あんず通信 平成 24 年 1 月 今月はビタミンの一種である葉酸についてのお話です。葉酸は「妊婦さんの ビタミン」という印象が強いですが、実は幅広い年代の方に摂っていただきた いビタミンの一つなのです。 □葉酸とは 葉酸は水に溶ける水溶性のビタミンの一つでビタミンB群の仲間です。 ホウレンソウなど緑の葉に多く含まれるためこの名がつきました。 □どんな働きをするのか DNAの分裂、増殖、成熟に重要な役割を果たします。 □欠乏するとどうなるのか ・巨赤芽球性貧血という悪性の貧血になることがあります。 (葉酸はビタミンB12と協力して赤血球を作るのでビタミンB12が不足しても 巨赤芽球性貧血になります。) ・妊婦さんが不足した状態にあると、胎児の神経管の発育不全(脊椎二分症や 無脳症など)が起こることがあります。 ・口内炎、舌炎などの消化管粘膜に障害が出る事があります。 ・動脈硬化や動脈血栓が起こり、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが 増加します。 ・発がんのリスクが増加します。(葉酸には大腸がんなどの前がん状態から がんへの移行を防ぐと言われています。 ) □どんな食品に多く含まれているのか 葉酸は名前の通り植物の緑の葉の部分に多く含まれています。ホウレンソウ、 春菊、ブロッコリー、アスパラガス、白菜、レタス、カリフラワー等に多い ので積極的に食べましょう。その他イチゴや夏みかん等の果物類、さつま芋、 日本かぼちゃ、大豆などにも多く含まれます。 □どのくらい取ったら良いのか 通常時は 1 日240マイクログラムを摂取すれば不足することはありません。 国民健康・栄養調査結果から日本人の平均摂取状況は十分な量であることか ら、通常の食生活では摂取不足による欠乏の心配はほとんどありません。た だし、妊娠時には 1 日 400 マイクログラムもの葉酸が必要になります。上 限としては 1 日 1000 マイクログラムまで問題はないようです。 サプリメントなども利用して不足しないよう心がけたいものですね。
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