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HF Investment Note – APR 2015
© 2015 Harris Fraser Group
ハリス・フレイザー投資ノート – 2015 年 4 月 13 日
概要
3 月のグローバル市場は各国の経済データにバラつきが見られ
たこともあり横ばいとなりました。MSCI ワールド指数は 3 月
に 1.81%の下落となりました(第 1 四半期では 1.82%の上昇)。
米国市場(S&P500 指数)は 1.74%減となり(第 1 四半期では
0.44% の微増)、欧州市場 (STOXX600 指数) は米ドル建てで
2.89%の下落(第 1 四半期では 2.88%増)となった一方で現地通
貨建てでは最高値を更新しました。3 月の日本市場はドル建て
で 0.75%の上昇となりました(第 1 四半期では 9.23%増)。中国
A 株は 14.68%のプラスと最も好調な市場となりましたが(第 1
四半期では 14.75%増),香港市場は横ばいとなりました。ラテ
ンアメリカ市場を示す MSCI LATAM 指数は第 1 四半期に
10.13%の下落となりましたが、MSCI 新興国指数は 2012 年 3
月以来となるプラスを記録した四半期となりました。3 月の債
券市場は低迷を見せ、また商品市場は引き続き最も不調な市
場となりました。
表1
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
表2
市場センチメント
3 月は VIX 指数と弊社のリスクオフ/リスクオン指数の両方が
横ばいとなり、各市場センチメントにバラつきが見えること
が分ります。イエメンの情勢緊迫化により商品市場の不安定
化しました。
ハリス・フレイザーグループ
ハリス・フレイザー投資調査部
シニア投資アナリスト
アンディ・ウォン
訳:
APR 2015
新井
茂
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
免責事項:このレポートは信頼できると考えられる情報に基づいて作成され
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前に通知することなく変更される場合があります。投資はリスクを伴うもの
です。過去の実績は将来の結果を保証するものではありません。本レポート
には投資に伴う全てのリスクを掲載してない場合があります。お客様には必
要に応じて専門家の助言を仰ぐことをお勧めします。
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米国 – ハト派的な 3 月の FOMC
表3
米連邦準備理事会(FRB)が発表した FOMC 声明はハト派的な内容と
なり、経済成長、インフレ率、長期失業率の予測率が引き下げられ
ました。 FRB は声明で利上げに「忍耐強く」との文言を削除しまし
たが、同時に早急に利上げを行うという訳ではないと説明しました。
今後失業率の低下により賃金上昇が予想されることより、利上げの
ペースは遅くなり、9 月に利上げを開始しその後は徐々に金利を引
き上げていくことが予想されます。
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表4
最近発表された経済指標は予想を下回る結果になりました。しかし、
こちらは悪天候やドル高、エネルギー関連企業の資本支出(CAPEX)
の影響によって一時的に引き起こされたものだと考えられ、第 2 四
半期では経済指標が持ち直すと予想されます。
ドルインデックスは米国の金利引き上げを控え現在も上昇トレンド
にあり、最近のドル安傾向はあくまで短期的なものだと考えられま
す。結果、弊社では引き続き他通貨よりもドルを重視しています。
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
特にユーロや円は金融緩和策を取っていることもあり、その差は顕
著になると思われます。
表6
表5
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表7
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欧州 – 英国総選挙の時期迫る
表8
ユーロ安によりユーロ圏の経済データに改善が見られました。
それにより STOXX600 指数は現地通貨建てで最高値を更新し
ました (ただしドル建てでは最高値を大きく下回っています)。
景気は良くなっている一方で、市場センチメントは未だウク
ライナ情勢やギリシャの債務返済の影響を受けています。加
えて、ユーロ圏のマクロ経済の不均衡やフランスやイタリア
と言った EU 加盟国の構造問題も未だ解消されていません。
結果、今後数年に渡り欧州市場の不安定化とユーロ安は続く
と予測されます。
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
5 月 7 日の総選挙を控え、英国株と英ポンドはますます下触
れリスクを高めています。FTSE 指数と英ポンドは短期的に下
降圧力にさらされることになるでしょう。
表9
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表 10
表 11
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表 12
豪州 – 利下げ予想
高水準な失業率、中国の需要減少や商品価格安により豪州の
経済成長はトレンドを下回ることが予想されます。また、豪
州準備銀行 (RBA) が利下げを行うことが予想され、豪ドルは
引き続き下降圧力を受けることになるでしょう。
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表 13
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日本 – 目標値達成 (日経平均 & TOPIX )
表 14
第 1 四半期は多くの経済データが予想を下回る結果となりま
したが、2015 年も日本経済は穏やかな成長を続けると予想し
ています。低水準の失業率(2 月時点で 5.5%)と賃金の伸びが
消費に取って望ましい環境を作るでしょう。
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表 15
インフレ率は未だ低いですが、以前見られたデフレが更なる
デフレを引き起こす「デフレの罠」に陥ることはないと考えて
います。市場の注目は 5 月 29 日に発表されるインフレ率に関
するレポートの結果により 2015 年第 2 四半期に更なる金融緩
和策を取るかどうかという点に集まっています。
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中国 – 市場の立ち直りが続く
表 16
全国人民代表大会(全人代)が開かれた後に市場センチメント
がリスクオンへと変わったため、中国市場の立ち直りは続い
ています。全人代で発表された、GDP 成長目標値、前年比の
固定資産投資の伸び、同小売売上高の伸び、インフレ率目標
値はそれぞれ 7%, 15%, 13%、3%となりました。中国政府は引
き続き公害対策、国有企業改革や金融セクターに力を入れる
でしょう。中国市場は加速する緩和策や金融市場の改革、安
定化した経済成長により今後も支えられていくことが予想さ
れます。
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
一路一帯構想と同時に、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)
設立に向けての前進を見せました。一路一帯構想と AIIB は共
にアジア圏のインフラ整備に資金を投入することになり、中
国の資本の自由化への更なるステップとなるでしょう。
不動産市場の落ち込みへの対策として中国政府は規制の緩和
を行いました。以前不動産を所有していた人が一度それを手
放し、再度不動産を購入する場合に必要な住宅ローンの頭金
の割合が 60%から 40%に引き下げられ、また 2 年以上所有さ
れた不動産の売買に掛かる税金が 5.5%になることが今後予想
されます。これらにより不動産市場は安定化に向かって進む
と考えられます。
表 17
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表 18
上海-香港ストックコネクトと今後開かれる可能性のある深セ
ン- 香港ストックコネクトにより 6 月に行われる MSCI 新興
国指数の組換えの際に中国の割合が引き上げられる可能性が
高まるでしょう。もしそうなれば、中国市場への更なる好材
料となります。
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香港 – 中国の改革による恩恵
表 19
中国保険監督管理委員会(CIRC)が 4 月末より中国保険基金の
香港進行企業向け市場(GEM)への投資を解禁すると発表しま
した。これは香港株式市場にとって好材料となります。
中国 A 株と香港 H 株に未だ価格差が見られる点と割安感より
弊社では引き続き香港 H 株を重視していきます。
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表 21
表 20
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その他の新興国 – 2012 年 3 月以来となるプラスの四半期
表 22
インドの 2015 年度予算は構造改革や中期的成長と言う点では
期待を裏切るものとなりました。それにより、インド株式市
場はマイナスへと転換しました。しかし、弊社ではインド市
場の長期的な展望は楽観的としています。
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ロシア市場は原油価格が安定化したことやウクライナ情勢が
落ち着きを見せたこともあり、過去数ヶ月間好調となりまし
た。引き続きロシア市場については中立的な見通しとしてい
ます。
表 23
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
ブラジルは現在また更なる経済的かつ政治的問題に直面して
います。レアルの下落によりブラジル株式市場は現在全く魅
力のない市場となっています。
台湾株式市場は最近の好調なスマートフォンの販売により恩
恵を受けています。しかし、テクノロジー部門に最近掛かっ
ている圧力を考慮し、中立的だと見ています。また 2016 年初
旬に行われる大統領選は市場のリスクを引き上げる可能性が
考えられます。
表 24
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表 25
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中韓の自由貿易協定(FTA)は韓国の輸出業を押し上げるでしょ
う。さらに韓国中央銀行が利下げを行う可能性も考えられ、
ここ数週間の韓国市場は好調となりました。テクニカル面で
は韓国市場が上値抵抗線を抜けたことにより 5 年間の下降ト
レンドを脱し、勢いに乗っていると思われます。
表 26
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
エネルギー – M&A のタイミング?!
Exhibit 27
現在の原油安の状況はファンダメンタルの優れた企業に取っ
て独立系石油会社を買収し、自社の位置付けを向上させる良
いタイミングだと考えられます。M&A(合併・買収)はエネルギ
ー関連部門の収益成長を促すでしょう。
イエメンでの紛争と他の石油輸出国での地政学的リスクが高
まっていることにより、原油価格の上昇が予想されます。結
果、リスク回避も兼ねてエネルギー関連への投資をポートフ
ォリオに組み込んでおくべきだと考えています。
Date: 10/4/2015 Source: Thomson Reuters, and Harris Fraser Compilations
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