第13回 国際悪性リンパ腫会議 Lugano, Switzerland, June 17-20, 2015 SESSION 5 – T-CELL LYMPHOMA #075 初発stage IVおよび再発・難治性節外性NK/T細胞リンパ腫、 鼻型 に対するSMILE療法の第Ⅱ相試験の5年追跡結果 5-year Follow-up of the SMILE Phase II Study for Newly-diagnosed Stage IV, Relapsed or Refractory Extranodal NK/T-cell Lymphoma, Nasal Type Ritsuro Suzuki, et al., Cancer Center, Shimane University, Izumo, Japan Quick Review 節外性NK/T細胞リンパ腫、 鼻型 (ENKL) はまれな疾患で、 有効な治療法が確立していない。 初発stage Ⅳおよび再発・難治性ENKL患者に対す PR 13例) であり、 1年 るSMILE療法(図1) の第Ⅱ相試験では、 プライマリーエンドポイントである2サイクル施行後の奏効率は79% (CR 17例、 生存率 (OS) は55%と以前の治療に比べ良好であることが報告されている1)。 今回は同試験の5年追跡結果が報告された。 ● ENKL患者38例 (初発stage Ⅳ 20例、初回再発14例、難治性4例)に対してSMILE療法2サイクルを行い、後治療として医師の選 択でSMILE療法の継続後に他の化学療法を実施、他の化学療法に切り替え、自家造血細胞移植(auto-SCT)、同種造血細胞移植 (allo-SCT)が施行された1)。 ● 前回の解析後、 晩期再発3例(うち1例は不確定)、死亡2例(原疾患による死亡1例、慢性GVHDによる死亡1例)が認められた。 ● 5年OSは47% (95% CI:31-62)、5年無増悪生存率(PFS)は39%(95% CI:24-54)であった(図2、3)。 ● 疾患状態別OSは再発、 初発stage Ⅳ、難治性の順に良好で、後治療別OSはauto-SCT、 allo-SCT、 化学療法の順に良好であった (図4) 。 ● 初発stage Ⅳの生存患者9例中6例にallo-SCTが施行されていた。 結論:ENKL患者に対するSMILE療法の長期有効性が確認された。SMILE療法実施時のauto-SCTの重要性については、さらなる研究で 確認する必要がある。 1) Yamaguchi M, et al. J Clin Oncol 2011; 29: 4410-4416 SMILE療法のレジメン 図1 日 OS 図2 (%) 100 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 4週毎 メトトレキサート 2g/m2 75 ロイコボリン 15mg×4 新たに2例が死亡 全生存率 イホスファミド 1,500mg/m2 50 メスナ 300mg/m2×3 デキサメタゾン 40mg エトポシド 100mg/m2 5年OS: 47% (95% CI: 31-62) 25 L-アスパラギナーゼ 6,000U/m2 G-CSF* 0 *6日以降、白血球数5,000/μL超になるまで投与 PFS 図3 0 2 4 期間 6 8 (年) 8 (年) 後治療別OS 図4 (%) 100 (%) 100 auto-SCT 全生存率 75 無増悪生存率 75 再発 慢性GVHDによる死亡 50 0 p=0.12 5年PFS: 39% (95% CI: 24-54) 0 化学療法 25 不確定 25 提供: allo-SCT 50 2 4 期間 6 0 8 (年) 0 2 4 期間 6 ・後治療が化学療法(SMILE療法を含む)の生存患者は6例であり、そのうち3例は限局型でその後 局所再発した症例であり、1例はRT-2/3DeVIC 療法に対して難治性のstageⅠENKLであった。 ・患者は、最大6サイクルのSMILE療法を受けた。 この資材は学会の最新情報を掲載しています。掲載されている薬剤の使用に あたっては各薬剤の添付文書を参照ください。
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