特 許 公 報 特許第5756570号

〔実 10 頁〕
特 許 公 報(B2)
(19)日本国特許庁(JP)
(12)
(11)特許番号
特許第5756570号
(45)発行日
(P5756570)
(24)登録日 平成27年6月5日(2015.6.5)
平成27年7月29日(2015.7.29)
(51)Int.Cl.
FI
A01B 39/22
(2006.01)
A01B
39/22
A01B 39/18
(2006.01)
A01B
39/18
D
A01D 34/68
(2006.01)
A01D
34/68
C
請求項の数6
(21)出願番号
特願2014-524662(P2014-524662)
(全14頁)
(73)特許権者 506381957
(86)(22)出願日
平成25年3月21日(2013.3.21)
平城商事株式会社
(86)国際出願番号
PCT/JP2013/058025
福岡県久留米市上津1丁目10−35
(87)国際公開番号
WO2014/010269
(87)国際公開日
平成26年1月16日(2014.1.16)
審査請求日
平成26年11月21日(2014.11.21)
(31)優先権主張番号
特願2012-171469(P2012-171469)
(32)優先日
平成24年7月13日(2012.7.13)
(33)優先権主張国
日本国(JP)
(73)特許権者 512201085
北原ウェルテック株式会社
福岡県久留米市宮ノ陣4丁目6−8
(74)代理人 100114627
弁理士
有吉 修一朗
(74)代理人 100182501
弁理士
早期審査対象出願
森田 靖之
(74)代理人 100190975
弁理士
遠藤 聡子
(74)代理人 100194984
弁理士
梶原 圭太
最終頁に続く
(54)【発明の名称】保護カバーおよび除草機
1
2
(57)【特許請求の範囲】
向する後側に向けて、かつ、同後側とは反対側に向けて
【請求項1】
揺動可能に前記前縁部に取付けられた
天板部と、
請求項1に記載の保護カバー。
該天板部の第1の側方縁部から突出し、かつ、一端の突
【請求項3】
出高さが他端の突出高さより大きい第1の側板部と、
前記第1の側板部の一端および前記第2の側板部の同第
該第1の側板部が突出した前記第1の側方縁部と対向す
1の側板部の一端に対応する位置の端部にはそれぞれ、
る第2の側方縁部から、同第1の側板部と同じ方向に突
同第1の側板部の他端とは反対方向および同第2の側板
出し、かつ、同第1の側板部の一端に対応する位置の端
部の同第1の側板部の他端に対応する位置の端部とは反
部の突出高さが、同第1の側板部の他端に対応する位置
対方向に湾曲した第1の湾曲部が形成され、
の端部の突出高さより大きい第2の側板部と、
10
前記第1の側板部の一端および前記第2の側板部の同第
前記第1の側板部の一端から同第1の側板部の一端に対
1の側板部の一端に対応する位置の端部にはそれぞれ、
応する位置の前記第2の側板部の端部にまで及ぶ前記天
同第1の側板部の一端の突出方向および同第2の側板部
板部の縁部である前縁部に取付けられ、かつ、同前縁部
の同第1の側板部の一端に対応する位置の端部の突出方
に取付けられた側とは反対側に凹凸部が形成された前面
向に湾曲し、かつ、前記第1の湾曲部と連続した第2の
板部とを備え、
湾曲部が形成された
除草機に取付けられる
請求項1に記載の保護カバー。
保護カバー。
【請求項4】
【請求項2】
前記天板部の前縁部と対向する後側から、前記第1の側
前記前面板部は、前記凹凸部が前記天板部の前縁部と対
板部の突出方向および前記第2の側板部の突出方向とは
( 2 )
JP
3
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斜め反対方向に突出した突出片部と、
こうした中、様々な除草機が提案されている。例えば特
該突出片部にスライド可能に取付けられたスライド板部
許文献1には、図8に示すような除草機が記載されてい
とを備える
る。
請求項1に記載の保護カバー。
すなわち、特許文献1に記載された除草機100は、接
【請求項5】
地板101と、接地板101の後方に位置する回転撹拌
前記スライド板部は、前記突出片部に沿って取付けられ
体102と、回転撹拌体102の後方に位置する回転埋
た第1の領域と、該第1の領域の前記突出片部と接する
没体107とを備える。
側との間の角度を鋭角にして、同第1の領域の、前記後
【0005】
側に向いた側とは反対側から延出した第2の領域とを有
する
また、接地板101と、回転撹拌体102と、回転埋没
10
体107とは、外枠106に取付けられている。また、
請求項4に記載の保護カバー。
外枠106には、柄105が取付けられている。また、
【請求項6】
回転埋没体107の外周には埋没刃103が設けられて
天板部と、該天板部の第1の側方縁部から突出し、かつ
いる。
、一端の突出高さが他端の突出高さより大きい第1の側
【0006】
板部と、該第1の側板部が突出した前記第1の側方縁部
また、柄105を押して除草機100を前進させると、
と対向する第2の側方縁部から、同第1の側板部と同じ
回転撹拌体102は回転して水田土壌を水と一緒に柔ら
方向に突出し、かつ、同第1の側板部の一端に対応する
かく砕く。同時に回転する回転埋没体107の外周の埋
位置の端部の突出高さが、同第1の側板部の他端に対応
没刃103によって、草を土中に埋没させる。
する位置の端部の突出高さより大きい第2の側板部と、
【先行技術文献】
前記第1の側板部の一端から同第1の側板部の一端に対 20
【特許文献】
応する位置の前記第2の側板部の端部にまで及ぶ前記天
【0007】
板部の縁部である前縁部に取付けられ、かつ、同前縁部
【特許文献1】特開平8−140408号公報
に取付けられた側とは反対側に凹凸部が形成された前面
【発明の概要】
板部とを有する保護カバーと、
【発明が解決しようとする課題】
駆動源の動力を伝える伝動軸を有する操作桿と、
【0008】
該操作桿に取付けられ、かつ、前記天板部と、前記第1
しかしながら、特許文献1に記載された除草機は、回転
の側板部と、前記第2の側板部と、前記前面板部とで形
撹拌体や回転埋没体が土壌から受ける反発力が必ずしも
成された空間に配置可能であり、さらに前記伝動軸が伝
一定ではないので、除草機全体が振り回されて除草作業
える動力で回転可能であり、刃部を有する回転体とを備
に支障をきたすおそれがあった。
える
30
【0009】
除草機。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、除
【発明の詳細な説明】
草機に取付けられて除草作業中の除草機の動きを円滑に
【技術分野】
することができる保護カバー、および除草作業中の動き
【0001】
が円滑である除草機を提供することを目的とする。
本発明は保護カバーおよび除草機に関する。詳しくは、
【課題を解決するための手段】
例えば除草機に取付けられる保護カバーおよび保護カバ
【0010】
ーが取付けられた除草機に係るものである。
上記の目的を達成するために、本発明の保護カバーは、
【背景技術】
天板部と、該天板部の第1の側方縁部から突出し、かつ
【0002】
、一端の突出高さが他端の突出高さより大きい第1の側
農地に生えた望ましくない草を除去する方法はいくつか 40
板部と、該第1の側板部が突出した前記第1の側方縁部
ある。
と対向する第2の側方縁部から、同第1の側板部と同じ
例えば、狭い範囲であれば、人が鎌などを使って刈る方
方向に突出し、かつ、同第1の側板部の一端に対応する
法や、広い範囲であれば、人が機械を使って刈る方法が
位置の端部の突出高さが、同第1の側板部の他端に対応
ある。
する位置の端部の突出高さより大きい第2の側板部と、
【0003】
前記第1の側板部の一端から同第1の側板部の一端に対
その他にも、除草剤を草に散布し、すべての草または対
応する位置の前記第2の側板部の端部にまで及ぶ前記天
象とした草だけを枯死させる方法もある。しかし、除草
板部の縁部である前縁部に取付けられ、かつ、同前縁部
剤が土壌に残留して環境を汚染したり、地下水に溶け込
に取付けられた側とは反対側に凹凸部が形成された前面
み汚染したりすることもある。
板部とを備える。
【0004】
50
【0011】
( 3 )
JP
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6
ここで、天板部の第1の側方縁部から突出した第1の側
【0019】
板部、および第1の側方縁部と対向する第2の側方縁部
また、本発明の保護カバーは、天板部の前縁部と対向す
から突出した第2の側板部によって、土壌へ食い込ませ
る後側から、第1の側板部の突出方向および第2の側板
ることができる。
部の突出方向とは斜め反対方向に突出した突出片部と、
【0012】
突出片部にスライド可能に取付けられたスライド板部と
また、第1の側板部の一端の突出高さが他端の突出高さ
を備えるものとすることができる。
より大きいこと、および第1の側板部の一端に対応する
【0020】
位置の第2の側板部の端部の突出高さが、第1の側板部
この場合、スライド板部をスライドさせて、第1の側板
の他端に対応する位置の第2の側板部の端部の突出高さ
部の突出方向および第2の側板部の突出方向とは斜め反
より大きいことによって、第1の側板部の一端および第 10
対方向における長さを調節できる。
1の側板部の一端に対応する位置の第2の側板部の端部
【0021】
を、より深く土壌へ食い込ませることができる。
また、本発明の保護カバーにおいて、スライド板部は、
【0013】
突出片部に沿って取付けられた第1の領域と、第1の領
また、第1の側板部の一端から第1の側板部の一端に対
域の突出片部と接する側との間の角度を鋭角にして、第
応する位置の第2の側板部の端部にまで及ぶ天板部の縁
1の領域の、後側に向いた側とは反対側から延出した第
部である前縁部に取付けられた前面板部によって、除草
2の領域とを有するものとすることができる。
機の回転体が飛ばす土片の外部への飛散を抑制できる。
【0022】
【0014】
この場合、第1の領域の突出片部と接する側との間の角
また、前面板部の、前縁部に取付けられた側とは反対側
度を鋭角にして第2の領域が第1の領域から延出してい
に形成された凹凸部によって、土壌から受ける反発力を 20
るので、突出片部に沿ってスライドする領域を第1の領
抑えることができる。
域に制限することができる。
【0015】
【0023】
また、本発明の保護カバーにおいて、前面板部は、凹凸
また、上記の目的を達成するために、本発明の除草機は
部が天板部の前縁部と対向する後側に向けて、かつ、後
、天板部と、該天板部の第1の側方縁部から突出し、か
側とは反対側に向けて揺動可能に前縁部に取付けられた
つ、一端の突出高さが他端の突出高さより大きい第1の
ものとすることができる。
側板部と、該第1の側板部が突出した前記第1の側方縁
【0016】
部と対向する第2の側方縁部から、同第1の側板部と同
この場合、土壌から受ける反発力を揺動(スイング)に
じ方向に突出し、かつ、同第1の側板部の一端に対応す
よって受け流すことができる。
る位置の端部の突出高さが、同第1の側板部の他端に対
【0017】
30
応する位置の端部の突出高さより大きい第2の側板部と
また、本発明の保護カバーにおいて、第1の側板部の一
、前記第1の側板部の一端から同第1の側板部の一端に
端および第2の側板部の第1の側板部の一端に対応する
対応する位置の前記第2の側板部の端部にまで及ぶ前記
位置の端部にはそれぞれ、第1の側板部の他端とは反対
天板部の縁部である前縁部に取付けられ、かつ、同前縁
方向および第2の側板部の第1の側板部の他端に対応す
部に取付けられた側とは反対側に凹凸部が形成された前
る位置の端部とは反対方向に湾曲した第1の湾曲部が形
面板部とを有する保護カバーと、駆動源の動力を伝える
成され、第1の側板部の一端および第2の側板部の第1
伝動軸を有する操作桿と、該操作桿に取付けられ、かつ
の側板部の一端に対応する位置の端部にはそれぞれ、第
、前記天板部と、前記第1の側板部と、前記第2の側板
1の側板部の一端の突出方向および第2の側板部の第1
部と、前記前面板部とで形成された空間に配置可能であ
の側板部の一端に対応する位置の端部の突出方向に湾曲
り、さらに前記伝動軸が伝える動力で回転可能であり、
し、かつ、第1の湾曲部と連続した第2の湾曲部が形成 40
刃部を有する回転体とを備える。
されたものとすることができる。
【0024】
【0018】
ここで、天板部の第1の側方縁部から突出した第1の側
この場合、第1の側板部の一端および第2の側板部の第
板部、および第1の側方縁部と対向する第2の側方縁部
1の側板部の一端に対応する位置の端部が土壌へ食い込
から突出した第2の側板部によって、土壌へ食い込ませ
むときの抵抗を湾曲部が低減するので、さらに土壌へ食
ることができる。
い込ませやすくすることができる。
【0025】
また、第1の側板部の一端および第2の側板部の第1の
また、第1の側板部の一端の突出高さが他端の突出高さ
側板部の一端に対応する位置の端部が土壌中を移動する
より大きいこと、および第1の側板部の一端に対応する
ときの抵抗も湾曲部が低減するので、除草機の推進を助
位置の第2の側板部の端部の突出高さが、第1の側板部
けることができる。
50
の他端に対応する位置の第2の側板部の端部の突出高さ
( 4 )
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8
より大きいことによって、第1の側板部の一端および第
図1は、本発明を適用した保護カバーの第1の実施態様
1の側板部の一端に対応する位置の第2の側板部の端部
を示す概略上方斜視図である。
を、より深く土壌へ食い込ませることができる。
また、図2は、本発明を適用した保護カバーの第1の実
【0026】
施態様を示す概略下方斜視図である。
また、第1の側板部の一端から第1の側板部の一端に対
【0033】
応する位置の第2の側板部の端部にまで及ぶ天板部の縁
図1に示す本発明の保護カバー1は、開口部2Aが形成
部である前縁部に取付けられた前面板部によって、除草
された天板部2を備える。
機の回転体が飛ばす土片の外部への飛散を抑制できる。
【0034】
【0027】
また、本発明の保護カバー1は、第1の側板部3を備え
また、前面板部の、前縁部に取付けられた側とは反対側 10
る。
に形成された凹凸部によって、土壌から受ける反発力を
また、第1の側板部3は、天板部2の第1の側方縁部か
抑えることができる。
ら突出している。さらに、第1の側板部3の一端3Aの
【0028】
突出高さは、第1の側板部3の他端3Bの突出高さより
また、駆動源の動力を伝える伝動軸を有する操作桿によ
大きい。
って、除草作業者は操作桿を把持して除草作業を行なう
【0035】
ことができる。
また、本発明の保護カバー1は、第2の側板部4を備え
【0029】
る。
また、伝動軸が伝える動力で回転可能であり、刃部を有
また、第2の側板部4は、第1の側板部3が突出した第
する回転体によって、整地を行なうことができ、かつ、
1の側方縁部と対向する第2の側方縁部から、第1の側
除草すなわち草を刈ることができる。
20
板部3と同じ方向に突出している。
【発明の効果】
さらに、第1の側板部3の一端3Aに対応する位置の端
【0030】
部(すなわち、第2の側板部4の一端4A)の突出高さ
本発明に係る保護カバーは、除草機に取付けられて除草
が、第1の側板部3の他端3Bに対応する位置の端部(
作業中の除草機の動きを円滑にすることができる。
すなわち、第2の側板部4の他端4B)の突出高さより
本発明に係る除草機は、除草作業中の動きが円滑である
大きい。
。
【0036】
【図面の簡単な説明】
また、本発明の保護カバー1は、前面板部5を備える。
【0031】
また、前面板部5は、第1の側板部3の一端3Aから第
【図1】本発明を適用した保護カバーの第1の実施態様
2の側板部4の一端4Aにまで及ぶ天板部2の縁部であ
を示す概略上方斜視図である。
30
る前縁部2Bにヒンジ部6を介して取付けられている。
【図2】本発明を適用した保護カバーの第1の実施態様
【0037】
を示す概略下方斜視図である。
また、前面板部5は、第1の側板部3および第2の側板
【図3】本発明を適用した保護カバーの第2の実施態様
部4の突出方向と同じ方向に突出して前縁部2Bに取付
を示す概略側面図(a)と、本発明を適用した保護カバ
けられている。
ーの第2の実施態様の概略正面図(b)と、本発明を適
また、前面板部5の、前縁部2Bに取付けられた側とは
用した保護カバーの第2の実施態様の概略背面図(c)
反対側に凸部5Aと凹部5Bが形成されている。
である。
【0038】
【図4】図1に示す保護カバーを備えた、本発明を適用
また、前面板部5は、天板部2の前縁部2Bにヒンジ部
した除草機の一例を示す概略図である。
6を介して取付けられているので、凸部5Aと凹部5B
【図5】図4に示す本発明を適用した除草機の概略部分 40
が前縁部2Bと対向する後側2Cに向けて、かつ、後側
拡大図である。
2Cとは反対側に向けて揺動(スイング)できる。
【図6】図4に示す本発明を適用した除草機の概略部分
【0039】
断面図である。
また、第1の側板部3の一端3Aおよび第2の側板部4
【図7】図1に示す保護カバーが伸びた状態の本発明を
の一端4Aにはそれぞれ、第1の側板部3の他端3Bと
適用した除草機の概略部分拡大図である。
は反対方向および第2の側板部4の他端4Bとは反対方
【図8】従来の除草機を示す概略図である。
向に湾曲した第1の湾曲部26が形成されている。
【発明を実施するための形態】
【0040】
【0032】
また、第1の側板部3の一端3Aおよび第2の側板部4
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら
の一端4Aにはそれぞれ、第1の側板部3の一端3Aの
説明し、本発明の理解に供する。
50
突出方向および第2の側板部4の一端4Aの突出方向に
( 5 )
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10
湾曲した第2の湾曲部27が形成されている。
また、ボルト穴11Aの位置は第2の貫通長穴8Dの位
【0041】
置と対応している。
また、第1の湾曲部26と第2の湾曲部27とは連続し
【0051】
ている。
また、取付け部材11は、次のようにしてスライド板部
【0042】
8の第2の領域8Bに取付けられている。
また、本発明の保護カバー1は、突出片部7を備える。
すなわち、ボルト穴11Aと第2の貫通長穴8Dに、ネ
突出片部7は、天板部2の前縁部2Bと対向する後側2
ジ山が形成された締め付けボルト12が挿通されている
Cから、第1の側板部3の突出方向および第2の側板部
。
4の突出方向とは斜め反対方向に突出している。
【0043】
【0052】
10
また、図2に示すように、第2の領域8Bの取付け部材
また、本発明の保護カバー1は、突出片部7にスライド
11が取付けられた側とは反対側に、板状ナット13が
可能に取付けられたスライド板部8を備える。
一対の第2の貫通長穴8Dの両方に亘って配置されてい
【0044】
る。
また、スライド板部8は、突出片部7に沿って取付けら
【0053】
れた第1の領域8Aを有する。
また、板状ナット13の、一対の第2の貫通長穴8Dと
また、スライド板部8は、第2の領域8Bを有する。第
対応する位置に一対の貫通孔13Aが形成されている。
2の領域8Bは、第1の領域8Aの突出片部7と接する
また、貫通孔13A内にはネジ溝が形成されている。
側との間の角度を鋭角にして、第1の領域8Aの、後側
【0054】
2Cに向いた側とは反対側から延出している。
そして、締め付けボルト12が板状ナット13の貫通孔
【0045】
20
13Aに挿通され、締め付けボルト12のネジ山と貫通
また、突出片部7には、一対の貫通孔7Aが形成されて
孔13Aのネジ溝とが係合し、取付け部材11はスライ
いる。
ド板部8の第2の領域8Bに取付けられる。
また、突出片部7のスライド板部8と接する側とは反対
【0055】
側に一対の六角ナット10が固着されている。
また、取付け部材11の略中央部がアーチ状に形成され
また、六角ナット10は、内側にネジ溝が形成されてい
ているので、スライド板部8の第2の領域8Bとの間に
る。
空間を形成できる。この空間に、除草機の操作桿が挿通
【0046】
され、本発明の保護カバー1を除草機に取付けることが
また、六角ナット10は、貫通孔7Aの内径と略同じ内
できる。
径を有する。
【0056】
また、六角ナット10は、貫通孔7Aの中心と同心状に 30
ここで、必ずしも第1の側板部の一端および第2の側板
配置されている。
部の一端にはそれぞれ、第1の湾曲部および第2の湾曲
【0047】
部が形成されていなくてもよい。
また、スライド板部8の第1の領域8Aの、一対の貫通
しかし、第1の湾曲部や第2の湾曲部が形成されていれ
孔7Aと対応する位置に一対の第1の貫通長穴8Cが形
ば、第1の側板部の一端および第2の側板部の一端が土
成されている。
壌へ食い込むときの抵抗を湾曲部が低減するので、さら
また、外側表面にネジ山が形成された止めボルト9が第
に土壌へ食い込ませやすくすることができ、好ましい。
1の貫通長穴8Cと貫通孔7Aに挿通され、さらに、貫
【0057】
通孔7Aの中心と同心状に配置された六角ナット10に
図3は、本発明を適用した保護カバーの第2の実施態様
挿通されている。
【0048】
を示す概略側面図(a)と、本発明を適用した保護カバ
40
ーの第2の実施態様の概略正面図(b)と、本発明を適
そして、止めボルト9のネジ山と六角ナット10のネジ
用した保護カバーの第2の実施態様の概略背面図(c)
溝とが係合し、突出片部7とスライド板部8の第1の領
である。
域8Aとが止めボルト9で締め付けられ、固定される。
【0058】
【0049】
図3(a)、図3(b)および図3(c)に示す本発明
また、スライド板部8の第2の領域8Bには、一対の第
の保護カバー31は、開口部(図示せず。)が形成され
2の貫通長穴8Dが形成されている。
た天板部32を備える。
【0050】
【0059】
また、略中央部がアーチ状に形成され、かつ、両側部に
また、本発明の保護カバー31は、第1の側板部33を
ボルト穴11Aが形成された取付け部材11が、スライ
備える。
ド板部8の第2の領域8Bに取付けられている。
50
また、第1の側板部33は、天板部32の第1の側方縁
( 6 )
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部から突出している。さらに、第1の側板部33の一端
図4に示す本発明の除草機14は、エンジン(駆動源の
33Aの突出高さは、第1の側板部33の他端33Bの
一例である。)15を備える。
突出高さより大きい。
ここで、エンジン15は、除草作業者の肩に掛けること
【0060】
ができる構成となっている。
また、本発明の保護カバー31は、第2の側板部34を
また、本発明の除草機14は、他の駆動源として、電動
備える。
モータを備えることもできる。
また、第2の側板部34は、第1の側板部33が突出し
【0068】
た第1の側方縁部と対向する第2の側方縁部から、第1
また、本発明の除草機14は、一端がエンジン15に連
の側板部33と同じ方向に突出している。
結された操作桿16を備える。
さらに、第1の側板部33の一端33Aに対応する位置 10
また、操作桿16の内部の空間を通って伝動軸21が延
の端部(すなわち、第2の側板部34の一端34A)の
びている。また、伝動軸21の一端は、エンジン15の
突出高さが、第1の側板部33の他端33Bに対応する
動力を伝動可能にエンジン15に連結されている。
位置の端部(すなわち、第2の側板部34の他端34B
【0069】
)の突出高さより大きい。
また、本発明の除草機14は、操作桿16の他端に連結
【0061】
された駆動ボックス16Aを備える。
また、本発明の保護カバー31は、前面板部35を備え
また、図6に示すように、操作桿16の内部の空間と駆
る。
動ボックス16Aの内部の空間とは連通している。
また、前面板部35は、第1の側板部33の一端33A
【0070】
から第2の側板部34の一端34Aにまで及ぶ天板部2
また、伝動軸21の他端には、第1の傘歯車22が設け
の縁部である前縁部32Bと、第1の側板部33の一端 20
られている。
33Aと、第2の側板部34の一端34Aとに取付けら
また、駆動ボックス16Aの内部の空間には、駆動軸2
れている。
3が配置されている。また、駆動軸23の上端には、第
【0062】
2の傘歯車24が設けられている。
また、前面板部35は、第1の側板部33および第2の
【0071】
側板部34の突出方向と同じ方向に突出して前縁部32
また、第1の傘歯車22と第2の傘歯車24とが互いに
Bに取付けられている。
噛み合っている。従って、伝動軸21に伝えられたエン
また、前面板部35の、前縁部2Bに取付けられた側と
ジン15の動力が、第1の傘歯車22と第2の傘歯車2
は反対側に凸部35Aと凹部35Bが形成されている。
4とを介して駆動軸23に伝えられる。
【0063】
【0072】
また、第1の側板部33の一端33Aおよび第2の側板 30
また、本発明の除草機14は、取付け部材11を用いて
部34の一端34Aにはそれぞれ、第1の側板部33の
操作桿16に取付けられた、図1に示す本発明の保護カ
他端33Bとは反対方向および第2の側板部34の他端
バー1を備える。
34Bとは反対方向に湾曲した第1の湾曲部36が形成
すなわち、本発明の保護カバー1が有するスライド板部
されている。
8の第2の領域8Bと、取付け部材11のアーチ形状の
【0064】
略中央部との間に形成された空間に操作桿16が挿通さ
また、第1の側板部33の一端33Aおよび第2の側板
れている。
部34の一端34Aにはそれぞれ、第1の側板部33の
【0073】
一端33Aの突出方向および第2の側板部34の一端3
また、駆動ボックス16Aの下部は、本発明の保護カバ
4Aの突出方向に湾曲した第2の湾曲部37が形成され
ている。
ー1が有する天板部2に形成された開口部2Aに挿通さ
40
れている。
【0065】
また、駆動ボックス16Aの下部は開放されている。
また、第1の湾曲部36と第2の湾曲部27とは連続し
【0074】
ている。
また、本発明の除草機14は、駆動ボックス16Aを介
【0066】
して操作桿16の他端に取付けられた回転体17を備え
図4は、図1に示す保護カバーを備えた、本発明を適用
る。
した除草機の一例を示す概略図である。
また、回転体17は、保護カバー1の天板部2と、第1
また、図5は、図4に示す本発明を適用した除草機の概
の側板部3と、第2の側板部4と、前面板部5とで形成
略部分拡大図である。また、図6は、図4に示す本発明
された空間に配置されている。
を適用した除草機の概略部分断面図である。
【0075】
【0067】
50
ここで、回転体17は、天板部2と、第1の側板部3と
( 7 )
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、第2の側板部4と、前面板部5とに接触しないように
本発明の保護カバー1を伸ばすことで、回転体17の回
配置されている。
転位置よりもさらに下方に、第1の側板部3の一端3A
【0076】
(および第2の側板部4の一端4A)を位置させること
また、回転体17の上面には開口部が形成されており、
ができ、より深く第1の側板部3の一端3A(および第
この開口部に取付けボルト25が挿通され、駆動軸23
2の側板部4の一端4A)を土壌19に食い込ませるこ
の下部に回転体17が取付けられている。
とができる。
【0077】
【0086】
また、回転体17は、3つの刃部18を有する。また、
以上のように、本発明の保護カバーは、天板部の第1の
刃部18の形状は台形である。
側方縁部から突出した第1の側板部、および第1の側方
また、台形の刃部18の上底辺と下底辺とを結ぶ一対の 10
縁部と対向する第2の側方縁部から突出した第2の側板
脚辺のうち一方の脚辺は、上底辺および下底辺に対して
部を備えているので、第1の側板部および第2の側板部
略直交している。
を土壌へ食い込ませることができる。
【0078】
【0087】
また、他方の脚辺は、上底辺および下底辺に対して傾斜
また、土壌に食い込むことで、第1の側板部と第2の側
している。
板部が土壌に拘束され、土壌から受けた反発力に基づく
また、傾斜した脚辺は研がれている。
振り回しを抑制できる。
【0079】
【0088】
次に、回転体17の回転機構を説明する。
従って、本発明の保護カバーは、除草機に取付けられて
エンジン15の動力による伝動軸21の回転は、第1の
除草作業中の除草機の動きを円滑にすることができる。
傘歯車22と第2の傘歯車24を介して駆動軸23に伝 20
また、本発明の除草機は、このような保護カバーを備え
えられる。
ているので、除草作業中の動きが円滑である。
【0080】
【0089】
すると、駆動軸23は回転し、駆動軸23の下部に取付
また、第1の側板部および第2の側板部が土壌に食い込
けられた回転体17も回転する。
むことで、雑草を根元から除去しやすくなり、また、簡
【0081】
単な耕うんも行なうことができるので、農作物にとって
そして、回転体17が回転することで、土壌19を整地
好ましい。
し、かつ、草20を刈る。
【0090】
【0082】
また、本発明の保護カバーは、第1の側板部の一端から
なお、回転体が、伝動軸が伝える動力で回転可能であり
第1の側板部の一端に対応する位置の第2の側板部の端
、刃部を有していれば、必ずしも刃部の形状は台形でな 30
部にまで及ぶ天板部の縁部である前縁部に取付けられた
くてもよく、例えば長方形でもよい。また、必ずしも刃
前面板部を備えているので、除草機の回転体が飛ばす土
部の数は3つでなくてもよく、2つであったり、4つ以
片の外部への飛散を抑制できる。
上であったりしてもよい。
【0091】
【0083】
また、除草機の回転体が飛ばす土片は農作物を傷めてし
図7は、図1に示す保護カバーが伸びた状態の本発明を
まう。
適用した除草機の概略部分拡大図である。
従って、このような前面板部がない保護カバーを取付け
本発明の保護カバー1の全長を伸ばしたり、全長を縮め
た除草機の方が、このような前面板部を備えた保護カバ
たりする場合、一対の止めボルト9の頭部が一対の六角
ーを取付けた除草機よりも多く土片を外部へ飛ばしてし
ナット10から離れる方向に止めボルト9を回転させる
まい、農作物を傷めてしまいやすい。
。すると、突出片部7とスライド板部8の第1の領域8 40
【0092】
Aとの締め付けが解除される。
また、本発明の保護カバーが備える前面板部の、前縁部
【0084】
に取付けられた側とは反対側に凹凸部が形成されている
次に、スライド板部8をスライドさせる。
ので、土壌から受ける反発力を抑えることができる。
そして、突出片部7とスライド板部8の第1の領域8A
【0093】
とを締め付けて固定したい位置において、一対の止めボ
また、回転体と土壌との間の距離が、土壌に食い込んだ
ルト9の頭部が一対の六角ナット10に近づく方向に止
保護カバーによって固定されるので、均一な刈高で除草
めボルト9を回転させる。
を行なうことができる。
すると、突出片部7とスライド板部8の第1の領域8A
【符号の説明】
とが止めボルト9で締め付けられる。
【0094】
【0085】
50
1
保護カバー
( 8 )
JP
15
16
2
天板部
13A
貫通孔
2A
開口部
14
除草機
2B
前縁部
15
エンジン
2C
後側
16
操作桿
3
第1の側板部
16A
駆動ボックス
3A
第1の側板部の一端
17
回転体
3B
第1の側板部の他端
18
刃部
4
第2の側板部
19
土壌
4A
第2の側板部の一端
20
草
4B
第2の側板部の他端
21
伝動軸
5
前面板部
22
第1の傘歯車
5A
凸部
23
駆動軸
5B
凹部
24
第2の傘歯車
6
ヒンジ部
25
取付けボルト
7
突出片部
26
第1の湾曲部
7A
貫通孔
27
第2の湾曲部
8
スライド板部
31
保護カバー
8A
第1の領域
32
天板部
8B
第2の領域
33
第1の側板部
8C
第1の貫通長穴
33A
第1の側板部の一端
8D
第2の貫通長穴
33B
第1の側板部の他端
9
止めボルト
10
20
34
第2の側板部
10
六角ナット
34A
第2の側板部の一端
11
取付け部材
34B
第2の側板部の他端
11A
ボルト穴
35
前面板部
12
締め付けボルト
36
第1の湾曲部
13
板状ナット
37
第2の湾曲部
【図1】
【図2】
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B2
2015.7.29
( 9 )
【図3】
JP
5756570
B2
2015.7.29
【図5】
【図6】
【図7】
【図4】
【図8】
────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
( 10 )
(72)発明者
平城
賢三
福岡県久留米市上津1丁目10−35
(72)発明者
金澤
福岡県久留米市上津1丁目10−35
(72)発明者
北原
(56)参考文献
石川
平城商事株式会社内
将裕
福岡県久留米市宮ノ陣4丁目6−8
審査官
平城商事株式会社内
雅治
北原ウェルテック株式会社内
信也
特開2010−154824(JP,A)
登録実用新案第3144196(JP,U)
実開平06−000001(JP,U)
特開平08−140408(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A01B
27/00−31/00
A01B
35/00−49/06
A01D
34/68
JP
5756570
B2
2015.7.29