成果論文

赤 外領 域 に 波 長 感 度 帯 を持 つ 大 面積 受 光 素 子 に 関す る研 究
磯村 雅 夫
東海 大学 工 学部 電 気電子 工学科
神奈川県平塚市北金 目 1117
概 要
ー
結 晶性 シ リコ ンゲル マニ ウム(SiGe)薄膜 を用 い た低 コス トの赤外 フ ォ トダイオ ドの作製 を
反応性 スパ ッター 法によ り検討 し、成膜温度 200℃ にお いてす べ て の組成比 の微結晶 SiGe薄 膜
を作製す る こ とに成功 した。 30%未 満 の比較的低 Ge組 成比 にお い て約 100倍 の光感度 を達成
し、本手法 を用 い た SiGe素 子 にお いて始 めて光起電力効果 を確認 した。 また 、Ge組 成 比 50%
∼ 100%に お い ては現在主流であるプ ラズマ CVD法 で作製 した もの よ り高 い 光感度 を示 し、比
較的高 Ge組 成比 ではプ ラズマ CヽOよ
り優れた製法 であることが示唆 された。 しか し、高 い Ge
組成 比では Geの 未結合手欠陥 が増加 し特性低下を招 い て い る可能性 があ り、Ge未 結合手 の低
減 が今後 の主 な課題 である と考 え られ る。
1,は じめに
が 堆積 膜 中 の 組 成 に反 映す る。 このた め均 質 な
本研 究 では 、結晶性 のシ リコンゲル マニ ウム
組 成 を容 易 に 得 る こ とが で き、 SiGeの よ うな
( S i G e ) 又 はゲル マニ ウム ( G e ) 薄 膜 を光活
性 層 とす る フ ォ トダイ オ ー ドをガ ラ ス 等 の 比
全 率 固溶 の 多 元 系材 料 の 作 製 に は 大 変 適 した
較的大型 の基板上 に作製 し、赤外線 二次元セ ン
サ ー 等 の実現 を 目的 とす る。S i G e は 両元素 の
格 子 定数 が 近 い こ とか ら結 晶構 造 を取 りなが
らも任 意 の 組成 を選 べ る稀 な全 率 国溶材 料 で
あ り、 これ はシ リコ ンか らゲルマ ニ ウムの間 で
自由に エ ネ ル ギ ー ギ ャ ップ を選択 出来 る こ と
を示 してい る。入射光 に対 して最適 なエ ネ ル ギ
ー ギ ャ ップが求 め られ る受 光素子 に とつて 大
製 法 で あ る と考 え られ る。
2.実 験 方 法
ー ゲ ッ トを施
図 1に 示す よ うに Si及 び Geタ
した RFマ グネ トロ ンスパ ッタ装置 に ぬピ 及 び
H2を 導 入 し コー ニ ン グ 7059ガ ラ ス 基板 上 に
SiGe膜 を堆積 す る。SiGe膜 の 組 成 比 は Si及 び
Geタ ー ゲ ッ トヘ 投入 す る RF電 力 を変 化 させ
る こ とで制御 して い る ″。
変適 した材料 であ り D 、G e 1 0 0 % の 活性層 を用
作製 した SiGe膜 の 組 成 比 は XPSに よ り測 定
い る とす る と 1 7 0 0 n m 程 度 まで の赤外光 の 光
した 。 結 晶 性 に つ い て は ラ マ ン 分 光 法 に よ り
電変換 が可能 である と考 え られ る。
Ge、 Ge'Ge結
Si‐
Si、Si―
本研 究では、均質 な組成 を持 つ 結晶性 S i G e
合 状 態 を 、 X線
回折
(XRD)に よ り結 晶 方 位 を夫 々評価 した 。ま た 、
を形成す るため、材料 の融点 の違 いが影響 しな
い 非 熱 平衡 プ ロセ ス で あ る反応性 ス パ ッター
一
法 による S i G e 薄 膜 の均 製膜 を検討す る デ。
電 気 特 性 は 二 端 子 法 に よ つ て 測 定 した 暗 導 電
非熱 平衡 の 真 空 プ ロセ ス で は気相 中 の成 膜種
の 白色 光 照射 下 で 測 定 を行 つた 。
が基 板表面 で 固定化 され るため、気相 中の分布
率 と光導電 率 か ら評 価 した 。 尚、光導 電 率 は タ
ン グ ス テ ンハ ロ グ ン ラ ンプ か らの 100mW/cm2
Ge、 飢‐
Ge、 Si‐
Si結 合 の結晶性
範囲 では、Ge‐
ー
の ピ クが組 成 比 に 沿 つて 変化 してい る こ と
が分 か る。600℃ は本実験で用 い た 7059ガ ラス
Arス パ ッター による成
基板 の 限界温度であ り、
S粒撒
鮮酎
電∝押
TMP
H29aS
膜では、石英 な どの高融点基板 を用 い ない限 り
低 Ge組 成比 の結晶化 は難 しい。組成 比に関 し
Ar gas
ては Ge量 が多 くな るほ ど結晶化 に要す る温度
は低 くなる傾 向にあ り、100%Geで は 400℃ 以
下に低下す るが 、Ge量 30%以 下 では 700℃に
図 1 反 応性 スパ ッター 装置 の概略図
3 . 反 応性 スパ ッター による結晶化 温度 の低減
A l ・スパ ッター に よつて 6 0 0 ℃
図 2(a)は
で 作製 した G e 組 成 比 0 ∼ 1 0 0 % の S i G e 薄 膜 の
及 ぶ温度 を要す る。
一方 、図 2(b)は H2/Ar混 合 ガ ス を用 い た
反応性 スパ ッター に よ つ て 200℃ で 作製 した
Ge組 成比 0∼ 100%の SiGe薄 膜 の ラマ ン分光
スペ ク トル を示す。 尚、H2/Ar流 量比 10、ガ
である。 図内に示す x は X P S に よつて 定量 し
ス圧力 10∼20Paで ある。す べ て Ge組 成 比で
結晶性 の ピー クが観測 され 、200℃ で 結晶化 が
た G e 組 成比 を示 している。 G e 1 0 0 % で は高 い
可能である ことが確認 できた。Arス パ ッター に
結晶性 を示 してい るが、G e 組 成比 が減少す る
に つ れ 結 晶性 を示す ピー ク強度 が 低 下 して い
お ける結品化温度 は Ge組 成比 50%以 下 では
600∼700℃であ り、H2/Ar反 応性 スパ ッター に
下 回 る と結晶化が確認 で
く。 G e 組 成比 3 9 0 / 0 を
よって 400℃以上 の結晶化温度低減 に成功 した
Geの 各
Si、Si‐
Ge、 Ge‐
ことになる。 また、前‐
結 晶性 を ラマ ン分 光法 に よ つて評価 した 結果
きず非 品質 の状態 であ るこ とが分 か る。 また、
1 0 0 % の 結品化 が確認 出来 る
Ge組 成比 390/0∼
C tteSt酎
坪
唆 され る。100%Ge及 び Siに 比 べ SiGeの ピー
.
のFoど ︼
含ヤ
嘔, ゼ こ と 一
200
ピー ク強度が XPSよ り求 めた Ge組 成比 に沿 つ
て徐 々 に変 化 してお り、Si及 び Ge原 子 が均 一
な SiGeネ ッ トワー クを構 成 してい ることが示
ク位置 が低波数側 に シフ トして い るの は、合 金
化 に よる ス トレスの影響 また は結 晶粒 の微 細
化 に よる効果 だ と思われ る。
300
400
500
Ramall shR(crl1 1)
(a)
600
200
300
400
Ramattl sH宜
500
600
(Cll1 1)
(b)
4.反 応性 スパ ッター の結晶構造 へ の影響
Arス パ ッター によ り 600℃で 、
図 3(a)は
(b)はH2/Ar反 応性 スパ ッター に よつて 200℃
で作製 した Ge組 成 比 0∼ 100%の SiGe膜 の
XRDパ ター ンで ある。試料 は図 2で 用 いた もの
成 比 0 ∼ 1 0 0 % の S i G e 薄 膜 の ラマ ン分
ー
光 ス ペ ク トル 、 ( a ) は A r ス パ ッタ に よ り 6 0 0 ℃
で 、 ( b ) は H 2 / A r 反 応 性 スパ ッター に よ り 2 0 0 ℃
と夫 々同 じである。600℃の Arス パ ッター では
Ge組 成比 39%以 上 の結晶化 した試 料す べ てに
で 夫 々 作製
お い て ラ ン ダ ム な配 向性 を示 して い る の に 対
図 2 Ge組
(111)
向 とな り、多 い とラ ンダ ム配 向 となる傾 向を示
(220) (3,i)
20
∽
so
●ヨ.
〓︼
分や
0為︶お一
一
.苺 ふの
o
こ中
の
や
︶ ギ ●●
︵
ギFo0一
す。 この特性 を詳 しく検討す るため、比較的低
温で (111)面優先配向を示す 100%Ge及 び Gc
組成比 75%の SiGeの 作製条件 か ら成膜温度 の
み を上昇 させ た際 の影響 を調 べ た。 図 4(a)
は 100%Geの 成膜温度変化 に伴 う XRDパ ター
ンの 変化 を示す。25℃ では全 く観 測 で きな い
(220)配 向 ピー クが温 度 上 昇 とともに頭在化
30
40
50
29(dcgrCC)
(a)
60
20
30
40
50
60
2θ [dcgrCC]
( b )
して き、300℃では ラ ンダ ム配 向 とな つ た。 ま
た、図 4(b)は Ge組 成比 75%の SiGcの場 合
の XRDパ ター ンで 、100℃ではほぼ観測で きな
図 3 G e 組 成比 0 ∼1 0 0 % の S i G e 薄膜 のX R D
パ ター ン、( a ) はA r ス パ ッター によ り6 0 0 ℃で、
( b ) は H 2 / A r 反 応性 スパ ッター により 2 0 0 ℃
化 し 400℃では ランダ ム配 向 とな った。両試料
で夫 々作製
約 100℃の差 があることが分 か る。 おそ らく熱
い (220)配 向 ピー クが温度上昇 とともに顕在
とも酷似 した温度 依存性 を示す が 、温度領域 に
し、 2 0 0 ℃の 反 応 性 ス パ ッタ ー で は ( 1 1 1 ) 面 ヘ
の優 先 配 向 を示 して い る。 これ は A r ス パ ッタ
によ り結晶化が起 こる温 度 が Ge組 成比 で異 な
H 2 / A r 反 応 性 ス パ ッタ ー で は結 晶化機 構
100%Geで はよ り低温で熱 による結晶核生成 の
が 大 き く異 な る こ とを示唆 して い る。お そ ら く
A r ス パ ッタ ー で は基 板 温 度 を起源 とす る熱 エ
影響 を受 け、ラ ンダ ム配向を示す よ うにな るの
ネ ル ギ ー に よ つて ラ ン ダ ム な方 向 に核 形 成 さ
一
れ るこ とが ラ ンダ ム配 向 の原因 と思われ る。
方 、反応性 スパ ッター では水素化 され た成膜種
生成 に 700℃程度必要な 100%Siで は、600℃ま
が表 面 で 水 素脱 離 を伴 い 成 長す る とき放 出 さ
れ る化 学 エ ネ ル ギ ー が 結 晶化 の 起源 で あ り成
よる結晶化 の関与 が示唆 され る。
と
晶 が成長す る ことが ( 1 1 1 ) 面優先配 向 の原因 だ
と思われ る。 また、S i 1 0 0 % か ら G e 1 0 0 % ま で
( 1 1 1 ) 面の ピー ク位置 が徐 々 に移動 してお り、
格 子 定数 が 連続 的 に変 化 して い る こ とを示 し
てい る。 これ は S i または G e の 偏析 がな く均 一
な組成 が得 られて い る ことを示 して い る。
反応性 スパ ッター の G c 1 0 0 % の 試料 にお いて
若干 ( 2 2 0 ) 配 向が見 られ るよ うに、 この優先
一
配 向は G e 組 成比 に も依存 してお り、同 温度
では G e 組 成比 が少 な い程 ほ ど ( 1 1 1 ) 面優先配
で成膜温度 を上げて も (Hl)面 優先配 向を維持
しランダム配 向 とはな らない ことか らも、熱 に
(111)
↓
(220) (311)
↓
↓
、
のoP E
含や
モ ヨ 五 為 ︶と ︼
このため、結晶核 が最 も発生 しやす い方向に結
ではないか と思われ る。 また、熱 による結晶核
o3 五 鷺 ︶と 中
のOP E
分 や一
膜最表面で結 晶核成長 が 起 こる と考 え られ る。
ることに起因 してお り、よ り低温で結晶化す る
20
40
20(dcBrCC)
(a)
図 4 100%Ge薄
60
20
40
60
20(dcgrCC)
(b)
膜 : ( a ) と G e 組 成比 7 5 % の
S i C e 薄 膜 : ( b ) の 成膜温度変化 に伴 う X R D パ
ター ンの変化
5.H2化
学輸送堆積 法
Arの スパ ッター 効果は Si及 び Geを 効率 よ
く気相 へ供給す ることか ら、早 い成膜速度 に貢
ピー クが現れ 、高 い結晶化率 を持 つ ことが分 か
る。 これ らの結果 は化学輸送堆積 法 がμc t S i G e
膜 の 結 品化温度 の低減 と結 晶性 の 向上 に極 め
献 して い る と考 え られ る。 しか し、半導体膜 の
作製 にお いて Artイ オ ンによ る成長表面へ の衝
て有効 であることを示 してお り、A r 十ィォ ンに
撃 は 品質 の 高 い 結 晶成長 を阻害す る要 因 とな
した結果 であると思われ る。
よる衝撃 が な い こ とが 良質 な結 晶成 長 に寄与
つてい る。 そ こで Ar十ィォ ンに よる欠陥生成 を
避 け高 い キャ リア特性 を実現す るため、H2の み
SiGe膜 の作
を用 い た化学輸送堆積法 によるμc‐
製 を試みた '。
6 . キ ャ リア特性 の改善
図 6 は H 2 / A r 反応性 スパ ッター及 び化学輸送
よ り基 板 温度 1 0 0 ∼
堆積 法 ( 水素 1 0 0 % ) に
図 5に 化学輸送堆積 法 に よ り成膜 したGe組
SiGe膜 の ラマ ン分光 スペ ク ト
成 比約40%の μc‐
S i G e 膜 の時導電率 と光導
2 0 0 ℃で成膜 したμc ‐
ル 及 びXRDパ ター ンの 基板温度依存性 を示 し
てお り、双 方 とも 150∼300℃ のす べ て の基板
H 2 1 0 0 % 、 圧力 2 5 ∼1 0 0 P a で 、G e 組 成比 3 0 %
温度 で結晶化 して い る ことを示 して い る。XRD
ではH2/Ar反応性 スパ ッター よ り (111)面優先
配 向 が更 に強 く現れ、同程度 のGe組 成比におけ
るH2/Ar反応性 スパ ッター と比較 して結 晶性 が
電率で あ る。G e 組 成 比 3 0 % 未 満 の試 料 は、
1 0 、圧 力 3 ∼3 0 P a で 作
以上 の試料 は H 2 / A r L ヒ
ー
製 した。比較 のため、A r ス パ ッタ によ り基板
S i G e 膜 の暗導電率 を
温度 6 0 0 ℃で成膜 したμc ‐
同 グラフに示す。す べ て の組成 で A r ス パ ッタ
ー に比 べ 大幅 に低 い 暗導電 率 と光感 度 を示 し
大 き く向上 して い る。半値幅 よ り求 めた粒径 は
H2/Ar反 応性 ス パ ッター が約 13nmで あ るの に
てお り、残留水素 に よつて欠陥が終端 され るこ
対 し、化学輸送堆積法 では約26nmと 拡大 して
い る ことが確認 できた。一 方 、 ラマ ン分光法 で
Si
もH2/Ar反応性 スパ ッター に比 べ よ り鋭 いSi‐
と思われ る。
st_Gc Si― Si
↓
↓
( H l )
(220)
↓
10 I
10-5
400
500
Raman shit(cm 1)
(a)
600
20
30
O●
10-6
10-8
10 9
150℃
300
p型 化
10-4
0
200
■A r
10-2
3
10‐
10-7
│
H/Ar研
比
押〕
8隅
銘”
│
100
O ●
.
∽宮せ o︼
行︼
電 0 0一じ 3 ︻
脅o
中
ニ
︵
増F, ゼじ む︼
│
1 0 1
oJ℃FoO
E Qの︶と 下 ↓
や
︵
Gc―Cc
↓
とで よ り真性 半導体 に近 い 特性 を示 して い る
40
2θ
50
60
(dcgrCC)
(b)
0.2
0.4
0.6
0.8
1
Composition ofSl_xGex
図 6 H 2 / A r 反 応性 スパ ッター及び化学輸送堆
積法 ( 水素 1 0 0 % ) に よ り基板温度 1 0 0 ∼2 0 0 ℃
図 5 化 学 輸 送 堆 積 法 に よ り基 板 温 度 を変 化 さ
S i G e 膜 の暗導電率 と光導電率 ( 比
で成膜 した ぃc ‐
較 のため、A r ス パ ッター に よ り基板温度 6 0 0 ℃で
S i G e 膜 の ラマ
せ 成 膜 した G e 組 成 比約 4 0 % の μc ‐
D パ ター ン : ( b )
ン分 光 ス ペ ク トル : ( a ) 及び 類 も
成膜 した際 の 暗導電 率 と典型 的 なプ ラズマ C V D
に よる暗導電率 と光導電率 の傾 向を示す つ)
化 学 輸 送 堆 積 法 で 作 製 した G c 組 成 比 3 0 % 未
S i G c 膜 で は 大 き く光 感 度 が 改 善 し約
満 の μc ―
1 0 0 倍 の 感 度 が 得 られ た。低 G e 組 成 領 域 で は、
ZnO透 明電極
i型μc―
SiGe
図 中 に 傾 向線 で 示 した 既 に 実 用 化 が進 ん で い
… フェルミ準 位
S i と 遜 色 な い値 で
るプ ラ ズマ C ヽ0 に よるμc ―
り
あ る こ とか ら 、太 陽電 池 をは じめ とす る電 子
一
デ バ イ ス ヘ の 応 用 が 期 待 で き る。 方 、 G e 組
金 属 電極
成 比 を上 昇 させ て い く と光感 度 が 低 下す るが 、
Ge100%で く
) 4 倍 の 光感 度 を維 持 して い る。G e
組 成 比 7 0 % 以 上 で はプ ラ ズマ C h / D が p 型 化 に
よ る暗 導 電 率 の 上 昇 と光 感 度 消 失 を示 す の に
対 し、 H 2 A r 反 応 性 ス パ ッター で は G e 組 成 比
1 0 0 % ま で p 型 化 抑 制 と光感 度 を維 持 して お り、
高 G e 領 域 に限 つて は現 在 主流 で あ るプ ラ ズマ
C ヽO よ
り優 れ た 製 法 で あ る こ とが示 唆 され る。
ー
図 7 試 作 した 光電 変換 素子 の エ ネ ル ギ バ ン
ド構 造
V特 性 か ら算 出
I‐
V特 性 を示す。図内 の表 は I‐
した各 光電変換特性 の値 である。 尚、照射光 は
100 mW/cm2の 自色光 である。す べ て の素子 で
光起電力特性 が確認 されてお り、本手法 を用 い
これ らの 改 善 は 、作製 温度 の 低 温化 に よる水
SiGc素 子 では初 めて の報告 である。 しか
たμc―
素 脱 離 の 抑 制 と水 素 流 量 比 増 加 及 び 高 圧 力 化
SiGe膜 内に
に よ る原 子 状 水 素 の 高密 度 化 が μc ‐
Siで は開放電圧
しなが ら、Ge組 成比 0%の μc―
短絡電流(Jsc)が9.60mttcm2、
(N/oOが0.271V、
残 留 す る水 素 原 子 を増 や した こ とで 欠 陥 の 終
曲線因子(FF)が 0.452、変換 効率(efflが1.18%
端 効 果 が よ り顕 著 に な っ た こ とに起 因 して い
SiCc
であ ったのに対 し、Ge組 成 比 15%の μc―
では各特性 が夫 々0.223V、6.74mA/cm2、o.455、
る と考 え られ る。
0.68%に 低下、Ge組 成比 0.34%で は夫 々が更
化 学 輸 送 堆 積 法 に よ り作 製 した 比較 的低 G e
310/0に
167V、4.70mA/cm2、o.395、0。
低減
に 0。
した。 Ge組 成 比増加 による Wbcの 低下はエ ネ
S i G e 膜 で は実 際 に太 陽電 池 に応 用
組 成 比 の μc ―
ル ギ ー ギ ャ ップの縮 小 に伴 うもので 予想 され
7 , 光 電 変 換 素 子 の試 作
S i に相 当す
され て い るプ ラ ズマ C V D に よ るμc ‐
る高 い 光感 度 が 得 られ た た め ' 、 これ らを用 い
た光電 変換 素 子 の試 作 を試 み た 。素子 の 構 造 は、
Z n O 透 明導 電 膜 を コー テ ィ ン グ した ガ ラ ス 基
板 上 に p i n 構 造 を形 成 し、 ガ ラ ス を通 して 光 を
入 射 す る ス ー パ ー ス トレー ト型 で あ る。図 7 に
光起 電 力 素子 の エ ネ ル ギ
ー バ ン ド図 を示す。 p
る ことであるが 、Iscに 関 しては本来であれ ば
光吸収量 の増加 に よ り向上す る必要 がある。 こ
の結果 は Ge組 成 比 を増加す る こ とに よ つて
餓Ge薄 膜 の 品質 が低下 して い る ことを示 し
μc‐
てお り、欠陥密度 の増加 による光 生成 キャ リア
の再結合、キ ャ リア移動度 の低下等 が原因 と し
て考 え られ る。微結晶材料 では結 晶粒 が小 さく
c‐
S i 層 に つ い て は プ ラ ズマ C ヽ0 に よ
及び n ttμ
多 くの粒界未結合手欠陥 が存在す るため、成膜
り形 成 し、活性 層 で あ る i 層 を化 学 輸 送堆 積 法
時に残留す る水素原子 (H)に よる欠陥終端 が
ー
不可欠である。Geと Hの 結合 エネ ル ギ が Si
に よ り形 成 した 。i 層 の 膜 厚 を約 3 0 0 n m と して
G e 組 成 比 を 0 ∼ 3 4 % の 間 で 変 化 させ た。 図 8
は試 作 した 光 電 変 換 素 子 の 光 照 射 下 に お け る
と Hに 比 べ小 さくことか ら、おそ らく Geで は
この欠陥終端 が Siに 比 べ うま く機能 して い な
光 電 変換 素子試 作 の 結果 か ら、高 Ge組 成 比
14
ShⅢGexlD
″c―
組成
12
x・015
X=0
4
ヽ ■
ヽ ﹂
6
2
、、 中
﹁
ヽ
︻
一
!
一
一
一
一
8
宝Er
ぐEo
」
sc(mA/cm2)
0
02
960
て い る可能性 が あ り、Ge未 結 合 手 の 低 減 が 今
0452
031
後 の 主 な課 題 で あ る と考 え られ る。
以 上 に示す よ うな課 題 は残 る もの の 、特 殊材
料 ガ ス な どの 危 険 性 の 高 い 原 料 を用 い な い 手
法 に よ り、大 面積 且 つ 低 コ ス トな赤 外 光受 光 素
04
06
08
Vげ )
図 8 Ge組
で は Geの 未 結 合 手欠 陥 が 増 加 し、光 生成 キ ャ
リア の 再結 合 、 キ ャ リア移 動 度 の 低 下等 を招 い
0223
Voc(V)
10
xi0 34
子 作製 に可能性 を示 す 結果 で あ り、今 後 の 展 開
に期 待 した い 。
成 比 を変化 させ化学輸送堆積法
(水索 100%)に
SiGe及 び
よ り作 製 した μc‐
参考文献
V特 性 、図内の
Si光電変換素子の光照射下 I‐
μc‐
V特 性 よ り求めた各種光電変換特性値
表は I‐
1)M.Isomura)K.Nakahata, M.Shima,
S.Taira,K.Wakisaka,単
′A/1ater.&Sol.Cells
い 可能 性 が あ り、今 後 は高 Ge組 成 比 にお け る
Kiyama,Sol.Ener働
Geの 未 結 合 手欠 陥 の 低 減 が主 な課 題 で あ る と
考 え られ る 。。
74,519‐ 524(2002).
2)I.Nakamura,■
狂
.Tanaka and S.
2句よi,H.Abe,D.Hoshi)
M.Isomura,Vacuum,80,712-715(2006).
3)H.Kawauchi, ■
8。 ま とめ
k主, I.Nakamura,
p専 主
H2/Ar反 応 性 ス パ ッタ ー に よ り、す べ て の 組
.輸 ndo,
N質. Isomura,「 n MIatsui, and 酌 生
SiGe膜 を成 膜 温 度 200℃ で 作製 す る
成 比 の μc‐
θdtattθ Soユar ttRθ4霊/
2■sけタ
ワ″Fqρθ2,Phο レ
こ とに成 功 した 。 Ge組 成 比 に 依 存 す るが 、 こ
の 結 果 は Arス パ ッター 法 に比 べ 結 晶性 SiGe
勧 腕
薄 膜 の 作製 温 度 を 200∼ 500℃ 低 減 した こ とを
2006).
4)■ Matsui,M.Kondo,K.Ogata,■
示 して い る。
and MI. Isomura, Appl.Phys. Lett. 89,
化 学輸 送 堆 積 法 (水素 100%)で は Ge組 成
比 30%未 満 にお い て 、 素 子 へ の 応 用 が可 能 な
142115(2006).
約 100倍 の 光 感 度 を達 成 し、試 作 した 光電 変
換 素 子 か ら光 起 電 力 効 果 を確 認 す る こ とが 出
SiGc素 子
来 た 。 この 結 果 は本 手 法 を用 い た μc―
で は 初 めて の 報 告 で あ る。
H2/Ar反 応 性 ス パ ッタ ー で は Ge組 威 比 50%
∼ 100%に お い て 、現 在 主 流 の 製 膜 法 で あ るプ
ラ ズマ CVDに
よる も の に比 べ 高 い 光感 度 を維
持 してお り、高 Ge組 成 比 に限 つて は プ ラ ズマ
Ch/Dよ り優 れ た 製 法 で あ る こ とが示 唆 され る。
8,
"θθ(Dresden,Gerlnany,Sep.4‐
5)K.Yamamoto,」
Ozawa
SAP Internationa1 7,2003,
12.
6)K.Nakahata,M,Isomura and K.WVakisaka,
Solid State Phenomena 93(2003)231.