今回 は中止、帰静する事にして林道を戻る。 *今回は「釜の公谷」のみに終わったが これだけでも充分楽しめた。やり残し の「神崎川」はまた別の沢と組み合わ せて遡行しようと思う。
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