ファイル再生アプリケーションを ASIO 経由で MPP.DSP と接続する方法 MPP.DSP には標準で Virtual Audio Cable(VAC)というドライバーが付属します。この ドライバーを利用することで、Windows 上で動作する音楽再生アプリケーションの出力を MPP.DSP に導くことができます。VAC は WDM ドライバーとしてインストールされるた め、Windows の Audio Engine の介入を避けるには WASAPI の排他モードで利用する必 要があります。一方、音楽再生ソフトウェアーには出力 API として ASIO をサポートする ものがあります。ASIO も WASAPI の排他モード同様に、Windows の Audio Engine の 影響を受けません。 ASIO をサポートする音楽再生ソフトウェアーの中で、固定のサンプリング周波数に変換 する機能をもつものがあります。例えば、foobar2000 や JRiver Media Center のような アプリケーションです。これらのアプリケーションと Dante Virtual Soundcard(DVS)を 組み合わせることで、ファイル再生アプリケーションの出力を ASIO 経由で、MPP.DSP に渡すことが可能となります。 Windows PC foobar2000 JRiver サンプルレート変換 ASIO Dante Virtual Soundcard MPP.DSP ASIO Dante PCIe-R VT-EtXXX LAN 図1 図1にファイル再生アプリケーションと MPP.DSP を ASIO で接続する場合の信号の流 れを示しました。 PC を Dante Network を接続するには、ハードウェアーである Dante PCIe-R かソフト ウェアー版の DVS を使う必要があります。IO スペックを考慮し、MPP.DSP では Dante PCIe-R を使用することになっています。 一方、ファイル再生アプリケーションではステ レオ出力のみであることを考えると、DVS を利用できる可能性があります。但し、DVS も Dante PCIe-R 同様に、簡単にサンプリング周波数を変更することはできません。DVS のサンプリング周波数を変えても、接続先の機器のサンプリング周波数が変わらないから です。そのため、ファイル再生アプリケーション側で、システムのサンプリング周波数に 変換する必要があります。 音楽データは DVS を経由して Dante Network に出力されます。そのデータを Dante PCIe-R の入力として受信します。MPP.DSP 上では、外部入力の1つとしてこのデータを 選択します。なお、このシステムを実現するには、PC の LAN と PCIe-R の LAN をスイ ッチングハブで接続する必要があります。もちろん、2 台の PC を使ってこのシステムを 構築することも可能です。 このようなシステム構成例を見ると、Dante Network がいかに柔軟なシステムであるか がわかります。 *Dante Virtual Soundcard は Audinate 社の Web サイトから購入できます。
© Copyright 2024 ExpyDoc