Dante Virtual Soundcard の対応

Dante Virtual Soundcard Ver. 3.7.4.2 に関する対応と問題
これまで、S&K Audio では Dante Virtual Soundcard(以下 DVS)に安定性とスペッ
クに関連する問題があるため、S&K Audio の音楽再生ソフトウェアである MPP.NET
でのサポートを中止していました。
この度、Dante Network の開発元である Audinate 社から、DVS の新しいバージョ
ン ”Ver. 3.7.4.2” がリリースされましたので、S&K Audio ではこの新しいバージョン
の評価を行いました。そして、その評価結果から、下記のような制限事項をご報告した
上で、DVS Ver. 3.7.4.2 を MPP.NET でサポートすることとしました。
DVS Ver. 3.7.4.2 は、Windows10 のリリースに合わせて、Windows10 に対応するバー
ジョンとしてリリースされました。
DVS Ver. 3.7.4.2 には、従来通り、WDM モードと ASIO モードがあり、使用するアプ
リケーションに合わせてモードを選択する必要があります。S&K Audio の MPP.NET
は ASIO 形式の API を利用して動作するため、DVS を ASIO モードに設定する必要が
あります。
ASIO モードでの DVS は、44100Hz、48000Hz、88200Hz、96000Hz、176400Hz、
192000Hz のサンプリング周波数で動作します。サンプリング周波数によって、同時に
利用できる IO チャンネル数が変化しますが、176400Hz、192000Hz というサンプリ
ング周波数では、8IO (4 ステレオ IO)というスペックとなります。
従来の DVS では、起動時にネットワークに関連するエラーが発生するなどの問題があ
りましたが、DVS Ver. 3.7.4.2 では解消されており、安定性という面では向上がみられ
ます。ただし、PC に依存して、スペックを満たさない事例がありますので、それを既
知の問題としてご報告します。
DVS Ver. 3.7.4.2 を ASIO モードで、176400Hz もしくは 192000Hz というサンプリン
グ周波数で動作させた場合、8IO(4 ステレオ IO)を実現できない場合あります。現象と
しては、再生音が途切れ途切れになるというものです。この現象は、全ての PC で起き
るものではありません。S&K Audio では7台の PC で確認した結果、1台のみで発生
しました。
この現象は、DVS に接続する IO 数を減らすことで解消します。S&K Audio での事例
では、入力を2ステレオに限定すれば、4つのステレオ出力を得ることができました。
この問題は PC に依存するため、解決には時間がかかることが予想されます。一方で、
DVS は PCIe カードを使用した Dante PC Adapter よりもはるかに安価な製品である
ため、Dante Network の導入と普及を促進する効果が期待できます。そのため、この
ような既知の問題を公表することで、DVS Ver. 3.7.4.2 の MPP.NET でのサポートを
開始することとしました。176400Hz もしくは 192000Hz というサンプリング周波数で
複数の IO をご検討の方は、従来通り、PCIe カードによる Dante PC Adapter をお勧
めします。
2015 年 10 月 30 日
S&K Audio