豚の生レバーの提供が禁止になりました

(公社)福岡市食品衛生協会FAX情報サービス
平成27年6月
186号
豚の生レバーの提供が禁止になりました
平成24年(2012 年)に牛の生レバーの提供が禁止にな
りましたが、今回ついに豚の生レバーについても、牛と同
様に提供禁止の措置が取られることになりました。
厚生労働省は、平成27年6月2日付で「食品、添加物
の規格基準の一部を改正する件について」を通知し、6月
12日よりこの基準が適用されます。
1.なぜ禁止になったのか?
・豚の食肉(内臓を含む)は、牛に比べて細菌・ウイルス・寄生虫等が内部に入り
やすいため、昔から「豚肉はしっかり加熱して食べること」が一般的でした。
・ところが平成24年に牛の生レバーが提供禁止になり、代わりに豚の生レバーの
人気が高まりましたが、厚労省は生食の危険性を訴え注意喚起を行い、関係事業
者には生で提供せず、加熱して食べるよう指導をし続けていました
・豚レバー、イノシシ、鹿肉を生で食べる場合、E型肝炎ウイルスのリスクが高い
ことが知られています。また食中毒菌のカンピロバクターやサルモネラ菌等も常
在していて、豚の生食は大変危険(リスクが高い)なのです
・そこで今回、豚の生レバーが提供禁止の措置がとられることになったわけです
2.具体的には(運用上の注意など)
・今回、生での提供が禁止されるのは、豚レバーだけではありません。「豚の食肉」
が対象で、この中には豚の内臓が全て含まれます。
・「豚の食肉」は食中毒の危険性があるため、食肉販売事業者は、一般消費者に対し
生では食べないよう情報提供や掲示を行うことになりました
・「豚の食肉」の加熱条件は、中心部の温度で63℃30分間以上(もしくはこれと
同等以上)となっています
・この基準には、食肉製品に規定する製品(生ハムなどを含む)は適用されません
3.生レバーの今後の動向は?
・今回の措置により、牛と豚の生レバーは食べられなくなりましたが、馬や鶏のレ
バーは、今のところ規制の対象から外れているので食べることは可能です
・また、野生のイノシシや鹿肉等は「食肉処理業」での取扱いであり、これらの生
レバーを食べることへの規制はありません
・しかし、細菌・ウイルス・寄生虫等のリスクが高いこれらの獣肉及びその内臓を
加熱せずに生で食べることは、非常に危険であり、避けなければなりません