平成 27年度研究助成事業の対象について

平成27年4月1日
(一社)日本砕石協会
平成 27年度研究助成事業の対象について
平成27年度研究助成事業については、本年1月20日から2月28日までホームペ
ージで公募したところ6件の応募があり、3月に研究助成選考委員会を開催し、公正な
選考・審査の結果、以下の3件を助成対象候補とすることとした。
(順不同)
〇研究題目 :砕石微粉を活用した高流動コンクリートの耐久性評価に関する研究
研究申請者:広島工業大学 教授 十河 茂幸
研究概要 :高流動コンクリートは、単位粉体量が多く必要であり、結合材のみでこ
れを構成すると過剰に強度発現し、温度上昇量が高く、温度応力や自己収
縮を主因とするひび割れが発生する確率が高くなる。この研究は、結合材
の一部を砕石微粉に置き換えることで砕石微粉の活用を図り、砕石、砕砂、
砕石微粉だけの骨材で高流動コンクリートを製造し、その耐久性能を評価
確認することを目標とする。
〇研究題目 :砕砂の粒子形状観察と細骨材としての性状評価に関する研究
研究申請者:岩手大学 助教 鴨志田 直人
研究概要 :砕砂の粒子形状の定量化方法としてスキャナーによる円形度計測を行い、
次に砕砂の細骨材としての性状評価として実積率・流動性の計測を行う。
そして、円形度と実積率・流動性の関係を調査する。将来的にはフレッ
シュコンクリートの求める性能を有する砕砂の開発を目指す。
〇研究題目
:固体核磁共鳴法(NMR)を用いたアルカリシリカ反応の迅速判定方法に関
する研究-早期性 ASR におけるアルカリシリカゲルの膨張メカニズムの
解明に関する研究
研究申請者:北海道大学・大学院・工学研究院 教授 名和 豊春
研究概要 :平成 26 年度に、固体核磁共鳴法(NMR)を用いて、従来の方法では対処でき
なかった遅延性反応骨材に由来する ASR 劣化の評価を行い、遅延性 ASR
を示す骨材では Ca イオン共存下で C-S-H を生成し、その生成の開始する
遅速がモルタル法の膨張挙動の遅延と合致していることが判明した。平成
27 年度は、固体核磁共鳴法(NMR)を用いて、早期性 ASR でのアルカリシリ
カゲルの膨張メカニズムの解明を行い、その膨張メカニズムを明らかにし、
その結果と、昨年度研究した遅延性 ASR の膨張メカニズムを比較すること
により、ASR の膨張メカニズムの整理を行い、統一的な骨材だけによる ASR
反応性判定試験結果の構築を図るものである。