シンポジウムⅠ−1 「Dok-7/MuSKと神経疾患:新しい筋無力症の発見」 本 村 政 勝 長崎大学 大学院 医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 展開医療科学講座 (第一内科) 講師 略歴 1982年 長崎大学医学部卒業、第一内科へ入局。 1993-1995年 英国オックスフォード大学留学。Newsom-Davis教授に師事し、Lambert-Eaton筋無 力症候群のP/Q型カルシウムチャネル抗体測定法を開発した。 2003年 長崎大学院医歯薬学総合研究科、講師となり、現在に至る。 重症筋無力症やLambert-Eaton筋無力症候群の研究を行ないながら、神経筋接合部から新しい標的抗原を 発見することを目標としている。オックスフォード大学のVincent教授と本邦の神経内科医の御協力を得な がら、筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性MG患者の臨床像、神経筋接合部の病態を解析してき ました。現在は、抗MuSK抗体がどうようにして神経症状を引き起こしているかを解明するために、動物モ デル作製を行っています。最近は、東京医科歯科大学の山梨教授らと共同で、神経筋接合部から新しい蛋白、 Dok-7を見つけ、MuSKの活性化因子であることを証明した。その後、Dok-7が先天性筋無力症候群の原因 になることをオックスフォード大学のBeeson教授との共同研究で報告しました。以下に代表論文を列挙し ます。 1. Okada K, Inoue A, Okada M, et al. The muscle protein Dok-7 is essential for neuromuscular synaptogenesis. Science. 312:1802-1805, 2006 2. Beeson D, Higuchi O, Palace J, et al. Dok-7 mutations underlie a neuromuscular junction synaptopathy. Science. 313:1975-1978, 2006 3. Shiraishi H, Motomura M, Yoshimura T, et al. Acetylcholine receptors loss and postsynaptic damage in MuSK antibody-positive myasthenia gravis. Ann Neurol. 57:289-293, 2005 - 22 -
© Copyright 2025 ExpyDoc