Works Discussion Paper No.5 自己決定的な進路選択における高校で

Works Discussion Paper No.5
自己決定的な進路選択における高校での経験学習の検討
辰巳哲子(リクルートワークス研究所)
2015 年 4 月 17 日
要約
大学の選択行動について,自分の意志で選択・決断している人は、高校時代にどのよう
な経験をしているのだろうか。本稿では,この問いを解明すべく、大学時代の 5 つの行動
について,自分の意志による選択の結果かどうかを尋ね,自分の意志による選択経験が多
い人は,高校時代にどのような経験学習をしているのか,その影響を確認した。その際,
大学時代の 5 つの選択行動は,アルバイトの選択,部活・クラブ・サークルの選択,ゼミ・
研究室の選択,進学先・就職先など進路の選択,職業の選択とした。
その結果,自己決定的な進路選択に対して,高校時代の経験学習因子の「自分の意見を
持つ」「セルフマネジメント」「対人スキル」の有意な影響が確認された。詳細を確認する
と,自己決定的進路選択をしている場合,していない場合に比して,「自分の意見を持つ」
「対人スキル」は低い。その一方で,「セルフマネジメント」は高く,自己決定的な進路選
択をおこなっている者はそうでない者に比して,高校での「セルフマネジメント」の経験
学習は,約 1.4 倍おこなわれていた。性別では女性が,中学 3 年生の成績では,上の方であ
ることもプラスに影響していた。
キーワード
自己決定理論、進路選択、経験学習、進学動機
本ディスカッションペーパーの内容や意見は、全て執筆者の個人的見解であり、リクル
ートワークス研究所の見解を示すものではありません。