新しいOCT (Optical Coherence Tomography)の使用経験

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新しいOCT (Optical Coherence Tomography)の使用経験
神戸大学医学部附属病院
循環器内科
○田中里香・吉井勝・古東正宜・岡本健吾
竹本洋太・木村博俊・川光秀昭
志手淳也・新家俊郎
面積A-面積B[mm2]
面積A-面積B[mm2]
【目的】
M2
3
平成21年10月に導入された新しいOCT(以下 C7)は、
従来型OCT(以下M2)と比べフレームレートが約7倍に
2
高速化し、画像鮮鋭度が改善したとされる。そこで
今回我々は、C7とM2の基礎的検討を行ったので報告
1
する。
+1.96SD
【使用機器】
Mean 0.164
0
-1.96SD
・OCT(M2)
Light Lab社
・OCT(C7)
Light Lab社
-1
・アクリルパイプファントム
0
5
10
15
20
25
2
【方法】
面積Aと面積Bの平均[mm ]
基礎的検討
C7
アクリルパイプファントムを使用し、M2とC7より
3
描出された断層像から以下の4項目を比較した。
①スキャンエリアの限界
2
②内腔径、内腔面積の計測精度
+1.96SD
③OCT画像のアーチファクト
1
④輝度のばらつき
Mean 0.613
【結果】
0
①スキャンエリアの限界
-1.96SD
M2では、イメージワイヤーがアクリルパイプの
-1
中心にあれば4.9 mmまで測定が行え、C7では、8
0
5
10
15
20
25
内腔面積の計測精度
mmまで測定を行う事が出来た。
面積Aと面積Bの平均[mm2]
②内腔径、内腔面積の計測精度
Fig.1 M2およびC7の内腔面積の計測精度
M2とC7どちらにおいても、ファントム径が大き
くなり、プルバックスピードが速くなるにつれて、
誤差が大きくなった。また C7では、ファントム
径に対して、測定値が若干大きい値が得られた。
(Fig.1)
③OCT画像のアーチファクト
C7はM2と同様にアーチファクトを認めたがその
発生頻度は激減した。(Fig.2)
④輝度のばらつき
内腔にあるイメージワイヤーが通過するポイン
トによっては、M2、C7ともに表示画像に輝度のば
歪み
正常
らつきがあった。(Fig.2)
【結論】
C7は、フレームレートが高速化したが、プル
バックスピードも速くなったために、1フレー
ムあたりの内腔径、内腔面積のばらつきが大きくな
ったと考えられる。しかし、アーチファクトの発生
頻度は、フレームレートが高速化したため、M2に比
べて激減した。
これらの、特徴をふまえたうえで、新しいOCT・
Sew up
輝度のばらつき
C7の臨床応用を行っていくのが望ましい。
Fig.2 C7画像
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