〔実 8 頁〕 公開特許公報(A) (19)日本国特許庁(JP) (12) (11)特許出願公開番号 特開2015-147504 (P2015−147504A) (43)公開日 平成27年8月20日(2015.8.20) (51)Int.Cl. FI テーマコード(参考) B60K 17/30 (2006.01) B60K 17/30 A 2B062 A01C 11/02 (2006.01) A01C 11/02 313C 3D043 F16H 57/04 (2010.01) F16H 57/04 J 3J063 審査請求 未請求 (21)出願番号 特願2014-21416(P2014-21416) (22)出願日 平成26年2月6日(2014.2.6) 請求項の数5 OL (全10頁) (71)出願人 000001052 株式会社クボタ 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47 号 (74)代理人 110001818 特許業務法人R&C (72)発明者 大西 哲平 大阪府堺市堺区石津北町64番地 社クボタ (54)【発明の名称】水田作業機 (57)【要約】 【課題】前伝動ケースと後伝動ケースとの間での潤滑油 循環を上記した如く有利な状態で行わせることができる 状態、かつ、回転数センサーの取付けが可能な状態を後 伝動ケースの製作面で有利に備えさせられる水田作業機 を提供する。 【解決手段】前伝動ケース21と後伝動ケース30とに わたり、前伝動ケース21と後伝動ケース30との間で 潤滑油を循環させる循環管路45,46を接続してある 。循環管路45,46を後伝動ケース30の内部に連通 させる貫通孔47、及び、後輪伝動機構を構成する回転 部材の回転数を検出する回転数センサー50を後伝動ケ ース30に装着する為の取付孔51を、後伝動ケース3 0に機体前方向きに開口する状態で平行に設けてある。 【選択図】図3 株式会 堺製造所内 Fターム(参考) 2B062 AA14 AB01 BA06 3D043 AA06 AB11 CA04 CC02 3J063 AA13 AB01 AB44 AC03 XD03 XD56 XD62 BA11 ( 2 ) JP 1 2015-147504 A 2015.8.20 2 【特許請求の範囲】 【0003】 【請求項1】 従来、たとえば特許文献2に示される乗用型田植機があ 機体の前部に設けられ、前輪伝動機構が内装された前伝 った。この乗用型田植機では、機体の後部に、左右の後 動ケースと、 輪を駆動可能に支持する後車軸ケースが設けられ、後車 前記機体の後部に設けられ、後輪伝動機構が内装された 軸ケースに回転数センサーが固定されている。回転数セ 後伝動ケースとを備え、 ンサーにより、後車軸ケースの内部の伝動ギヤに一体回 前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとにわたり、前記 転自在に固定されたリング部材を検出対象として、後輪 前伝動ケースと前記後伝動ケースとの間で潤滑油を循環 の回転数を検出するように構成されている。 させる循環管路を接続し、 【先行技術文献】 前記循環管路を前記後伝動ケースの内部に連通させる貫 10 【特許文献】 通孔、及び、前記後輪伝動機構を構成する回転部材の回 【0004】 転数を検出する回転数センサーを前記後伝動ケースに装 【特許文献1】特開2009−92169号公報 着する為の取付孔を、前記後伝動ケースに機体前方向き 【特許文献2】特開2011−67209号公報 に開口する状態で平行に設けてある水田作業機。 【発明の概要】 【請求項2】 【発明が解決しようとする課題】 前記機体の前後方向に長手方向を有する機体フレームを 【0005】 備え、 上記した水田作業機において、前伝動ケースと後伝動ケ 前記貫通孔及び前記取付孔は、前記機体フレームよりも ースとの間で潤滑油を循環させる循環管路を前伝動ケー 機体横外側に配置してある請求項1に記載の水田作業機 スと後伝動ケースとにわたって接続するには、循環管路 。 20 を後部伝動ケースの内部に連通させるための貫通孔を後 【請求項3】 部伝動ケースに設ける必要がある。 前記貫通孔と前記取付孔とが機体横方向に並んでいる請 【0006】 求項1又は2に記載の水田作業機。 後輪伝動機構を構成する回転部材の回転数を検出する回 【請求項4】 転数センサーを後伝動ケースに取付けた水田作業機を構 前記取付孔が前記貫通孔よりも機体横外側に位置してい 成するための後伝動ケースと、回転数センサーを備えな る請求項3に記載の水田作業機。 い水田作業機を構成するための後伝動ケースとの共用を 【請求項5】 可能にするには、後伝動ケースとしては、いずれの水田 前記循環管路として、前記前伝動ケースから前記後伝動 作業機に装備されてもよいように、回転数センサーの取 ケースに潤滑油を機体後方向きに流動させる後方向き循 付孔を備えた状態に作製する必要がある。 環管路、及び、前記後伝動ケースから前記前伝動ケース 30 【0007】 に潤滑油を機体前方向きに流動させる前方向き循環管路 循環管路は前伝動ケースと後伝動ケースとにわたって接 を備えている請求項1∼4のいずれか一項に記載の水田 続するものであるため、循環管路を連通させるべく後伝 作業機。 動ケースに設ける貫通孔を、機体前方向きに開口する状 【発明の詳細な説明】 態で形成することにより、循環管路の曲がりを抑制でき 【技術分野】 て潤滑油の流動がスムーズになるなど有利な状態で潤滑 【0001】 油循環を行なわせることができる。 本発明は、機体の前部に設けられ、前輪伝動機構が内装 しかし、回転数センサーの取付けを可能にする従来の技 された前伝動ケースと、前記機体の後部に設けられ、後 術を採用した場合、貫通孔を機体前方向きに開口させる 輪伝動機構が内装された後伝動ケースとを備えた水田作 業機に関する。 のに対し、取付孔を機体上方向きに開口させるため、貫 40 通孔を形成するための穴あけ作業と、取付孔を形成する 【背景技術】 ための穴あけ作業とを行うのに手間が掛かっていた。 【0002】 【0008】 従来、たとえば特許文献1に示される乗用型田植機があ 本発明の目的は、前伝動ケースと後伝動ケースとの間で った。この乗用型田植機では、走行機体における機体フ の潤滑油循環を上記した如く有利な状態で行わせること レームの前部に、左右の前車輪に動力伝達する伝動ケー ができる状態、かつ、回転数センサーの取付けが可能な スが固定され、機体フレームの後部に、後車輪に伝動す 状態を後伝動ケースの製作面で有利に備えさせられる水 る後部伝動ケースが支持されている。伝動ケースと後部 田作業機を提供することにある。 伝動ケースとがハウジングで連通接続され、伝動ケース 【課題を解決するための手段】 と後部伝動ケースとの間での潤滑油の流動が可能に構成 【0009】 されている。 50 本第1発明による水田作業機は、 ( 3 ) JP 2015-147504 A 2015.8.20 3 4 機体の前部に設けられ、前輪伝動機構が内装された前伝 に凸の湾曲形状であるとか、上下長さが短くても、貫通 動ケースと、 孔及び取付孔を機体上下方向に並べるのに比べ、穴あけ 前記機体の後部に設けられ、後輪伝動機構が内装された ドリルを作用させ易いとか、スペースを確保し易いなど 後伝動ケースとを備え、 設けやすい。 前記前伝動ケースと前記後伝動ケースとにわたり、前記 【0016】 前伝動ケースと前記後伝動ケースとの間で潤滑油を循環 本第4発明では、前記取付孔が前記貫通孔よりも機体横 させる循環管路を接続し、 外側に位置している。 前記循環管路を前記後伝動ケースの内部に連通させる貫 【0017】 通孔、及び、前記後輪伝動機構を構成する回転部材の回 回転数センサーを取付けた場合、循環管路よりも回転数 転数を検出する回転数センサーを前記後伝動ケースに装 10 センサーの方のメンテナンスが必要になりがちとなる。 着する為の取付孔を、前記後伝動ケースに機体前方向き 本構成によると、回転数センサーの点検や交換作業を機 に開口する状態で平行に設けてあることを特徴とする。 体横外側から行うのに循環管路が障害になり難くて行な 【0010】 い易い。 本第1発明の構成によると、循環管路を後伝動ケースに 【0018】 対してその機体前方から接続し、循環管路に機体上下方 本第5発明では、前記循環管路として、前記前伝動ケー 向での曲がりを設けなくて済むとかあまり設けなくて済 スから前記後伝動ケースに潤滑油を機体後方向きに流動 む。 させる後方向き循環管路、及び、前記後伝動ケースから 後輪伝動機構を構成する回転部材の回転数を検出する回 前記前伝動ケースに潤滑油を機体前方向きに流動させる 転数センサーの装備が必要ならば、取付孔を使用すれば 前方向き循環管路を備えている。 済み、取付孔を新たに設けずに取り付けられる。 20 【0019】 貫通孔及び取付孔を後伝動ケースに機体前方向きに開口 本構成によると、前伝動ケースと後伝動ケースとの間で する状態で平行に設けてあるから、貫通孔及び取付孔を 循環する潤滑油が後方向き循環管路と前方向き循環管路 設けるのに、貫通孔形成用の穴あけドリルと、取付孔形 とに分かれて流動するから、後伝動ケースに向かう潤滑 成用の穴あけドリルとを平行に準備して一挙に作用させ 油と前伝動ケースに向かう潤滑油とが干渉し合わなくて られるとか、貫通孔形成用の箇所と取付孔形成用の箇所 潤滑油がスムーズに循環し易く、潤滑油の昇温抑制など とにドリルをわずかに移動させるだけで済むなど、貫通 を効果的にできる。 孔及び取付孔を備えた後伝動ケースを製作容易に得られ 【図面の簡単な説明】 る。 【0020】 【0011】 【図1】水田作業機の全体を示す側面図である。 従って、本第1発明によると、前伝動ケースと後伝動ケ 30 【図2】循環管路を示す側面図である。 ースとの間において、機体上下方向の曲がりが無いとか 【図3】循環管路及び回転数センサーを示す平面図であ 少ない循環管路によって潤滑油をスムーズに循環させ、 る。 潤滑油の温度上昇の抑制などを効果的にでき、かつ、回 【図4】後伝動ケースの左端寄り部位の展開状態を示す 転数センサーを必要に応じて備えさせるのに、取付孔を 断面図である。 新たに設けずに済む水田作業機を、後伝動ケースの製作 【図5】後伝動ケースの左端寄り部位を示す縦断側面図 面から安価に得られる。 である。 【0012】 【発明を実施するための形態】 本第2発明では、前記機体の前後方向に長手方向を有す 【0021】 る機体フレームを備え、前記貫通孔及び前記取付孔は、 前記機体フレームよりも機体横外側に配置してある。 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 40 図1は、本発明の実施例に係る水田作業機の全体を示す 【0013】 側面図である。本発明の実施例に係る水田作業機は、左 本構成によると、循環管路や回転数センサーを取付ける 右一対の前車輪1及び左右一対の後車輪2が駆動される のに、機体フレームよりも横外側で作業でき、容易かつ ことによって自走し、左右一対の前車輪1が操向操作さ 迅速に取り付けられる。 れることによって走行向きを変更するよう構成された自 【0014】 走機体を備えている。自走機体の前部には、エンジン3 本第3発明では、前記貫通孔と前記取付孔とが機体横方 aを備えた原動部3を設け、原動部3の両横側に、予備 向に並んでいる。 苗載台装置4を配備してある。自走機体の後部には、運 【0015】 転座席5aを備えた搭乗型の運転部5を設けてある。機 本構成によると、後伝動ケースのうちの貫通孔及び取付 体の後部に苗植付装置10を下降作業状態と上昇非作業 孔を設ける部位の外周形状が機体側面視で機体前方向き 50 状態とに昇降操作できるように連結してある。 ( 4 ) JP 5 2015-147504 A 2015.8.20 6 【0022】 の回転操作によって前輪駆動ケース部24に対して回動 この水田作業機は、苗植付装置10を下降作業状態にし 操作されることにより、操向軸芯まわりに操向操作され て自走機体を走行させることにより、苗植付装置10に る。 より、8条植えが可能な苗植付作業を行なうものである 【0028】 。 左右の前車輪1は、エンジン3aの出力軸からの駆動力 【0023】 が前伝動ケース21に内装してある前輪伝動機構27に 苗植付装置10について説明する。 よって伝達されることにより、駆動されるようになって 苗植付装置10は、自走機体の機体フレーム20から後 いる。 方に上下揺動するように延出されたリンク機構8に支持 【0029】 され、リンク機構8が昇降シリンダ9によって昇降され 10 前輪伝動機構27は、トランスミッションケース部23 ることにより、接地フロート11が圃場面に接地した下 に内装された静油圧式の無段変速装置28及び前輪差動 降作業状態と、接地フロート11が圃場面から高く上昇 機構(図示せず)、左右の前輪駆動ケース部24に内装 した上昇非作業状態とに昇降操作される。苗植付装置1 された機体横向きの回転伝動軸29、前輪支持ケース部 0は、機体横方向に並ぶ複数の接地フロート11、機体 25に内装された機体上下向きの回転伝動軸(図示せず 横方向に並ぶ8つの苗植付機構12、及び一つの苗載台 )を備えている。 13を備えている。苗載台13は、8つの苗植付機構1 【0030】 2に供給するマット状苗を機体横方向に並べて載置する 前輪伝動機構27は、入力プーリ23aによってトラン 苗載置部を備えている。苗載台13は、苗植付機構12 スミッションケース部23に入力されたエンジン3aか の苗植え運動に連動させて機体横方向に往復移送され、 らの駆動力によって無段変速装置28の油圧ポンプ(図 各苗植付機構12がマット状苗の下端部の横方向での一 20 示せず)を駆動し、無段変速装置28の油圧モータ(図 端側から他端側に向けて順次に苗取出しするように、マ 示せず)からの出力を、前輪差動機構から左右の回転伝 ット状苗を苗植付機構12に対して横移動させる。 動軸29に伝達し、この回転伝動軸29から前輪支持ケ 【0024】 ース部25の回転伝動軸を介して前車輪1に伝達する。 自走機体について説明する。 【0031】 図1,2,3に示すように、自走機体は、機体前部を構 左右の後車輪2は、左右一対の機体フレーム20の後端 成する前伝動ケース21、前伝動ケース21の後端部に 部の下方に配備された機体横方向に長い後伝動ケース3 前端部が連結され、機体後部を構成する左右一対の機体 0の横端部に後車軸まわりに回転するように支持されて 前後方向に長い機体フレーム20、左右一対の機体フレ いる。 ーム20から機体上方向きに突設された運転部フレーム 【0032】 22を備えている。左右一対の機体フレーム20の前端 30 トランスミッションケース部23に設けた出力軸23b 部は、前伝動ケース21の後部にステーを装着して構成 の駆動力が回転伝動軸31を介して後伝動ケース30の された支持部21aに連結してある。 入力軸30aに伝達されるように構成してある。左右の 【0025】 後車輪2は、入力軸30aに伝達されたエンジン3aか 前伝動ケース21は、機体横方向での一端部の外側に入 らの駆動力が後伝動ケース30に内装してある後輪伝動 力プーリ23aが装備されたトランスミッションケース 機構32によって伝達されることにより、駆動されるよ 部23、トランスミッションケース部23の左横側部及 うになっている。 び右横側部から機体横外向きに延出された前輪駆動ケー 【0033】 ス部24、左右の前輪駆動ケース部24それぞれの延出 図3,4,5に示すように、後輪伝動機構32は、入力 端部に上端側が支持された前輪支持ケース部25(図1 参照)を備えている。 軸30aの駆動力がベベルギヤ機構を介して伝達される 40 機体横向きの回転伝動軸33、回転伝動軸33の駆動力 【0026】 が入力される操向クラッチ34、操向クラッチ34の出 左右の前輪支持ケース部25それぞれの下端側に前車輪 力を減速して後車軸2aに伝達する減速ギヤ伝動機構3 1を前車軸まわりに回転するように支持してある。従っ 5を備えている。 て、左右の前車輪1は、前伝動ケース21の横端部に前 【0034】 車軸まわりに回転するように支持されている。 図2に示すように、後伝動ケース30は、5リンクサス 【0027】 ペンション型式の支持構造で支持されている。 左右の前輪支持ケース部25は、前輪駆動ケース部24 すなわち、後伝動ケース30は、左右一対のアッパーリ に機体上下向きの操向軸芯まわりに相対回動するように ンク37及び左右一対のロワーリンク38を介して機体 支持されている。左右の前車輪1は、前輪支持ケース部 に支持してある。左右のアッパーリンク37の前端部は 25が運転部5に設けてあるステアリングホィール5b 50 、機体フレーム20に設けた支持部20aに上下揺動自 ( 5 ) JP 2015-147504 A 2015.8.20 7 8 在に連結し、左右のアッパーリンク37の後端部は、後 り込まれ、前方向き循環管路46を前方向きに流動して 伝動ケース30の前部に連結されたブラケット39に上 前方向き循環管路46の前端部46aから前輪駆動ケー 下揺動自在に連結してある。左右のロワーリンク38の ス部24に流入する。 前端部は、前伝動ケース21の支持部21aに上下揺動 【0040】 自在に連結し、左右のロワーリンク38の後端部は、ブ 後方向き循環管路45の後端側の一部45c、及び前方 ラケット39に上下揺動自在に連結してある。後伝動ケ 向き循環管路46の後端側の一部46cは、後伝動ケー ース30と機体フレーム20とにわたり、ラテラルロッ ス30のサスペンション揺動に伴って曲がり変形するよ ド(図示せず)を上下揺動自在に連結してある。 うに可撓性を備えた弾性管によって構成してある。 【0035】 【0041】 ブラケット39の両横側において、ブラケット39に支 10 図3に示すように、後方向き循環管路45を接続する後 持されたスプリング受け40と、機体フレーム20に支 伝動ケース30の貫通孔47は、左の機体フレーム20 持されたスプリング受け41とにわたり、サスペンショ よりも機体左横外側に配置してある。前方向き循環管路 ンバネ42を装着してある。機体フレーム側のスプリン 46を接続する後伝動ケース30の貫通孔47は、右の グ受け41は、サスペンションバネ42を受け止め支持 機体フレーム20よりも機体右横外側に配置してある。 する平板部と、サスペンションバネ42の前後側で平板 【0042】 部に対して機体下方向きに折れ曲がった補強リブ41a 後方向き循環管路45を接続する後伝動ケース30の貫 とを備えている。 通孔47、及び前方向き循環管路46を接続する後伝動 【0036】 ケース30の貫通孔47は、後方向き循環管路45及び 図2,3に示すように、前伝動ケース21と後伝動ケー 前方向き循環管路46を貫通孔47に対して後伝動ケー ス30とにわたり、潤滑油を循環させる循環管路として 20 ス30の前方箇所から後方向きに接続操作できるように の後方向き循環管路45及び前方向き循環管路46を接 、機体前方向きに開口する状態に形成してある。 続し、前伝動ケース21と後伝動ケース30との間で潤 【0043】 滑油を循環させられるように構成してある。 図3に示すように、後伝動ケース30に左右一対の回転 【0037】 数センサー50を取付けてある。図4は、後伝動ケース つまり、後方向き循環管路45の前端部45aは、前伝 30の左端寄り部位の展開状態を示す断面図である。図 動ケース21のトランスミッションケース部23に設け 5は、後伝動ケース30の左端寄り部位を示す縦断側面 た貫通孔に接続し、前伝動ケース21の内部うちの無段 図である。 変速装置28が位置する部位に貫通孔によって連通させ 【0044】 てある。後方向き循環管路45の後端部45bは、後伝 図3,4,5に示すように、左の回転数センサー50は 動ケース30の左端寄り部位に設けた貫通孔47(図4 30 、後伝動ケース30の左端寄り部位に設けた取付孔51 参照)に接続し、この貫通孔47によって後伝動ケース に取付け、後輪伝動機構32を構成する左後車輪用の操 30の内部に連通させてある。 向クラッチ34における出力側の回転部材34aの回転 【0038】 数を左の後車輪2の回転数として検出するように構成し 前方向き循環管路46の前端部46aは、前伝動ケース てある。 21の後方向き循環管路45が接続している横端部とは 【0045】 反対側のトランスミッションケース部23の横端部に連 すなわち、左の回転数センサー50の検出部を、左後車 結している前輪駆動ケース部24に設けた貫通孔に接続 輪用の操向クラッチ34における出力側の回転部材34 し、前伝動ケース21における前輪駆動ケース部24の aに一体回転するように連結したリング部材52に対向 内部に貫通孔によって連通させてある。前方向き循環管 させてある。リング部材52の外周部には、リング部材 路46の後端部46bは、後伝動ケース30の右端寄り 40 52の周方向に所定間隔を空けて並んだ多数の凸部を形 部位に設けた貫通孔47に接続し、この貫通孔47によ 成してある。回転数センサー50は、近接センサー型式 って後伝動ケース30の内部に連通させてある。 のセンサーによって構成し、リング部材52の凸部に対 【0039】 応するパルス信号を発信するように構成してあり、パル すなわち、無段変速装置28に潤滑油を作動油として供 スによって左の後車輪2の回転数を検出できる。 給するチャージポンプPの送り作用により、前伝動ケー 【0046】 ス21に位置する潤滑油が、トランスミッションケース 左の回転数センサー50を取付ける後伝動ケース30の 部23から後方向き循環管路45に送り込まれ、後方向 取付孔51は、左の機体フレーム20よりも機体左横外 き循環管路45を後方向きに流動して貫通孔47から後 側に配置してある。左の回転数センサー50を取付ける 伝動ケース30に流入する。後伝動ケース30に位置す 後伝動ケース30の取付孔51は、後方向き循環管路4 る潤滑油が、貫通孔47から前方向き循環管路46に送 50 5が接続する貫通孔47と一挙に穴あけできるように、 ( 6 ) JP 9 2015-147504 A 2015.8.20 10 機体前方向きに開口する状態に、かつ後方向き循環管路 (3)上記した実施例では、取付孔51が貫通孔47よ 45が接続する貫通孔47に対して平行に並ぶ状態に形 りも機体横外側に位置するよう構成した例を示したが、 成してある。左の回転数センサー50を取付ける後伝動 取付孔51が貫通孔47よりも機体横内側に位置する構 ケース30の取付孔51と、後方向き循環管路45が接 成を採用して実施してもよい。 続する貫通孔47とは、機体横方向に並ぶように、かつ 【0052】 、取付孔51が貫通孔47よりも機体左横外側に位置す (4)上記した実施例では、循環管路として後方向き循 るように配置してある。 環管路45及び前方向き循環管路46を設けた例を示し 【0047】 たが、一つの循環管路によって後伝動ケース30への潤 前方向き循環管路46を接続する後伝動ケース30の貫 滑油の流動、及び前伝動ケース21への潤滑油の流動を 通孔47、右の回転数センサー50、及び右の回転数セ 10 行なわせるように構成して実施してもよい。 ンサー50を取付ける後伝動ケース30の取付孔51の 【0053】 詳細を示す図は省略するが、右の回転数センサー50は (5)上記した実施例では、後方向き循環管路45を自 、左の回転数センサー50と同じ構成を備えている。左 走機体の左側に設け、前方向き循環管路46を自走機体 の回転数センサー50を取付ける後伝動ケース30の取 の右側に設けた例を示したが、後方向き循環管路45を 付孔51は、左の機体フレーム20より機体左横外側に 自走機体の右側に設け、前方向き循環管路46を自走機 位置するのに対し、右の回転数センサー50を取付ける 体の左側に配置して実施してもよい。 後伝動ケース30の取付孔51は、右の機体フレーム2 【0054】 0よりも機体右横外側に位置する点においては、右の回 (6)上記した実施例では、操向クラッチ34の出力側 転数センサー50の取付構成と、左の回転数センサー5 の回転部材34aの回転数を検出する回転数センサー5 0の取付構成とで相違しているが、前方向き循環管路4 20 0を採用した例を示したが、伝動ギヤや回転伝動軸の回 6を接続する後伝動ケース30の貫通孔47及び右の回 転数を検出する回転数センサーを採用して実施してもよ 転数センサー50を取付ける後伝動ケース30の取付孔 い。 51における開口及び配置関係の点においては、右の回 【0055】 転数センサー50の取付構成と、左の回転数センサー5 (7)上記した実施例では、チャージポンプを潤滑油の 0の取付構成とが同じになっている。 循環ポンプに採用した例を示したが、循環専用のポンプ 【0048】 を採用して実施してもよい。 左及び右の回転数センサー50は、操向制御手段を備え 【産業上の利用可能性】 た制御装置53に連係させてある。制御装置53は、左 【0056】 右の回転数センサー50による検出情報を基に左右の後 本発明は、苗植付装置を備えた水田作業機の他、播種装 車輪2の走行距離を検出し、この検出結果を基に左右の 30 置を備えた水田作業機にも利用可能である。 前車輪1を操向制御し、自走機体の畦際旋回を自動的に 【符号の説明】 行わせるものである。 【0057】 【0049】 20 機体フレーム 〔別実施例〕 21 前伝動ケース (1)上記した実施例では、回転数センサー50を装備 27 前輪伝動機構 した例を示したが、後伝動ケース30に取付孔51を設 30 後伝動ケース けるだけで、回転数センサー50を備えないで実施して 32 後輪伝動機構 もよい。この場合、取付孔51をプラグで塞いでおく。 34a 回転部材 【0050】 45 循環油路(後方向き循環油路) (2)上記した実施例では、貫通孔47と取付孔51と 40 46 循環油路(前方向き循環油路) が機体横方向に並ぶよう構成した例を示したが、機体上 47 貫通孔 下方向に並ぶ構成を採用して実施してもよい。 50 回転数センサー 【0051】 51 取付孔 ( 7 ) 【図1】 JP 【図3】 【図2】 【図4】 2015-147504 A 2015.8.20 ( 8 ) 【図5】 JP 2015-147504 A 2015.8.20
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